職場で本当の自分が出せない人へ。心のモヤモヤを解決する糸口
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「職場で本当の自分が出せない」とのお悩みに、ヨダエリさんがアドバイス。
職場で本当の自分が出せない
職場にいると普段の自分が出せず、猫をかぶってとりあえずいつもニコニコしています。周りの人はその姿を私だと思っているので、「○○さんって心が広いよね。イラつくことがなさそうでうらやましい~」などと言われます。内心、違うのに……と思いますが、何も言えずモヤモヤします。職場で本当の自分を出せない時はどうすればよいですか?(制作職/20代)
結論から言います。
あなたはそのままでいいです!
「えっ」と思いますよね。「本当の自分を出せてないのに?」と。
分かります。本当の自分を出したいと願うのは人が持つ普遍的な欲求。でも、必ずしも職場で本当の自分を出す必要はないのです。
もし皆が常に本当の自分を出したら、職場はどうなるでしょう?
間違いなく混乱と軋轢と対立の渦が巻き起こり、これまでうまくいっていたこともうまくいかなくなります。人の性格や価値観は十人十色。仕事の進め方もまたしかり、だからです。かつ、仕事にはさまざまな役割があり、当たり前ですが皆が同じ役割をやろうとすると成立しません。
では何が大事かというと、調和です。ガンガン意見を主張する人がいて、まぁまぁと中和する人がいて、フムフムと見守る人がいる。各々がそれぞれの役割をバランス良く受け持ってこそ調和が取れ、仕事はちょうどいい塩梅でスムーズに進みます。
その時、各々が受け持つ役割は、必ずしも“ 本当の自分 ”とは限りません。
プライベートでは子どものように自由で好き嫌いがハッキリしている人が、職場では皆のバランサーとなって意見の調整役をしている、なんてことは普通にあります(私の友人がこれ)。彼女が職場で資質を発揮できる役割がバランサーだからです。
あなたも同じだと思います。本当はイラつくこともあれば愚痴りたい時もあるけれど、それを表に出さない。
調和を大事にして、常にニコニコできる。それって立派な職能です!
実際、不平不満や元気のなさがストレートに顔や態度に出てしまう人ってすごく多いです(そう思いませんか?)。無理に笑顔を作ってみたところで「心が入ってない」「不自然」などと言われてしまったりもするわけで。
そんな中、「心が広い」「イラつくことがなさそう」と言われるあなたの笑顔にはうそがない。少なくともそう見えるのです。
繰り返しますが、いつもニコニコできるのは職能であり才能です。
もし本音を言えないことで日々ストレスを感じていたり、やりたくない仕事をやるはめになっていたりするなら問題ですが、そういうわけではないなら、気にしなくて良し!
職場には、あなたの笑顔で気持ちが明るくなったり、ホッとしたりしている人が必ずいます。あなたは自分では気づかぬうちに、他の人にはできない役割を立派に果たしているのです。
職場で出せない本音や愚痴は、長くなりすぎない範囲で友人や恋人などに聞いてもらうといいですね。あとは、週末には推し活でも山登りでもサウナでも寺めぐりでも、とにかく自分の好きなことを思いっきり楽しむ! 休みの日に自分らしさ全開でエネルギーチャージすれば、また元気に仕事ができます。
猫かぶり 全うすれば 無問題
これからは、自信を持って今の役割を全うしてください。「ニコニコは私の武器」と言えるくらいの勢いで!
Point.
・職場では、必ずしも「本当の自分」を出す必要はない
・それぞれに異なる役割を担う人がいてこそ、仕事はスムーズに進む
・いつもニコニコできるのは職能であり、あなたは職場で大切な役割を果たしている
・職場で出せない本当の自分は、プライベートで存分に開放・発散させれば問題ナシ
(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2024年09月03日に公開されたものです