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Q.処方薬と市販薬はどう使い分ければいいの?A.処方薬はかかってしまった病気の治療に。市販薬は健康の維持増進や初期治療などに。処方薬の場合、医師がそれぞれの患者さまの症状・体質に合わせて処方されます。一方の市販薬の場合、お年寄りから若者、大柄な人から小柄な人まで、様々な人が安全に使用できるように配慮されています。そのため、薬の有効成分の含有量は、医療用医薬品に比べると少なめになっていることもあります。 市販薬は、日頃の健康の維持増進や、病気のかかりはじめと思われる体調不良の初期治療、症状の軽い疾患、環境衛生などを目的に使用します。 Q.市販薬を買う時に注意することは?A.自分に合うかどうかを確認しましょう。まずは、現在の自分の症状に合っているお薬か、アレルギーのある成分は含まれていないか、他に飲んでいるお薬との飲み合わせなどを確認しましょう。自分で判断しにくい場合には、薬剤師に相談して、適切なアドバイスをもらいましょう。 Q.市販薬と大衆薬って同じですか?A.どちらも処方せんなしで購入できる医薬品です。一般に、市販薬、家庭用医薬品、大衆薬などと呼ばれているお薬は、処方せんなしで購入可能な一般用医薬品や要指導医薬品のこと。患者さまに対する情報提供の必要性の程度によって一般用医薬品は、第一類~第三類まで、3類に分かれています。特に、第一類医薬品や要指導医薬品は薬剤師による情報提供が義務付けられています。 Q.なぜ市販薬なのに薬剤師が販売しないといけないお薬があるの?A.副作用のリスクが高く、取扱いに十分な注意が必要なお薬があるからです。市販されたばかりで取扱いに十分な注意が必要な医薬品や、副作用や薬の飲み合わせのリスクが高い医薬品は、要指導医薬品・第一類医薬品に分類され、薬剤師が服薬指導をした上で販売します。第二類、第三類医薬品は薬剤師または登録販売者により購入することが可能です。 Q.トクホはお薬ですか?A.お薬ではなく、食品です。トクホとは、特定保健用食品のことで、消費者庁の許可を得て効果を表示できる食品です。血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、おなかの調子を整えるのに役立つなど、保健の効果が科学的に証明されています。 |
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Q.ジェネリック医薬品ってそもそも何ですか?A.先発医薬品と同等として厚生労働省に認められた医薬品です。新薬の開発には長い年月と莫大な費用が必要です。そのため、開発した企業には特許と再審査によって、原則20年、最大25年、その権利と利益が守られています。他の企業はこの特許権が存続する期間を過ぎれば開発が可能になります。これがジェネリック医薬品、正式には「後発医薬品」と呼ばれ、特許存続期間の終了した先発医薬品と同じ有効成分を使って作られた医薬品です。 Q.ジェネリック医薬品を使うメリットは何ですか?A.患者さまの出費と国の医療費を抑えます。ジェネリックとは、英語で「普及した」とか「一般的な」という意味。先発医薬品の2~7割程度の価格で販売されるジェネリック医薬品は、患者さまのお支払の負担を減らし、今や国の問題にまで発展している医療費高騰を抑制することができます。まずは、患者さまに安心して飲んでもらえることが第一ですので、必要に応じて薬剤師が説明書などを見せながら説明します。 Q.ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じなの?A.有効成分、有効成分の量、効き目、安全性が同じお薬です。ジェネリック医薬品と先発医薬品で異なるのは、色、形、添加物などで、最新の製剤技術により、錠剤の大きさを小さくして飲みやすくするといった改良が加えられている場合もあります。 Q.薬剤師の判断でジェネリック医薬品に変更できませんか?A.患者様のご希望により薬局で変更可能です。(ただし、医師から「銘柄変更不可」の指示がある場合を除きます。)処方せんの記載内容が先発医薬品だったとしても、医師から「変更不可」と指示がない限り、患者さまが希望すれば、薬局でジェネリック医薬品を選択して利用することができます。もし医師から「変更不可」の指示がある場合、薬局では変更できません。医師にジェネリック医薬品を希望する旨を伝えてください。 |
