ガザ完全包囲は国際法上「禁止」 国連人権高等弁務官
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【10月10日 AFP】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のボルカー・ターク(Volker Turk)高等弁務官は10日、イスラエルが宣言したパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の「完全包囲」について、市民から生活必需品を奪うもので、国際法上「禁止」されていると警告した。
ターク氏は声明で、人々の尊厳と生命は尊重されなければならないと訴え、すべての当事者に「火薬庫のような状況」を緩和するよう呼び掛けた。また、「国際人道法は明確だ。民間人および民間施設の保護を常時怠らないという義務は、攻撃中にも適用される」と指摘した。
さらにイスラエルによるガザ地区完全包囲について「生存に不可欠な物資を奪うことにより市民の生命を危険にさらす包囲は、国際人道法で禁止されている」と明言。包囲を実施するための人や物資の移動の制限は、軍事上の必要性を証明しなければならず、それができない場合は集団的懲罰の対象となると警告した。
ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)は7日朝、イスラエルに向けて大量のロケット弾を発射し、領内に侵入。以後、イスラエルとの間で報復の応酬が続いている。
イスラエル側は9日、ガザ地区を完全包囲し、食料や水、電力の供給を遮断した。これを受け、週末の急襲でイスラエル人約150人を拉致していたハマスは同日、イスラエル側がガザ市民を「標的」にした警告のない空爆を続けるならば人質を殺害すると脅迫した。(c)AFP