白い森で white forest 失恋の傷み

白い森で white forest 失恋の傷み

息が止まるほど

茜色の空

風も音もなく、時が止まってしまった様な感覚に包まれる

独りで観ているのが勿体ない景色

誰か何処かで、同じ気持ちで空を見上げている人が居るだろうか





探すのをヤメたトキ

見つかることもヨクあるハナシで

と、全てを諦めた時

何かが転がり込んでくるのかも知れない

きっと、まだ諦め切れていないのだろう

そんな、どうでもいい存在

そうだよね







側に居るだけで、息が止まるほど幸せな人

貴女の目の前にも現れるよ

何時かきっと

茜色の空



唯一無二の愛

開放感

国家試験からの解放

終われば解放感に浸れる…と、思っていた

実際終わってみれば、そこにあるのは虚無の日常が広がる

寝ても覚めても机に向かい、仕事と学習だけの日々。

他には目もくれなかった。

充実感もない

ただ牢獄に縛られているような日々を重ねる





試験会場からの帰り道

ふとシネマのポスターが目に入る

キミが闘病中の頃に上映していた映画の続編

もう30年以上になるのか

アメリカの戦闘機乗りの物語

その続編

劇場は年配の鑑賞者が多い

前作、現役の戦闘機乗りだった主人公は、今作品では指導する側に回っている。

当時眩しかった笑顔も、柔らかで温かみのある笑顔に変わっていた

ライバルで反目し合っていた2人が、慈しみの笑顔で抱き合う関係になっていた

もしキミが隣にいたら、年月を重ねたキミは、どんな笑顔を見せてくれたのだろう

それとも、これまでの相手の様に、見限って背を向けてしまうのだろうか




どんなに愛したとしても

「過去の男なんてどうでも良い」

それが現実だろう

だが、キミは私を愛したままの記憶で止まっている

唯一無二の愛





星降る夜に

訪ねてみる

月の光に

導かれるように

キミの眠る大地の上で

霞む夜空を見上げる


Sky flower












彼方の男達



今は貴方の事しか考えられない

過去の男の事などどうでもイイ



そう

男はフォルダ

女は上書き

個体差はあるにせよ、哺乳類が進化の過程で築き上げたシステム

男は、自分の遺伝子をばら撒いて、多くの自分の子孫を後世に残そうとする

女は、最も強い子孫を残すため、遺伝子を厳選する。

そんな遺伝子のシステムは、出会い系の掲示板に顕著に現れている

多くのオスが掲示板でパートナーを募集するが、殆どのカキコミに返信は無い

だが、一度女が掲示板でパートナーを募集すれば、あっという間にオスのカキコミで溢れかえる

そう、選ぶのは女性





今は苦しくて寂しいかも知れない

未来に不安を抱き、このまま独りで生きていこう…何て自暴自棄になっているかも知れない

そして、愛しても居ない誰かに抱かれて隙間を埋めているのかも知れない

でも、何時の日か自分を捨てたヒトが、どうでもイイ存在になる日が来る

その時は目の前に居るヒトで上書きすればイイ

そう、選ぶのは貴女

厳選されたパートナーを選ぶのは貴女

何時の日かその時が来るから

今は自分のやりたい事をやって、時々思い出して泣いて…

やがて運命のヒトが貴女の目の前に現れるから

風に揺れるススキ






その時まで…






暗闇の貴女へ


始まらなければ終わりもない

全ての路は、終わりに向かって進んで行くモノ

それが40年先なのか、それとも明日なのか

知る由もない




別れても尚、相手のことを想い続ける

辛いでしょう

悲しいでしょう

そして、闇の中で途方に暮れているでしょう

見上げた空は、モノクロームに虚しく広がっていることでしょう






想い出をたどれば忘れ難く

忘れようとすれば想い出の波が押寄せる

でも、何時の日かその波も穏やかになり

静かな湖面のように空を映し出すでしょう

風が季節をたどり行くように

冷たい北風が、必ず暖かな南風に変わるように




辛く悲しい日々を乗り越えた貴女

振り向いたその姿は、きっと身震いするほど美しく人を惹きつける

それはそんなに先の事では無いでしょう

だから今は想い出を辿って

傷みに泣いていてイイ

何時の日か、心地よい風がその涙を乾かすまで


雨上がり







貴女の幸せを…






黄昏に想うこと


人を恨まず

人を憎まず

その胸に愛を抱き

傷を隠して笑顔を見せて




腹を立てず

イラ付かず

通り過ぎた

遠き人の幸せを願う




己の運命を呪わず

宿命を嘆かず

春風に吹かれるように

日々を過ごして




誰に悲しみを与えず

誰に傷みを残さず

人知れずに

静かに消えて行く





そんな人生の黄昏

今日も一日が終わる

今日の終わり




貴女の心に平穏が訪れることを…。