ビジョンは持たずラフに働く「ラフキャリ」。AbemaTV 若村菜摘さんの働き方 #働くわたしの選択肢|「マイナビウーマン」
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ビジョンは持たずラフに働く「ラフキャリ」。AbemaTV 若村菜摘さんの働き方 #働くわたしの選択肢

マイナビウーマン編集部

「バリキャリ」「ゆるキャリ」……女性の働き方って、本当にこの2つだけなの? 100人いれば100通りの働き方がある。一般企業で働く女性にインタビューし、会社の内側や彼女の働き方を通して、読者に新しい働き方「○○キャリ」の選択肢を贈る連載です。

100人いれば、100通りの働き方がある。

だけど実際どんな働き方があるのか、何が自分に合っているのかわからない。

よく聞くのは、仕事中心にバリバリ働く「バリキャリ」、プライベート重視でゆるく働く「ゆるキャリ」。でも、女性の働き方って本当にこの2つだけなの?

新連載【働くわたしの選択肢】では、注目の企業で働く女性社員にインタビュー。その会社の内側や彼女の仕事ぶりを通して、新しい働き方「○○キャリ」の選択肢を贈ります!

記念すべき第1回は、株式会社サイバーエージェントでAbemaTVプロジェクトマネージャーとして働く女性、若村菜摘さん(32歳)。

ちなみに今回聞き手を務めるマイナビウーマン編集部・たかはしは、AbemaTVの恋愛リアリティーショーにドハマリしているヘビーユーザー。

せっかく中の人にお会いできたからには、彼女の働き方はもちろん、AbemaTVの裏側についても聞いちゃいます!

サイバー女子は本当にキラキラ系なのか

本日はよろしくお願いします!
はじめまして、若村です。新卒でサイバーエージェントに入社し、アメーバピグのアバター・収益責任者や『by.S』編集長を経て、今はAbemaTVのプロジェクトマネージャーをしています。

サイバー社員が集うオープンスペース。ここで作業する人も多いそう

さっそく経歴がすごい。現職のプロジェクトマネージャーって、具体的にどんなお仕事なんですか?
担当番組の企画内容・プロモーションの方針決め、戦略立案などです。今は恋愛リアリティーショー『恋する♥週末ホームステイ(恋ステ)』、雑誌『Popteen』と連動した番組『Popteenカバーガール戦争(ポプ戦)』などを担当しています。
どっちもティーン向け! 女子中高生たちのトレンドを掴んで企画を考えるのが難しそう……。
そうなんですよね。だから『恋ステ』や『ポプ戦』のロケについて行って、番組に出演している女子中高生たちに「最近何が流行ってるの?」と直接聞いたりしています。彼女たちがトレンドの発信源でもあるので、一番わかりやすいんですよね。
なるほど。そもそもの疑問なんですが、若村さんはどうしてサイバーエージェントに入ろうと思ったんですか?
実は私、就活前は銀行の一般職として働きたいと思ってたんですよ。残業せずに定時で帰る、プライベート優先の働き方をしたくて。
え! こう言っちゃなんですけど、めちゃくちゃ意外です。
というのも、「仕事=勉強」に近しい考えを持っていて。つまらないもの、苦しいものだと思っていたんです。だけどサイバーエージェントの説明会や選考が進んでいく過程で、お会いする先輩社員のみなさんがすごく楽しそうだったんです。仕事は忙しそうだけど、とにかく燃えている目をしていたんですよね。
おおお……。たしかにサイバーエージェント社員って「仕事を楽しんでいる人」が多そうです。あと、キラキラ系女子が多くてクラブに通っていそうな(偏見)。
あー、そういうイメージはありますよね(笑)! でも実際そんなにキラキラしてるのかな? たしかに飲み会など社内の懇親の場は多く、楽しんでいる人も多いので、そう見えるのかもしれません。

