記録更新弾も空砲…寿人「次こそタイトルに繋がるゴールを」
[11.8 ナビスコ杯決勝 広島2-3G大阪 埼玉ス]
記録更新弾も空砲に終わった。この日、2ゴールを積み上げ、ナビスコ杯歴代得点ランキング単独トップに浮上したFW佐藤寿人だが、悲願のカップ戦タイトル獲得へは繋げることが出来なかった。
出だしは最高だった。前半20分、PKを獲得したサンフレッチェ広島は、佐藤がGK東口順昭にコースを読まれながらも、気持ちで押し込み先制点を記録。この時点で通算ゴールの単独トップに浮上した佐藤だが、同35分にはFW石原直樹のシュートの跳ね返りに反応。落ち着いて押し込み、リードを広げるゴールを奪った。
だが落とし穴が待っていた。リードを2点に広げてからわずか3分後の失点。「2-0から前半に1点を返された、特に2点目を決めてから3分後に決められたということで、非常に難しくなってしまった。あれでG大阪はまだいけるという思いで入ってきたと思います」と佐藤も唇を噛んだ。
試合前から注目された通算得点。誰もが意識する中できっちり決めるあたりはさすがだ。しかし「喜べないですね」と笑顔はない。「極論を言えば、自分が点を取らなくてもチームが勝って優勝すればそれでいいですし、自分が点を取って、最多得点という記録を達成しても優勝してないので…。やっぱりカップを掲げたかった。負けてしまえばカップを掲げるチームを見なければいけない。でも若い選手もタイトルを獲る難しさを感じてくれたと思う。こういう経験を無駄にしてはいけない」と自らに言い聞かすように話した。
リーグを2連覇して臨んだ今シーズン。しかしGK西川周作が浦和に移籍するなど、主力が抜けてチームを作り直しながらの戦いは今年も続いた。ナビスコ杯が獲れなかったことで、3年ぶりの無冠も確定した。森保一監督も会見で「連携の部分をまた再構築してチーム作りをしなくてはいけなかったことが、タイトルに届かなかった要因になったのかな」と素直な気持ちを吐露していたが、佐藤も「選手が入れ替わることでコンビネーションの難しさ、このサッカーにフィットする時間も必要。優勝してもその戦力にプラスアルファの戦力ではないので、どうしても優勝しても選手を抜かれた形でどう強くなるかという難しさがあった」。ただ「結果が出せなかった部分は悔しいですけど、決して悲観することはない。自分たちはまだまだビッグクラブではない。ビッグクラブであったら、タイトルが獲れないと物足りないと思うんですけど、まだまだ自分たちは成長しないといけない。自分たちはそういった環境ではないかもしれないが、そういった中でしっかりクラブとして発展していかないといけない」と前を向くことも忘れなかった。
「タイトルが今年は1つも獲れなかったというのは悔しいですけど、それは今の自分たちの力。しっかり受け止めて、個々が上積みしていかないといけないと思いますし、今のままでいいという思いはないと思う。現状のままでタイトルが獲れるほど甘くはない。自分ももうベテランと呼ばれる年齢ですけど、まだまだ成長していかないといけないと思っている。次こそタイトルに繋がるゴールを決めたい」。最後はしっかりとした口調で話した佐藤。チームが上を向く限り、佐藤の挑戦もまだまだ続く。
(取材・文 児玉幸洋)
▼関連リンク
ナビスコ杯2014特設ページ
記録更新弾も空砲に終わった。この日、2ゴールを積み上げ、ナビスコ杯歴代得点ランキング単独トップに浮上したFW佐藤寿人だが、悲願のカップ戦タイトル獲得へは繋げることが出来なかった。
出だしは最高だった。前半20分、PKを獲得したサンフレッチェ広島は、佐藤がGK東口順昭にコースを読まれながらも、気持ちで押し込み先制点を記録。この時点で通算ゴールの単独トップに浮上した佐藤だが、同35分にはFW石原直樹のシュートの跳ね返りに反応。落ち着いて押し込み、リードを広げるゴールを奪った。
だが落とし穴が待っていた。リードを2点に広げてからわずか3分後の失点。「2-0から前半に1点を返された、特に2点目を決めてから3分後に決められたということで、非常に難しくなってしまった。あれでG大阪はまだいけるという思いで入ってきたと思います」と佐藤も唇を噛んだ。
試合前から注目された通算得点。誰もが意識する中できっちり決めるあたりはさすがだ。しかし「喜べないですね」と笑顔はない。「極論を言えば、自分が点を取らなくてもチームが勝って優勝すればそれでいいですし、自分が点を取って、最多得点という記録を達成しても優勝してないので…。やっぱりカップを掲げたかった。負けてしまえばカップを掲げるチームを見なければいけない。でも若い選手もタイトルを獲る難しさを感じてくれたと思う。こういう経験を無駄にしてはいけない」と自らに言い聞かすように話した。
リーグを2連覇して臨んだ今シーズン。しかしGK西川周作が浦和に移籍するなど、主力が抜けてチームを作り直しながらの戦いは今年も続いた。ナビスコ杯が獲れなかったことで、3年ぶりの無冠も確定した。森保一監督も会見で「連携の部分をまた再構築してチーム作りをしなくてはいけなかったことが、タイトルに届かなかった要因になったのかな」と素直な気持ちを吐露していたが、佐藤も「選手が入れ替わることでコンビネーションの難しさ、このサッカーにフィットする時間も必要。優勝してもその戦力にプラスアルファの戦力ではないので、どうしても優勝しても選手を抜かれた形でどう強くなるかという難しさがあった」。ただ「結果が出せなかった部分は悔しいですけど、決して悲観することはない。自分たちはまだまだビッグクラブではない。ビッグクラブであったら、タイトルが獲れないと物足りないと思うんですけど、まだまだ自分たちは成長しないといけない。自分たちはそういった環境ではないかもしれないが、そういった中でしっかりクラブとして発展していかないといけない」と前を向くことも忘れなかった。
「タイトルが今年は1つも獲れなかったというのは悔しいですけど、それは今の自分たちの力。しっかり受け止めて、個々が上積みしていかないといけないと思いますし、今のままでいいという思いはないと思う。現状のままでタイトルが獲れるほど甘くはない。自分ももうベテランと呼ばれる年齢ですけど、まだまだ成長していかないといけないと思っている。次こそタイトルに繋がるゴールを決めたい」。最後はしっかりとした口調で話した佐藤。チームが上を向く限り、佐藤の挑戦もまだまだ続く。
(取材・文 児玉幸洋)
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