どうも、ほにゃらら sp.です。
このコーナーではアクアリウムの森羅万象、あらゆる関連製品・生体について、
コリドラス飼育目線
での、見解・感想なんかを紹介していきます。
ここではより具体的な混泳相性や、混泳させる場合に使えるテクニックなどについて、”まるでロングノーズ種のように深掘り”していこうと思います。
今回お届けするのは混泳に関連する、ちょっぴり深~い話です。
便利なお掃除屋さん?
混泳水槽において、コリドラスの基本的な役割といえば「便利なお掃除屋さん」としての採用が多いのではないでしょうか。
掃除要員として起用されることの多い彼らですが、混泳水槽であったとしてもコリタブは与えたほうが良いでしょう。
ただし、毎日は必要ないかもしれません。2~3日に1回程度で十分です。
混泳水槽で毎日コリタブを与えてしまうと、残餌が過剰になり水質悪化を招く恐れがあります。
毎日与えるのではなく、与える頻度を少し減らすのがベストでしょう。
攻撃性を誘発する飼育環境
コリドラスは基本的に他魚に対する攻撃性を持ちません。(※一部のロングノーズ系は除きます。)
また、コリドラスに対して攻撃を仕掛ける魚種も多くはありません。
したがって、コリドラスは多くの熱帯魚との混泳が楽しめます。
先の混泳相性表で「◎」と表記されている組み合わせであれば、ほとんどの場合問題は起こらないでしょう。
しかし……。
飼育環境によっては、本来温和であるはずの魚の攻撃性を誘発してしまうことがあります。
もし、コリドラスが攻撃されていたり、ヒレをかじられていたりするように見える場合、以下の要素がないかチェックしてみると良いでしょう。
飼育密度が低い
水槽サイズに対して、魚の数が少なすぎると逆に攻撃性を誘発することがあります。
一般に縄張りを持つ種の場合、個体数が少ないとその分広く縄張りを持ちます。
逆に個体数が多い場合、縄張りを持つメリットが縄張りを維持する労力に見合わないと判断し、縄張りを持たなくなることがあります。
対策としては魚の数を少し増やすと良いでしょう。
ある程度の密度が保たれることで攻撃性が落ち着きやすくなります。
水槽が狭い
逆に水槽が狭すぎるのも攻撃性を誘発します。
魚のサイズに対し、狭すぎるとお互いにヒレをかじり合う原因となります。
例えば本来は温和なテトラ類であっても、ストレスのかかる環境では他魚のヒレをかじってしまうことがあります。
ストレスのかかる環境下では、
他の魚のヒレを齧ることがあります。
特に45cm以下の水槽でこの現象は発生しやすいです。
水槽サイズが小さい場合は、サイズアップを検討してみるのも良いでしょう。
60cm水槽以上で遊泳スペースが十分にある環境ならば、ストレスを原因とする攻撃性の誘発は発生しにくくなります。
水槽が広すぎると攻撃性を誘発しますが、狭すぎても誘発するというのは、なかなか難しいところですね。
水流が弱い
基本的に遊泳魚は水流を好みます。
水流がない、あるいは弱いと低層魚に接触しやすくなり、本来であれば起こりにくいはずのトラブルが起きることがあります。
これは水流の弱いスポンジフィルターや、外掛け式フィルターなどを使用している場合に起こりやすいです。
元々水流が強い外部式フィルターを使用している場合、それほど心配は要らないでしょう。
強めの水流を上層部に用意することで、好んで上層を泳ぎ回るようになり、逆に下層には近づきにくくなります。
上層にプレッシャーをかける存在がいない
遊泳魚は基本的に群れることが多いのですが、プレッシャーを感じていない環境下では自由に散って泳ぐことがあります。
バリアタスやブラックモーリー、ドワーフ・グラミーやパール・グラミーなど、中型で他魚への攻撃性の少ない魚種を入れておくと、遊泳魚に程よいプレッシャーがかかります。
その結果攻撃性が落ち着き、群れでまとまった行動を見せてくれるようになります。
無視も制御もできない「個体の性格」
混泳においてどうしてもコントロールできない要素があります。
それは「個体の性格」です。
