大地と海の恵みが豊かな鹿児島で、パワーチャージとリフレッシュを
九州の最南端に位置し、多彩な自然が共存する鹿児島県。温暖な気候に恵まれていますが、特に春の鹿児島がおすすめ。霧島エリア、指宿・南九州市エリアでぜひ訪れてほしいスポットに加え、おすすめの体験やグルメなどを、ANAあきんど鹿児島支店長の藤﨑美保さんに教えていただきました。
緑豊かな霧島へ
霧島連山の雄大な自然が広がる霧島。天上界から“霧に煙る海に浮かぶ島”が見えるということから「霧島」という名がつけられたと、古事記で書かれています。2010年には「霧島ジオパーク」として日本ジオパークに認定され、火山が作り出した壮大な地形と大自然の恵みを肌で感じることもできます。
霧島神宮で参拝
南九州最大の神宮である霧島神宮。建国神話の主人公である瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が祀られており、創建6世紀と古い歴史を誇ります。高千穂峰と火常峰(御鉢)の間にある背門丘に建てられたといわれていますが、霧島山の噴火による消失と再建を繰り返し、今の場所に移されたのは500年以上前のこと。現在の社殿は島津氏第21代当主(第4代薩摩藩主)島津吉貴が、1715年に建立・寄進したものです。社殿(本殿、拝殿、幣殿)は、2022年2月に国宝に指定されました。
木々の緑に包まれた表参道を抜けると、晴れた日には桜島や開聞岳などが一望できる展望所のある広場に出ます。三の鳥居の先にある、鮮やかで格調高い朱塗りの社殿は、細部にまで豪華な装飾が凝らされ、「西の日光」とも称されています。
例年、3月下旬から4月上旬にかけて、約200本ものソメイヨシノや八重桜、しだれ桜が咲く桜の名所としても知られています。
霧島神宮
鹿児島県霧島市霧島田口2608-5
☎0995-57-0001
境内の参拝は自由、祈願などの受付や授与所の受付は8:00〜17:00
年中無休
ヘンタ製茶でティーテラス体験
霧島は、全国有数のお茶の生産地としても知られています。鎌倉時代の1320年頃に、ある住職が京都・宇治から茶の種子を持ち帰り、製茶法を伝えたのがはじまりだといわれています。1967年創業のヘンタ製茶は、霧島山麓の標高200~300mに茶畑を持ち、有機栽培を行っています。2022年度にはフランスで行われた日本茶品評会の煎茶普通蒸し部門でグランプリを受賞しました。
ヘンタ製茶では、釜炒りや茶摘みを体験することができ(有料、要予約、茶摘みは4月下旬〜6月下旬)、茶畑の真ん中で淹れたてのお茶が味わえる「ティーテラス」を用意。
今年は新たに、桜の木の下にテラスを作り、桜の時期なら桜とともに茶畑や霧島の山々を眺めながらお茶を味わうことができます。また、4月中旬~5月中旬は新茶の季節なので、輝くような新茶の青葉を堪能できます。茶の芽は2~3番茶もあるため、茶畑鑑賞は8月まで可能。
ヘンタ製茶
鹿児島県霧島市牧園町下中津川 1052
0995 77 2777
平日9:00〜17:00
■釜炒り茶体験
1釜2500円(4人まで)
プラス1000円(1人)で茶摘み体験も可能(4月下旬~6月下旬、天候や茶葉の生育状況によってできない場合もあり)
釜炒り茶は持ち帰り可能(出来上がりが間に合わない場合は後日郵送、送料520円)
■ティーテラス
1時間2500円(1人、最大1組4人まで、1日2組限定)
お茶(自分で淹れる煎茶か、点てる抹茶の茶器セット)とお菓子付き
煎茶と抹茶両方 プラス500円(1人)
延長料金は30分ごとにプラス500円(1人)
※いずれも2週間前までに電話で要予約。未就学児は無料
足を伸ばして、指宿と南九州市へ
鹿児島県の南西部に位置する指宿市と南九州市。鹿児島らしい温暖な気候で、農業も盛ん。豊かな食文化もあります。指宿といえば砂蒸し風呂は外せませんが、ほかにも見どころがたくさんあります。
五感で味わう指宿鰹節体験
自然豊かな錦江湾に面した山川港は、琉球貿易や遠洋漁業の基地として古くから栄えてきました。ここで鰹節の製造が始まったのは、明治時代末期から。全国の鰹節の約7割は鹿児島県で作られており、中でも最高級品といわれる本枯本節の生産量は山川が日本一を誇っています。本枯本節はカビ付けと天日干しを繰り返し行うことで水分を減少させ、旨味を凝縮させた鰹節のこと。「指宿鰹節」は地域団体商標登録され、地域ブランドとしても認定されています。山川港では、鰹節工場見学や削り体験を行うことができるのです。
