多様な市民100人が100日で創るミュージカル「A COMMON BEAT」東京公演当日に密着! 熱狂的コミュニティはなぜ生まれる? - Wellulu

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多様な市民100人が100日で創るミュージカル「A COMMON BEAT」東京公演当日に密着! 熱狂的コミュニティはなぜ生まれる?

記事冒頭写真:©commonbeat

応募者100人が100日間で歌やダンスを学び、ワークショップを通して自分や仲間と対話をし、ミュージカル「A COMMON BEAT」を創り上げる100人100日ミュージカル®プログラム。2004年にスタートした本プログラムは2023年に20周年を迎え、これまでの参加者は全国7,000人、観客動員数は24万人を超えている。18歳以上であれば誰でも参加でき、大学生からサラリーマン、主婦などさまざまな職種の人々はもちろん、車椅子や目が見えない人も参加が可能だ。

全く異なるバックグラウンドを持つ人々が、なぜここまで熱い繋がりを持っているのか。公演の会場にはどのようなウェルビーイングが生まれているのだろうか。

Wellulu編集部プロデューサーの堂上研が東京公演当日を密着取材した。

 

堂上 研さん

Wellulu編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

開演前から涙……コモンビート流「繋がり」の見える化

ミュージカルを学んだことのない、素人の市民がたった100日間でミュージカルを創り、ステージに立つ。さぞ緊張感が漂っている……かと思いきや、会場は賑やかな笑いと活気に満ちていた。ロビーで公演の準備を進めていたのは、全国から集まってきた「ウェルカムキャスト」。彼らはコモンビートに出演者として参加後、後輩たちを盛り上げたいとボランティアでスタッフを名乗り出ているのだという。

出演した時期、年齢、住んでいる場所も異なる中、まるで同じ学校の仲間かのように親しげに言葉を交わしながら、公演の準備が進められている。グッズの販売や1,000名ほどの来場者の案内を行うのが「ウェルカムキャスト」の仕事。来場者にコモンビートの世界観を伝える重要な役割を担っている。

そして公演前には、「ウェルカムキャストとキャストの対面式」が行われる。舞台に立つキャストにとっては、公演をすでに経験した先輩たちであり、公演を支えてくれる「ウェルカムキャスト」の存在を直に感じられる瞬間だ。

“自分も素晴らしい経験をしたコモンビートの舞台に挑むキャストを応援したい”という思いで全国から集まった「ウェルカムキャスト」にとっても、対面式は特別な瞬間だという。

コロナ禍で満席の客席を観ることが叶わなかった「ウェルカムキャスト」のメンバーは、満席の景色を見せてくれたキャストへ感謝の言葉を伝え、思わず涙を流すシーンも。

対面式では「ウェルカムキャスト」からの熱気を帯びたエールが贈られ、一気に会場のボルテージが高まる。さらに「ウェルカムキャスト」の一人ひとりの名前を紹介し、「誰」がコミュニティに参加しているかを明確にしている。

理事長の安達さんからは「コモンビートは社会を変えるためにミュージカルをやっています。ミュージカルはあくまでも手段。みんなが自分らしく輝くことが1番の目標だと思っています。みんなも、社会をより良くするための活動に参加しているという意識をぜひ持ってもらいたい。あんなに自分らしい人たちがここにいるんだから、自分も舞台に上がりたいと思ってもらえることが大事だし、自分らしさが発揮できるようになった瞬間を自分たちも受け止めることが重要だと思っています」と改めてコモンビートに携わる意義が語られた。

©commonbeat

その後、キャストは公演前の「気合い入れ」へ。「気合い入れ」というネーミングからは意外にも、一転して静かな空間が漂う。100日間、異なる年齢、職種、価値観、性格の人々が集まったこと。共に過ごした日々を振り返り、絆を確かめ合う時間だ。目と目を見てそれぞれの繋がりを感じ合うキャストたちの目からは思わず涙が溢れる。温かな体温を感じるこの時間も、コモンビートで多様な人々が強い絆で結ばれている理由ではないだろうか。