温和とされるテトラ類やプラティの中にも、個体の性格によっては他魚のヒレをかじるような攻撃的な個体もたまにいます。
反対に、攻撃性が強いとされるシクリッドやエンゼルフィッシュの中にも、個体の性格によっては他魚に攻撃しない温和な個体もたまにいます。
混泳の成否は、個体の性格により二分される要素も大きいです。
このため90%上手くいく組み合わせは存在しますが、100%上手くいく組み合わせは存在しません。
一般的に考えれば上手くいくことのほうが多いものの、少数の例外的な個体は必ず存在します。
このため、いかなる組み合わせであっても100%にはなり得ないのです。
成長の過程や、輸送などをきっかけに性格が変化することもあるので、狙い通りの性格を持った個体を手に入れることは極めて難しいのです。
その上で安全に混泳できる魚種
ここまでで述べたように、混泳に100%絶対はありません。
飼育環境や性格の個体差まで加味した上で、コリドラスへの攻撃性が特に低く、よほどのことがない限り安全に混泳できる魚種は次の通りです。
グッピー
基本的に他魚への攻撃性は皆無です。
自分より大きい魚に手出しをすることはまずないでしょう。
コリドラスと安心して混泳できる代表的な組み合わせです。
ただし、水質に関しては本来、弱アルカリ性に寄ったものを好みます。この点はコリドラスと相違します。
とはいえ、水質に関してはどちらも適応力は高めです。
pH7.0±0.5の範囲であれば、問題が起こることはそうそうありません。
メインとするほうの魚種が好む水質に合わせると良いでしょう。
卵生メダカ
ランプアイ系、またはオリジアス系の魚種であれば、他魚への攻撃性は皆無です。
自分より大きい魚に手出しをすることはまずないでしょう。
こちらもコリドラスと安心して混泳できます。
特にランプアイ系は弱酸性の水質を好むものが多く、水質の観点からも相性も良いです。
卵生メダカの仲間は特に水面付近を主な遊泳域とするため、コリドラスと接触することがあまりないのもポイントです。
レインボーフィッシュ
小型レインボーフィッシュも攻撃性が皆無です。
最大サイズが6cm以下の種であれば、コリドラスとはまず問題なく混泳できます。
「ポポンデッタ・フルカタ」「ネオンドワーフ・レインボー」「ニューギニア・レインボー」「バタフライ・レインボー」「セレベス・レインボー」の中から選ぶと失敗が少ないでしょう。
ローチ(ドジョウの仲間)
小型ローチ類もまず安全です。
コリドラスと同じく目の細かい砂地を好みます。
遊泳域は被りますが、お互いに攻撃性を持たないので仲良く低層で戯れる姿が観察できるのもポイントです。
「クーリー・ローチ」「ブラッククーリー・ローチ」「ポルカドット・ローチ」「ホースフェイス・ローチ」「ゴンゴタ・ローチ」の中から選ぶと失敗が少ないでしょう。
いかにもドジョウらしい形をした、にょろにょろとした体形の種から選べば概ね安全です。
ロングノーズはちょっと注意
基本的にコリドラスは温和なので、他魚に対し攻撃を仕掛けることはまずありません。
しかし、コリドラスの中でもロングノーズ系のグループだけは縄張りを持つ性質があり、例外的に攻撃性を持つことがあります。
▼ロングノーズ系コリドラスについて 詳しくはこちら
混泳させようとしているコリドラスがロングノーズ系の種の場合は、留意したほうが良いでしょう。
単独飼育がゼロリスク
コリドラスの混泳は熱帯魚全体で見れば、かなり混泳させやすい部類に入ります。
しかし、他グループの魚種との混泳はどうやってもリスクは0になりません。
90%安全な組み合わせはあったとしても、100%安全な組み合わせは存在しません。
希少なコリドラスや、伸長するヒレが命のコリドラス。
損傷すると著しく観賞価値を損なう種を飼育しているなど、絶対にリスクを避けたい場合は、コリドラスのみでの飼育がおすすめです。
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