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Q.なぜ副作用が起こるの?A.主な原因は、お薬の性質、使い方、使う人の体質、使った時の体の状態などが考えられます。多くのお薬は複数の作用を持っているため、治療効果とは異なる効果も発揮することがあります。また、薬の代謝物が作用している場合も。その他には、免疫や体質、日光が影響する場合もあります。いずれにせよ、副作用が起きた場合には早期に対応することが非常に大切です。すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。 Q.お薬を飲んで体がかゆくなったのですが、どうすればいいですか?A.お薬をもらった薬局や医院にすぐに連絡を。必ずしもお薬によるものとは判断できませんが、もしも急性の過敏反応であるアナフィラキシーの場合には、できるだけ早い受診が必要です。体のかゆみ以外にも、じんましん、声のかすれ、くしゃみ、のどのかゆみ、息苦しさ、どうき、意識の混濁などの症状が出る場合があります。息苦しい場合には、救急車などを利用して、直ちに病院へ行き、医師の診断を受けてください。 Q.副作用が起きたら補償してもらえるの?A.医療費などの給付が受けられる場合があります。医薬品を適正に使用したにも関わらず、入院や死亡といった、副作用による一定の健康被害が生じた場合には、「医薬品副作用被害救済制度」が適応され、医療費などの給付が受けられます。医薬品は、万全の注意を払ってもなお、副作用の発生を完全にゼロにすることはできません。 |
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Q.食間は食事中に飲めばいいの?A.食事と食事の間に飲むのが食間です。誤解されていることも多いのですが、食間とは、食事と食事の間のことであって、食事中に飲むお薬ではありません。目安は食事の2時間後。空腹時の胃粘膜を保護するお薬や、食べものに影響されて吸収・効果が弱くなるお薬などは、食間服用を指示されることがあります。 Q.食前や食後に飲むのはどんなお薬?A.胃の中の食べものの有無が決め手。お薬を飲むタイミングとして指定されている食前、食間、食後。食前とは、胃の中に食べものが入っていない、食事の20~30分前のこと。食後服用では吸収が悪くなるお薬、吐き気止め、漢方薬は食前服用が多いです。食後とは、胃の中に食べものが入っている時、食事の後の30分以内のこと。胃に負担をかけやすいお薬、食事と一緒に服用したほうがよく吸収されるお薬などが多いです。食事の影響を受けないお薬は、飲み忘れを防ぐために食後を指定する場合もあります。 Q.食事の時間が不規則でも食後を守ったほうがいい?A.必ず薬剤師にご相談ください。糖尿病のお薬など、食事をしない場合には飲んではいけないお薬や、食後でないと十分な効果が出ないお薬もあります。食事が不規則な場合は、等間隔の時間を決めて飲んだ方が効果的なこともあるので、まずは薬剤師にご相談ください。 Q.粉薬が苦手なのですが、どうしたらいいですか?A.他の形状のお薬に変更できる場合があります。まずは医師に申し出ましょう。もしすでに処方せんをお持ちの場合や、市販薬を購入する場合には、薬剤師に相談してください。同じ成分の錠剤やカプセル、シロップなど、粉薬以外の形状のお薬がないか確認します。また、オブラートやカプセルに入れて飲む方法もあります。漢方薬では、白湯に溶かして飲むことができる場合もあるので、お薬に合わせて薬剤師から案内します。 Q.頓服(とんぷく)ってなに?A.発作時や症状のひどい時にお薬を飲むことです。頓服(とんぷく)とは、食後などの決まった時間ではなく、発作が起こった時や症状がひどい時にお薬を飲むこと。