変わらずそこに在る<br>家族の歴史が刻まれた"共に過ごす場所"|オシャレな結婚式実例満載!先輩カップルのウエディングレポ|マイナビウエディング
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変わらずそこに在る
家族の歴史が刻まれた"共に過ごす場所"

夫のT.I.さん(以下、Tさん)と妻のY.I.さん(以下、Yさん)は、結婚17年目。インタビューはおふたりが結婚式を挙げられた明治記念館で中学生の息子さんを挟んで行いました。Tさんのテンポの良い語り口とYさんの柔らかい笑顔でのやりとりに、照れくさそうだった息子さんも自然と会話に加わって……。仲の良いご家族の様子がうかがえるインタビューです。

目次
  1. 1:伝統と格式をもつ明治神宮。貴重な場所での挙式は一生の思い出に
  2. 2:訪れるたび歴史の重みを感じつつ、“家族と共に過ごす場所”へと変化
  3. 3:家族と一緒に最高の景色を見ることができた、旅先での思い出
  4. 4:思わぬ困難も話し合って乗り越えて。これからもずっと変わらない家族のカタチ
  5. COUPLE’s Data

1:伝統と格式をもつ明治神宮。貴重な場所での挙式は一生の思い出に

初詣や原宿に出かけた際に境内を散歩するうちに、明治神宮の清冽な佇まいに惹かれたというおふたり。「海外リゾートでの結婚式も考えたのですが、日本でしかできない“神社での挙式”に魅力を感じてここに決めました」とYさん。明治神宮は明治天皇ゆかりの神社で、附属の明治記念館は御前会議が行われた場所。「この先も長く在り続け、結婚後も子どもや孫と戻って来られる会場で式を挙げたいと思っていた僕たちにはピッタリでした」というTさん。「明治神宮の奥に入ることはなかなかないので、奉賽殿(ほうさいでん)で式を執り行えたことも、親戚一同大喜びでした」とYさんも振り返る。
披露宴では幅広い世代に喜んでもらえるよう、料理長と相談し、日本料理をメインにフランス料理も取り入れたのだとか。案内状は会場の雰囲気に合わせて和紙にする一方、クリスマスの時期だったので音楽大学出身のYさんの希望でクリスマスソングを流すなど、和モダンのスタイルも好評だったそう。「料理にこだわりすぎて予算がオーバーしてしまったのですが、2次会は館内のレストランにしたので、お気に入りの装花と衣装はそのまま使うなど工夫しました(笑)」とYさん。「なにより一生に一度の結婚式でゲストが心から楽しんでいる様子だったので、ふたりとも大満足でした」と、Tさんも笑顔で語ってくれた。

2:訪れるたび歴史の重みを感じつつ、“家族と共に過ごす場所”へと変化

多忙な日々を送るおふたりが大切にしているのは、節目ごとの家族の行事。それだけに、明治神宮と明治記念館という“帰ってこられる場所”がある良さは年々実感しているのだそう。
「娘と息子という家族が増えてからは、初宮詣や七五三詣でもお世話になり、さらにその魅力を感じています」というTさん。折々の記念写真には、壮麗な明治神宮を背景にご家族4人で写っている七五三の様子や、幼いお子さんたちが明治記念館の広い芝生で無邪気に笑っている姿など、家族の歴史が刻まれている。
また、明治記念館は周囲にビルが建っていない場所に位置するため、広く感じる空の下、庭園を眺めながら落ち着いて食事をいただけるのも魅力的。「大人たちだけのときは、夏は避暑地のような雰囲気を楽しめるビアテラス、冬には歴史を感じさせる本館でのクリスマスディナーなど、さまざまなシーンで利用しています。常に家族と共にあるような感覚ですね」とTさん。Yさんも「お正月に家族でいただくお節も明治記念館でお願いしています。格式がありつつも、駅からすぐという利便性も嬉しいんです」と話す。
明治記念館は明治憲法の御前会議が開かれていた憲法記念館がもとになっているだけに、館内には壁一面の花鳥模様や黒漆塗りのマントルピース、クラシカルなシャンデリアなどが残る。Tさんは「歴史の重みのようなものを感じて、来るたびに『やっぱりここにしてよかった』と思います」と話す。その安心感に魅了されてTさんの兄もここで挙式をしたほか、近々喜寿を迎えるご両親のお祝いも明治記念館で食事会をしようと計画中なのだとか。