とはいえサイバー女子はやっぱり綺麗な方が多い

社員同士の仲が良いんですね。
仲はかなり良いですね! 休日も一緒に遊んだりしますし、最近だとみんなでキャンプに行きました。
楽しそう! ちなみに社内恋愛なんかは……?
多いですね(笑)。部署の枠を超えた懇親会も多いので、必然的に仲良くなりやすいというか。
うらやましい。まさに『彼女のいる彼氏』(※)の世界。

※マンガ『彼女のいる彼氏』とは……サイバーエージェント出身のマンガ家・矢島光さんが描くIT系WEBマンガ。サイバーエージェントをモデルとした職場が舞台で、数々の社内恋愛が繰り広げられる。ちなみに矢島光さんは、アメーバピグ時代に若村さんの後輩だったとか。

でも、プライベートを全力で楽しむ代わりに、仕事にも全力で取り組みます。業務でうまくいかないことがあったら、社員同士で真っ向からぶつかり合うこともありますよ(笑)。すべては良いサービスを提供するために。
どんなに社員が増えて会社が大きくなっても、ベンチャー魂は忘れないんですね。
そうですね、良い意味で“泥臭い人”が多いです!

社会人3年目に休職「あのとき倒れてよかった」

若村さんは今までずっと事業の責任者として活躍されていて、経歴を聞くといわゆる“バリキャリ”に近いのかなと思うのですが……。
いや、そんなことないですよ(笑)。というのも、入社3年目の時期に体を壊しちゃって、一度お休みしているんですよね。
休職……!
急に顔面蒼白になってしまって、会社に行けなくなってしまったんです。業務が立て込んでいた時期で、体力の限界もあったんですけど、自分を精神的に追い込んでいたのが一番大きかったですね。「私がいないとこの事業は終わってしまう」と必要以上に抱え込んでいました。
そういうお話を聞くと、他人事じゃないなって思います。
そんな感じでいろんなことを背負いすぎちゃっていたんですけど、休んでみたら、意外と私がいなくても事業は回ってたし収益も伸びてたし、「案外どうにかなるものだな」と。
お休みを経験したからこそ気づけたんですね。
そうですね。だから今は「私がやれる範囲のことをきちんとやりきること」が大事だと思っています。部下の子たちが稼動しすぎて疲れているときは「いつでも休んでいいよ」ってスタンスで接していますね。そういう意味では、一回倒れてよかったなって。
部下から見ても、休むことに理解のある上司って素敵です。

あとは、お休みを経験しながらもいろんなキャリアを経験させていただいたことで、「自分がやって成果が出ること・出ないこと」が分析できるようになりました。
気になる! 自己分析の結果、教えてください。
私自身、成果が出やすいのは「チームで何かを作ること」。エンジニアやデザイナー、マーケターなど、いろんな人を巻き込んでチームワークで成果に向けて働くことが得意です。
ディレクションやマネジメントスキルが長けているんですね。
まだまだ勉強中ですが、あとは、そのチームの中に「曲者がいる」と尚良いです。私にできないことが圧倒的にできるプロフェッショナルの方たち。そういう人たちとサービスを作ると成果が出やすいように思います。
たしかに良いサービスを生み出せるプロフェッショナルって、いろんな意味で曲者が多いかも。そんな彼らを巻き込んで本気にさせるのも、ひとつのスキルですね。
逆に成果が出にくいのは「ひとりで黙々と作業に取り組むこと」。だから、上司や人事には「私は、これが得意ですが、この部分は私がやっても成果出ないと思います」とはっきり伝えていますね。
自分が適さない仕事でも、与えられたら何も言わずがんばらなくちゃいけないと思ってました……。
自分に適していないなと感じる仕事を任されそうになったときは、「向いてない私がやって成果が出るんでしょうか?」という話し合いをとことんします(笑)。
強気!

