物価上昇が著しい昨今ですが、イギリスの園芸関連にまつわる価格高騰も例にもれず。ガーデニング好きとしては年々値上がりする植物やガーデニンググッズ、ガーデンの入園料などなかなか辛いものがあります。庭園の入園料も高い所では20-30ポンドするところも。家族や友人と大勢で気軽に出かける所ではなくなってきたような気すらします。
そこで無料で行ける素敵なガーデンをあちこちご紹介しようと、今回はロンドン北部に位置するThe Hill Garden and Pergolaを取り上げてみました。
ハムステッド周辺に住んでいた20年近く前、ハムステッド・ヒースやその周辺を時々散策していたのですが、地元の人に教えてもらうまで全く存在に気づきませんでした。昔は今より訪れる人がずっと少なく、穴場のグリーンスペースとして知られたところでした。
今ではSNS等でハズり絶好のセルフィースポットになっており、週末は若いカップルや女の子たちの自撮りで賑わっています。プロのカメラマンを雇って撮影してる人もいるくらい、このパーゴラが本当に絵になります。
写真撮影が趣味の方にもおすすめのフォトジェニックなガーデンです。ただ週末は人がいない瞬間の写真を撮るには時間がかかるかもしれません。
2階建ての回廊の上部に長く続くパーゴラが設置されています。つるバラ、つるあじさい、藤、アイビー、ジャスミン、ブドウなど、つる性の植物が植えられており、パーゴラの柱やトレリス、垂木を覆って緑のスクリーンやグリーンルーフのようになっています。
ガーデンエリアには多くの庭木やハーブ、宿根草が植栽されています。アイランドベッドの中を蛇行するフットパスを歩きながら、花を観察するのも楽しい。7月上旬に行った際にはハイペリカム、ジャスミン、ネペタ、アカンサスモリス、オレガノ、アジサイの花が満開でした。
アジサイはパーゴラや壁に這わせてあるつる性のものから、定番のアナベル、柏葉アジサイ、西洋アジサイなど色んな種類のものが庭のあちこちに植えられていました。満開手前といった感じだったので、まだまだ長い間花を楽しめそうです。ちなみにイギリスではアジサイの花を切らずに冬の間もそのままにすることがあります。地域や種類にもよりますが、多くの品種において剪定の時期は冬の終わりごろか春先に行うことで花芽を守ります。冬場のアジサイはドライフラワーの様で、寂しくなった庭においてオーナメンタルな役割も担います。
建物やポンドの周辺には家族連れや友達と楽しむ人でにぎやかですが、少し外れて散策すると静かなエリアもあります。林の中を歩くような感覚で森林浴を楽しむのも良いですね。
バラもありますが7月に入って少しお花は減っているようです。バラは6月から秋ごろまで繰り返し咲くものが多く植えられているので、満開の時期を過ぎても長く楽しめます。ハムステッド周辺に行かれる際にお時間があればぜひ寄ってみて下さい。
またこの近くには有料ですがナショナルトラストによって管理されているFenton Houseがあります。お庭だけでなく建物内部の見学も楽しめます。お時間に余裕があってもっとお庭が見たいなって方は、そちらもあわせて訪問されてもよいかも。2023年7月現在、建物内の見学には事前予約が必要、庭だけの見学は予約不要だそうです。気になった方は2017年8月に訪問した際の記事をご覧ください。
ガーデン名 | The Hill Garden and Pergola |
住所 | Inverforth Close, North End Way, London NW3 7EX |
電話番号 | 020 7332 3322 |
★情報は2023年7月時点のものです。事前に詳細を確認してからお出かけ下さい。