家族としての新たな門出を祝う、ダブルドレスでかなえた結婚式
2020年9月、地元大阪で結婚式を挙げたcotymochaさん(左:こてぃさん、右:もかさん)カップル。当日はおふたりそろって白いウエディングドレスに身を包み、ダブルドレスでの挙式をかなえられたそう。おふたりが家族としての新しいスタートを切るきっかけになったという結婚式についてたっぷりとご紹介。
ダブルドレスで歩むバージンロード
おふたりが結婚式を挙げたのは、2020年の秋。時節柄、多くのゲストが一度に集うのを避けるため、親族会食・挙式・披露宴と計3部構成にし、それぞれゲストを分散させて行ったそう。そのため、家族は親族会食から挙式まで、友人は挙式もしくは披露宴からの参加となった。
「同性同士の入場の仕方はネットで検索しても出てきませんでした」ともかさん。異性カップルの結婚式の場合、新郎が先に入場し、その後新婦が入場するケースも多いなか、今回は担当プランナーの提案により、最初にこてぃさんがお父さまと入場し、続いてもかさんがお母さまと入場することに。この式場は以前にもLGBTQカップルの結婚式を行ったことがあったそうで、「準備の段階から担当のプランナーさんが自然に導いてくださったので安心でした」とおふたり。
ダブルドレスはもかさんの希望。元々結婚式へのあこがれがあったというもかさんは、白いウエディングドレスを着るのが夢だったそう。ブーケは、同じ花材で形が違うものをチョイス。ドレスのデザインはふたりらしいものをそれぞれ選び、小物でふたりの繋がりを表現することでまとまった印象に。
思い出の音楽を詰め込んだ披露宴
音楽関係の職場で出会ったおふたり。披露宴で生演奏を披露するため、楽器の演奏ができる会場を選んだそう。「LGBTQフレンドリーよりも、演奏ができる会場という条件の方が優先順位は高かったですね」ともかさん。当日はもかさんがフルートを、こてぃさんはカホンを披露した。
さらに、こてぃさんが大ファンだというシンガーソングライターのライブパフォーマンスも。いつか自分の結婚式で、歌ってもらうのが夢だったというこてぃさん。日ごろから応援しているシンガーソングライターにSNSで連絡を取ってみたところ、快く承諾してくださったそう。長年ライブに通い続けるほど好きだっただけに、喜びもひとしおだったのだとか。
おふたりらしさが溢れる前撮り・後撮り
結婚式をすると決めてから、「前撮りもやりたいね」と話していたおふたり。ただ、いざ前撮りをしようと思っても、女性同士のプランを掲載している会場はなかなか見つからず。「最終的には会場にメールで問い合わせました。顔も名前も知らない人にカミングアウトするのは戸惑いもありましたね」ともかさん。いくつか問い合わせた中から、メールの返信が速く、対応が丁寧だった会場に決めたそう。
前撮りでは、もかさんはプリンセスラインのドレス、こてぃさんはシンプルなパンツドレスを着用。「自分にはフリフリしたドレスは似合わないかもと思っていたので、パンツドレスを見つけた瞬間『これにする!』と即決しました」とこてぃさん。
後撮りは結婚式のお色直しの衣装で撮影。もかさんのドレスはステージドレスブランド「TWEED」のもの。身頃のレースアップリケが華やかな印象のドレスにオプションでトレーンをつけたのだとか。蝶ネクタイがキュートなパンツスタイルのこてぃさんと並ぶと、まるでおとぎ話の登場人物のよう。カメラマンがこてぃさんの知り合いということもあり、おふたりらしさが溢れる自然な写真に。
結婚式を通して育まれた “家族としての絆”
お母さまに「ウエディングドレス姿を見せたい」という気持ちが強かったというもかさん。結婚式当日はお母さまから改めて「おめでとう」という言葉が聞けてうれしかったそう。
一方で、結婚式への希望はもかさんほど強くはなかったこてぃさんも、この結婚式を通して気づいたことがあるのだとか。「結婚式をしたことで『家族』としての区切りができ、お互いの親族にもパートナーとして認識してもらえた気がします」。ふたりらしいアイテムの選び方はもちろん、ご家族との心温まるエピソードもステキなおふたり。ふたりの家族にとっても新しい門出となる結婚式となった。