#1 出産を機にフリーランスに転身したPRプランナーのライフプラン|「マイナビウーマン」
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#1 出産を機にフリーランスに転身したPRプランナーのライフプラン

#先輩、なんで結婚したんですか?

ミクニシオリ

今や結婚・出産は当たり前ではない世の中。人生の選択肢が増えている中、「出産か? キャリアか?」という二者択一の選択を迫られているようにも感じます。そんな現代日本で実際に結婚や出産を経験しながら働き続ける女性は、なぜその道を選択したのでしょうか? 人生の先輩にインタビューします。

昔は、女性が結婚・出産をすることは「当たり前のこと」でした。しかし、働き方やライフプランの多様化が進んだ世の中で、結婚と出産は今や当たり前ではなく、選択した人だけが進むライフステージとなりました。

女性にとって結婚・出産はキャリア形成が固まり始める30歳前後と重なることが多く、私たちはその時期に「出産か? キャリアか?」という二者択一の選択を迫られているようにも感じます。

決して「子育てしやすい」とは言われない世の中ですが、実際に結婚や出産を経験しながら働き続ける女性は、なぜその道を選択したのでしょうか? そして、キャリアに対しどんな思いがあるのでしょうか。

30歳を目前に突如やってきた結婚願望

結婚だけでなく、キャリアの考え方も多様になりつつある現代。今回お話を聞いたYukiさんは、出産を機に会社員を辞め、フリーランスという働き方を選択しました。

20代前半の頃は結婚願望が無かったというYukiさん。そんなYukiさんに「なぜ結婚したのか」を聞いてみたら、子育てに不安を感じる女性に伝えたい、経験者ならではのポジティブなエピソードと、キャリアに対する価値観の変化を教えてくれました。

――早速ですが、Yukiさんのこれまでのキャリアを教えてください。

新卒で通販の会社に就職し、広報の担当になりました。その3年後にキャスティング会社に転職し、現在はフリーランスでライターやPRの仕事をしています。

そもそも、社会人になる前から独立して自由に働くことに対しての興味があったので、社会人になってすぐ副業というかたちで自分でも仕事をはじめました。2社目に在職中に結婚し、出産することになり、産休・育休も取らせてもらったのですが、産休中に副業の仕事量が増えてしまったので、副業を本業にする決意をしました。

――なるほど。では、決めていたタイミングで独立したわけではないんですね。

もともと独立はしたいと思っていたものの、2社目の会社はフレキシブルな会社だったので、リモートで働ける会社で働きながら副業を続けるのも悪くないかもと考えていました。福利厚生や保険制度など、会社員にもメリットはあると思っていたのですが、たまたまタイミングが重なって結果的に独立することになったような感じです。

――キャリア形成は思わぬ方向に進んだとのことですが、結婚は計画的に行動されていたのでしょうか?

計画的といえば計画的だし、そうでもないといえばそうでもなくて……。というのも、そもそも28歳くらいまでは結婚願望も無かったんです。仕事も生活も自由でありたいという気持ちが強く、結婚は自分には向いていないと思っていました。

でも30歳を目前にした時、やっぱり結婚したい! と唐突に思ったんです。そこからは短期間で本気で結婚に向けて取り組もうと思ったので、マッチングアプリで婚活を始めることにしました。

――何か、思い立ったきっかけがあったんですか?

大きなきっかけというのは特にありませんでした。ただ、時が来たというか……自然と、これまでとは優先順位が変わったんです。自由でありたいということより、結婚してパートナーと過ごしてみたいということのプライオリティが高くなったという感じでしょうか。

もともと、将来のことを不安に考えすぎる性格ではないこともあり、自分がその時感じた気持ちを優先したので、婚活にも自然に取り組めました。

――マッチングアプリでの婚活はいかがでしたか?

思い立ったら即行動したいタイプなので、連日さまざまな男性と食事に行きました。

付き合ってもすぐに上手くいかなそうということに気づき、別れてしまう人もいましたが、結果的に半年以内に結婚相手を見つけ、即同棲を始めたのでいいタイムラップだったと思います(笑)。

――なるほど。婚活中はどんなことを重視されたのですか?

婚活なので、すぐに結婚したいと思っている人かどうかを重視しました。そこがそれまでの恋愛と一つだけ大きく違ったところです。そのほかは性格の相性や、話していておもしろいかどうかなど基本的には自分のタイプの人を見付けたかったので、普通の恋愛と同じです。

軸がはっきりしていたので大きく悩むことはなかったですが、3カ月くらいでいわゆる婚活疲れには陥りましたね。リフレッシュした後にゆったりと再開した頃、今の彼と出会って結婚することになりました。

出産には不安があったけど……産んでから気づいたポジティブな視点

――婚活エピソードもなかなか興味深いですね。ちなみに、急に優先順位が変わった時、結婚への不安はありませんでしたか?

結婚そのものには不安はありませんでしたが、当初は出産に抵抗がありました。海外旅行が好きだったので、出産したら趣味を満喫できなくなると思っていましたし、結婚してもすぐに出産、とは考えていませんでした。

――会社員として働きながら副業もして、子育てまでするのは大変そうですよね……。けれど、どうして出産をしてみようと思ったんですか?

