表現して伝えること。デビュー盤リリース、演奏家Cocomiが描く夢
音楽は人の心の機微に寄り添える
選曲には、「クラシック音楽の面白さや魅力をたくさんの人に伝えていきたい」というCocomiさんの思いが込められている。
「どうしてもクラシックってハードルが高いと感じる方が多いみたいで……。でも、素晴らしい音楽は人の心の機微に寄り添う力を持っている。特にクラシックに代表される器楽曲は、歌詞で語らずとも曲に込められた感情が伝わってきます。今回のアルバムがクラシック音楽に興味を持っていただく入り口になったら、最高に幸せです」
Cocomiさんが奏でるフルートは、弾むように軽やかに、優美に、そしてときに力強く……と曲によってさまざまな表情を見せるが、底に流れているのは静謐(せいひつ)でどこか切なさをまとう空気感だ。音楽を心から愛し楽しむ気持ちと、だからこそ抱く畏敬(いけい)の念と――。その音色は、Cocomiさんの音楽に対する思いそのものなのかもしれない。
リフレッシュには「推し」のアニメも
練習漬けの日々。リフレッシュに欠かせないのが、音楽を始めるきっかけにもなったアニメだ。DVDを観(み)たり動画配信サービスのアニメもマメにチェックしたり、「テレビで放送されている『推し』のアニメはできればリアタイで見たいし、なんなら再放送も見ちゃう!(笑)」。アニソンも大好き。ジャズもポップスも、もちろんクラシックも。ジャンルレスで楽しむ音楽は、演奏者として大きな刺激になっているという。
「たとえば、ジャズにはジャズならではのスウィング、リズムやテンポの取り方、自由な表現方法があります。これをクラシックというきちんとした『額縁』の中にあるキャンバスでどう表現できるだろう?……そんなことをいつも考えながら聴いています」
デビュー盤をリリースし、音楽家として次の一歩を踏み出した。モデルの活動も国内外から注目が集まる。Cocomiさんのその瞳にはどんな風景が見えているのだろうか?
「クラシック音楽の魅力を伝えていく夢は、今も、これから先も追い続けます。また、探究心が強いので、モデルはもちろん色々なことに挑戦していきたい。ただ、『20代はこれをやる、30代になったらあれをする』というようなことは何も決めていません。今このとき自分がすべきことに100%の力と思いで取り組む。そうすることが私をどこに導いていってくれるのか――。一つひとつ頑張った先のサプライズとして、私自身が誰よりも楽しみにしています」
ヘアメイク:菊地美香子(TRON) スタイリスト:RyokoKishimoto
3歳からヴァイオリン、そして11歳でフルートを始める。
ヴラディーミル・アシュケナージ、エマニュエル・パユのマスタークラスを修了。
これまでに、ヤマノジュニアフルートコンクール優秀賞3回、最優秀賞1回並びに特別賞受賞。2019年には、日本奏楽コンクールで最高位を受賞。管楽器部門第1位とともにフランス近代音楽賞受賞。
現在、桐朋学園大学音楽学部カレッジ・ディプロマ・コースに在学中。フルートをNHK交響楽団首席フルート奏者である神田寛明氏に師事。
2021年1月には、東京フィルハーモニー交響楽団の「ニューイヤーコンサート2021」にソリストとして出演。同年、京都の西本願寺で無観客で収録された「音舞台」への出演も果たす。
https://www.universal-music.co.jp/cocomi/
1)アヴェ・マリア(バッハ/グノー)/ニュウニュウ(ピアノ)
2)シシリエンヌ(フォーレ)/ミロシュ(ギター)
3)エストレリータ(ポンセ)/佐藤晴真(チェロ)、金子三勇士(ピアノ)
4)ヴォカリーズ(ラフマニノフ)/ニュウニュウ(ピアノ)
5)白鳥(サン=サーンス)/ミロシュ(ギター)、真部裕カルテット
6)愛の悲しみ(クライスラー)/アレクサンダー・ガジェヴ(ピアノ)
7)愛の喜び(クライスラー)/レイ・チェン(ヴァイオリン)、牛田智大(ピアノ)
8)夢のあとに(フォーレ)/アレクサンダー・ガジェヴ(ピアノ)
9)愛の小径(プーランク)/佐藤晴真(チェロ)、金子三勇士(ピアノ)
10)タイスの瞑想曲(マスネ)/デイヴィッド・ギャレット(ヴァイオリン)、牛田智大(ピアノ)
フォトギャラリーへ(写真をクリックすると、くわしくご覧いただけます)
- 1
- 2