ADRとは
裁判によらず、トラブルを解決する方法、手段などを総称する言葉。
英語では、「Alternative Dispute Resolution」(「裁判に代替する紛争解決手段」)といい、頭文字をとって「ADR(エー・ディー・アール)」と呼ばれます。
主な特徴:
- 裁判という手段には訴えずに民事上のトラブルを解決したい人(事業者)のために、公正な第三者がその解決を図る方法を採る点
- 当事者のプライバシーや営業上の秘密等にも配慮して、手続状況や和解内容を公開せずにトラブルの解決を試みる点
- 柔軟な解決を図ることができる点
- トラブルの種類や内容に応じて簡易迅速に手続を進めることができる点
- 裁判による解決を好まない当事者にとって、話し合いによる解決を望める点、など
“かいけつサポート”とは
民事上の紛争を、当事者と利害関係のない公正中立な第三者が、当事者双方の言い分をしっかりと聴きながら、専門家としての知見を生かして、柔軟な和解解決を図る方法・手段は全てADRといわれます。(一般的に、調停とか、あっせんと呼ばれています。)
このADRの中でも、法務省が、法律に定められた厳格な基準をクリアしているかどうかを審査し、クリアしているものを法務大臣が認証する制度があります。法務大臣の認証を取得した民間事業者は、「かいけつサポート」の愛称と、ロゴマークを使用することが認められています。
法務省“かいけつサポート”のホームページへ |
どんなトラブルを扱うのですか?
ブランド品のトラブルなら何でもOKですか?
主に、以下のような条件に該当するブランド品が対象となります。
- そのブランド品を売った人と買った人の氏名・連絡先が明らかなこと
- そのブランド品を売った人・買った人の連絡先が日本国内で、現に連絡がつくこと
- 対象となっているブランド品について、日本流通自主管理協会に和解案の根拠となるような情報・データの蓄積があること、あるいは調査などによりそのようなデータ・情報の入手の可能性が高いこと
- 対象となっているブランド品の提出が可能であること
- そのブランド品を巡って、訴訟が起こっていないこと、など
誰が、どうやってトラブルの解決を図るのですか?
「トラブル」について専門的知見を有する者と弁護士等が(これらの人を「手続実施者」と呼びます)トラブルの当事者の間に入って、解決を図ります。
手続実施者は、2~4名で、案件ごとに選任されます。なお、この内、少なくとも1名は弁護士です。
<どうやって>
公正中立な立場から当事者双方の主張や意見を聞くなどして話合いによる解決を試みます。解決に至らない場合には、和解案を提示して和解の成立を試みます。なお、この一連の手続きを「裁定手続」と呼びます。
和解は、真贋判定結果を根拠に行われるのですか?
- いいえ、「ブランド110番」では、トラブルの対象となっているブランド品の真贋を法的に明らかにして解決を図るものではありません。
(あるいは、そのブランド品が権利者の知的財産権を侵害するかどうか、そのブランド品が並行輸入品の条件に合っているかどうかを法的に明らかにして、解決を図るものでもありません。) - あくまでも協会が持っているデータや情報などを示しながら、当事者者がトラブルを解決しようという努力を尊重して、両当事者のご納得のもとに、トラブルの実情に即した迅速な解決を図るようにします。
- ただし、上記のデータ・情報は、両当事者のご納得をいただく程度にお示しするに留め、その詳細・その全てを開示することはありません。
料金はかかりますか?
- 申立人には申立て費用をお支払いただきます。
- 申立人と相手方が、消費者か事業者かによって、申立人が支払う「申立て費用」は異なります。
- 「申立て費用」は「申立書」を提出する際、原則として、現金で納付して下さい。
- 申立が受理されるとその後は、たとえ、相手方が裁定手続に同意しない場合も、「申立料金」はお返ししません。
- 上記の“受理”とは「申立書」の受付を指すのではなく、申立内容を審査した結果、適切な申立であると判断されることを指します。“受理したこと”は配達証明郵便でお知らせいたします。
- 申立の際、ご提出になった書面・ブランド品等の添付資料を返還する時の送料は申立人の負担です。
- その他、提出いただいた資料を返却する場合の送料は、提出者の負担です。
申立人 | 相手方 | 申立て費用(消費税別) |
消費者 | 消費者及び事業者 | 1,000円 |
事業者 | 消費者 | 5万円 |
事業者 | 15万円 |
※消費者の方の申立て費用は平成24年9月1日より1年間、千円(税別)にいたしました。ただし、期間内の2度目以降の申立て費用は、「ブランド110番規程」(47条)に基づき、1万円(税別)となります。
※ このほか、外部(機関の)調査、通訳、翻訳、手続実施者の旅費、日当及び宿泊費、その他の費用が裁定手続きに必要な場合があります。こういった費用がかかる場合は、事前に当事者に同意をいただきます。
利用(を検討)したい場合の方法は?
■ まず、問い合わせ・相談から
電話番号: | フリーダイヤル 0120-786-470(ナヤム シナワ) |
受付時間: | 月曜日~金曜日(国民の休日・協会の休業日等は除く) 10:30~17:00 |
消費者の方も事業者の方も、まず、弊会の「消費者Q&Aセンター」に相談をし、「ブランド110番」についての説明を受けていただくことからスタートします。
お問い合わせの際は、「ブランド110番」についてのご相談・問い合わせであることをお伝え下さい。
■ 申立の受付・裁定手続
申立書 | 以下の曜日・時間内に、協会内の消費者Q&Aセンターで受け付けます。 |
裁定手続 | 以下の曜日・時間内で、関係者(申立人・相手方、裁定手続実施者)の都合を調整して行います。原則として協会会議室で行います。 |
受付日 | 月~金の10:30~17:00 (ただし、国民の休日・協会の休業日等は除きます。) |
協会所在地 | 東京都千代田区神田神保町3-2-4 田村ビル4階 |
“AACD消費者Q&Aセンター”の相談・アドバイスと
ADR「ブランド110番」はどこが違うのですか?
- 消費者Q&Aセンター(以下、「センター」といいます。)でのご相談・問い合わせは、一般消費者の方に限定されます。 事業者の方はご利用になれません。
- 消費者Q&Aセンターでは購入した(購入予定の)ブランド品についての、相談・問い合わせには無料で対応しています。(この相談・問い合わせはADRではありません。)
- 消費者の方は、「無料の相談」あるいは「有料のADR調停」のどちらでもご利用になれます。
- 消費者Q&Aセンターでのご相談は、会員以外の企業に対しトラブルが発生しても、調停・仲介などは行っておりません。また、協会基準による判定のご依頼があった場合も、結果のみを口頭で伝え、その根拠等のご説明はいたしません。
- 「ブランド110番」では、トラブルの両当事者の方が「納得した上での和解をすること」が重要となります。ですから、手続実施者が和解案の根拠となっているデータや事実をご納得がいただけるよう開示し、説明をいたします。
- 「ブランド110番」では、手続実施記録などの書類は、最低10年間保存されます。
- 「ブランド110番」では、和解に至らずに、その後、裁判に訴えた際、一定の場合に、「ブランド110番」を利用していた期間は、時効期間が進行していなかったことにすると認めるよう法律で決められています。