NPO法人「指宿観光&体験の会」では、「鰹節製造工程見学体験 SDGs持続可能な環境保全!」と題したイベントを随時開催。鰹節製造工場の見学や、氷点下50度の大型冷凍庫入室体験後、本枯節を自ら削る茶ぶしづくりを体験できます。茶ぶしとは、薩摩半島南部に伝わる郷土料理のこと。鰹節と麦味噌に緑茶を注いだ汁物で、疲労回復や二日酔いにぴったり。だしの風味や香りを堪能することができます。
鰹節製造工程見学体験
鹿児島県指宿市山川新栄町9
0993-23-8800(NPO法人「指宿観光&体験の会」)
土日祝、12/28~1/3休み
大人1500円(1人、中学生以上)、小人500円(1人、小学生以下。未就学児以下も同額)
※2日前の17:00までにWebサイトから要予約、1人から催行
砂むし温泉でリラックス
指宿であれば、やはり温泉が充実した宿泊施設に泊まりたいところ。おすすめしたいのは、東京ドーム約4個分もの広大な敷地を誇り、伝統と格式を兼ね備えた日本旅館「砂むし温泉 指宿白水館」。2016年から将棋の対局場となり、竜王戦の名勝負が繰り広げられていることでもおなじみです。
温泉は名物の天然砂むし温泉を筆頭に、銭湯文化が栄えた江戸・元禄時代をモチーフにした元禄風呂、庭園を一望できる松雲風呂、波音が聞こえる露天風呂などとかなりの充実ぶり。元禄風呂は、浮世絵を壁一面に施した浮世風呂や江戸石榴風呂、窯風呂など個性あふれるお風呂を楽しむことができます。指宿温泉は近年、天然の保湿成分といわれるメタケイ酸を多く含む“美肌の湯”であることが明らかになったそう。肌をつるつるにする効果があるカルシウムイオンも多く、湯上がり後の肌触りはしっとり、すべすべに。
砂蒸し風呂は約300年もの昔から続く、世界的にも珍しい入浴方法。浴衣姿で温かい砂の上に寝転び、上から大量の砂を乗せてもらうと、次第に身体がポカポカとしてきます。砂の重さと温泉効果で大量の汗をかき、スッキリとした気分に。元禄風呂と砂蒸し風呂は宿泊者以外も利用可能です。
また、同館滞在中にぜひ訪れたいのは「薩摩伝承館」。白水館の創業者と二代目が、60年にわたって収集した約3000点のコレクションを公開する施設で、薩摩の名品や逸品を展示し、薩摩の歴史を今に伝えています。中でも、「金襴の間」は必見。一万枚の金箔の壁に囲まれ、腰壁の陶板は十五代沈壽官氏作。豪華な空間で、幕末から明治期に海を渡った金襴手薩摩焼の美を堪能することができます。
砂むし温泉 指宿白水館
鹿児島県指宿市東方12126-12
0993-22-3131
南九州で名物やアクティビティーを堪能
指宿市の隣に位置する南九州市は温暖な気候に恵まれ、農畜産業が盛んな街。2022年に同市で開催された全国和牛能力共進会がきっかけのひとつとなり、南九州市名物である肉をはじめとした名物を使って作る「名物丼コンテスト」を開催。その中から「南九州市みなコレ名物丼」が誕生しました。ちなみに「みなコレ」とは南九州市特産物コレクションの略。
黒毛和牛のかわなべ牛、一般的な豚よりも長い肥育期間で大切に育てられるかごしま黒豚、産出額県内1位のさつまいも、深くて濃い緑色でとろりとした甘みが特徴の知覧茶、地元産の味噌や醤油などをふんだんに使っており、市内17の飲食店で味わうことができます(一部、テイクアウトも可能)。
南九州市には、今年5月にアクティビティー施設「アドベンチャーパーク森のかわなべ」がオープン予定。樹木の間にワイヤーを設置し、丸太渡りのようなバランス系や吊り橋のようなブリッジ系、クライミングなどの遊具を組み合わせたコースがあり、目玉は約100mのジップライン。「遊び」と「学び」を兼ね備えた施設として注目が集まっています。
春の鹿児島は温暖な気候に恵まれ、旬を迎える野菜や果物だけでなく、カツオやマダイなどの魚介類もおいしい時期。この季節ならではの鹿児島グルメやレジャーを堪能してみては。
自分らしく旅のプランニングをしたいという方は、ANAの公式サイトにて一括で予約ができる「ANAトラベラーズ ダイナミックパッケージ」がおすすめ。フライトやホテル、オプションなどを自由に組み合わせることができ、旅行前はもちろん、旅行中や帰宅後もサポートをしてくれるから安心です。また、ANAフライトマイル(区間マイルの50%)と、ご旅行代金100円につき1マイルの「ツアーマイル」が積算され、マイルがダブルで貯まるのもうれしい。
詳しくはこちら