新幹線も使える乗り放題の「西日本グリーンきっぷ」でのんびり巡るぜいたくな、フリーアナウンサー木佐彩子さんの大人旅 | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]
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新幹線も使える乗り放題の「西日本グリーンきっぷ」でのんびり巡るぜいたくな、フリーアナウンサー木佐彩子さんの大人旅

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木佐彩子さん

JR西日本全線の新幹線・特急列車が3日または5日間乗り放題で、グリーン車や指定席が6回まで利用できる「西日本グリーンきっぷ」。関西や中国地方、福岡の魅力を存分に楽しむことができます。フリーアナウンサーの木佐彩子さんが広島と山口の名所とグルメを巡り、大人の旅を満喫しました。

広島の冬の味覚、大ぶりのカキ

広島駅で新幹線から在来線に乗り換え、日本三景の一つ「宮島」の玄関口である宮島口駅に到着しました。目の前に広がる海、対岸に見える島が宮島です。「広島へはフジテレビの新人アナウンサー時代、情報番組のロケで訪れたことがあります。でも、毎日全国各地へ飛び回って記憶もないような時期だったので、改めてゆっくりと広島を満喫します」と笑顔で話しました。

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JR西日本宮島フェリー(西日本グリーンきっぷ対象)に乗り、フェリーの展望デッキから海を眺めます。「あれは何だろう?」。そう指さした先には、海にぷかぷかと浮かぶカキ養殖のいかだ。心地よい風に吹かれながら、木佐さんは太陽の光を反射する穏やかな瀬戸内海の景色に見入っていました。

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約10分の乗船で宮島に到着です。「短い時間でも、船に乗るとすっかり旅をしている気分に変わりますね」。フェリーを降りると、目の前に広場があり、シカがお出迎えしてくれました。海に沿って歩くと、店にはしゃもじや穴子など広島ならではの特産品が並んでいます。

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そのまま道なりに進み商店街へ。まずは「もみじまんじゅう」を揚げた「揚げもみじ」を販売する「紅葉堂」へ。木佐さんは元々もみじまんじゅうが好きで、物産展で買ったこともあるそう。揚げもみじは初めてで、目の前で揚げてくれる熱々をほおばると「ふわっふわでおいしい!」と、その食感におどろいた様子で話します。

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商店街を巡ったあとは、広島の冬の味覚、カキです。カキ専門店「焼がきのはやし」では、店頭でカキを焼いている様子が見られます。生カキや焼きガキ、カキフライなどが楽しめるボリューム満点の「かき三景定食」を注文しました。大ぶりのカキを前に「カキはツヤツヤとしていて、磯の香りがたまらないです」。

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「のんびりゆっくり巡るぜいたく、大人の旅」

帰りのフェリーを待つ間、木佐さんは海沿いに腰掛けて景色を眺めていました。そして、何度も大きく深呼吸。

新幹線も使える乗り放題の「西日本グリーンきっぷ」でのんびり巡るぜいたくな、フリーアナウンサー木佐彩子さんの大人旅

「東京では家やスタジオの中で過ごす時間が多く、深呼吸を忘れてしまっていました。宮島で風を感じて、思いっきり深呼吸して、瀬戸内海の穏やかな海を見ていると心も落ち着きます。年を重ねて、弾丸旅行もいいけれど、のんびりゆっくり巡るのもぜいたくでいいよね、と感じるようになりました。それをもったいないと思わないのが大人の旅なのかな」

次は山口の旅。広島駅から新幹線で新下関駅へ向かいます。約10年ぶりという山口へ向かう車内でも、木佐さんは車窓からの風景を目で追いかけていました。街並みが夕日で真っ赤に染まる様子に「きれい」と、思わず声が漏れました。

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「家だとテレビを見たり、洗濯機をまわさなきゃと家事が気になったり、何かと気が散ってしまいます。窓際で外をゆっくり眺めたり、ここの暮らしはどんな感じなのかな、と想像する電車内の時間が好きです」

フグの歯ごたえ 下関で本場の味を満喫

新幹線こだまに乗って約1時間。到着した下関は、関門海峡に面する本州の玄関口です。まずはフグを目当てに向かったのは、在来線の下関駅から車で5分ほどの「ふく処 喜多川」。下関では幸福の福にかけてフグは「ふく」と呼ばれます。

海沿いに遊園地や水族館、市場が立ち並ぶエリアにあるお店で選んだのは、新鮮なフグを熟成させた刺し身や鍋、唐揚げに茶わん蒸しなど、フグを満喫できるコースです。ふるさと納税で取り寄せた山口のフグを、年末に食べるという木佐さんは「刺し身の歯ごたえがよくて、地元で食べるとまた違う。お鍋で食べると冬がきたって感じがします」と、本場のフグを堪能しました。

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近くの唐戸市場にも足を伸ばしました。海を眺めると対岸の九州の地が目の前にあり「歩いていけそうなくらい近い」。

