収納資格とは?収納アドバイザーになるには?整理収納資格や片付け資格の仕事内容を解説
自宅がなかなか片付かなくて困っている、あるいは片づけをしてもまたすぐに元通り散らかってしまう、という経験をしている方も多いのではないでしょうか。
収納アドバイザーは、そんな片付けに苦労している人の支えとなり、整理整頓のサポートをするエキスパートです。
収納アドバイザーとして活躍するためにどんな人が向いているのか、働く職場にはどんなものがあるのか、紹介していきます。
収納アドバイザーは何をする人?
同じ住まいで生活をしていると、どうしても物が増えてきて散らかってしまいます。片付けが苦手という方も多いでしょう。そんな時に活躍するのが「収納アドバイザー」です。
収納アドバイザーは、まさに整理整頓のエキスパートです。片付けをするには、相応のコツがあります。住まいの状況や住民の性格に合わせて、家具の多さや広さに合ったおすすめの収納術を伝授してくれるのが、収納アドバイザーです。
近年は、都市圏のマンションで生活するという方も多いでしょう。一戸建てに比べてどうしても収納スペースに限りがあります。しかし、スペースが少ないからと諦める必要はありません。効率の良い収納術を導入することで、限られたスペースでも十分整理整頓が可能です。
収納アドバイザーは、マンション生活を送る方が多い現代において、たくさんの需要があります。整理整頓はコツを会得しないとうまくいかないので、専門家の能力には価値があります。
探し物がすぐ見つかる
適切に整理整頓をすることで、探し物がすぐに見つかるというメリットがあります。整理が苦手で、いつも探し物をしているという方も多いのではないでしょうか。
整理整頓をすることで、物を置いている場所の把握が可能になるというメリットがあります。欲しいものがすぐに見つかるようになり、ストレスの要因を減らせるというのは大きなメリットでしょう。
使用頻度ごとの収納区分
家財道具の整理整頓を考える際に、ポイントとするべきことはいくつかあります。そのうち、家財道具の使用頻度ごとに保管する場所を区別するという考え方があります。
使用する頻度の高いものは手前の位置に置いてまとめ、逆に使用頻度がそれほど高くないものについては、手の届きづらい奥の方に片づける、といった方法です。
少し考えたら当然のことではありますが、長期間同じ住まいで生活をしていると、意外に見過ごしてしまいがちなポイントです。
収納アドバイザーになると、普段利用するものとあまり使用しないものを区別するよう、相談相手に対してアドバイスするケースは多くなるでしょう。
長さや高さを揃える
家財道具の保管をする際に、それぞれのグッズの長さや高さが近いものをまとめて保管するというのも整理整頓の基本です。クローゼットの中でも、コートなど長い衣類とジャケットなど普通の丈の衣類を区分けして吊るすだけで印象がかなり変わります。
長い期間生活をしていると、どうしても適当に保管してしまいがちです。しかし、同じ長さのものをまとめる、といったちょっとしたルールを決めて継続するだけで、散らかり具合はかなり変わってきます。
収納アドバイザーは、第三者の視点で適切な整理方法をアドバイスをするエキスパートです。相談者から感謝されることも多い、やりがいのある仕事となるでしょう。
収納アドバイザーになるために必要なこと
収納アドバイザーとして従事するために必須となる資格はありません。国家資格は存在せず、民間の資格がいくつかあるだけです。資格取得もさることながら、業として収納アドバイザーとして活躍するうえで必要となる能力や性格には様々なものが考えられます。
これから収納アドバイザーを目指そうと考えている方は、自身に適性があるかどうか、自己分析をしっかりと行いましょう。
ものの量自体を減らす
近年、「断捨離」という言葉が流行しています。断捨離とは、もともとヨガの精神から生まれた言葉で、物への執着を捨てて、不要なものを積極的に手放していく考え方です。
家財道具をどんどん捨てることが大事、というわけではありませんが、整理整頓を考えるうえで、まずは不要品がないかチェックすることが重要です。
いくら収納術に長けたとしても、そもそも物自体が多すぎると収納能力の限界を超えてしまいます。
収納アドバイザーの立場としては、物を捨てるように促すわけにはいきません。しかし、相談者に対して家財道具が本当に必要なものかについて考えてもらうことは大事です。
物を捨てるのには勇気がいるものです。しかし整理整頓のプロとして捨てることの重要性を説いて、整理のきっかけを与えることも役割の一つと考えるべきです。
精神的な安定
住まいが乱雑に散らかっていると、何となく気持ちの面でも落ち着かなくなるという経験をしたことはないでしょうか。整理整頓の行き届いた部屋で過ごしているうちに、気持ちが落ち着いてくるという方も多いでしょう。
子どもを育てている家庭では、リビングが散らかっていると、そこで生活する子どもの性格も雑になってしまいがちです。収納アドバイザーの立場から、整理整頓をすることで精神的な安定を保つ重要性を説明することも大事な役割です。
