「毎日3食バランスの良い食事を」とはよく耳にする言葉だが、果たしてこれは人々のウェルビーイングにつながっているのか。「好きなものを好きなだけ食べる」のは悪いことなのだろうか。
宮﨑奈津季さんは、フリーランスの管理栄養士として働く傍ら、管理栄養士の活躍を応援するWEBメディア「Eatreat」(※)のプロジェクトマネージャーという肩書を持つ、いわば「食」と「健康」のプロフェッショナルだ。
※Eatreat公式サイトはこちらから
記事の後半では「Eatreat」運営会社COOの近藤隆さんも対談に加わりながら、食とウェルビーイングの関係についてWellulu編集部の堂上研が話を伺った。
宮﨑 奈津季さん
管理栄養士・Eatreat株式会社プロジェクトマネージャー
近藤 隆さん
Eatreat株式会社COO
2016年8月、「管理栄養士・栄養士が活躍できる場を広げる」をミッションとしてEatreat株式会社を設立。管理栄養士・栄養士の活躍を応援するWEBメディア「Eatreat」は、現在1万人もの管理栄養士・栄養士が登録するメディアに成長。2020年に鹿児島市に本社をおく業務用食品卸に譲り渡し、現在はCOO(Chief Operating Officer)を務めている。
https://eat-treat.jp/
堂上 研さん
Wellulu編集部プロデューサー
1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。
父親と祖父の病気をきっかけに管理栄養士の道へ
堂上:人々のウェルビーイングを追い求めている中で、「食」という分野はどうしても欠かせないと思っていたんです。Welluluの読者にも食事や健康に興味を持っている方が多いので、Eatreatさんとの親和性が高いと思い、今回の対談が実現しました。
宮﨑:ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。
堂上:宮﨑さんは普段、フリーランスの管理栄養士として働かれているんですよね。
宮﨑:はい。普段はフリーの管理栄養士として、メタボリックシンドロームをはじめとする生活習慣病のリスクが高い方々に対して食事や運動など生活習慣の面でのサポートをする、特定保健指導という仕事をしています。それから、Eatreatでは、食品会社さんのPRのお手伝いやコンテンツ監修など、マーケティングのお仕事を中心にさせていただいています。それ以外だと食や健康に関するコラムの執筆など幅広くお仕事させていただいています。
堂上:大学を卒業してからはずっと管理栄養士として働かれていたんですか?
宮﨑:いえ、もともとは食品会社で営業をやっていました。病気を患っていて口から食事をとれない方や、ご高齢で食事はほとんどできないけれどカロリーが必要な方が少量でカロリーが摂取できる食品を病院や介護施設向けに販売していたんです。流動食や栄養補助食品と呼ばれるものですね。その会社を辞めてからはフリーランスとして料理動画サイトのレシピ企画を行ったり、友人とともに会社を立ち上げたりして今に至ります。
堂上:宮﨑さんが管理栄養士を目指そうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
宮﨑:最初のきっかけは、小学校1年生の頃にやっていた通信教育の付録です。夏休みの自由研究だったかで「フレンチトーストを作ろう!」というビデオがあったんですよね。実際に作ってみたらものすごく楽しかった思い出があります。
堂上:最初の料理はフレンチトーストだったんですね!
宮﨑:そうなんです。それから高学年になると家庭科で栄養について学ぶじゃないですか。それがものすごく面白くてワクワクしたんです。とはいえ当時は管理栄養士の仕事については全然知らなくて、薬剤師を目指していました。もともと理科の実験とかが好きなタイプだったので、「白衣を着る仕事」をしたくて(笑)。
堂上:小さい頃って、ほんの小さなきっかけで将来の夢が決まりますよね。
宮﨑:ただ、確か私が小学校を卒業する頃に薬学部が6年制になって、両親から「難しいよ」と言われて薬剤師の夢は諦めかけていたんです。そのタイミングでちょうど父親が高血圧の薬を飲み始めたり、祖父が大腸の病気を患ったりしたんですよね。食事にも気を遣わなくちゃいけないという状況になって、「病気になったら食べる楽しみってこんなにも減ってしまうんだ」と思いました。こういう人たちを救う方法はないのかなって考えた時に、管理栄養士の仕事に行き着いたんです。憧れの白衣も着れますしね(笑)。
堂上:中学生でそこまで考えていたんですね……すごい。
宮﨑:父親に「大人になる頃には女性も普通に働く時代になるはずだから、結婚しても働いた方がいいよ」と言われたのも大きいと思います。それなら資格は取った方が良さそうだなとふんわり思っていて。管理栄養士なら国家資格だし、食べるのも好きだし……。なので、中学校を卒業する頃にはすでに行きたい大学が決まっていて、それに合わせて受験する高校を決めました。
堂上:料理はもともと好きだったんですか?
