SEA « ART & SOCIETY RESEARCH CENTER [NPO法人アート&ソサイエティ研究センター]

アート&ソサエティ研究センターは、「ソーシャリー・エンゲイジド・アート(SEA)」と呼ばれる、地域や社会に能動的に関わっていくアートのあり方に注目し、この新しいアートの領域について理解し、考えていく「SEA研究会」を行っています。以下、各回の内容をブリーフィングしてご報告します。

2019年よりSEAの情報はSEAリサーチラボより発信いたします!

世界的潮流となっているソーシャリー・エンゲイジド・アートに注目し、2013年よりアート&ソサイエティ研究センターのメンバーを中心にSEA研究会を創設。以来、世界のSEA事例の調査・研究、イベントや国内初のSEA展覧会の開催、SEA関連書籍の翻訳出版などさまざまな活動に取り組んでまいりました。
今後はSEAに特化したサイト、SEAリサーチラボより情報を発信してまいります。2018年までのSEA関連情報は本サイトにて引き続きご覧いただけます。

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【SEAラウンドトーク・スペシャル・エディション】
『ソーシャリー・エンゲイジド・アートの系譜・理論・実践』
出版記念トークセッション

アート&ソサイエティ研究センターSEA研究会が企画編集したアンソロジー『ソーシャリー・エンゲイジド・アートの系譜・理論・実践』が、7月25日にフィルムアート社より出版されました。この書籍の編集意図の紹介を兼ね、寄稿者の藤井光氏(美術家、映像作家)、ジャスティン・ジェスティ氏(アジア言語・文化研究者)を講演者に、毛利嘉孝氏(社会学者)をモデレーターに迎えて、これまで1年にわたって継続してきたトーク&ディスカッション・シリーズ「SEAラウンドトーク」のスペシャル・バージョンを開催いたします。

開催概要

日 時 2018年9月27日[木]18:30–20:30
会 場 3331 Arts Chiyoda 1階ラウンジ(1階ショップ奥) www.3331.jp/access
定 員 40名(先着順) 
参加費 1,000円
※トーク終了後21:30まで同会場にて懇親会を開催いたします。

プロフィール

モデレーター|毛利嘉孝 Yoshitaka Mori
社会学者/東京藝術大学准教授。専門は社会学・文化研究。特にメディアや文化と政治の関係を考察している。京都大学経済学部卒。ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ MA(メディア&コミュニケーションズ)、同PhD(社会学)。九州大学大学院助手・助教授を経て現職。2002〜2003年ロンドン大学客員研究員。Inter-Asia Cultural Studies (Routledge) 編集委員。主著に『文化=政治:グローバリゼーション時代の空間の叛乱』(月曜社、2003年)、『ポピュラー音楽と資本主義』(せりか書房、2007年)『ストリートの思想:転換期としての1990年代』(NHK出版、2009年)など。

講演者|藤井光 Hikaru Fujii
1976年東京都生まれ。美術家、映像作家。芸術は社会と歴史と密接に関わりを持って生成されているという考え方のもと、既存の制度や枠組みに対する問いを、綿密なリサーチやフィールドワークを通じて実証的に検証し、実在する空間や同時代の社会問題に応答する作品を映像インスタレーションとして制作している。パリ第8大学美学・芸術第三期博士課程DEA卒業。近年では、『爆撃の記録』(東京都現代美術館『MOTアニュアル 2016 キセイノセイキ』展)、『帝国の教育制度』(森美術館『六本木クロッシング2016』展)、『南蛮絵図』(国立国際美術館『トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために』展)を発表。監督作品にドキュメンタリー『プロジェクトFUKUSHIMA!』(プロジェクトFUKUSHIMA! オフィシャル映像記録実行委員会、2012年)、『ASAHIZA人間は、どこへ行く』(ASAHIZA製作委員会、2013年)、日産アートアワード2017でグランプリとなった『日本人を演じる』などがある。

