前の暮らしのストレスを解消。間取りの全面変更で風通しよく〈258〉
Tさんご家族(夫・妻20代、子ども4歳)
埼玉県戸田市 / 築36年 / 70.05㎡ / 総工費1448万円
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共働きのTさんご夫婦は、以前は都心のマンションで暮らしていました。風通しが悪く暗い部屋で、「家にいることがストレス」と感じていたそうです。引っ越しを決めたとき、中古マンションをリノベーションすることを思い立ち「リラックスできる家にしたい」と、ブルースタジオに依頼されました。
今回は物件選びからお手伝いしましたが、子育て環境が整っている少し郊外の場所のマンションを購入されました。購入の決め手は、角部屋で窓がたくさんあること、さらに、周りに公園があって窓からの眺めも良かったことでした。
今回のリノベーションの希望は、個々の場所の変更ではなく、風通しがよくて明るく居心地の良い家にしたいという、家全体のことでした。それならば、間取りの変更から考えられるフルリノベーションがいいと、物件購入時から方向性を相談しながら進めました。
リノベーション前は3LDKだった間取りを、1LDKに。唯一作った個室は寝室ですが、仕切りの引き戸はほぼ開けているので、家全体が大きなワンルームのよう。ここは、将来、子ども部屋になる予定です。
たくさんある窓を生かし、家のどこにいても窓からの眺めが楽しめる間取りになりました。余計な仕切りがなく自然光が入り、明るく風通しがいい空間です。
特に大きな変更になったのは、キッチンの場所です。キッチンに立つと背面に窓があり、そして前面にはリビングの窓が見えます。風景を見ながら料理ができ、さらに、ダイニングやリビングとの一体感が出るように、場所を移動しました。
キッチン設備は、個性的なV字形に。スペースの有効活用と収納の充実を考えたつくりです。「キッチンが家の特徴になりました。実用的で使い勝手もいいんです」と、Tさんご夫婦もお気に入りです。
もう一つ、特徴的なのは玄関近くに作ったワークスペースです。窓が見えるようにデスクを配置し、風景を見ながら作業ができます。床はタイルにし、キッチンまで続いています。
実は、このタイルの床は、キッチンを移動させるために必要になった排水管の場所。床の高さを上げ、排水管を延長しました。通常の床と段差がつきましたが、床材を変えることで、ダイニングやリビングとは雰囲気が変わり、特別な空間になりました。
引っ越し前の家は収納が少なかったので、ウォークインクローゼットの他にも必要な場所に収納を作りました。基本的にオープンにし、ワンアクションで取り出せるように。見栄えも考えることになり、詰め込みすぎ防止にもなります。
例えば、ダイニングには本を飾りながら収納できる本棚、玄関には家族それぞれの上着やバッグがかけられるロッカー、靴を置く棚を造作。ワークスペースには、ご自身で本棚を設置して廊下との仕切りにしました。
リノベーションをして居心地が良くなり、「家にいることが楽しくなった」とTさんご夫婦。「住み始めたら植物を増やしたくなって、色々購入しています」と、新しい楽しみも見つけられたようです。
間取りとリノベーションの写真(写真をクリックすると、次々とご覧いただけます)
Tさんご夫婦に聞く
リノベーションQ&A
Q1 リノベーションで一番大切にしたことは?
以前の暮らしでストレスに感じていたことは、リノベーションをする上で解決したいと思いました。具体的には風通しの悪さです。今は、風通しのいい家になって快適です。また、キッチンの作業スペースが狭かったので、広いキッチンにしたいと思っていました。さらに、物を置く場所がなかったので、収納場所(本棚やファミリーロッカーなど)を作りました。
Q2 家の中でどんなことをしている時間がお気に入りですか?
夫婦:キッチンの背面に窓があり、その近くに椅子を置いています。料理の合間に座ってお酒を飲むのがお気に入り。夫婦一緒にというより、それぞれが料理をすることが多いので、その場所はお料理当番の特権です。
妻:公園が隣で、リビングや寝室に自然光が入るので、お昼寝している時間が気持ちいいんです。
夫:寝室は、将来の子ども部屋にする予定ですが、明け渡したくないぐらいお気に入りの場所です。
Q3 リノベーションをして、生活が変わりましたか?
夫婦:以前は一日中家にいるとストレスを感じていましたが、今は休日でも家で過ごすことが増えました。家の中にいても外を感じるため、健やかな生活になっています。住み始めてから植物を育てたくなり、どんどん増えています。
妻:リノベーション後、夫が学級委員長のように、家の掃除・整頓状況を取りしまるようになりました。
夫:かわいい家になったので、整理整頓して保ちたいという気持ちで、以前より掃除をするようになりました。
構成・大橋史子