連峰の彼方
雪化粧をした連峰。
桜の開花がニュースになっていたが、ここはそんな気配は無い地方。
未だに朝の空気は切れるようである。
休日は一言も喋らずに終わる。
そんな負犬の典型になってしまったが、何となく切迫感が和らいだように感じる。
考える時間が多くなった所為なのか。
いや、考えることが出来る様になったと言うべきなのだろう。
変わらないのは、今日も独りの季節が過ぎて行くだけ。
貴女の中に私の居場所は無かった。
最近になって分かる。
私は、貴女が求めていたモノを持って無かったのだと。
その男が周囲からどう評価されてようとも、貴女が欲しいモノを持ち、そして貴女に与えていたのだと。
だから必要の無いモノを切り捨てるのは道理。
求められて無い私が求めたのが悪い。
白い雪が残る山。
カジかんだ手に息を吹きかける。
こんな別世界には私の居場所は無い。
遠くから眺めているのが私の立ち位置なのだろう。
遥か彼方の町を見下ろして想うこと。
それは何時も何処でも想うこと。
貴女が幸せでありますように。
貴女に永遠の愛を…。