誰かの人生を変えるキッカケになりたい。株式会社MAJOLI 代表取締役・横幕真理さんの素顔
経営者やいわゆる「リーダー」って、どうしても私たちとは違う世界の人……と思ってしまいがち。でも、リーダーたちも毎日寝て、起きて、ご飯を食べて……そして仕事をしている普通の人。そんなリーダーの素顔を探るべく、「子どもの頃はどんな子だった?」「毎日どれくらい働いている?」「やっぱりタワマン住みですか?」など、素朴な疑問をぶつけます。
取材・文:瑞姫
撮影:三浦晃一
編集:錦織絵梨奈/マイナビウーマン編集部
経営者やマネージャーなどのいわゆる「リーダー」って、どうしても私たちとは違う世界の人……と思ってしまいがち。でもリーダーたちも毎日寝て、起きて、ご飯を食べて、そして仕事をしていて……私たちと同じように生活を送る、ビジネスパーソンの一人でもあります。
そんなリーダーたちの素顔や、これまでを探る本企画。今回の「リーダー」は、全米ヨガアライアンス認定のヨガスクールなどを運営する株式会社MAJOLIの代表取締役・横幕真理さん。株式会社MAJOLIでは、ヨガ業界初のオンラインによるヨガ資格講座『おうちヨガ』の運営を行っています。
自分で道を切り開いてきた、ストイックで行動力の塊のような横幕さんですが、実は人見知りで、苦手なことも多かったそうです。しかし、「苦手なことにあえて挑戦してきた」からこそ見えた、予想外の人生。それは、彼女の今をより輝かせてくれるきっかけになったものでした。
横幕真理さん
株式会社MAJOLI 代表取締役、一般社団法人国際ヨガアカデミー協会 代表理事。大学卒業後、就職活動に失敗し海外へ渡航。その後、海外での留学と就職を経て、インドにヨガの修行に行き人生が変わる体験をする。インドから帰国後に結婚して専業主婦になるが、“自立した女性になりたい”一心で、29歳で株式会社MAJOLIを起業。2,750名(10/1現在)以上の生徒を抱えるヨガスクールを経営し、これまで東京、沖縄、京都、バリ、ハワイ、セブで事業を展開。
運営メディア「Wellness Story」https://yoga-story.jp/ 、Instagram https://www.instagram.com/mariyokomaku/ 、公式HP https://majoli.jp/
人見知りな性格を自ら克服。視野を広げるために大学卒業後は海外へ
Q.1 幼少期はどんな性格でしたか?
すごく人見知りで、人から注目をされることが苦手なタイプでした。感受性が豊かなのですぐ泣きそうになるんですが、注目されるのが嫌なので涙が出そうになるのをグッとがまんして……。家に帰ってお母さんに「大丈夫?」と言われた瞬間に泣いてしまうような子どもでした。
Q.2 思春期は学校でどんな存在でしたか?
人見知りだし目立ちたくないっていう気持ちがすごくあったんですが、背が高かったり、真面目な性格だったりしたこともあって、先生からリーダーや学級委員長を任されることが多かったです。
ただ、自分からなりたくてなったわけではないものの、任された以上は責任感を持ってはやっていました。目立つのは嫌だけど意見を出すことは嫌いじゃなかったので、リーダーとして色々と決める立場にあることは、自分にとってはすごく心地良いポジションだったのかもしれません。
Q.3 学生時代にアルバイトはしていましたか?
人と話すことが苦手だったので、あえて苦手を克服したいと思って接客業に挑戦していました。焼肉屋さんやアパレルなど、色んなジャンルを経験しましたね。
一番やりがいを感じたのは、結婚式場のバイト。人の人生が変わる大切な日に携われるのはすごくやりがいを感じましたね。逆に、大きな声を出さなくちゃいけない焼肉屋さんのバイトは苦手でした(笑)。
Q.4 大学時代はどのようなことを学んでいましたか?