宮﨑:いえ、そういうわけでもなくて、私自身も母親も料理がものすごく得意なわけではなかったと思います。ただ私の家庭環境では「家族全員が揃ってからご飯を食べる」ということが割と当たり前だったので、家族での食事っていいなというのはずっと感じていました。
堂上:宮﨑さんにとって「食」はずっと身近にあったんですね。
「食べたいものを食べられない」はノットウェルビーイング?
堂上:「バランスの良い食事は大事」「栄養が偏らないようにしましょう」みたいな話ってよくあるじゃないですか。「You are what you eat.(あなたはあなたが食べたものでできている)」なんて言葉もありますよね。管理栄養士さんは、普段どのような指導、アドバイスをされているんですか?
宮﨑:アドバイスさせていただく相手によって内容は全く異なります。私たちのもとに来る方は、やる気がある方もいれば、「自由に食事がしたい」「そもそもどうして指導されなくちゃいけないんだ」という方も多いんです。そうなるとどうしても、会話の中でその方のモチベーションやどのレベルならできそうかなどを見極めながら、一人ひとりにカスタマイズしたアドバイスをする必要があるんですよね。
堂上:生活習慣病の予防の食事習慣もそうですけど、ライフステージによっても食べるべき・避けるべき食品って異なりますよね。たとえば女性が妊娠した場合、「葉酸を積極的に取りましょう」とか「マグロは控えましょう」みたいな。その一方で、つわりがある方は食べたくても食べられないという状況も起こるじゃないですか。
宮﨑:私も娘を妊娠したときは3カ月くらいお豆腐しか食べられない時期がありました……。
堂上:そうなんですね。妊婦さんの食事指導も管理栄養士さんのお仕事ですよね?
宮﨑:はい。葉酸やマグロのように、妊婦さんのゴールでもある健康で元気な赤ちゃんを産むために取るべき・避けるべき栄養素は、厚生労働省のガイドラインで定められています。とはいえ、堂上さんが仰っていたように食べられるものと食べられないものは妊婦さんそれぞれによって異なりますよね。つわりの種類にもよりますし、増やすべき体重の幅も人によって違いますから。なので、今の食生活やその方が何なら食べられるかを詳しくヒアリングして、食事計画を組み立てていくことが管理栄養士の大切な仕事です。
堂上:実は僕、少し前にダイエットをしていて。その時に、カロリーを計算しながら食べる必要があったり、コレステロール値が上がったりしたせいで、卵やチーズを控えるようにお医者さんに言われたりしていたんですよね。生活習慣病の方もそうですし、妊婦さんやダイエット中の方など、こういう、いわゆる「食べたいものを食べたいように食べられない」状況って僕的にはノットウェルビーイングなんですが。これを解消するためには、どのように暮らすのが良いと思いますか? 「食べたいものを自由に食べる」こそがウェルビーイングという意見もありそうです。
宮﨑:私自身も外食をすることは多いですし、お菓子や甘いもの、ファストフードも大好きなので、毎日・毎食健康的な食事をしているかと聞かれると決してそんなことはありません。だけど、やっぱり毎日好きなものだけを好きなだけ食べていたら、肥満になったり不健康になったりしてしまいますよね。それってつまり、最終的には好きなものを食べられなくなってしまうということです。
堂上:その時はウェルビーイングだと思ってしていた行為が、将来のノットウェルビーイングにつながってしまう……。
宮﨑:まさにその通りです。なので私は、好きなものを一生食べ続けるために、「ハレとケ」の中でも「ケの日」は自分のできる範囲でバランスが整ったものを食べるようにしています。
堂上:結局、バランスが大事ってことですね。