講演者|ジャスティン・ジェスティ Justin Jesty
米国ワシントン大学アジア言語・文学学科准教授。戦後日本の視覚芸術と社会運動の関係性を研究している。2018年9月にコーネル大学出版より著書『Art and Engagement in Early Postwar Japan』を刊行予定。2017〜18年には、ウェブジャーナル『FIELD』第八号・九号の特集「日本の社会的的転回」の編集を担当。また、これまでに、1940年代後半の芸術におけるリアリズム論争、写真家・濱谷浩の1960年安保闘争の記録、土本典昭による水俣のドキュメンタリー映画に関する論文を発表している。

特定非営利活動法人 アート&ソサイエティ研究センター SEA研究会
2013年度より「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」をテーマとし定期研究会をはじめる。海外におけるSEAを日本に最初に紹介した展覧会《リビング・アズ・フォーム:ソーシャリー・エンゲイジド・アートという潮流》展(2014年11月)、《ソーシャリー・エンゲイジド・アート展-社会を動かすアートの新潮流》展(2017年3月)を開催。その他、日本におけるソーシャリー・エンゲイジド・アートの動向を探る《SEAアイディア・マラソン公募展》の企画開催、パブロ・エルゲラ著『ソーシャリー・エンゲイジド・アート入門』(2015年3月)翻訳書の出版、定期イベント「SEAラウンドトーク」等を行なう。現在、社会や地域に関する調査・研究、発信活動など、アートと社会の新たな関係を構築することをめざし、活動を続けている。

お申込み

下記のGoogleフォームよりお申込ください。
https://goo.gl/forms/e19Sve2LBDVdatqi2

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主催:NPO法人アート&ソサイエティ研究センター
助成:公益財団法人テルモ生命科学芸術財団

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【SEAラウンドトーク】 岩井成昭
Vol.10「辺境=課題先進地域」に求められるアートとは?


アーティストは今、ソーシャリー・エンゲイジド・アートをいかに捉えているのか?
一線で活躍するアーティストによるトーク&ディスカッション・シリーズ

Vol.10 「辺境=課題先進地域」に求められるアートとは?

首都圏に暮らす人々には馴染みがないかもしれない。しかし、「辺境」においては、「課題先進地域」「消滅可能性都市」「限界集落」等々、行政はさまざまなレッテルを地方の街に貼りつけます。その地に暮らす人々がどのような感情を抱こうがお構いなしです。岩井氏が暮らす秋田県は人口減少、少子高齢化、産業構造の硬直化など、社会課題の宝庫であり、日本における社会課題地域の「トップランナー」であることは数々のデータが証明しています。そのような辺境における人々の健全な将来に寄与するための処方は、宗教やイデオロギーによらない意識の変革であり、それが可能と見なされている唯一の選択肢「アート」に委ねられていると言っても過言ではありません。「地方再生」を目的にするのではなく、在りのままを知ることで結果的に地域貢献を促す「アート」は可能なのか?その試案を語ります。

開催概要

日 時 2018年7月20日[金]18:30–20:30
会 場 3331 Arts Chiyoda B1階マルチスペースB105 (www.3331.jp/access
定 員 20名(先着順) 
参加費 800円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

岩井成昭 shigeaki iwai(アーティスト)
1990年代から都市の多文化化をテーマに複合的なメディアによる視覚表現を展開。2000年代から、アジアパシフィック・トリエンナーレ、ハバナ・ビエンナーレ、横浜トリエンナーレ等、国内外の国際展に多数参加。地域の環境やコミュニティーの調査をもとに、インスタレーション・映像・音響・テキスト・キュレーションなどを複合的に取入れた視覚表現を展開している。2010年から「イミグレーションミュージアム・東京・パイロットプロジェクト」を始動させたほか、近年は、人口減少や移民受入におけるアートの役割について考察。また「辺境芸術」を標榜して、秋田県全域でアート・プロジェクトを実践している。

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主催:NPO法人アート&ソサイエティ研究センター

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【SEAラウンドトーク】 竹川宣彰
Vol.9「差別団体のデモに抗議してみる」