子どもは授かりものだと思っていて、まだ結婚してそんなに時間も経っていなかったので、出産についてはぼんやりとしか考えていませんでした。

そんなとき、私のお腹に赤ちゃんが来てくれたのですが、正直妊娠中もあまり実感が湧きませんでした。実際に出産してようやく実感が湧いてきたって感じです。

――出産を経験されて、働き方が変わったかと思うのですが、子育てしながらのお仕事に苦しさを感じることはありませんか?

もちろん大変ではあるのですが、子どもはかわいいので、大変さよりも子どものいる楽しさが勝っています。

今は時代的にも、出産を機に仕事を辞める人の方が少ないと思うのですが、それでも当初は不安を感じていました。でも、いざやってみると意外となんとかなるな、という感覚です。パートナーも協力してくれますし、周りのワーママも、やってみたらなんとかなったという人が多いですね。

――たしかに、なんでもやってみないうちの不安は取り越し苦労に終わることも多いですよね。それでも、なぜか不安を感じてしまうものなんですよね……。

その感覚もすごく分かります。私も、自分が子どもを持つ前は子持ちの友人に「とにかく大変だよ」という意見を聞くことが多かったし、SNSでもそういった意見を目にすることがあったので、不安を感じていました。

でも自分が親になってみると、圧倒的に「子どもを持てて幸せ」だと感じることの方が多いです。だけどそういうことをあえて友達に話したり、SNSで発信したりする人は少ないのかもしれないですね。

――たしかに、SNSや女子会で子育てしていて幸せ、と言ったりすると、マウントと思われてしまうこともありそうですよね。

日本の美徳として、自身の幸せはひけらかさない人が多いじゃないですか。だから、SNS時代になっても、出産や子育てに大変さを感じるという意見を聞くことが多いかもしれません。実際は大変さもあるけれど、それと同じかそれ以上に楽しいこともたくさんあると私は思います。

出産で変化した、キャリアに対する価値観。それでも頑張れる理由

――出産してから、キャリアに対する考え方に変化はありましたか?

基本的にはほとんど無いのですが、出産というより、結婚してから少しだけ変化がありました。前は自分の好きな働き方で、好きな仕事をしていたいという気持ちがありましたが、パートナーや家族と生活するようになってからは、自分のキャリアは自分だけに関わるものではないと考えるようになりました。

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なので、会社を辞めてフリーランスになる時も、パートナーとよく相談しました。生活と仕事はつながっていると感じるので、自身の生活を守るためにパートナーと話し合うことは、苦痛だとは思いません。むしろ自分と同じくらい当事者として考えて、相談にのってくれる人がいるのはありがたいです。

例えばパートナーがもしフリーランスに否定的で、明確な理由を持っていたら、他のキャリアを探していた可能性もあると思います。

――子育てしている今、Yukiさんが大切にしたいと考えるキャリアの軸などはありますか?

もともとワークライフバランスはかなり重視するタイプなのですが、今の私にとっては仕事と子育ては同じくらい大切なことなので、以前よりもさらにバランスの整ったキャリアを築きたいと思うようになりました。

――子育てと仕事の両立で、工夫されていることはありますか?

私の場合は、フリーランスになったことが一番の工夫だったと思います。自分で業務量が調整できるので、仕事があふれすぎることのないようやっていきたいと思っています。

ただ、どうしても締め切りに間に合わない時は、子どもと一緒に早寝早起きの生活は続けながら、寝かしつけの後、深夜に起きて数時間仕事をすることもあります。

睡眠時間は削られますが、そんなに多くあることではないので、たまになら頑張れます。

――最後に、子育てに不安を抱える社会人女性に、メッセージをお願いします。

私自身、出産前は子育てに大きな不安を感じていましたが、出産してからは「意外となんとかなるし、子どもはやっぱりかわいい」というのが一番の感想です。今の時代、子育ては大変というイメージがどうしても強い気がするので、不安に思っている友達には「私も不安だったけど楽しめているからきっと大丈夫だよ」と伝えています。

結婚願望の無かった私ですが、今は家族ができたことをこう捉えています。「自分の絶対的な味方が、チームになって自分と一緒にいてくれる」……そのことで、私は今まで以上に人生を強く歩んでいけるようになりました。

女性のキャリアに対する考え方は多様になっているので、結婚しない、子どもを持たない選択の中にもたくさんの楽しみがあると思います。だけど、やってみたいけど不安という人には、これからも「結婚も出産も意外となんとかなるし、楽しいよ」と言い続けたいです。

(取材・文:ミクニシオリ、撮影:マイナビウーマン編集部)

※この記事は2023年06月27日に公開されたものです

ミクニシオリ

1992年生まれ。2017年にライター・編集として独立。芸能人やインフルエンサー、起業家など、主に女性に対するインタビューを多数執筆。恋バナと恋愛考察も得意ジャンル。ハッピーとラッキーがみんなに届きますように。

Twitter:https://twitter.com/oohrin

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