ついに開幕! 異なる大陸の人々が交わった時……

そして満席の客席を前に「A COMMON BEAT」の幕が上がる。

舞台となるのは様々な文化を持つ、赤大陸、青大陸、黄大陸、緑大陸。人々は、独自の音楽やダンス、文化を築き上げており、国境警備隊が治安を守っていた。しかしある時、一人がほかの大陸の存在に気がついて……。

新しい出会いや言葉を楽しむ人々もいれば、大陸や文化伝統を守りたいと、衝突する人々も。文化や価値観が違っても、人間は理解し合い、共存していくことができるのか。プログラムを経てステージに立つキャストたちそのものを描いたような物語だ。

©commonbeat

ミュージカル「A COMMON BEAT」はアメリカのNPO団体「Up with People」が2000年に製作した作品で、NPO法人コモンビートはこの作品を日本語化し、オリジナルの演出を加え作品を受け継いで上演している。

色鮮やかな衣装を身に纏い、年齢・職業やダンスの経験関係なく、笑顔でステージをやり切るキャストたち。ダンス初心者ながらも堂々とステージに立ち、目を輝かせる姿はなんとも眩しい。

そして終演後は、キャストの晴れ舞台を観に来た家族や友人たちでロビーがごった返す。花束やプレゼントを受け取り、キャストたちも安堵の表情に。

「舞台で凄く素敵だと思って……。一緒に写真撮ってもらえますか?」「私も参加してみたい」「次、一緒に舞台に立とうよ」という会話も各所で聞こえてくる。こうやってコモンビートの輪は広がっていくのか、と実感させられる。

「頑張ろう」ではなく「楽しもう」

公演の熱気がまだ冷めやらない会場で、本公演に出演した岩沢有里子さんにお話を伺うことができた。

岩沢 有里子さん

大学では国際系学部で学ぶ傍ら、英語劇サークルに所属。卒業後、人材会社での営業職を経て、現在は人事として奮闘する社会人3年目。友人伝いでコモンビートのことを知り、学生時代の留学やサークルで感じた「国を問わない人の温かさ」「劇を作る楽しさ」「その中で見えた素に近い自分」を再び探求したいと思いキャストとしての参加を決める。

堂上:有里子さんは普段はどんなことをされているのでしょうか?

岩沢:人が好きで、人と関わって相手を幸せにできる仕事がしたいと思い人材業界の法人営業の仕事を始めたんです。でもなかなか笑顔にできない葛藤が自分の中にあって、広告業界の人事・労務の仕事に転職しました。今、社会人3年目です。

堂上:大学時代はどんなことをされていたのですか。

岩沢:国際文化学部で英語を学びながら、英語サークルで英語劇をやっていました。

堂上:表現することがもともとお好きだったんですね。

岩沢:そうですね。キラキラと輝いている人への憧れから、高校の文化祭で初めて演劇を経験して、そこから大学でも英語劇をやるようになりました。でも社会に出るとそういった機会もなく、真面目に働かないと、と自分を抑えつけてしまう感覚がある日々でした。そんな中、大学時代の友人達がコモンビートに参加していて、「有里子もどう?」と誘ってくれたんです。そこから興味を持つようになり、仕事とのタイミングを調整して、今回参加することになりました。

堂上:参加される人たちとは「初めまして」で、価値観が異なる人も当然いますよね。“正直合わないな”という人もいると思うのですが、そういった時はどうされているんですか?

岩沢:私もどう関わったら良いのか、戸惑うこともあります。でも一旦話を聞いて、どんな人なのかを考えて接してみる。それでも難しかったら、周りの人に相談して助けてもらったり、助けを求めていなくても手を差し伸べてくれたりする方もいて、とても助けられていました。

堂上:凄いですね。100日間やられてみて、苦労はなかったですか?

岩沢:転職したのが2023年8月だったのですが、新しい仕事を覚えると同時に、土・日曜日はコモンビートの練習があり、忙しくて大変に感じたことはありました。また年末に風邪を引いてしまって、練習を休まなければいけなかったんです。練習に遅れる焦りもありましたし、年末年始でみんなに会えなくて、孤独に感じることもありました。

堂上:100日間あったら、体調を崩す人も絶対に出てきますよね。風邪が治って戻った時は、皆さん温かく迎えてくれたんですか?

