「ご心配ありがとうございます」は正しい敬語? ビジネスで使う時の注意点
「ご心配ありがとうございます」は、心配してくれた相手に対するお礼を伝える言葉。上司など目上の人から気遣いをいただいた時は、丁寧にお礼を伝えたいですよね。この記事では「ご心配ありがとうございます」の意味と使い方を例文と共に紹介します。
体調を崩した時や災害に遭った時など、心配してくれた相手に対してきちんとお礼を伝えられていますか?
「ありがとうございます」だけでも感謝は示せますが、ビジネスシーンにおいては「ご心配ありがとうございます」の言葉を使用すると、より丁寧な印象になります。
この記事では、「ご心配ありがとうございます」の意味と使い方を例文と共に詳しく解説。併せて、言い換え表現も紹介します。ビジネスシーンで相手への感謝を十分に伝えたい人は、覚えておいて損はありません。
「ご心配ありがとうございます」は正しい敬語?
「ご心配ありがとうございます」は、心配してくれたことへの感謝を伝える言葉。
また「心配」に接頭語の「ご」を加えた正しい敬語表現なので、上司や取引先などの目上の人に使用可能です。
まずは「心配」が指す意味を解説していきます。
しん‐ぱい【心配】
[名・形動](スル)
1 物事の先行きなどを気にして、心を悩ますこと。また、そのさま。気がかり。「親に—をかける」「将来を—する」「—な天気」
2 気にかけてめんどうをみること。世話をすること。「近くに住む娘が食事の—をしてくれる」出典:『デジタル大辞泉』(小学館)
「心配」には、将来や天気などの変化していく物事に対し、行く末を案じる意味があると分かりました。ビジネスシーンにおいては、体調の変化・悪化、事故や災害の影響などを気遣って使用されることが多いと言えます。
心配してくれた相手にお礼を言うことは、プライベートでも最低限のマナーにあたる行為です。相手の心遣いを無駄にしないためにも、心配する旨の言葉をもらったら、「ご心配ありがとうございます」を使ってみましょう。
逆に自分が相手の体調を気遣う立場になった時は、この記事を参考に声をかけてみましょう。
「ご心配ありがとうございます」の使い方(例文)
「ご心配ありがとうございます」の使い方としては、身辺を気遣ってくれた相手に対し、感謝の気持ちを込めてメールや電話、文章に添えます。
いずれも覚えておきたいのが「ご心配ありがとうございます」の後に、心配の対象になっていた物事の進捗を続けて書くこと。もし心配事が軽減していたら相手に安心感を与えられ、まだ解決途中であるなら心を寄せてくれるかもしれません。
同僚に使用する場合
社内の同僚や同期には、ストレートに「ご心配ありがとうございます」を使用しましょう。堅すぎない敬語表現なので、ビジネスに適した言い回しです。
感謝の言葉の後には、心配してくれたことがどうなったかが分かる一文を加えることをおすすめします。
例文
「ご心配ありがとうございます。体調が回復してきたので、明日には出社する予定です」
ちなみに、自分より立場が下の部下に使用する場合「気遣いありがとうございます」と言い換えても良いでしょう。「ご心配」は敬語表現であることから、上司から使われると居心地が悪く感じる人がいるかもしれません。
同僚に対しては「気にしないでください」の敬語も使えるかもしれませんね。
上司に使用する場合
同僚には「ご心配ありがとうございます」で大丈夫ですが、上司には、「ご心配いただき/ご心配くださり」などのより丁寧な表現を用いると好印象です。
「いただき」は「くれる」を謙譲語にした言葉で、相手を敬う表現にできるのがポイント。また尊敬語の「くださる」をつけ、「ご心配くださり」としても問題ありません。
例文
「ご心配いただきありがとうございます。おかげさまで体調は回復しつつあります」
一つ目の例文と同じく、感謝の次には相手の心配事に関する一言を加えると丁寧です。
取引先に使用する場合
取引先に対しては「ご心配賜(たまわ)りましてありがとうございます」を使うのも手です。「ご心配いただき/くださり」よりもさらに丁寧な表現になります。
ただし、「賜る」には目上の人から有難いものを頂戴するという意味があります。大げさな印象を与えてしまうこともあるため、相手との関係性を見極めながら使用すると良いでしょう。
例文
「ご心配賜りましてありがとうございます。体調は問題ございませんので、明日には予定通り伺います」
▶次のページでは「ご心配ありがとうございます」を使う時の注意点を解説します。