Aging Gracefullyカフェ
体を動かしてリフレッシュ パデル体験会
AG世代の「学びとネットワーキングの場」として定期的に行っているAGカフェ。2022年10月22日には「体を動かしてリフレッシュ~パデル体験会~」と題して、東京都練馬区のパデル東京で開催しました。2年半以上続くコロナ禍で体を動かす機会が減ったことによるストレスや、年齢による体調の変化などをすっきりさせようと企画したもので、8名の方にご参加いただきました。会場は屋外で、消毒など新型コロナの感染予防対策を施して行いました。
この日は、2022年度パデル日本代表メンバーの瀧田瑞月さんと吉元さやかさんがコーチを務めました。瀧田さんは、10月末から11月初めにかけてドバイで行われた世界大会「WORLD PADEL CHAMPIONSHIPS DUBAI 2022」に出場されました。
今回は多数の応募者の中から当選した12名が参加予定でしたが、当日キャンセルが出て8名に。全員が40~50代で、テニス、バドミントンなどラケットスポーツの経験者でした。ストレッチを含む準備運動の後、4名ずつ2組に分かれて、瀧田コーチ、吉元コーチからそれぞれ指導を受けました。
まず、パデルの基本的なルールについて。パデルはダブルス(2対2)でプレーします。ポイン卜の数え方や試合の進行はテニスと同じ形式で行われることが多く、世界基準の1試合は3セット。2セット先取したペアが勝ちます。球は1バウンドかノーバウンドで相手コートに打ち返します。地面にバウンドした後にコートの周りの壁(強化ガラスや金網)に当たった球は、次に地面に落ちる前であれば打ち返せます。
パデルの球はテニスの球より空気圧が低く、反発力が小さいのが特徴です。暑いとよく弾み、寒いとあまり弾まないそうです。
パデルのラケットは300~400グラム程度。テニスラケットの3分の2程度の大きさで、素材も異なります。基本的にダイヤモンド、しずく、円の3種類の形があり、初心者向きのラケットは円形が多めです。今回はレンタル用のラケットを使いました。持ち方を教わった後、ラケットでパデルの球を地面にバウンドさせたり、上で弾ませたりしました。
続いて、コートを囲む壁の跳ね返りに慣れるための練習。壁に向けて軽く打っても予想以上に跳ね返ってきてしまい、振り回される人も。2人がネットを挟んで向かい合って打ち合う練習では、「ラケットにのせたボールをゆっくり運ぶイメージで」と、吉元コーチからアドバイスを受けました。
次は、パデル特有のショット「レボテ」を練習しました。地面でバウンドした球が壁に当たり、跳ね返ってきたところを打ち返します。
まず、後ろの壁で跳ね返った球を打ってみます。背後から来る球を打つという動作に戸惑い、最初はみんな空振りばかり。
「ボールが前にいくときに、一緒に前に進むと打ちやすいですよ」と吉元コーチ。そのイメージで動くと、徐々に打ち返せるようになりました。
続いて「バックハンドレボテ」の練習です。「壁から跳ね返ってきたボールは焦らずに下から上に打つようにしましょう」と瀧田コーチ。参加者たちは、壁で跳ね返った球を下からすくい上げるように打つ練習をしました。
順調に練習は進み、参加者たちが空振りすることも減った頃、瀧田コーチが「ちょっとだけ難しいこともやっていいですか?」と提案しました。
一つ目は、コートの角に飛んできた球が横壁と後ろの壁に連続で当たる「ドブレパレット」(「二枚壁」という意味のショット名)を打ち返す練習です。
二つ目は、飛んできた球にペアの間を抜かれたという想定で、ペアのどちらかが後ろの壁の上部に向けて強く球を打ち、相手コートに返す、という練習に挑戦しました。特に二つ目は、なかなか球が相手コートまで届かず、どれぐらいの強さと角度で打てばいいのか、参加者たちは苦心していました。
パデルでは、コートで1バウンドした後に壁に当たった球が、空中に浮いている間であれば相手コートに打ち返せます。また、自分のコートの壁の強化ガラス部分に球を当てて(金網部分はNG)、相手コートに返すこともできます。
ただし、相手コートの壁にノーバウンドで直接当たったら失点。また、打った球がネットにかかって相手コートに入らなかったとき、及び、自分のコートで球が2回以上バウンドしたときも失点になります。
次はサーブの練習です。テニスと同じく、ペアの一人が2回まで打てます。サービスラインの後ろで、ラケットを持っていない方の手で球を一度地面にバウンドさせてから腰よりも低い位置で打ち、対角線上の相手コート前方の「サービスボックス」に球を入れます。相手コートのサービスボックスで1バウンドした球が金網部分に当たると、サーブは失敗。強化ガラス部分に当たるのは構いません。
参加者全員がラケットスポーツ経験者だったからか、サーブはそれほど苦労せず、打っていました。最後は2対2でネットを挟んで球を打ち合い、ここまで学んだことを復習しました。
パデルは必ずダブルスでプレーするので、二人の息が合うかどうかも大切なポイントです。「お願い!」「私が打ちます!」など、お互いに声を掛け合う練習も。参加者からは「壁の存在を忘れてしまう」「壁を使った方がいいときも、つい壁より手前で捕ってしまう」といった声が聞かれました。
「抜かれても終わりじゃない。それがパデルです」と瀧田コーチ。「壁を使う方が点を取りやすいですし、選択肢が広がります。戦術を考えるのがパデルの面白さです」と語りました。
後半の1時間はダブルスの練習試合に挑戦しました。2ゲームを先取したペアが勝ち。参加者たちは夢中で球を追い、熱戦を繰り広げました。
ペアを組む相手を一試合ごとに交代する総当たり制で、最終的に最も勝利数が多かった上位4人に記念品が贈呈されました。
パデル体験会は約2時間行われました。参加者アンケートでは、「久しぶりに汗をかいて充実した時間を過ごせました」「初パデルでしたがとても楽しくプレーできました」「テニスとの違いに少々戸惑いましたが、楽しかったです」「コーチの説明がわかりやすく、ルールと動きを理解できました」といった感想が寄せられました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
取材&文&写真=朝日新聞社Aging Gracefullyプロジェクトリーダー/編集長 坂本真子
写真=朝日新聞社 坂井浩和
◆日本パデル協会 サイト https://www.japanpadel.com/