クルーズとゴルフの思い出 女王船のニアピンコンテストと、川旅から鹿戯れるグリーンへ
クルーズとゴルフ。一見何の関係もないように思えますが、実はクルーズはゴルフファンにとっても魅力的な旅。ウィズコロナ時代、広々とした自然の中で楽しめるゴルフ人気も高まっています。クルーズもいっしょに楽しめる旅はいかがですか。
■連載「クルーズへの招待状」は、クルーズ旅の魅力や楽しみ方をクルーズライターの筆者がご紹介します。
豪華客船クイーン・メリー2の船上、乗客参加の「国際大会」
クルーズ船の中には、広大なパターゴルフコースを持つ船はたくさん存在し、海景色を楽しみながらパターゴルフ大会が開催されたこともありました。ゴルフ・シミュレーターや、ネットを張ったゴルフ練習場などを設置した船では、日課のように練習に励んでいる乗客もいます。また、それらを利用したティーチングプロによる、船上ゴルフレッスンも人気でした。さらに、船の主催するオプショナルツアーでゴルフツアーを販売していたケースや、有名プロを乗せたゴルフクルーズを行った船もあり、ゴルフ好きにとっても、クルーズは便利で、面白い旅と言えるでしょう。
2004年から数年間ゴルフ関連雑誌で連載記事を書いていた私は「クルーズとゴルフを絡ませた記事を書けたら新しい切り口になるのでは?」という思いもあり、これまで、クルーズ中に色々なゴルフの船上イベントに参加したり、寄港地のゴルフ場でラウンドしたりしてきました。
例えば、英国女王のエリザベス2世がゴッドマザー(名付け親)を務め、2004年にデビューした客船クイーン・メリー2には、世界の有名ゴルフ場を疑似体験できるゴルフ・シミュレーターが2台も搭載されていました。ゴルフの歴史とかかわりが深い英国船では、このシミュレーターを使ったプログラムも人気があるようで、某日、船内新聞の今日のイベントの中に「午後4時から船上ゴルフ大会。ニアピンコンテストを開催」という項目を発見し、参加してみました。
女性組の参加者は計15名。英国、米国、オーストラリア、メキシコ、韓国、日本と、まるで国際大会のような顔ぶれです。係員が、まず前方のスクリーンにパー3、128ヤードのホールを設定。参加者は1人ずつ順番に打席に立ち、本物のクラブとボールを使ってティーショットを3球打ち、一番ピンに近い記録を出した人が「チャンピオン」というわかりやすいゲームでした。エントリー順で最初の打者になった私は、緊張しながら第一打を打ちました。「バスッ」という音を立てボールがスクリーンに当たると画面がどんどん変わり、やがてグリーンにオン。ピン横約5.4ヤードにつけました。第二・三打ともグリーンには乗りましたが両方7ヤード以上離れていたので、第一打の5.4ヤードが私の記録になりました。
女性参加者の中には、ハンディキャップ9のシングルプレーヤーもいれば、空振りしてしまう初心者もいましたが、互いに応援し、和気あいあいとゲームは進みました。やがて最終打者が打ち終わると結果発表。なんと私の第一打の記録がまだ残っていて優勝となりました。その後は表彰式。みんなの拍手の中、表彰状と、クイーン・メリー2のマークが入った革の栞(しおり)をもらったのも懐かしい思い出です。
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