高齢者と薬
高齢者が薬を服用する場合の注意
一般に、高齢者は薬の効きすぎによる副作用が多いので注意が必要です。
その原因としては次の理由があげられます。
1.体の各臓器(肝臓、腎臓など)の機能が老化して能力がおちている…つまり、肝臓の解毒作用の低下や腎臓の排泄能力の低下などにより薬が体の中に多くなるからです。
2.血液中のタンパク質アルブミンが少ない…アルブミンは多くの種類の薬と結合します。その結合の割合は薬によって違います。アルブミンと結合したもの(結合型)は薬としての作用(はたらき)ができず、結合型は遊離型(アルブミンと結合していない)になると作用をあらわします。遊離型が使われて少なくなると、結合型がアルブミンから離れて遊離型となり効果を示すようになります。
すなわち、血液中のアルブミンの量が少ないと結合する薬が少なくなり、その分だけ薬の作用が強くあらわれます。
3.一般に、高齢者の半数はいくつかの病気をもっているとされ、それぞれの疾患の治療に薬を用いるために薬の種類も多くなります。
4.高齢者の病気は慢性の場合が多く、薬を長く用いることになります。
このように、薬の副作用が起こりやすい状態にあるので、指示されたとおりに薬を用いること、自分の判断で勝手に多くしたり、あるいは中止したりしないようにします。
特に、のみ忘れたり、のみすぎたりしがちになりますので、家族の方などは気を付けてあげましょう。
医師の診察を受けたり、あるいは薬局で薬を求める場合には、現在用いている薬は必ず伝えることが必要です。
また、薬を用いて異常を感じたら、すぐに医師、薬剤師に相談してください。