経済的に自立した女性に対しての憧れがあったので、高校生の頃から起業したいという気持ちがあり、アントレプレナーシップという学部で、起業や経営について学んでいました。
その学部は元々、親が起業家の方しか入れないのですが、2年生からは成績と面接で合格した人が数枠入れるので、その枠で私は入りました。バイトばかりしていたので本当は成績が足りなかったんですが、どうしても入りたくて担当の教授に「絶対にがんばるので入れてください!」とお願いして(笑)。
振り返ると今でもすごく学びたいと思える授業がたくさんあって、特に多かったプレゼンの授業は、すごく今に活きているなと思います。実際にお金の流れを学ぶマネジメントゲームもおもしろかったです。
Q.5 大学卒業後に留学しようと思ったきっかけを教えてください。
大学の3年生の就職活動の時期に、自分が何をしたいかが分からなくて就職活動ができなかったんです。起業したいけれど、お金もやりたいことも無かったので、今すぐ起業するという選択肢は無くて……。
そんな時に、大学生になってから初めて行った海外旅行で外国の方とお話した時に「英語は学問ではなくコミュニケーションツールの一つなんだ」と感じたことを思い出したんです。
それぞれの国で、いろんな考え方や文化の中で育ってきた人と話すと、新しい世界が広がるので、「海外に出てもっと視野を広げたい!」と思って、卒業後は1年間くらいアルバイトでお金をためて、ロンドンに留学しました。
ヨガで人生が変わった
Q.6 人生が変わったというヨガに出会ったきっかけを教えてください。
ロンドンに留学すればやりたいことが見つかると思っていたんですが、結局見つからなくて。帰国してから日本で一度就職したものの、その会社もあまり続かなかったんです。
でも、また海外へ行きたいという気持ちがあったので、今度は留学ではなく仕事で海外へ行こうと思って、海外就職について調べて片っ端から応募して、当時ちょうどセブ島に進出するタイミングだった、日本の上場企業のセブ島拠点に就職を決めました。
そこから3年間セブ島でゼロから立ち上げの拠点でマーケティングや人事の仕事をしました。そして、その後次のステップとして「苦手なことに挑戦したい」「あえて、衛生面や治安が心配で一番行きたくない国であるインドに次は行ってみたい」と思って。
それでインドについて調べていたら、インドがヨガの発祥地で、ヨガ留学というものがあることを知って、行くことを決めたんです。ヨガがやりたくてインドに行ったというより、インドに留学に行くためにヨガを学ぶことにしたという感じですね。
Q.7 ヨガで起業しようと思ったきっかけを教えてください。
インドのヨガ留学は2カ月間だったんですが、初めて受けたヨガの授業で「あなたにとって幸せとは何ですか?」という質問を投げかけられて、何も答えることができなかったんです。自分を変えたいと言いながら、私は自分自身のことを何も知らなかったんだなと痛感し、それが自分自身を見つめ直すきっかけになりました。
元々私はすごく太っていたんですが、ヨガを始めてから8キロほど痩せたことで、ずっと嫌いだった自分のことを少しずつ大事にできるようになったんです。
自分が変わると周りの環境が変わる。環境が変わると、どんどん人生が変わって、生きるのが少しだけ楽になったんですね。それで、ヨガってすごいな、もっと色んな人に伝えたいなって思ったんです。
ただ自分ひとりがヨガインストラクターとして活動をするよりも、同じ志を持ったヨガの先生を育成する立場になることで、より早く大きく広がるんじゃないかなと考えて、ヨガ講師を養成するスクールを運営する会社を起業しました。
Q.8 仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?
スクールの生徒さんが「ヨガで人生変わりました」って最後に泣いて卒業していく時はすごくやりがいを感じますね。
それから、わたしの下で働いてくれているヨガ講師たちの成長を見られるのもうれしいです。当時、オンラインでヨガの資格が取れるコースは業界初だったので、やったことが無いことに挑戦する分すごく大変だったんですが、やって良かったなと思えます。
世界をウェルネスでハッピーに
Q.9 毎日のタイムスケジュールを教えてください。
毎朝5時に起きて、365日間、6時〜6時半まではオンラインで瞑想のクラスを自分で受け持っています。 そこからはヨガのプラクティスをやって、お部屋の掃除・洗濯をするのが朝のルーティングです。
仕事の時間はミーティングに出たり、新しい講座を作ったり、イベントの開催準備をしたりというのがメインの仕事ですね。あとは、マーケティングや企画、数字分析、卒業後の生徒さんとの面談もしますし、夜9時〜10時の間は夜のヨガレッスンのチェックをしたりしています。
また、昔からドラマを観るのが大好きなので、夜に髪の毛を乾かしながら観たりしてプライベートは過ごしていますね。
ドラマから今の流行りや、みんなが何に悩んでいるのかを読み取ったり、マーケティングの観点から情報収集もできたりするのでなるべく観るようにしています。感受性が豊かで、感情移入もしやすい性格なので、ドラマを観ながら泣いたり笑ったりして感情のデトックスをしています。
Q.10 休日は何をしていますか?
丸一日お休み! というのはほとんど無いのですが、年に一回は友人と旅行に行く時間を作っています。あとは、新しい世界に触れることが自己成長につながると思っているので、行ったことの無い場所、体験したことの無い経験を大切にしています。
時間が空いたら音楽ライブに足を運んだり、舞台や映画館、美術館などに夫と出かけたりするようにもしています。夫婦の時間も大切にしたいなと心がけているので、月に一度はデートしていますね。
Q.11 どんなところにお住まいですか?
沖縄のギリギリオーシャンビューのお家に住んでいます(笑)。海が好きなんですけど、移動が多いので、空港に近いところが良くて。沖縄の気候だけじゃない人の温かさや、海の綺麗さ、そういったところに自分自身がすごく癒されます。
Q.12 プライベートで悩みはありますか?
仕事ばかりで、家族の時間をなかなか作ることができないことですね。忙しくて家事が追いつかないことも多く、それも悩みです。仕事に没頭できる今はとても幸せですが、ふと気がつくと部屋が散らかってしまっていたり、家族でゆっくりご飯を食べる時間をぜんぜんとれてなかったり……。起業してからそこはずっと悩みですね。
Q.13 将来の夢を教えてください。
世界をウェルネスでハッピーにしたいというのが今の私の夢です。これまで誰もやったことがない新しいことをやってきたので、これからもいろいろなことに挑戦していきたい。ヨガやピラティスという業界を超えて、みんなで手と手を取り合って健康について伝える活動をしていきたいです。
※この記事は2023年10月27日に公開されたものです