岩沢:みんな「寂しかったよ」「私、有里子のこと好きだけど分かってる?」と言葉で伝えてくれたので、とても救われました。

堂上:皆さんそうやって表現されるのが素敵ですね。今日は本番を迎えてみて、いかがでしたか?

岩沢:とても満たされている感じです。舞台裏で「頑張ろうね」「私たちならできるよ」と言い合って、受け入れてもらっている感じ、お互いを信じ合っている感じ、そしてこれから公演が始まるんだというワクワク感が印象に残っています。

堂上:緊張はしなかったですか?

岩沢:もともと凄く緊張しいなんです。でも今回のキャストの中に「笑いヨガ」をやっている方がいて、癒やしてくれたり、みんなでハグしたりしてリラックスすることができました。あとモットーが「頑張ろう」ではなく「楽しもう」なんです。だから緊張せずに楽しもうと思えました。

堂上:「頑張ろう」ではなく「楽しもう」、いいですね。ご家族は観に来られていましたか? 反応はいかがでした?

岩沢:家族も、友人も観に来てくれていました。家族は3列目にいたので舞台上からすぐに分かって、とても嬉しかったです。

堂上:舞台上で皆さんが家族や友人を見つけて笑顔になっている姿は、僕もとても印象的でした。コモンビートの魅力を一言で表すとしたら何でしょうか。

岩沢:コモンビートは「安心できる場所」ですね。

堂上:有里子さんらしい素敵な表現ですね。有里子さんにとってウェルビーイングな状態はどんな時ですか?

岩沢:“人と心を通わせられた時”にウェルビーイングを感じます。今回も舞台裏では言葉を交わさなくてもメンバーと目と目を合わせて気合いを入れた時や、舞台上から客席の皆さんと目が合った時、とてもウェルビーイングを感じられました。

“初めて”に囲まれるからこそ、自分の殻を破れる

続いて、公演の舞台運営を支える裏方スタッフ「ブラックスピリッツ」として本公演に携わる小田健太郎さんに話を伺った。

小田 健太郎さん

2019年に東京都に入庁。都立学校事務として学校の予算執行や施設管理を担う。姉の紹介でNPO法人コモンビートを知り、大学生でミュージカルプログラムに参加。思い切り表現することと、オープンでフラットなコミュニティの魅力に共感し、現在も休日を利用して様々な形で関わっている。新潟出身。趣味はアルビレックス新潟の応援。

堂上:まずは小田さんについて教えてください。

小田:新潟県出身で、大学進学のために上京しました。大学在学中にコモンビートに参加して、今は公務員をしながら「ウェルカムキャスト」で参加し続けていて、現在29歳です。今回はさらに裏方の「ブラックスピリッツ」で参加しています。

堂上:大学時代からずっとコモンビートに参加されているのですね。長い期間、参加し続けるコモンビートの魅力とは何なのでしょうか?

小田:学生時代は目上の人というと大学の先輩だったり、アルバイト先の社員さんだったり、属性がはっきりしている人たちしかいなかったんです。でもコモンビートではそういった属性がなく、全員がフラットな関係性で、ニックネームで呼び合う場が凄くいいなと思いました。

それにミュージカルって経験がなくて分からないことだらけなので、歌もダンスも、自分一人ではどうしようも出来ないことが多いんです。だから助け合わざるを得ない。最初は恥ずかしい気持ちやカッコつけたいプライドもあったのですが、いつの間にか素の自分が出せるようになりました。

堂上:どのようにして自分の殻を破れたんでしょうか。

小田:殻を破っている人をフィーチャーする機会が多いのだと思います。たとえば、100人の前で1分間自分のことを話すワークショップがあるのですが、まだ知り合ったばかりの人たちに向かって、勇気を持って自分の内に秘めた思いを話している人たちを見ていると、僕もどんどん勇気をもらっていきました。徐々に自分の殻を破ろうという気持ちになれたんです。

その年に上演される日時と地名が入ったコモンビートのオリジナルTシャツ。「ブラックスピリッツ」は黒のおそろいのTシャツを着ている

堂上:殻を破るきっかけを持った人たちは自信に満ち溢れている人が多くて、より自分を表現するからまたみんなが受け入れてくれる……という好循環がコモンビートの中にあるように感じます。初めて出会う人たちがたくさんいるのに、なぜすぐに仲良くなれるのでしょう。