アーティストは今、ソーシャリー・エンゲイジド・アートをいかに捉えているのか?
一線で活躍するアーティストによるトーク&ディスカッション・シリーズ

Vol.9 「差別団体のデモに抗議してみる」

「差別団体のデモに抗議してみる」というワークショップ型アートを仮定してみるとそこにはどのような問題が立ち上がるでしょうか? 第一の問題は「社会問題への興味」と「社会問題に介入するアートへの興味」との間には根本的な隔たりがあるということ。第二の問題はネット空間における表現の「実験」の激化の果てに現実空間に産み落とされてしまった差別デモをアートの手で再び「実験」に引き渡してしまうということ。この仮定と問題提起は、社会がアート化しアートが社会化して交わり表現の自由と自由な表現が交換されてしまう危険な一線を提示するものです。その一線を認識することはソーシャリー・エンゲイジド・アートの前提条件を確認することでもある筈です。作品の紹介を通してわかりやすく考えを共有したいと思います。

開催概要

日 時 2018年5月25日[金]18:30–20:30
会 場 3331 Arts Chiyoda B1階マルチスペースB105 (www.3331.jp/access
定 員 20名(先着順) 
参加費 800円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

竹川宣彰 Nobuaki Takekawa
平面、立体、インスタレーションなど多岐に渡る表現方法で、独自のセンスとユーモアに富んだ作品を制作。国内外で数多くの展覧会に参加しながら、デモなどの路上の活動にも加わり、社会・歴史と個人の関係を常に問い直している。近年参加した展覧会は「理由なき反抗 」ワタリウム美術館(2018)、ウラジオストクビエンナーレ(2017)、シンガポールビエンナーレ(2016)、あいちトリエンナーレ(2016)など。
http://takekawanobuaki.com

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主催:NPO法人アート&ソサイエティ研究センター

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【SEAラウンドトーク】 池田剛介
Vol.8 「コトからモノヘ — 芸術の逆行的転回にむけて」


ソーシャリー・エンゲイジド・アート ラウンドトーク
アーティストは今、ソーシャリー・エンゲイジド・アートをいかに捉えているのか?
一線で活躍するアーティストによるトーク&ディスカッション・シリーズ

Vol.8 「コトからモノヘ — 芸術の逆行的転回にむけて」

アートと社会の関係とは何か。近年しばしば見られる問いですが、こうした問題を考える上で、たかだかここ数十年というアート・ワールドの動向を射程とするのではなく、より根本的にその意味を再検討することが重要ではないでしょうか。芸術の持つ、モノを作るという原点に立ち返りながら、制作行為と社会的なものとの関わりについて問うこと。今回、近年取り組んでいる「占拠」をめぐるプロジェクトを一つの参照項としながら、芸術と社会との関係について参加者の方々と共に考えていく予定です。

アートの内外で「モノからコトへ」というスローガンの掲げられて久しい現代において、むしろ「コトからモノヘ」という芸術の逆行的な転回可能性を見据えながら、芸術と社会をめぐる問題を新たな角度から考える機会になればと思います。

開催概要

日 時 2018年4月26日[木]18:30–20:30
会 場 3331 Arts Chiyoda B1階マルチスペースB105 (www.3331.jp/access
定 員 20名(先着順) 
参加費 800円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

池田剛介 Kosuke Ikeda[アーティスト]
1980年福岡県生まれ。美術作家。京都造形芸術大学卒業、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。自然現象、生態系、エネルギーなどへの関心をめぐりながら制作を行う。近年の展示に「Malformed Objects――無数の異なる身体のためのブリコラージュ」 (山本現代、2017)、「Regeneration Movement」(国立台湾美術館、2016)、「あいちトリエンナーレ2013」、「堂島リバービエンナーレ2011」など。近年の論考に「祝祭から「遊び」へ」(『POSSE』2017年9月号)、「虚構としてのフォームへ」(『早稲田文学』2017年初夏号)、「干渉性の美学へむけて」(『現代思想』2014年1月号)など。
www.kosukeikeda.net

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主催:NPO法人アート&ソサイエティ研究センター

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【SEAラウンドトーク】 ジェームズ ・ ジャック
Vol.7 「海を中心とするSEA」