宮﨑:はい。最近は「仕事が夜遅くまであって、忙しくて毎日外食なんです」という方も多いと思うんですが、これって健康面はもちろん、働き方としてもノットウェルビーイングですよね。一番怖いのは、暴飲暴食を繰り返した結果、気づいたときには手遅れで倒れてしまうこと。もちろん毎日健康的に過ごしましょうとは言いませんが、好きなものを食べる日を決めたり、定期的に健康診断を受けたりして、きちんと自己管理ができるようにするのがベストだと思います。
1日の食事ではなく数日や1週間単位でコントロールする
堂上:また僕の話になっちゃうんですが、実はお酒も大好きなんです。ビールと唐揚げのセットがやめられない……。その上関西人ということもあり、お好み焼きにご飯のような「W炭水化物」もよくやっちゃうんですよね。厚生労働省が定めている「1日の塩分摂取量」を明らかにオーバーしている気がして……。
宮﨑:味の濃いものって美味しいですもんね(笑)。
堂上:実はWelluluで健康寿命について調査する中で、塩分の濃いものを多く摂取している地域の方の平均寿命が短いことを知ったんです。なので塩分が体に良くないことはなんとなく分かってはいるのですが、塩っ気のないものではなんだか物足りなくて。僕のような人や、たとえば血圧やコレステロール値に問題がある人でも食事で満足するには、どのようなことを意識したら良いですか?
宮﨑:1食の中に味が濃いメニューが複数あったら、まずはそれを1つ減らすことから始めてみてはいかがでしょうか。塩分を多く摂取してしまう人って、おかずやおつまみすべて塩分の高いものを選んでしまいがちなんです。
堂上:思い当たる節しかありません……。
宮﨑:それを1つ減らすだけでも、塩分量は多少抑えられると思いますよ。あとは、野菜に含まれているカリウムは食塩に含まれるナトリウムの排出を促す働きがあるので、生のサラダを意識して食べるとか。その日は難しくても、食べすぎたりお酒を飲みすぎたりした次の日は、いつもより多めに野菜を摂るのもおすすめです。
堂上:1日で管理するんじゃなくて、数日とか1週間とか、トータルで管理をしてバランスを取れば良いってことですね。
宮﨑:はい。ただ、和食ってそもそも味噌や醤油など食塩を多く含む調味料をよく使うので、どうしても塩分が高くなりがちなんです。漬物とか梅干しとかも塩辛いですよね。それでも最近は研究がかなり進んでいるので、減塩食品や、血圧を上げる要因となるナトリウムが少なくても塩味が感じられる食品なんかも販売されるようになってきました。そういうものに頼りながら、うまく付き合っていけたら良いですよね。
堂上:Welluluの読者の中にはウェルビーイングな日常を送るために食を楽しみたいという方も多いので、宮﨑さんのような管理栄養士さんと協力しながら、我々もさまざまな情報を発信していければいいなと思います。
堂上:これはちょっと余談で……。僕、暴飲暴食をした後に免罪符のようにサプリメントを飲むことがあるのですが、これは管理栄養士さんの立場からするとどうでしょう?
宮﨑:サプリメントは薬と比べると科学的根拠の質と量が乏しく、分類としては「健康食品」に該当します。あくまで「食品」であることは忘れないようにしていただきたいですね。私個人としては、たとえばサプリメントを飲むことによって前向きになれたり、暴飲暴食した罪悪感みたいなものが紛れたりするのはたまになら良いかなと思います。
堂上:僕の使い方はあながち間違いではないんですね。
宮﨑:「今週ちょっと野菜不足だったからマルチビタミンのサプリ飲んでおこう」くらいなら賛成です。ただし毎日飲んだり、「これを飲めば全部解決だ」と頼り過ぎちゃったりするのはあまり推奨しません。効果を期待しすぎないことも大切です。
堂上:やっぱり、バランスが大事なんですね。
食べるも作るもまずはスモールステップから
堂上:宮﨑さんは育児の真っ只中ということで「食育」についてもお伺いしたいです。僕個人としては食事を作る過程、つまり料理そのものも子どもや親のウェルビーイングにつながると思っているんですが、どう思いますか?
