Q19.鎮痛に使われる非ステロイド抗炎症薬について教えてください?
A : 鎮痛薬に使われる薬には、非ステロイド抗炎症薬(以下、非ステロイド薬と略)のほかに、ステロイド薬、麻薬などがあります。一般に頭痛、関節痛、打撲痛などには非ステロイド薬が使われます。
非ステロイド薬の作用は、プロスタグランジン(生体内にある痛みなどを増強させる物質)と呼ばれる物質の産生を防ぐことによって、痛みをとったり炎症を鎮めたりします。また、かぜをひいた時などに熱を下げる目的にも使われます。
非ステロイド薬の剤形としては、ほとんどが経口薬ですが、坐薬・湿布・塗り薬などもあります。
坐薬は、直腸から吸収されますので経口薬に比べて即効性があり、胃に直接入らないため、非ステロイド薬の副作用である胃腸障害を防ぐことができます。
湿布や塗り薬は、直接、筋肉や関節組織にまで浸透し、鎮痛作用をあらわします。
非ステロイド薬を使用するときの主な注意事項には、次のようなものがあげられます。
- 胃を荒らすことがありますので食後に服用するように心がけてください。空腹時における頓服の場合は、牛乳やクッキーなどの軽食をとってからおのみください。
- 湿布や塗り薬に関しては、目や粘膜などに使用しないようにしてください。
- 妊娠・授乳中の方は、医師もしくは薬剤師とよく相談してから服用してください。
- 消化性潰瘍がある人は、服用を避けてください。
非ステロイド薬としては、昔からアスピリンがよく知られていますが、現在では多くの薬品が開発・使用されています。代表的な薬として、ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)、インドメタシン(インダシン)、イブプロフェン(ブルフェン)などがあります。