ソーシャリー・エンゲイジド・アート ラウンドトーク
アーティストは今、ソーシャリー・エンゲイジド・アートをいかに捉えているのか?
一線で活躍するアーティストによるトーク&ディスカッション・シリーズ

Vol.7 「海を中心とするSEA」
(=Socially Engaged Art and Southeast Asian Art)

このトークは海からはじまります。今日社会政治の範疇では、国や国境による土地中心の歴史について主に議論されますが、これに対して、このトークは海からの視点をひらこうとします。ソーシャリー・エンゲイジド・アートにおいて、海からの視点はどのような見方を可能とするでしょうか?人間のインタラクションを通じて海の生活を見ると、多様な文化のネットワークに光をあてることになります。そこで、ここでは社会とエコロジカルな関係性を中心に考えた場合、アジア太平洋地域にどのような変化をもたらすかを再考したいと思います。
アートワークは社会の記憶に形を与えることができます。それらは植民地時代の地域の記憶を回復する物語に力を与えるのです。ジャックによる芸術作品が、創造的なストーリー・テリングを通して、コミュニティ内とコミュニティ間のつながりを再生するために作用するプロセスをお聞きします。(トーク言語:日本語)

開催概要

日 時 2018年3月29日[木]18:30–20:30
会 場 上野・御徒町貸会議室 東京都台東区上野3-7-3 SDビル5階
(https://bmt-group.jp/kaigishitsu/ueno_okachimachi)
定 員 20名(先着順) 
参加費 800円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

ジェームズ・ジャック James Jack[アーティスト]
ニューヨーク市出身、東京藝術大学にて博士号取得。九州大学ソーシャルアートラボ特別研究員を経て、現在、 シンガポール、イエール NUS 大学講師。世界中で社会とエコロジーの壊れやすい関係性を再生することに関心をもつ。土や水、海など、私たちを取り巻く環境をテーマに場所の記憶や物語、コミュニティをつなげる作品を創っている。 展覧会は Centre for Contemporary Art シンガポール、福岡県立美術館、アジア・アメリカ・アーツセンター、瀬戸内国際芸術祭、 Cheryl Pelavin Fine Art、釜山ビエンナーレ、ポートランドアートセンター、ホノルル美術館などで発表。

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【SEAラウンドトーク】 卯城竜太(Chim↑Pom)
Vol.6 「道を拓く」



ソーシャリー・エンゲイジド・アート ラウンドトーク
アーティストは今、ソーシャリー・エンゲイジド・アートをいかに捉えているのか?
一線で活躍するアーティストによるトーク&ディスカッション・シリーズ

Vol.6 「道を拓く」 

2005年に結成されたアーティスト・コレクティブChim↑Pomの卯城竜太(うしろりゅうた)さんをゲストに迎えます。Chim↑Pomは、渋谷センター街で捕獲したネズミをピカチュウそっくりの剥製にした「スーパーラット」でデビューして以来、つねに現代という「状況」に反応し、独創的な手法で介入するプロジェクトを国内、海外で展開しています。最新作は「道」。国立台湾美術館で開催中のアジアン・アート・ビエンナーレ2017(2018/2/25まで)の出品作として、美術館の外の公道から館内に至る長さ200mのアスファルト道をインスタレーションしました。公道も国立美術館も公共の場ですが、それぞれに異なるルールがあります。Chim↑Pomの道は、公道とも国立美術館とも違う新たなパブリックスペースとして独自のレギュレーションを設定。それによって路上はさまざまなことが可能な場となり、パフォーマンスやプロテストやDJ、グラフィティなどが繰り広げられました。今回、卯城さんにはこのプロジェクトを中心に語っていただき、「道」をめぐって「パブリック」の意味を問い直します。

開催概要

日 時 2018年2月23日[金]19:00–21:00
会 場 上野・御徒町貸会議室 東京都台東区上野3-7-3 SDビル5階
(https://bmt-group.jp/kaigishitsu/ueno_okachimachi)
(前回と会場が異なりますのでご確認の上、ご来場ください)
定 員 20名(先着順) 
参加費 800円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