小田:ミュージカルは大半の人が初心者で、序列が決まっていないからこそ、自分の立ち位置が上か下かなどを考える必要がない空気感があるのだと思います。

堂上:それがコモンビートの良さですね。公演が終わってからも参加者の皆さんとは関係が続いていらっしゃるのでしょうか。

小田:僕はミュージカルプログラムを3回経験しているので、300人仲間ができたわけですが、300人全員と連絡を頻繁に取り続けているわけではないんです。でも共通のグループで、同窓会やイベントの連絡を誰かが発信して、行ける人が行く。それが1年ぶりの再会だとしても、当時の空気感に戻れる。同窓会を仕切る人も毎回決まっているわけではないんです。緩い繋がりだからこその心地よさがあるように思います。

放牧スタイルで個性が生きるコミュニティづくり

最後にお話を伺ったのは、コモンビートの理事長でミュージカルの総合プロデューサーを務める安達亮さん。

安達 亮さん

NPO法人コモンビート 理事長/ミュージカル総合プロデューサー

大学卒業後、そのまま企業就職することに違和感を抱き、多様な価値観と出会うべく2004年に地球一周の船旅「ピースボート」に乗船。船上でNPO法人コモンビートの活動に出会い、共感。帰国後すぐコモンビートの運営に参画、ミュージカル運営、NPO法人運営、ボランティアスタッフマネジメントを仕事にすること19年。

堂上:僕は公演前から泣けてしまって、こういったコミュニティがあるとみんな救われるだろうなととても感じました。

安達:小田が言っていたように、緩い繋がりというのが心地よいのだと思います。コミュニティは運営が年に1回同窓会を、と決めてしまいがちなのですが、僕らは「放牧スタイル」。そこにいても良いし、いない時があっても良い。もちろんいない時期があった後に戻ってきても良い。コミュニティを回そうとしないのが、僕らのスタイルになっています。

堂上:亮さんはそもそもどうやってコモンビートに出会ったのですか?

安達:僕は大学時代の就活が凄くつまらなかったんです。そんな時に地球一周の「ピースボート」の船が出ることを知り、「こっちの方が面白い」と思って船に飛び乗りました。旅が終わった後、フリーターをしている中で同じく「ピースボート」に参加していた人たちが船の中のプログラムでやっていたミュージカルを日本でもやろうと、コモンビートを立ち上げたことを知りました。

まずは参加者としてコモンビートをやって、その後裏方もやり始めたら楽しくて、気づいたら何でもやるようになっていて。東京から、名古屋や大阪にも活動を広げようとなった時、「お前しかいないだろ」と推薦されて、ここに就職しました。

堂上:楽しいことがそのまま仕事になったんですね。自分で楽しいことに挑戦したからこそ、そういうきっかけが生まれたということでもあると思います。

安達:始めてから20年経ちますが、ずっと楽しいです。毎回100人の人が変わるし、全然飽きないんですよ。

堂上:本当に多様な人たちが集まる中で、束ねるというのは大変じゃないですか?

安達:だから束ねていないんです。「こうしなきゃダメ」と決めつけるのではなく、話を聞きながら、やれる方法を考えて誘う、という感覚が強いです。色々な考え方を持つ人と出会っても、「そう捉えるんだ、面白いな。で、どうする?」と話すことが多いですね。

堂上:Welluluで取材を重ねていると、人が好きで、相手と合気道的な対応をしている方が多いように思います。自分の主張をするわけではなく、相手に委ねるというか。

安達:そうですね。相手の力を生かしながら。

堂上:ウェルビーイングについて考えると、人間関係について悩まれている方が多いです。亮さんのようなコミュニケーション術はどうやったら培われるのでしょう。

安達:僕が気をつけているのは、「よく話を聞くこと」と「決めつけないこと」です。対立している2人がいたとしたらそれぞれの話を聞いて、それぞれに「こう言っている気持ちも分かるでしょ?」と話すけれど、無理に引き合わせることはしません。少し距離を保っていれば、同じ空間でも一緒に過ごせるものです。ダイバーシティ&インクルージョンの考えからしても、誰かを排除しようとするのは良くない。相手をはねつけようとすると、その相手を傷つけることになってしまう。そうではなくて、自分から距離を取って、端と端で共存すれば良いんですよ。

堂上:それはもの凄く重要な考え方ですね。そういった考え方に至る原体験があったのですか?

