海と山に恵まれたまち、神戸。
このまちを舞台に、若いチカラが都市と自然をつなぎ、人と人をつなぐ。里山と里海の命の「鼓動」を、未来に響かせるために――。
プロジェクト「ko-do(こうどう)」は、若い世代が自分たちの言葉で、SDGs達成に向けた取り組みと思いを伝えます。
さあ、ともに「行動」へ。
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活動テーマ➊「海と山のブルーカーボン」
CO₂削減へ
神戸市の挑戦に学生が参画地球温暖化が叫ばれる今、温室効果ガスの新たな吸収源として注目されているのが「ブルーカーボン」です。
ブルーカーボンとは、大気中の二酸化炭素が、陸上の植物ではなく、海草などの水中の生態系に吸収されることを指します。2009年に国連環境計画(UNEP)の報告書で定義されて以降、世界的に保全や拡大が求められています。「海と山が育むグローバル貢献都市」を掲げる神戸市は、須磨海岸(須磨区)と烏原貯水池(兵庫区)を舞台に、ブルーカーボンを活用した二酸化炭素削減に挑戦しています。
関西学院大学を中心とするリコラボの学生たちが神戸市の取り組みに参画し、その内容をリポートします。 -
活動テーマ➋「里山・里海SDGs」
人と自然の「共生」
持続可能な未来へ神戸は、市街地のすぐ近くに山と海があり、その距離も近いことが特徴です。このまちでは、長い歴史の中で、人と自然が共生する「里山」と「里海」が育まれてきました。
豊かな里山と里海を守り、次の世代に引き継ぐことは、SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」や目標15「陸の豊かも守ろう」だけでなく、「住み続けるまちづくり」や「気候変動対策」など、さまざまな目標の実現につながります。豊かな自然に人の手を適切に加えることで、多様な生態系と自然環境の保全をめざす「里山・里海SDGs」。学生たちが主体となって取り組みます。
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@東遊園地
【まちのSDGs】
あの日からもうすぐ30年
神戸の中心で考えた
「いつも」のなかの「もしも」 -
@おんたき茶屋
【里山・里海SDGs】
都会のオアシス 布引の滝
新神戸駅から ふらっと登山
自然と歴史 まちづくりに生かす -
@リコラボファーム
【里山・里海SDGs】
ソバ栽培は喜びも苦労も
まるで我が子?すくすく育て! -
@古民家コトノハ
【里山・里海SDGs】
ソバを育ててお菓子パーティー
おいしい感謝のクリスマス -
@10月9日 有楽町朝日ホール・東京
【里山・里海SDGs】
里山~自然と文化の交差点
持続可能なくらしとは
朝日地球会議で考えた -
@神戸市西区木津
【里山・里海SDGs】
レトロな空き家 みんなで活用
人が集い つながる場所へ
止まった時間 再び動かす -
@神戸市北区
【里山・里海SDGs】
チョウが舞い 緑が芽吹く
この風景を残すため
ゆるく草刈り 自然を楽しむ -
@烏原貯水池、奥池
【海と山のブルーカーボン】
ぽかぽか日なたへお引っ越し
カメや大雨 なんのその
みんなのササバモ すくすく育て -
@リコラボファーム、ウンガノハタケ
【里山・里海SDGs】
草をむしる 土を耕す
楽なことばかりではない でも
力をもらう 命が輝く -
@須磨海岸
【里山・里海SDGs】
よみがえれ あの須磨の海
行動つなぐ 仲間の輪 -
@リコラボファーム
【里山・里海SDGs】
わしは、さとやま爺
永い眠りから覚めたのじゃ -
@烏原貯水池
【山のブルーカーボン】
水資源・外来種・温暖化…
すべてつながった -
@須磨海岸
【海のブルーカーボン】
魚たちの楽園 豊かな海へ
アマモを増やせ
Re.colab KOBE(リコラボコウベ)は、豊かな自然に恵まれた神戸市で、人と自然のつながりを取り戻し、
社会を変える新たなつながりに発展させていくことを目指して、里山と里海の再生に取り組む大学生主体の団体です。
隠れた言葉 大事な言葉
リコラボの名前には、いくつかの言葉が隠されています。 まずはRe。これは英語で単語の頭に付けると「再び」という意味になります。「自然の再生」「里山・里海の再生」といった思いを込めました。私たちが関係する環境のキーワード、Reduce=減らす、Reuse=繰り返し使う、などにもつながる文字です。 Re.colabには三つの単語が隠されています。
Eco=Ecology(環境)
Colab=Collaboration(協働)
Lab=Laboratory(実験室)
今、あちこちで環境問題が起きているのは、人と自然の結びつきが弱くなっているためではないでしょうか。
だからこそ、人と自然がもう一度コラボする。
そんな願いを込めた言葉、「Recollaboration(リコラボレーション)」。
その実験、実践をする場をつくりたいという意思を込めています。
関学発 脱「ボランティア」
2021年4月、神戸市とコラボして環境保全活動に取り組むことが決まり、私たちは「エコボランティア」を名乗って活動を始めました。
初めはSDGsについてほとんど知らないメンバーがほとんどでしたが、活動を通じて、耕作放棄地や空き家、外来生物など、さまざまな課題に出会いました。
環境のため、社会のために、何ができるのか。
与えられた仕事をただこなすのではなく、私たちが主体となって考えたい。
これまで誰もできなかったような、新しいものを生み出していきたい。
そんな想(おも)いが芽生え、「ボランティア」という既存の言葉はあえて用いず、私たちの理念を託したオリジナルの名前を考えました。
それが「Re.colab KOBE」です。
リコラボのメンバーは、現在約80人です。関西学院大学社会学部の松村淳・准教授の呼びかけを受けて、関西学院大学を中心に、神戸大学、大阪府立大学、同志社大学、近畿大学、梅花女子大学など、さまざまな大学から学生たちが集まっています。
大学生だけでなく、小・中・高校生、留学生、企業、地域の方たちなど、さまざまな背景を持った方たちとコラボ。知恵を出し合って社会課題を解決に導けるような「共創の場」になることを目指し、何よりも「楽しみながら続けていく」ことを大切に、今日も活動しています。