Chim↑Pom[アーティスト集団]
卯城竜太・林靖高・エリイ・岡田将孝・稲岡求・水野俊紀が、2005年に東京で結成したアーティスト集団。時代のリアルを追究し、現代社会に全力で介入したメッセージの強い作品を次々と発表。世界中の展覧会に参加するだけでなく、自らもさまざまなプロジェクトを展開する。2015年アーティストランスペース「Garter」を東京にオープンし、同時代のさまざまな表現者たちの展覧会もキュレーションしている。また、東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域内で、封鎖が解除されるまで「観に行くことができない」国際展「Don’t Follow the Wind」の発案とたちあげを行い、作家としても参加、同展は2015年3月11日にスタートした。以来、最近はさまざまな「ボーダー」をテーマにしたプロジェクトも展開しており、2017 年には、メキシコと アメリカの国境沿いで制作したプロジェクト「The other side」を発表。2015年、Prudential Eye AwardsでEmerging Artist of the Yearおよびデジタル・ビデオ部門の最優秀賞を受賞。
Chim↑Pom:http://chimpom.jp/

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【SEAラウンドトーク】 藤井光
Vol.5「SEAは可能か?」


ソーシャリー・エンゲイジド・アート ラウンドトーク
アーティストは今、ソーシャリー・エンゲイジド・アートをいかに捉えているのか?
一線で活躍するアーティストによるトーク&ディスカッション・シリーズ

Vol.5 「SEAは可能か?」 

今回のトークは、映像作品を中心に、人々の記憶の危うさや歴史の再解釈を試みる作品で知られる藤井光さんをお招きします。1903年に内国勧業博覧会で行われた「人間の展示」等に焦点を当てた映像インスタレーション『日本人を演じる』や、東京大空襲の犠牲者追悼祈念館の計画が政治的理由により実現しなかったことをテーマにした『爆撃の記録』、韓国の学生に戦時中の日本の軍隊や児童への教育の様子を演じることを依頼した『帝国の教育制度』 等について語って頂きます。
藤井さんの作品は映し出される人々と一定の距離を保ちながら独自の美的スタイルを生み出すことでも知られています。一方で、対象とする場所は政治化した場が多く、見る者に戸惑や居心地の悪さを感じさせ、自分たちを取り巻く社会や自らの立ち位置を再考することを促します。今回のトークでは参加者を募り、テーマに関する議論やワークショップを通して作品化していく手法や考え方、また、政治とアートとの関係性等を具体的に伺いSEAの可能性を探ります。

開催概要

日 時 2018年1月11日[木]18:30–20:30
会 場 TKP上野御徒町ビジネスセンター カンファレンスルーム9A (https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/bc-ueno-okachimachi/access/
定 員 20名(先着順) 
参加費 500円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

藤井 光|Hikari Fujii
1976年東京都生まれ。美術家、映像作家。映像メディアを中心にアーカイブ資料などを取り上げ、人々の記憶や歴史の歪みを解きほぐすように関係性を再解釈した作品で知られる。作品形態は映像、ワークショップの実施、ドキュメンタリー映画の制作、演劇/映画作品の演出とテキストの執筆など。パリ第8大学美学・芸術第三期博士課程DEA卒業。近年では、『爆撃の記録』(東京都現代美術館『MOTアニュアル 2016 キセイノセイキ』展)、『帝国の教育制度』(森美術館『六本木クロッシング2016』展)を発表。監督作品にドキュメンタリー『プロジェクトFUKUSHIMA!』(プロジェクトFUKUSHIMA! オフィシャル映像記録実行委員会、2012年)、『ASAHIZA人間は、どこへ行く』(ASAHIZA製作委員会、2013年)、日産アートアワード2017でグランプリとなった『日本人を演じる』などがある。

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主催:NPO法人アート&ソサイエティ研究センター

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【SEAラウンドトーク】 高山明
Vol.4「演劇と社会」