相手の気持ちを理解して対応する
整理整頓をしたい気持ちがあっても、なかなかうまくいかなくて悩んでいる人も多いのではないでしょうか。使わないものでも、いずれ使うのではないかと思うと捨てるに捨てられないという気持ちは共感出来ます。
そのように、整理整頓が苦手な方の気持ちを理解して、しっかりと受け止めることも、良い収納アドバイザーの特徴です。整理が得意な方にとっては、整理が苦手な方に対して「なぜそんなに整理できないのか」という気持ちを持つケースもあるかもしれません。
しかし、プロとして整理整頓のアドバイスをする立場としては、整理が苦手な相談者の気持ちを理解するのは重要な条件と言えます。そのうえで、整理整頓の重要性とコツを少しずつアドバイスしていける人が、プロとして活躍できることが多いのです。
収納アドバイザーが担う仕事と活躍する職場
収納アドバイザーが担う仕事と活躍する職場には、どのようなものがあるのでしょうか。専門家として活躍する道だけでなく、企業に所属して業務において知識を活かせる場面も多いです。
収納アドバイザーが活躍する場面の代表例を以下に3種類紹介します。
- カルチャースクールの講師
- インテリア系の企業に就職
- 個人事業として活躍
カルチャースクールの講師
収納アドバイザーとしての知識と経験を活かして、カルチャースクールの講師として活躍する道があります。整理整頓に対するニーズは大きいので、専門の講座は人気になりやすいです。
整理整頓に悩む方を集め、コツや正しい考え方などを教える講師として活躍できます。おすすめの収納グッズを紹介したり、自身の体験談などを交えた講義をするなど、工夫を凝らした講座を展開するなど、やりがいは非常にあります。
インテリア系の企業に就職
リフォーム専門業者であるとか、不動産業者のインテリア部門などに所属する道もあります。収納アドバイザーとしての能力が活かせるおすすめの職場となります。
住まいを探す方にとって、収納に対する関心は非常に高いものがあります。紹介する不動産物件の収納能力についてプロの目線から説明できる能力は大変役に立ちます。
リフォームを勧める立場においても、収納の考え方を交えながら、おすすめのリフォームの進め方を説明することにより、説得力を持たせられるでしょう。
個人事業として活躍
収納アドバイザーの知識と経験を活かして、個人事業主として活躍する道もあります。カルチャースクールなどで人気の講師として活躍した後、プロの収納アドバイザーとして各種メディアで取り上げられるケースもあります。
個人宅の収納改善にあたるケースもあれば、企業に招致され、事務所全体のインテリア改善を求められるケースも出てくるかもしれません。
自身の経験と知識をまとめて書籍を出版するケースもあるでしょう。整理整頓に対するニーズの高さを考えると、活躍の場面は非常に広くなる可能性があります。
収納アドバイザーに向いている人
整理整頓への取り組みは、得意不得意が明確に分かれる分野であるといえます。そのため、収納アドバイザーとして活躍するためには、性格や考え方における適性がないと難しいでしょう。
収納アドバイザーに向いている人について、代表例を以下に4項目紹介します。これから収納アドバイザーを目指す方は、自身に適性があるか検討してみることをおすすめします。
- 片付けが好き
- 想像力がある
- 論理的に考えられる
- コミュニケーション能力の高い人
片付けが好き
収納アドバイザーとして、自身が片付け好きでないと務まりません。片付けを嫌々しているような方には、専門家としては適性がないと言えるでしょう。
片付けによって住まいが快適になることに、自身が喜びを感じられ、それを相談者に伝えられる人の方が、説得力を持って整理整頓の重要性を伝えられます。収納アドバイザーを目指す方は、まず自身の住まいを片付けるなどして、片付け自体を好きになりましょう。
想像力がある
収納アドバイザーになると、他人の住まいの片づけを手伝うことになります。実際に現地に足を運んで整理整頓をするケースもありますが、実際の場面を見ずに相談だけ受けるケースも少なくありません。
そうなると、相談者の説明だけで住まいの状況を想像する必要があります。また、説明を聞く中で、住まいが散らかっている原因や、相談者の行動パターンを想像することも必要になります。
有能な収納アドバイザーになるには、少ない情報から様々な要因や関連性を考える想像力があれば役に立ちます。
論理的に考えられる
整理整頓が苦手な方によく見られる傾向として、「どこから手を付けていいのかわからない」とあきらめてしまうケースがあります。収納アドバイザーとしてこのように悩む方々を支援するにあたり、行動を順序だてて論理的に考えられること必要になります。
住まいを整理するためにまずするべきことは、いるものといらないものを区別する。いらないものの廃棄にあたり、粗大ごみは行政に申し込み、一般ごみは回収日に合わせて捨てる。残ったものは大きさや用途に分けていく。
以上のように、順序を明確に示してあげることで、一つずつ順を追って取り組めるようになるでしょう。
