クローゼットが家の真ん中に! 好きなものが程よく暮らしに溶け込んで〈255〉
![](https://www.asahicom.jp/and/data/wp-content/uploads/2023/07/top255_001.jpg)
Kさんご家族(夫30代・妻30代・長女5歳)
神奈川県川崎市 / 築21年 / 86.19㎡ / 総工費1000万円
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ファッション関係の仕事をしている、Kさんご夫婦。保育園に通う娘さんを転園させたくないと、都心から程近い元々住んでいたエリアにマンションを購入しました。3LDKで築21年、そのまま住めるような物件だったこともあり、リノベーションしたのはLDK周りの必要な場所だけ。今回は、物件購入もブルースタジオでお手伝いをしたので、プランを考えながら探すことができました。
ご夫婦の希望は、家族でくつろげるLDK、大好きな洋服や小物を収納できる大きめのウォークインクローゼット、ミシンをかけるなどの作業ができるワークスペースと、仕事と暮らしが程よくミックスされた空間。さらに、Kさんはお仕事柄、ファッションの情報をSNSで発信しているので、写真撮影ができるスタジオの役目も担って欲しいとのことでした。
![クローゼットが家の真ん中に! 好きなものが程よく暮らしに溶け込んで〈255〉](https://www.asahicom.jp/and/data/wp-content/uploads/2023/07/re255_020.jpg)
まずは、一番のポイントであるウォークインクローゼットについて相談。以前に住んでいた賃貸の部屋に私たちもお邪魔しましたが、クローゼットが小さすぎて洋服や小物が収まっていませんでした。全てが収納でき、コーディネートしやすい空間にするために、サイズは以前の2倍以上、6畳ほどのスペースに。そして、どこからでも出入りしやすいように、家の真ん中に設置しました。
さらに、隠す場所ではなく、SNSにアップする写真の撮影もできる“見せる場所”になるように、中も整えました。前の家で使っていた妻がDIYした棚を、夫の帽子棚として生かすなど、美しい収納に。洋服好きなお二人にとっては眺めているだけでも楽しい、そんな場所にもなりました。
![クローゼットが家の真ん中に! 好きなものが程よく暮らしに溶け込んで〈255〉](https://www.asahicom.jp/and/data/wp-content/uploads/2023/07/re255_005.jpg)
最近は、寝室などからウォークスルーにするクローゼットも多いのですが、今回は収納力を優先してあえて個室に。できるだけ壁を活用し、収納スペースを最大限にしました。
最後まで悩んだのは、ワークスペースの位置。ウォークインクローゼットと一体化させる、寝室の中に作るなど、色々なプランを考えました。最終的には、LDKの中に作るプランに落ち着きました。キッチンの脇に配置したので、家事をしながら、さらに、子どもの様子を見ながら作業できるオープンなワークスペースになりました。コンパクトですが、ガラスの仕切りを設置することで、ちょうどいい“こもり感”が出ました。
![クローゼットが家の真ん中に! 好きなものが程よく暮らしに溶け込んで〈255〉](https://www.asahicom.jp/and/data/wp-content/uploads/2023/07/re255_016.jpg)
ウォークインクローゼットもワークスペースも、SNSの写真の撮影場所としても使えますが、家の中で一番の“映えスポット”なのがLDKと寝室を仕切るドア。このドアは、妻の会社で販売しているフランスのヴィンテージ。かなり傷んではいましたが、リサイズ、さらにペンキを塗るなどリペアして取り入れました。使いこんだ雰囲気がインテリアのポイントになるだけでなく、写真映えするスポットとして生まれ変わりました。
![クローゼットが家の真ん中に! 好きなものが程よく暮らしに溶け込んで〈255〉](https://www.asahicom.jp/and/data/wp-content/uploads/2023/07/re255_041_024.jpg)
ファッションが仕事を超えて、ライフワークになっているKさんご夫婦。好きなものと暮らしが、ちょうどよく同居する家になりました。
間取りとリノベーションの写真(写真をクリックすると、次々とご覧いただけます)
Kさんご夫婦に聞く
リノベーションQ&A
Q1 今回のリノベーションで一番大切にしたことは?
「自分たちらしさ」は意識しました。自分たちが大切にしていること・ものに関わる部屋や家具にはこだわりを持ち、だからといって背伸びをし過ぎず、自分たちの歩幅に合った家づくりをしていきたいと思っていました。完成後、親族や友人が我が家に来た時に「なるほどね。ですよね、K家だしね」みたいに、納得してもらえたらうれしく感じます。
夫婦ともども服や服飾雑貨に仕事で携わっているので、あらゆる将来性を見据えてウォークインクローゼットを、思い切って部屋の真ん中の一番広いスペースに。見せるクローゼットを意識して作りました。
Q2 リノベーションのプロセスで楽しかったことはありますか?
全ての過程が楽しかったです。リノベーションしなくても住むことができる家が目の前にあるのに、あえて解体し、少しずつ自分たちのしたいことを落とし込んでいく。1カ所ずつ完成していき、徐々に住むことがリアルに想像できるようになり……。ずっとやってみたかったことでもあるので、生涯のうちでこの経験ができたことは本当にうれしく思います。
途中所々完成が想像できずに、選んだものは間違いなかったかと、不安になるところもありました。想像以上のものが完成した時は、一気に愛着も湧き、幸せな気持ちで満たされました。
Q3 設計者には、どんなことを相談しましたか?
着工時から完成直前まで色々相談させていただきました。特に、自分たちだからこその、好きなこと・ものは細かく話をしました。例えば夫婦とも、ワークに集中できるスペースが欲しく配置を悩んでいたのですが、今の配置に至るまで何案も提案してもらいました。最終的に家族の生活に程よく溶け込みながら、集中もできる、私たちにちょうど良いスペースを確保できました。
![クローゼットが家の真ん中に! 好きなものが程よく暮らしに溶け込んで〈255〉](https://www.asahicom.jp/and/data/wp-content/uploads/2023/07/re255_047.jpg)
妻の会社で扱っているヴィンテージのドアを寝室に使用したのですが、昔のものでサイズや状態がパーフェクトではなかったので、実際に実物を一緒に選んでもらい、リサイズ・塗装・ノブの設置などにも細かく対応してもらいました。お陰様で、唯一無二のドアになりました。
構成・大橋史子
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