活気ある市場の中を歩いていると、思い出の魚介を見つけ「あ、ミル貝だ!」と木佐さんが思わず声をあげました。「東京にもある?」と「相田鮮魚」の方に聞かれて会話が始まります。アメリカ・ロサンゼルスで小学生から中学生まで過ごした木佐さんにとって、ミル貝は思い出の味。当時、日本人向けの魚の移動販売で売られていた定番商品で、いつも刺し身を食べていました。

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おみやげのフグを買おうと、木佐さんから相談を受けた相田鮮魚の方が紹介してくれたのは、市場から歩いてすぐの「酒井商店」。お店にいくと、ちょうどフグを乗せたトラックが出るところでした。酒井商店は仲卸や通販、料理店を営み、フグで作った「ふく提灯(ちょうちん)」発祥の店でもあります。丈夫な皮を利用して始まったというふく提灯の由来も教わり、ふく提灯と記念撮影。

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少し離れた長府エリアの城下町へ足をのばし、明治時代に毛利家によって建てられた長府毛利邸で、日本庭園の美しさにため息が漏れます。先ほどまでの市場の活気とは違う、朝のぴんと張り詰めた空気と静寂についつい木佐さんも小声になります。

「滝の音と小鳥のさえずり、そして目の前の庭園がすてきで、ずっと座っていられます。オンとオフの切り替えを大切に生きてきました。日常でもやっているつもりだけれど、ここだと無になって自分を空っぽにできる。情報に振り回されすぎず、シンプルさを大事にしようって改めて感じます」

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長門でイカと長州地鶏を堪能

次は山口県の日本海側へ移動し、長門市を巡ります。仙崎駅からほど近い場所に仙崎漁港があります。その目の前にある道の駅「センザキッチン」では、漁港で買い付けた魚が店に並び、観光客や近隣の人たちでにぎわっています。生鮮食品に加えて、加工品などおみやげ選びにもぴったりの場所です。

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おみやげを選んだら、飲食店が並ぶダイニング棟にある店「仙崎丼」で、店名にもなっている丼を味わいました。仙崎のイカ、ヒラマサやサザエなどがのったぜいたくな海鮮丼です。「イカは味が濃くて、舌にまとわりつくようなねっとりとした甘み」と、木佐さんはおいしそうにほおばります。

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「食には貪欲(どんよく)」という木佐さんは、出張でその土地ならではのものを食べることが楽しみの一つ。そのために滞在時間を延ばすのではなく、限られた時間を有効に使うのが木佐さん流。「10分あればラーメンなどを食べます。それでも電車に乗り遅れたことはないんですよ」と、ちゃめっ気たっぷりに笑います。

今回の旅でも、地域の魅力が詰まったグルメを存分に味わいました。長門ではもう1軒、少し足を伸ばして油谷湾に建つ「ホテル楊貴館」の和風レストラン「あまのゆ」を訪れました。長門の活魚が盛られたお刺身御膳と、長州黒かしわ炙(あぶ)り焼き。魚は先ほど訪れた仙崎漁港の新鮮な刺し身。長州黒かしわは、地鶏ならではのかみ応えがあるかと思いきや「やわらかくてジューシー」な弾力に、木佐さんの箸が進みます。

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「当たり前が宝物」に気づく旅

最後は長門湯本温泉へ。在来線の長門湯本駅の裏に流れる音信川沿いに温泉街が広がります。足湯や立ち寄り湯のほか、川には飛び石や川床があり、泊まる予定がなくてもゆったりと過ごすことができます。

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街歩きを楽しめるよう食べ歩きも推奨されていて、木佐さんは「あけぼのカフェ」のどら焼きを手に歩きました。川床に腰掛けると「清流の上にいるよう。ここでビールを飲んでいる人も見かけて、それもいいですね」

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いろんな地を巡り「また旅したい気持ちに火が付いた」と木佐さん。コロナ禍を経て、「いろんな土地のおいしいものを食べる、そんな当たり前が宝物だってことに気づきました。旅の非日常を楽しんで、日常のありがたみを感じる。そんなオンオフの相乗効果もこれからは楽しみたいですね」。

※今回の企画は、新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じた上で取材・撮影を行いました。

(文:&編集部 写真:相馬ミナ)

PROFILE
木佐彩子

1971年東京生まれ。小学2年から中学2年まで父親の仕事で米ロサンゼルスで暮らす。94年フジテレビに入社し、現在はフリーアナウンサーとして活躍。夫は元メジャーリーガーで東北楽天ゴールデンイーグルス監督の石井一久氏。

西日本グリーンきっぷで巡る旅

西日本グリーンきっぷ」は3日間と5日間の2種類から選べます。3日間は23,000円、5日間は27,000円。行きたい場所を存分に巡る、または1~2箇所をゆったりと。JR西日本の乗り放題で、いろんな旅の形が実現できます。50歳からの大人の旅を応援するJR西日本の「おとなび会員」(J-WESTネット会員の登録が必要。登録無料)限定です。お申し込みは2名様以上からです。

大人のイマ旅」サイトでは、各地の魅力的な旅のご紹介や、「大人のイマ旅」公式Facebookではオリジナル情報を公開しています。

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