コミュニケーション能力の高い人
収納アドバイザーは、単に整理整頓ができるだけでは務まりません。自身の整理術を相談者に伝え、継続してもらうことが最終目標になります。
そのためには、自身の技術や考え方をわかりやすく伝える能力もほしいところです。他人とのコミュニケーション能力がないと、うまく考えを伝えられません。
様々な方と触れ合い、話をする機会を作り、コミュニケーションをとることに慣れておきましょう。
収納アドバイザーの代表的な資格
収納アドバイザーになるために必須となる資格はなく、民間資格がいくつかあるのみです。しかし、周囲から信頼を受けるためにも、あるいは体系的な知識の習得のためにも、資格の取得を推奨します。
おすすめの関連資格を以下に3種類紹介します。
- 収納マイスター
- 整理収納インストラクター
- 整理収納アドバイザー
収納マイスター
収納マイスターは、日本生活環境支援協会が主催する民間資格です。収納の基礎、種類別の保管方法、すっきり見せるテクニック、壁掛け技術など省スペースによる保管方法などを学習します。
整理収納インストラクター
整理収納インストラクターは、日本インストラクター技術協会が主催する民間資格です。収納に関する基礎的な知識を学習します。クローゼットの大きさの測り方、正しい保管方法、効率的な押し入れの使い方などが課題の内容にあります。
整理収納アドバイザー
整理収納アドバイザーは、ハウスキーピング協会が主催する民間資格です。住まいの整理整頓に関する総合的で多角的な知識と技術が身に付きます。
家財道具の整理整頓はもちろん、住まいの環境を維持するための清掃術、限られたスペースをより効率よく使用するための仕切りの技術など、幅広い知識が求められます。
1級と2級の2種類があり、2級は一日講義を受ければ取得が可能です。1級の場合は、専用講座を受講した後、マークシート方式の1次試験と実技を含む2次試験を受験して合格する必要があります。
どの資格がおすすめか
以上の資格のうち、どの資格を取得するのがおすすめでしょうか。内容の充実度や取得のしやすさから判断して、収納マイスターと整理収納インストラクターをおすすめします。
収納マイスター
収納マイスターの資格を得るためには、在宅形式の試験を受けて70%以上の正答を得る必要があります。受験資格はなく、誰でも申し込みをすれば受けられます。
整理収納インストラクター
整理収納インストラクターの資格を得るためには、協会主催の試験に合格しないといけません。
インターネットで申し込みをして、在宅形式で受験します。70%以上の正答率で合格となります。受験するための資格はないので、誰でも受験が可能です。
おすすめ資格講座
以上のおすすめ資格を得るためには、市販の教材で独学で学習をして試験に合格するのが一般的です。しかし、より効率よく確実に資格取得を目指す方には、専用の資格講座を利用することをおすすめします。
おすすめの資格を以下に2つ紹介するので、ぜひ検討してみてください。
- 収納マイスターW資格取得講座(諒設計アーキテクトラーニング)
- 収納資格取得講座(SARAスクールジャパン)
収納マイスターW資格取得講座| 諒設計アーキテクトラーニング
収納マイスターW資格取得講座は、諒設計アーキテクトラーニングが提供する講座です。初心者でもわかりやすい通信型教材をこなしていきます。
6か月で履修できる内容になっており、集中すれば2か月で課題を完了させられる構成です。
<講座の種類>
講座種類 |
受講料 |
特徴 |
通常講座 |
59,800円(税込) |
ー |
スペシャル講座 |
79,800円(税込) |
卒業と同時に無試験で資格取得となる |
通常講座とスペシャル講座の2種類があります。スペシャル講座の方が2万円費用が高くなりますが、課題終了と同時に無試験で資格が得られるというメリットがあります。
資格試験の受験料は1資格につき1万円となっており、トータルの費用負担は同じです。
収納資格取得講座| SARAスクールジャパン
収納資格取得講座は、SARAスクールジャパンが提供する資格講座です。非常にわかりやすい通信型教材が扱われており、初心者でも十分に理解を深められます。
通常6か月、最短2か月程度で課題の履修が可能です。短時間で資格取得を目指したい方におすすめの講座となっています。
<講座の種類>
講座種類 |
受講料 |
特徴 |
基本コース |
59,800円(税込) |
ー |
プラチナコース |
79,800円(税込) |
卒業と同時に無試験で資格取得となる |
講座には、基本コースとプラチナコースの2種類が用意されていますが、確実に資格取得を目指すなら、プラチナコースの選択をおすすめします。
費用は2万円高いですが、課題終了とともに無試験で資格取得を果たせます。資格試験は、1資格につき1万円かかるので、実質的な費用負担は同額となっています。
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