安達:原体験は、就活の窮屈さですね。もっと自由に生きようと言いたくて、でも自由に生きようとすると尖ってぶつかり合う。それで良いじゃん、尖った同士でも距離をとりながらやれば、というのをみんなに伝えたくて活動しています。

堂上:コモンビートのコミュニティが、自分にとって居心地よい場所になっていっているということですね。

安達:そうですね。もし居心地がわるかったら、居心地のよいところを別に探せばいいとも思っているんです。そこも「放牧スタイル」で、出ていっても追いかけない。それは本人の選択として尊重しています。

堂上:お互いを認め合える環境だからこそですね。コミュニティに依存しすぎない関係も良いのだろうと思います。このコミュニティに居続けないと、と思うとプレッシャーになるし、窮屈になりますから。

安達:よくスタッフに話すのは、瓶って中身が詰まっていると音が響かないですよね。ちょっと余裕があるからこそ、良い音が響くんだと伝えています。

堂上:余白があるというのはウェルビーイングにおいて重要なテーマです。亮さんはコモンビートを今後こうしていきたい、という未来像はありますか?

安達:実は未来をこうしていきたい、という自分の意思が強くあるわけじゃないんです。みんなが作りたいものを作ってきた20年だったので、これからもそうしていくのだと思います。ただコロナ禍で公演が休止になって、それがようやく戻り始めた時期なので、しっかりコモンビートの良い循環を取り戻していこうとは考えています。今回の参加者でいうと、全盲の人や車椅子の人も参加しています。普段はそういった人と接する機会がなくても、コモンビートでは100日間一緒に過ごすから、どう対応したら良いか分かっていく。それが世界の優しさに繋がっていくと思っているので、そういった出会いの場所にし続けていきたいです。

堂上:凄く亮さんらしい、素敵な未来像がお伺いできました。最後に亮さんにとって、ウェルビーイングな瞬間というのはどういう瞬間ですか?

安達:コモンビートの活動を通して思うのは、窮屈な人が解放された瞬間の笑顔を見た時は、もう抜群にウェルビーイングを感じますね。そういう活動を自分が代表として生み出しているということも、ウェルビーイングに繋がっています。あとは「理事長」ではなく、みんなが「亮」とフラットに呼んでくれるのも好きですね。

編集後記

この不思議なコミュニティをどう表現したら良いのだろうか!? 老若男女の見ず知らずの人たちが、いきなり出会い、一緒に満員の観客の前でミュージカルを演じる。こんな世界があることを知った僕は、驚きを隠せなかった。

そして、亮さんに誘われて公演を観させて頂いたのだが、舞台がはじまる前のイニシエーションが素晴らしかった。お互いがお互いを想う。そして、ひとりひとりの気持ちを舞台に集中させる。

コモンビートというコミュニティには、7,000人の参加者がいるそうだ。会った瞬間から仲間であり、お互いゆるい繋がりを持って接している。舞台が終わってからも本名が分からない人はたくさんいるらしい。

自分が何者か!? 自分がどう生きたいのか!? そんなことを考えて、生きる意味を探していた時期があった。けれども、このコミュニティに参加すれば、ひとりひとりが何者かなんて関係がない。そして、今この瞬間を楽しんでいる。

こんなコミュニティのファウンダーである初代代表の中島幸志さんとの対談はこちら。

https://wellulu.com/with-friends/12508/

舞台を終えて、家族や友だちと抱き合いながら楽しそうに笑う参加者たち。それをサポートする仲間たち。素敵なコミュニティだ。

僕は、このコミュニティを通して多くのことを感じた。自分は自分で、何かを一緒に挑戦する場は唯一無二のウェルビーイングな環境でもあり、それぞれのゆるい繋がりは、素敵な時間なんだろう。100日でできた絆は、生涯の自信と仲間を手に入れることのできる場所になる。

素敵なコミュニティの仲間になった気分で素敵な時間を送らせていただいた。ありがとう。
次の20年も、ずっとずっとこのコミュニティがサステナブルに続きますように! 応援しています。

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