水産実験所は浜名湖湖口に近い弁天島にある。農学部学生の実習に利用されるほか、水産実験所所属の教員、大学院生らにより水産増養殖に関わる基礎研究、特に全ゲノムが解読された唯一の水産動物であるトラフグを用いた免疫研究、遺伝育種研究が精力的に進められている。その一方、浜名湖は閉鎖系内湾のモデルとして注目されており、浜名湖の環境と一次生産、プランクトンや底生生物、アマモ場と魚類群集など、水圏生物科学専攻などの教員、大学院生らによるフィールド研究にも利用されている。

面積約20000平方メートルの敷地には研究棟、実験飼育棟、学生宿舎など計10棟が配置されているほか、屋内外合わせて100面以上、最大100平方メートルまでの飼育実験水槽を備えている。各飼育水槽には浜名湖から集水した海水、地下から汲み上げた淡水のいずれも供給可能である。浜名湖をフィールドとする野外調査のためには、調査船2隻が用意されている。学生宿舎は最大30名が宿泊可能である。

水産実験所は水産学に関連する教育・研究を目的とする人に利用の門戸が開かれている。 利用に当たっては「利用のための諸規則および様式集」、「利用のしおり」が用意されている。