宮﨑:知り合いの管理栄養士さんの中にはお子さんがいらっしゃる方も多いんですが、小さな頃から料理に触れさせている方が多いような気がします。とはいえいきなり包丁を持たせるのは危ないので、まずはレタスをちぎるのを手伝ってもらうなど、できるところから始められたら良いと思います。食育的な面もありますが、「お母さんやお父さんを手伝ったんだ」「私にもできた!」という子どもの自信を高めるという意味合いもあると思いますね。
堂上:なるほど。メンタル面は大事ですよね。実は僕も子どもが小さい頃からクリスマスや誕生日の時にケーキのデコレーションを手伝ってもらったりするんですが、ものすごく楽しそうにやりますよね。こういう小さいことからでも、食や健康への興味が出てきたらいいな。
宮﨑:すごく分かります!
堂上:ちなみに、子どもと一緒に料理をする際におすすめのメニューはありますか?
宮﨑:食パンで作るピザトーストがおすすめです。安全で失敗しないし、どう作っても美味しいし、何より子どもにとっては「好きな具だけを載せられる」というかなり幸せな状況ですからね。同じ理由で、手巻き寿司も良いですよ。
堂上:そもそも、料理って楽しいですよね。人に振る舞えれば、「ありがとう」も生まれるし。
宮﨑:そうですよね。私は大学に入学してからやっと包丁が人並みに使えるようになったので、小さい頃から料理に触れられる環境があるのはすごく良いなと思います。たとえば一人暮らしを始めるときにも、自炊ができるかできないかで時間やお金の使い方が大きく変わりますからね。なので、できれば自分の子どもには一通りの料理ができるようになってほしいなと思います。もちろん、プロレベルに上手くなる必要はありませんけど……。
堂上:最近は外食のレパートリーも増えたりスーパーやコンビニのお惣菜も充実したりして、「料理をまったくしない」という方も多いじゃないですか。もちろん無理にする必要はないとは思いますが、料理好きの僕からするともったいないなと思うんです。
宮﨑:きっと、料理に対するハードルが高くなってしまっているんでしょうね。実際はゼロから一人できちんと作る必要は全然なくて、ミールキットや調理家電を使うのもありだと思うんです。私も最近調理家電を購入して、その便利さに日々驚いています(笑)。お弁当の冷凍食品とかも最近はものすごく美味しくて栄養もあったりするので、時代に合わせて、そういう便利なものはどんどん使っていくべきだと思います。
堂上:食べることも作ることも、そこまで思い詰める必要はないってことですよね。
宮﨑:はい。栄養を考えるのも、料理をするのも、まずはスモールステップから始められたらOKです。管理栄養士としてアドバイスする時にも、「まずはご自身でできるところから始めましょうね」というスタンスを大事にしています。
健康な社会のために管理栄養士の地位を向上させたい
堂上:ここからは、近藤さんにも入っていただければと思います。近藤さん、「Eatreat」の説明を簡単にしていただいてもよろしいですか?
近藤:はい。Eatreatは、管理栄養士・栄養士の活躍を応援するWEBメディアです。管理栄養士・栄養士さんに寄り添うことで、みんなが健康で楽しく生活できるような社会をつくりたいという想いで立ち上げました。現在は1万人もの管理栄養士・栄養士さんに登録していただいています。
堂上:1万人! すごいですね。
近藤:管理栄養士・栄養士って、行政、企業、病院など、さまざまな場所にいるんですね。でも、認知されにくいという現状があります。だから宮﨑さんのようにフリーランスになって自治体でセミナーをしたり、料理教室を開いたりして、市民の方との接点をつくろうと精進している人が多くいます。Eatreatでは、そんな方々をサポートしたいと思っています。
堂上:宮﨑さんがEatreatに登録するきっかけは何だったんですか?
