〈241〉日常を忘れられる、郊外の広めの家での一人暮らし
Tさん(30代)
さいたま市 / 59.8㎡ / 築28年
◇
埼玉県内でお仕事をされているTさんは、30代の女性。転勤があっても同じ県内で車通勤なので、駅から離れていてもいいことなど、自分なりのライフスタイルを考え、今回のマンションを選びました。
一般的に、シングル女性が家を購入するときは、将来の売却や賃貸を考えることも多いのですが、Tさんは今の自分が一番心地よく住めることを優先に。そして、郊外の少し広めの物件を、都心よりも安い価格で購入しました。
Tさんの希望は、忙しい日常から解放してくれる、ゆっくりできる家。そこで、考えたリノベーションのコンセプトは「遠くに連れていってくれる 私の家」でした。玄関を開けると、まるで全然違う世界に移動できるような、ゆったりした時間が流れるような設計に。そして、所々にTさんが心ときめく要素もプラスしました。
59.80㎡という一人暮らしにしては十分な広さがあるので、間取りは余裕があります。玄関を入ってすぐの廊下は通常より幅の広い1.3メートルにし、大きめの洗面台を設置。メイクもできるように、収納も鏡もたっぷりサイズです。
さらに奥に進むと、2面ある窓からの眺めがいいLDKが広がります。キッチンは対面型にし、カウンターを設置。カウンターは、調理スペースに、ダイニングテーブルにと、色々使えて便利です。独立したダイニングテーブルを置くスペースが省け、その分、リビングを広くすることができました。さらに、配膳がラクなので家事の効率化にもなりました。
LDKのアクセントにしたのは、ヘキサゴンのタイルを使ったインナーテラスです。グリーンを育てたり、ひなたぼっこしたりできる和めるスペースになりました。
コンセプトである「遠くに連れていってくれる 私の家」をさらに盛り上げる、心ときめく要素は、例えばこんな感じです。家全体にTさんの好きな色、ブルーを使いました。面積の広い壁や天井は薄いブルーグレー、洗面台やキッチンは爽やかな水色、清潔感が欲しいトイレは深いブルーなど、配色を楽しみました。
LDKに隣接している寝室は、観音開きのアーチ型のドアでドラマチックに。水色のドアをくぐると、壁や天井の深いブルーが広がり、落ち着いた眠りへと誘ってくれます。
さらに、各エリアの照明は、デザインのかわいいペンダントライトを選び、浴室のシャワーはホテルのようなレインシャワーにするなど、Tさんの好きなものをちりばめました。 一人暮らしだからこそできる、自分だけのお城です。
ライフスタイル、予算、やりたいことのバランスを考え、今できる最良の家を作りました。“一人暮らし=都心のコンパクトな家”と考えがちですが、働き方が多様化した今なら、Tさんのような暮らし方も選択肢の一つになると思います。
間取りとリノベーションの写真(写真をクリックすると、次々とご覧いただけます)
Tさんに聞く
リノベーションQ&A
Q1 一番気に入っている場所はどこですか?
対面型キッチン。キッチンの向かいに、段差のないフラットなカウンターを併設しました。お料理をするときや食事をするとき、ちょっとした作業をするときなど、色々な場面で使えて、効率よく暮らせます。
Q2 リノベーションのプロセスで楽しかったことは?
設計の打ち合わせです。どんな暮らしをしたいかを打ち合わせで整理したり、場所ごとに色や素材について考えたりする時間が楽しかったです。
Q3 プロセスで大変なことはありましたか?
ローンの審査です。ブルースタジオさんに、不動産購入から設計までをお願いしました。物件購入を決めたとき、いくつかの銀行でローンの審査を通してもらうのが大変でした。
構成・大橋史子