教会式の流れ
キリスト教にはカトリックとプロテスタントという2つの宗派があります。プロテスタントでは信仰宗派にかかわらず誰でも挙式ができますが、カトリックでは新郎・新婦の双方あるいはどちらかが信者である場合のみ挙式が許されます。こういった違いから、結婚式場や挙式専用チャペルのほとんどではプロテスタントの挙式を採用しています。次にご紹介する教会式の式次第についても、プロテスタントの用語を用いたものとなっています(カトリックの場合は、牧師→神父、賛美歌→聖歌などとなります)。
以上のような点を踏まえ、教会式の基本的な流れを確認してみましょう。
- 1. 牧師入場・開式の辞
- 式を執り行う牧師が入場し、結婚式の開式を宣言します。
- 2. 新郎、新婦入場
- 新郎が先に入場し、祭壇の前で新婦を待ちます。父親にエスコートされた新婦はバージンロードを通って新郎の元へと歩みます。
- 3. 賛美歌斉唱
- 列席者全員で賛美歌を歌います。
- 4. 式辞
- 牧師が婚姻の場にふさわしい聖書の教えを朗読し、祈りを捧げます。
- 5. 誓約
- 牧師の問いかけに答える形で、新郎・新婦が今後の人生を共にすることを誓約します。
- 6. 指輪の交換
- 誓約の証である指輪を新郎・新婦の順で互いの薬指にはめ、交換します。
- 7. 結婚宣言・結婚証明書へのサイン
- 2人が夫婦であることを牧師が神と列席者へ宣言する結婚宣言が行われ、新郎・新婦と証人(または牧師)が結婚証明書へサインをします。結婚証明書へのサインが先に行われる場合もあります。
- 8. 結婚成立の報告、閉式の辞
- 2人の結婚が無事成立したことを牧師が参列者へ報告し、閉式を告げます。
- 9. 退場
- 誓いを終えた新郎・新婦は列席者に見守られながら退場します。
入場から退場までの所要時間は20分から30分程度です。
新郎・新婦が自発的に行わなければいけない段取りは特に存在せず、進行は牧師任せで問題ありません。事前に式次第の説明やリハーサルがある場合も多いので、どうかご心配なく。
何らかの事情や不測の事態が発生した時(新婦の父親が列席できなくなった、など)にも柔軟に対応してもらうことができるので、不安や緊張なく式に臨んでください。
教会式の費用
教会式の費用として見込まれる金額は、10万円~20万円前後です。式を進行してくれる牧師やBGMとなる曲の演奏者(オルガニスト、シンガーなど)へのお礼、キャンドルの代金、式次第や結婚誓約書の代金、教会使用料、楽器使用料などが含まれます。会場に選ぶ教会の規模や牧師・オルガニストの格といった点が金額を左右します。
尚、挙式後に場所を移して披露宴を行いたい場合、その分の費用は別途見積もることとなります。計画的に予算を配分できるよう、お金をかけてもよいポイントと節約したいポイントに線引きをしておくと後々頭を悩ませることがなくなります。
教会式で印象に残る演出は?
教会式のプログラムはキリスト教の結婚式にならったものであり、自分たちの演出の都合で勝手に変更することは難しいと言えそうです。
そこでおすすめなのが、挙式の前後にあまり時間をかけることなく実施できるセレモニーや演出です。メジャーなのは、挙式後にゲストが新郎・新婦へ花びらをまいて祝福するフラワーシャワーでしょう。花びらには周囲を清め、幸せを妬んで結婚式へ現れるという悪魔から2人を守るという意味が込められています。同様に、新郎・新婦の繁栄を願ってお米をふりかけるライスシャワー、2人の幸せを願ってシャボン玉で彩りを添えるバブルシャワーなどのバリエーションもあります。永遠の愛を誓ったばかりの新郎・新婦が天まで届くような幸せを手に入れられるようにとの願いをこめて列席者みんなで風船を空に放つバルーンリリースも人気です。
教会式と人前式の違い
教会式と人前式。結婚式のスタイルとしてはどちらも広く行われているものですが、どこが違うのでしょうか?
先ほどご説明した通り、教会式ではキリスト教のしきたりに沿って結婚式が執り行われ、新郎・新婦は神へ結婚の誓いを立てます。一方、人前式には宗教や宗派による決まりごとがなく、新郎・新婦は親族や友人などの列席者の前で夫婦になることを誓います。神聖な雰囲気・好みの演出の両方を実現させるために、結婚式場や挙式専用のチャペルなどを利用して“教会式をベースにした人前式”を挙げるカップルも多数います。