宮﨑:もともとは、Eatreat開催のセミナーに参加したことがきっかけです。特定保健指導の仕事をやりたいと思った時に、いきなり未経験で働き始めるのはハードルが高いと思っていたら、ちょうどEatreatが管理栄養士向けに特定保健指導のセミナーを開催していて。管理栄養士に向けて情報提供したり職場を紹介している会社がほとんどなかったので、興味を持ちました。
近藤:管理栄養士の地位を向上させたいという想いが我々と一致していたんです。
宮﨑:私の周りでも、管理栄養士になったはいいものの薄給やライフワークバランスの悪さを理由に1〜2年で辞めてしまう人が多かったんですね。管理栄養士がもっと楽しく働ける環境が整えば、その上で社会にきちんと貢献できる職種になれば、もっと健康な社会が生まれるのにもったいないなと思っています。
近藤:宮﨑さんは食品メーカーで働いていた時に、実際に現場の管理栄養士さんと接していました。その中でそういった課題感を感じていらっしゃったそうで、ぜひEatreatに参加してほしいと声をかけました。
近藤:一般的に管理栄養士への相談ってものすごくハードルが高いんですよね。「人間ドッグを受けて何らかの問題があったから栄養相談受けさせられている」という感覚があるんでしょうか。でも、本当は気軽に食事の相談ができる場所であるべきじゃないかと思うんです。
堂上:そういう管理栄養士さんが増えれば、社会全体の健康につながりますもんね。僕も、ウェルビーングな社会をどうつくるかを考えた時に、やっぱり管理栄養士さんみたいな専門的な知識を持っている方々が楽しく仕事できる環境がすごく大事なんじゃないかと思っていたんです。そのために、Welluluが近藤さんや宮﨑さんの声を広める一手を担えればと思います。
近藤:ぜひお願いします。
堂上:実は「教育とウェルビーイング」にも関連してくるんですけど、先生が楽しそうに教えている教室の生徒って、大体ウェルビーイングな状態なんですね。同じように、管理栄養士さんが楽しく仕事をしていれば、病気を患っていたり、食事制限せざるを得なかったりする人もウェルビーイングになれるんじゃないかな。
近藤:まさにその通りだと思います。管理栄養士・栄養士さんはもちろん、食品メーカーさんとも協力しながら、社会の健康を促進するプラットフォームになれたらいいなと思います。
食事が美味しい時こそ幸せを感じる
堂上:最後に、お二人にとってのウェルビーイングとは何かを教えていただけますか。
近藤:自分の気持ちが安らかな状態ですかね。健康面でもメンタル的でもそうですが、特に人とのつながり、そしてその場にいる人との相性の良さを感じて、「幸せだな」「今リラックスしているな」と思ったその時こそが、ウェルビーイングな状態だと思います。
堂上:気の合う人と同じ時間を共有できるのは、ものすごく幸せですよね。
宮﨑:私は、自分が美味しいなと思える食事ができてる状態かなって思います。仕事に追われていたりストレスを感じていたり、つまり自分に余裕がないと、いくら家族といても気を許せる友人といても、ご飯を美味しく感じないんですよね。何を食べても胸焼けしてしまうというか。味がしないというか。
そうじゃなくて、心に余裕があって、食事を楽しめている時。その時こそが、私のウェルビーイングです。
近藤:食事が充実していると良い日を過ごせますよね。
堂上:ウェルビーイングについて考えていると、「余白」ってかなり重要なんですよね。まさに宮﨑さんが仰っていたことそのものだと思います。宮﨑さん、そして近藤さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!
女子栄養大学を卒業後、森永乳業グループ病態栄養部門株式会社クリニコに入社。医療食を扱う営業担当として病院・高齢者施設、薬局などを担当。退社後はフリーランスとして料理動画サイトのレシピ企画などを行った後、合同会社HITOOMOIに参画、レシピ計算や栄養価計算、記事執筆などに従事。
2024年現在は、フリーランスの管理栄養士として、そして管理栄養士の活躍を応援するWEBメディア「Eatreat」のプロジェクトマネージャーとして活躍する傍ら、プライベートでは1歳半の女児を育てる母親として、日々仕事と育児に奮闘している。
https://eat-treat.jp/
保有資格:管理栄養士・薬膳コーディネーター・離乳食アドバイザー