自分らしいおしゃれを楽しむ。田中美保が投資して良かったもの
お金、時間、手間を自分のためだけにかけるのって、なんだか自分を大切にしているようで気分が上がる。キャリア、ライフステージ、スキル、お金、美容……私を「アゲて」くれるものってなんだろう? 私たちが今からできて、自分をどこか「アゲて」くれる自己投資の方法を紹介する特集です。
取材・文:照井絵梨奈/マイナビウーマン編集部
撮影:洞澤佐智子
平日は会社に行くだけ、土日も決まった場所にしか行かない。そんな生活を続ける中で、おしゃれをして気分が上がることが少なくなっていった。服は気軽に洗えて、楽なもの。平日のバッグはPCが入るリュックで、休日は必要最低限のものが入るサコッシュ。年中スニーカー。アクセサリーは邪魔じゃないもの。
「いつものスタイル」に不満があるわけではないけれど、ずっとこのままで良いのかな? そんな風にモヤモヤした気持ちを抱えていたある日、会社に行く準備をしながら朝の情報番組をぼんやりと眺めていたら、ある人物が目に入ってきた。
トレードマークのショートカットに、カジュアルなコーディネート。モデルの田中美保さんだ。『Seventeen』や『non-no』『mina』など名だたる雑誌で活躍し続けている彼女は、昔も今もずっとかわいい。10代の頃と、2人の子どもを育てる今では変わっているところもあるはずなのに、なぜかいつも「カジュアルなのにおしゃれ」なイメージだ。
普通の働く女性でもおしゃれになれる? 年齢を重ねていっても(なんなら体型が変わってしまっても)自分らしいおしゃれを楽しむにはどうしたらいい? そんな疑問を、今回の特集「私の自己アゲ投資」に絡めつつ、田中美保さんにぶつけてみた。
たくさんトライすることで自分らしいスタイルができてくる
――田中美保さんって10代の頃からずっと自分のスタイルが確立しているイメージなのですが、好きなものを選んでいったら自然とそうなったのですか?
かっちりした服が動きづらくてあまり好みではなくて(笑)、普段から基本的にコンサバティブな恰好はしないのですが、そういった自分の好きなスタイルと関わっている雑誌のスタイルがリンクしていって今があるように思います。雑誌でもプライベートでも自分の好きな服を着てきたかも。
その中で「自分では絶対に選ばないけど、意外と似合うかも」とか、逆に「今まで好きな色だったけど、意外と似合わないのかも」とかが分かってきたように思います。
――たくさんトライしてきたから、自分らしいスタイルを理解できたんですね。
ちょっと印象を変えたいと思った時は、いつも着ないような服を思い切って買ってみるなどしています。そういう時こそプチプラの出番ですね。そこで「なんか好きかも」と思えたら次は価格帯を上げてみても良いと思います。
私は基本、流行ものとかを気にしていないのですが、今お店に並んでいるものなら時代遅れにはならないはずですよね。だから、難しく考えなくても気に入ったものをお店で買うだけで今っぽいスタイルになると思いますよ。
「これを買うために頑張って働く!」という気持ちでモチベーションアップ
――アラサーになると、10代や20代前半に着ていたものがしっくりこなくなるなどで悩む人も多いですが、田中美保さんはそういった悩みを抱えることがありましたか?