もちろん、新卒の子たちが言うべきことではなく、10年近く働いてきて、不得意だと思うことにしっかり向き合ってもダメだった結果、ちゃんと上長と対話して会社に理解してもらえているという土俵がある前提での話です。

ほかの人からは「ワガママだな」って思われるかもしれないけど、長い目で見たときに会社としても事業としても、人材を適しているところに嵌めて成果を出すことのほうが重要だと思うんですよね。

たしかに、自分が適していないことは、それに適しているプロフェッショナルにお願いしたほうが成果も出ますもんね。
そうなんです。だからあえてわたしは、自分が適していないと思ったときはワガママを伝えるようにしています。

将来のビジョンは「持たなくてもいい」

若村さんは新卒でサイバーエージェントに入社してから約9年間、転職したいと思ったことはないですか?
うーん、なかったですね。これまでにいろんな仕事にチャレンジさせていただいたので、飽きがこないというか(笑)。社内で3回くらい転職してるような感覚です。うちの会社には、挙手制で他部署への異動を申請できる「キャリチャレ」という制度があるので、その制度を利用して異動する人もいるんですよ。
なるほど……。でもさすがに一度くらいは辞めたいと思ったことありますよね?
ないですね(笑)。
即答! それはなぜですか?
私の場合、藤田社長含め役員がすごく素敵だなと思っていて。憧れの存在というより、私たちと同じ目線まで降りてきてくださって、一社員に対して愛情を持って接してくれるんです。
オフィスでもよくコミュニケーションを取るんですか?
そうですね。ふらっとオフィスの廊下で会って「社長~、先日のあのアイディア本当にダメですか?」「うん、ダメ」「ダメですかー!」みたいなやり取りとかよくします(笑)。
仲良し! だけど友達感覚じゃなく、上司と部下としての信頼関係がそこにはあるんですね。
そうですね。人として尊敬しているので、彼らが決めた会社の指針であればついて行こうと思います。

オープンスペース内にあるカフェテリアは若村さんも御用達

最後に、若村さんが仕事をする上で大切にしていることってありますか?
そうですね……、私は「ビジョンは持たない」と決めています。
え! 「社会人は3年後・5年後・10年後のビジョンを考えておけ」とかよく言いますけど、ビジョンは持たないほうがいいんですか?
うーん、ビジョンを持つより、常に今が最高であることのほうが大切かなと思っていて。最高が積みあがっていけば、将来最高にならないわけがないじゃないですか。だから逆に、今の最高を作るための主張はものすごくします。
なるほど……。
よく部下の子たちに「ビジョンがなくてどうしたらいいんでしょう」のような相談をされるんですが、「ビジョンを持つ必要ある?」って返してます(笑)。ちょっとめずらしい考え方かもしれないですけどね。
じゃあ今も、数年後のビジョンや夢はないということですか?
全然ないんですよね。ビジョンや夢があるのはいいことだとも思いますが、無理に作る必要もないかなと思っています。今の世の中は「ビジョンがある人のほうが素晴らしい」のような風潮もありますが、無理して自分として納得していないビジョンを作るのも違うと思うんです。
たしかに。無理にビジョンを作ったとしても、それが自分の本心じゃなければ頑張るのがしんどそう。
そうなんですよ。別にビジョンを持っていることが悪いわけではないですけど、無理に作るものでもないかなと。
意識高い系の記事と将来のビジョンばかりFacebookでシェアしてくる友達を見て焦ってたけど、そう言われてホッとしました。
劣等感を抱く必要は全然ないです! それより、いかに今の「最高」を作るかどうかのほうが大事かなと思っています。

INFORMATION

AbemaTV新番組『いきなりフォーリンラブ』

今回取材した若村菜摘さんがプロジェクトマネージャーを務める新番組がスタート!

数々の恋模様を見届けてきたAbemaTVが2020年のスタートを飾る、AbemaTV史上初のグローバル恋愛リアリティーショー。「外国人と付き合うと英語が話せるようになる」とは言うけど、なぜ、どのように話せるようになるのか? 英語が話せない日本人女子と外国人男子がトライアルカップルとなり「英語が話せるようになる瞬間」をお見せします。

2020年1月22日(水)22時~ AbemaSPECIALチャンネルで放送開始
チャンネルはこちら

(取材・文:たかはし/マイナビウーマン編集部、撮影:masaco)

※この記事は2020年01月17日に公開されたものです

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