お薬や症状によって1日に何回まで服用できるのか、次の服用までにどのくらい間隔を開ければいいのかが異なります。 Q.飲み忘れを防ぐには?A.電子おくすり手帳アプリ「おくすりPASS」の服薬リマインダーをお試しください。飲み忘れ防止策として、①いつも見えるところに薬を置いておく②ピルケースに小分けにしておく③家族でお互いに確認や注意をしあうなどがありますが、確実なのは電子おくすり手帳アプリ「おくすりPASS」の服薬リマインダーによるお知らせ機能を活用することです。飲む時間が来たらアラームでお知らせ。服用後はタップするだけで、お薬を飲んだかどうかを薬剤師や医師と共有。効果的な治療に役立てることができます。 Q.お薬を1つのパックにまとめられる?A.まとめるサービス、あります。何種類かのお薬を服用1回分ずつ、1袋にしてお渡しする「一包化(いっぽうか)」サービスを有料で行っています。お薬の飲み忘れ、飲み間違いが心配な方、お薬を手で取り出すのが困難な方、服用するお薬が多い方にはオススメです。 Q.お薬嫌いの子どもにお薬を飲んでもらう方法はありますか?A.いくつかご紹介します。①少量の水で溶かして、スプーンやスポイドで飲ませる方法があります。時間を置くと甘いコーティングがはがれて苦みが出ることがあるので、なるべく早く飲ませてください。 Q.錠剤にいろんなカタチがあるのはなぜ?A.飲みやすさや効果持続のための工夫です。お薬のカタチにはすべて意味があります。錠剤には、何段階にもわたって溶けて効果を発揮するためにコーティングが施されたものや、苦くないように糖分でくるんだものなど、さまざまなカタチがあります。これは飲みやすくするためや効果を最大化するための工夫なのです。詳しくは、おくすりの基礎知識の「お薬のカタチ」をご覧ください。 Q.錠剤を噛んじゃダメ?A.噛んでいいお薬と噛んではいけないお薬があります。錠剤には、砕いて飲んでも効果の変わらないものと、砕くと効果が変わってしまうものがあります。砕いてはいけないお薬の代表は、コーティングされているお薬。有効成分が胃ではなく腸で溶けるようにコーティングされている薬もあるため、砕いてしまうと効果を発揮できなくなる場合があります。もし砕いて飲みたい場合には、医師の承認を得て薬局で粉状にして渡せる場合や、同じ成分の別の粉薬や、口の中で溶けるタイプのお薬を選択できる場合もあります。 Q.目薬をうまく差す方法は?A.手が震えてしまう場合には、「げんこつ法」がオススメです。空いている手でこぶしを作り、目の下にあて、下まぶたの裏側に落とすとうまくさせます。液を一滴ずつ出せない場合には、「人差し指で容器の底を押す方法」や「鉛筆を握るように容器を握る方法」があります。目薬を使用するための補助器具も500円程度でいろいろ市販されているので、試してみるのもいいですよ。いずれの場合にも、容器の先端が目やまつ毛に触れないように差しましょう。 |
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Q.お薬はどこに保管すればいい?A.直射日光、高温、多湿を避けてお子さまの手の届かないところに置いてください。多くのお薬は室温保存。中には「10℃以下の場所(冷蔵庫)に保管」「缶などの気密容器に保管」といった注意が必要なものもあります。湿気を避けるために冷蔵庫に保管すると、取り出したときの結露によって、かえって湿気を帯びてしまうことがあるので避けましょう。また、誤飲・誤用を避けるため、食品、農薬、殺虫剤、防虫剤などとは区別して保管し、他の容器に入れ替えないようにしましょう。 Q.余ったお薬はどうするの?A.薬局にお持ちください。飲み忘れて余ってしまったお薬は、薬局にお持ちください。薬剤師がお薬の状態や数を確認し、もし次の診察で同じお薬を処方する場合には、処方日数を調整してもらえるよう医師に連絡したり、次回の診察の際に患者さまから医師に直接、残薬の量を伝えられるようなメモを作成したりします。 |
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