ソーシャリー・エンゲイジド・アート ラウンドトーク
アーティストは今、ソーシャリー・エンゲイジド・アートをいかに捉えているのか?
一線で活躍するアーティストによるトーク&ディスカッション・シリーズ

Vol.4 「演劇と社会」 

プロジェクトごとに形を変えて作られる創作ユニットPort Bの中心的存在として活動を続ける高山明さんをゲストに迎えます。都市空間で実施するインスタレーション、ツアー・パフォーマンス、社会実験的プロジェクト、言論イベント、観光ツアーなど、既存の演劇の枠組を超えた活動を展開しています。演劇界のみならず美術界からも大きな注目を集めた『完全避難マニュアル』や難民をテーマにしたドイツのムーゾントゥルムとのプロジェクト『ヨーロピアン・シンクベルト』など、本トークでは代表的プロジェクトを紹介しつつ、高山明さんが捉える社会とアートの関係性を様々な角度からディスカッションしていきます。

開催概要

日 時 2017年12月14日[木]18:30–20:30
会 場 TKP上野御徒町ビジネスセンター カンファレンスルーム9A (https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/bc-ueno-okachimachi/access/
定 員 20名(先着順) 
参加費 500円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

高山 明|Akira Takayama
1969年生まれ。94年より渡欧し多数の舞台に関わりながら演出・戯曲執筆を行う。ドイツでの演劇活動の後に帰国し、2002年にPort B(ポルトビー)を結成。以後、現実の都市や社会に「演劇=客席」を拡張していく手法を用い、演劇を専門としない表現者たちとの共同作業を続ける。’13年には「シンクタンクPort観光リサーチセンター」を設立。異分野とのコラボレーション等、既存の演劇の枠組を超えた前衛的な作品を次々と発表している。
http://portb.net/

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【SEAラウンドトーク】瀬尾夏美
「Vol.3土地の出来事を受け渡す(陸前高田から)」

SEAラウンドトーク

ソーシャリー・エンゲイジド・アート ラウンドトーク
アーティストは今、ソーシャリー・エンゲイジド・アートをいかに捉えているのか?
一線で活躍するアーティストによるトーク&ディスカッション・シリーズ

Vol.3
–土地の出来事を受け渡す(陸前高田から)–

大津波のあとの陸前高田に暮らしながら、そこにある風景や人々のことばを記述してきました。出会った人に聞かせてもらったお話を書き起こし、ご本人と話し合いながら声にしていただいて、そこから映像作品をつくりました。陸前高田でつくった展覧会を日本各地に巡回し、旅先で対話を重ねました。陸前高田で書いた物語をダンサーや俳優と読み込み、協働を通して作品を展開してきました。大津波のあと、その場所もその他の場所も日々めまぐるしく変化しています。そのような状況のなかで、進行形で記述を行いながら、同時代をともに生きる人たちに出来事を開いていくような試みを行っています。今回は、主に陸前高田から始まったさまざまな動きと、平行に進み始めている戦争体験の記述についてお話ししたいと思います。

開催概要

日 時 2017年11月17日[金]18:30–20:30
会 場 TKP上野御徒町ビジネスセンター ミーティングルーム9C (https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/bc-ueno-okachimachi/access/
定 員 15名(先着順) 
参加費 500円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

瀬尾 夏美|Seo Natsumi[画家、作家]
1988年東京都生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。土地の人びとのことばと風景の記録を考えながら、絵や文章をつくっている。2012年より、映像作家の小森はるかとともに岩手県陸前高田市に拠点を移す。以後、地元写真館に勤務しながら、まちを歩き、地域の中でワークショップや対話の場を運営。2015年仙台市で、土地との協同を通した記録活動を行う一般社団法人NOOK(のおく)を立ち上げる。主な展覧会に「クリテリオム91」(水戸芸術館、茨城、2015年)、「横浜トリエンナーレ2017」(横浜美術館・赤レンガ倉庫、神奈川、2017年)など。現在は小森とのユニットで、巡回展「波のした、土のうえ」「遠い火|山の終戦」を全国各地で開催している。http://komori-seo.main.jp/

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主催:NPO法人アート&ソサイエティ研究センター

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