仕事柄、たくさんの服を目にする機会が多く、この仕事をかれこれ20年以上やっていますが、今でも「なんか違った」「サイズ感間違えた」とか、失敗することはありますよ。体型や見え方って年齢と共に変わっていくので……。
悩んだ時はやっぱり、雑誌でもWebでも、たくさんのコーディネートを見るのが良いと思います。私も昔は雑誌をいっぱい買っていて、「これかわいいな」「自分のワードローブに合うかな?」とか読みながら思っていました。今の時代だったら雑誌に限らず、同世代のSNSをチェックしてみるのもおすすめです。
私は「ハイブランドを買うためにお金を貯めたい」と思う人が多かった世代なんですけど、今はプチプラの服が充実していて「安くて良いもの」志向が強いですよね。
それももちろん良いと思うんですけど、ファッションに悩む人ほどコレクションを出しているようなブランドのアイテムを1着、2着でも良いからお金を貯めて買ってみてほしい。「これを買うために働く!」と思っていると、仕事もおしゃれもモチベーションが上がりますしね。
デザイナーさんが作っている「良いもの」って、やっぱり形がきれい。生地も高いだけあると思うものが多いと思います。定番アイテムだったら長く使えるので、例えば黒のワンピースとか、ジャケットとかからチャレンジしていくと良いんじゃないかな。
――雑誌やWebでチェックして、定番品から憧れブランドにトライする、という流れが大切なんですね。
オーバーエイジのおしゃれな方々って、ファッションを楽しむために頑張って働いていた人も多いと思うんです。そういう時代だったと言ってしまえばそうなのですが……。でも、そういう気持ちも大切ですよね。
定番品なら、ちょっと眠らせてもまたいつか使える日がくる
――20代から30代にかけてファッションの好みや選ぶスタイルが大きく変わって、クローゼットの中身が総入れ替え……みたいになる人もいるかと思いますが、田中美保さんが20代から30代前半を振り返って「これはお金をかけて良かった」と思うものってありますか?
20代が一番ブランドものを買っていたと思うのですが、今も手元にあるものは少ないんですよね……。当時はCHANELのチェーンバッグやCELINEのバッグ、PRADAの靴が流行っていたので持っていました。小物にお金をかければプチプラな服を着ていても全体が高見えするんですよね。カジュアルなスタイルでも、小物にお金をかけると大人っぽく見えると思います。
――カジュアルファッションだからこそ、小物がポイントなんですね。先ほど、20代から30代にかけて買ったもので手元に残っているものは少ないとおっしゃっていましたが、逆に今でも残っているものは何ですか?
PRADAのショートブーツはまだ履いています。形がきれいで脚も美しく見えるんです。ルブタンのヒールも残っているかな。やっぱり定番品は良いですね。
ただ、今は子育てをしているので高いヒール靴は眠っています(笑)。もうちょっと眠らせて、またいつか履こうかと。生活スタイルの変化で使わなくなってしまったアイテムも、永遠の定番品ならまた使えるんじゃないかな。
働く女性には毎日使えるバッグへの投資がおすすめ
――働く一般の女性におすすめしたい「投資アイテム」はやっぱり小物ですか?
そうですね。働く女性なら特にバッグが良いと思います。靴だとすり減ってきたり、毎日履くと靴擦れしてしまうこともありますが、バッグなら安心して毎日使えるんじゃないかな。
――12月に発売されるユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシングとのコラボコレクションにもバッグがありますね。
そうなんです! 一応、マザーズバッグではあるんですけど、サイズが大きく、ポケットもたくさんある上に大きなポーチもついているので働く女性にもおすすめです。男女問わず持てるようなデザインを考えたのでぜひチェックしてみてほしい!
小物以外も、カジュアルで着やすくありながら、おしゃれ感があるアイテムになっているので、マイナビウーマン読者にも着てほしいなと思います。
――仕事でも使えるアイテムが自分の好きなデザインだったら、日々の気分が上がりそうですね。まずは小物から自分が心から好きだと思えるものにトライしてみようと思います。本日はありがとうございました!
Information
モデルの田中美保さんと浅見れいなさんがタッグを組み、自分たちが本当に欲しいものを形にした「RM STANDARD(アールエム スタンダード)」がユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング プロデュースで始動。
2021年12月27日発売のファーストコレクションはふたりのクローゼットのベーシックアイテムでもあるスウェット、カットソー、リブパンツ、マザーズバッグなど。いつもの日常が少し特別になるラインナップです。
公式サイト http://special.green-label-relaxing.jp/202112_rm-standard/
※この記事は2021年12月24日に公開されたものです