3:家族と一緒に最高の景色を見ることができた、旅先での思い出

おふたりにとって、節目ごとの行事と同じくらい大切にしているのが家族旅行だという。特に結婚して11年目のハワイ旅行が印象に残っているそう。下の息子さんが小学生になった頃で、「毎日海に行ってショッピングして、ヘトヘトになるくらい遊べたのが楽しかったですね(笑)。もともとハワイは好きなのですが、“旅をじっくり楽しむ経験が出来た”というのが一番の思い出です」とYさん。「そういえば皆で真っ黒になるくらい日焼けしていたね(笑)。見晴らしのいいベランダのあるホテルだったので、息子はそこでお茶を飲むのが好きで」とTさんが言うと、思わず息子さんも「そうだっけ?」と言いながらYさんが「お気に入り」と見せてくれた写真をのぞき込む。その中には、見事なサンセットを背景にお子さんふたりが水遊びをしている瞬間を写した1枚も。「ハワイならではの最高に綺麗な景色を大切な家族と見られたあの時間は、一生忘れないと思います」というYさん。
これまでも沖縄旅行やコテージを借りての軽井沢旅行など、たくさんの家族旅行をしてきたという。「3年後は結婚20年目。いま久しぶりにハワイでの思い出を話していて、また行けたらいいなと思いました(笑)」というTさんに、Yさんと息子さんが大きくうなずいた。

4:思わぬ困難も話し合って乗り越えて。これからもずっと変わらない家族のカタチ

インタビュー中も、自然体の会話で周りに心地よい和やかさを感じさせてくれるおふたり。とはいえ、17年の結婚生活ではもちろん大変なこともあったという。家の近くで火事が起き、その影響で引越を余儀なくされたのだ。「住み替えをするまで、いったん子どもたちの学区内で引越したので、2度、家が変わったんです。ちょうどコロナ禍だったこともあり、環境の変化に慣れるのが大変でした」とYさん。そんな大変な状況を乗り越えることができたのは、ため込まず話し合うことができたからだという。「その時は大変なことも多かったけど、すべてふたりで話し合って決めていったので、一人じゃないと思えて心強かった」とおふたりが頷き合いながら教えてくれた。
そんな信頼しあっているおふたりは、Yさんが慎重派でTさんはポジティブ派。互いが助け合うことでうまく調和が取れているという。「数ヶ月間の狭い仮住まいでの生活も、私は心配していたのですが、夫は、「昭和の暮らしみたいで面白いね」と言ったんです。その言葉で、家族がこんなにギュッとなって暮らすのは貴重かもと楽しめるようになりました」とYさん。Tさんは、「自分は逆に“気にしなさすぎ”なので、彼女にフォローしてもらって助かっているんですよ。今日も『撮影があるんだからジーンズじゃダメよ』と言われて、あ、そうかって」と話し、Yさんと息子さんが笑いだすひと幕も。
最後に、これから20年目、その先の30年目にはどんな夫婦でいたいか聞くと、「子どもたちが成人しても気軽に帰れる家でいたい」と口を揃えた。「今のまま変わらず、ずっと続いていければいいなと思います。“変わらない”というのが一番難しくて大切なことだと思うので」というTさんの言葉は、多くの“後輩カップル”にとって大きな示唆を与えてくれそうだ。



写真:明治神宮・明治記念館
取材・文/藤野さくら(書斎ジュディス)
撮影/川野結李歌


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