こんにちは、わたなべです。
少し前に、大企業に行くために有名大学に入るよう、親から強制されてきた話について書きました。
■関連記事>>いい大学に行っていい会社に就職しろという親のエゴに振り回された14年間
我慢に我慢を積み重ねた学生時代でしたが、その甲斐あって大卒という“資格”は手に入れることができました。おかげさまで、就活の際は多くの選択肢に恵まれましたし、新卒で入社した会社でも、大卒というだけで給与ベースが同期より1段上でした。
しかし、だからと言って、高い学費と4年という長い期間を使う必要があったかと言われると、僕にとってはそこまで大きな役割はなかったとも思っています。
この記事を読んでいる方の大半は、高校生くらいで進路について悩んだ経験をお持ちだと思いますし、四年制大学に行かず、専門学校だったり社会人になった方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、社会人14年目に突入し、もはや大卒の恩恵も過去のものとなった僕が、大卒の価値について今思うことを述べます。
特に以下のような方の役に立てるよう、記事を作成しています。
- 将来のために学歴が必要なのか悩んでいる方
- 就職には四年生大学卒業が有利なのか知りたい方
- 結局高い学費を払って大学卒業する価値があるのかわからない方
✅この記事の内容
- 学歴が必要な人とそうでない人の特徴
- 四大卒が優遇されていると感じた3つの具体例
- 400万円の学費をかけた大卒の価値について大人になった僕が思うこと
学歴が必要な人とそうでない人の特徴
僕が、「将来のために学歴が必要なのか」と聞かれたら、「必要な人とそうでない人がいます」と答えます。その理由としては以下の2点です。
- 学歴が必要な職業に就きたいなら答えは一択だから
- 学歴はあくまでキャリア形成の一つの手段だから
つまり、学歴が必要な職業を目指すなら四年制大学に行く他ありませんが、そうでない方にとっては学歴は手段に過ぎませんよ、ということです。
では、学歴が必要な人とそうでない人はどう線引きするのが適当なのか、以下で語っていきます。
学歴が必要な人の特徴
学歴が必要な人の中でも、大卒じゃなければ特定の職業に就けないという方と、タイプ的に学歴があった方が生きやすい人に大別できますので、それぞれについて述べます。
特定の職業に就くために大卒が必要な方
該当するのは以下のような方です。
- 医者や弁護士、国家公務員などの権威ある職種に就きたいと思っている方
- 超大手有名企業の総合職として働きたいと思っている方
- 海外で働きたいと思っている方
それぞれちょっとだけ補足します。
医者や弁護士、国家公務員などの権威ある職種に就きたいと思っている方
医者になるためには医師国家試験に合格しなければなりませんが、その受験資格は『6年制の医学部を卒業もしくは卒業見込みの方』となっています。
一方で、弁護士や国家公務員も国家試験に合格する必要がありますが、学歴は不問です。ただ、難易度が相当高く、大学や大学院卒業レベルの学力なしに就業するのは現実的ではありません。
こうした職種に就きたい方は、少なくとも大学卒業までの学歴は必要であると言えます。
超大手有名企業の総合職として働きたいと思っている方
一般企業は高卒の方でも受け入れている企業はたくさんありますが、こと超大手有名企業となると、原則大学卒を条件としています。その上、難関大学と言われる学校の卒業見込み生から順番に採用していく傾向にあります。
例えば、三菱商事の大学別採用者数は以下のようになっています。
■参考リンク>>5大総合商社「採用大学」ランキング2022最新版【全10位・完全版】(外部サイトに飛びます)
ダイヤモンドオンライン様の記事をリンクさせていただきました。
僕はMARCH卒なのですがギリギリ当落線上って感じ。上位は旧帝大か早慶上智で占められています。超大手には、こういう人しかいないのがわかります。
海外で働きたいと思っている方
海外で働きたいと思っている方も、大卒でないと厳しいです。これは、就労ビザの話です。
日本から海外に行って現地で働く場合、ビザを発行してもらう必要がありますが、各国原則大卒以上という条件が設定されてしまっているのです。
■参考リンク>>日本人が海外で働くために必要な就労ビザとは?種類や取り方について解説(外部リンクに飛びます)
就労・永住ビザSOS@横浜様のサイトをリンクさせていただきました。
アメリカや中国、韓国など多くの日本人が行きそうな国の多くは大卒が条件ですし、台湾は高卒でもOKですが就業経験が5年以上必要だそう。フィリピンは学歴なしでも行けるそうですが、いずれにしても就労で滞在できる国は限られてしまいますね。
学歴があった方が生きやすい方
こちらも該当するのは以下のような方です。
- 将来何をしたいか全く決まっていない方
- 自分の力で稼いでいくことに自身のない方
- 会社組織の中でキャリア形成していきたい方
将来何をしたいか全く決まっていない方
将来何になりたいか全く決まってない方は、大学に進学しておいた方が無難です。大学に進学するかどうかは、高校在学中のタイミングで起きる話かと思いますが、そんな若くして具体的な将来像はなかなか描けるものではありませんからね。
後述しますが、大卒が新卒採用の条件にしている企業はまだまだ多いため、単純に選択肢の幅が広がります。大学4年生の就活の最後まで、何がしたいかわからなくても、探し続ければどこかの企業に入れますので、学歴がセーフティネットになることは間違いありません。
自分の力で稼いでいくことに自信がない方
個人のスキルや能力に自信がない方も、学歴があった方がいいです。新卒で会社に入って、マナーや実務研修を受け、社会人として働いていく力をじっくり蓄えていくという道ですね。最初のうちは多少のミスをしてしまっても会社の同僚や上司がカバーしてくれますし、実績を積み重ねていくことに集中することができます。
数年経つ頃には自信もついてきて、違う企業に転職したくなったり、思い切って独立したいと思う日が来るかもしれません。そうした将来像を描くためにも、大学を卒業しておくのは堅実な選択肢です。
会社組織の中でキャリア形成していきたい方
会社組織の中でキャリア形成していきたい方も、学歴があることで実現しやすくなります。
大きなプロジェクトを手がけているのは、やはりそれなりに社員数のいる企業ですし、若いうちからそうした仕事をしてみたいと思う方は、組織単位で働くことが向いています。
僕が入社した地元の小さい自動車ディーラーですら、4年目で5000万円超の新車複数台案件を任されましたし、その後は毎年1000万円超の自動車保険複数口案件を担当していました。
こうした金額規模の大きな仕事は、個人で独立してすぐに扱えるかと言うと、なかなか難しいです。チームで動ける方は、組織に身を置いた方が活躍できるでしょう。
学歴が必要ない人の特徴
学歴が必要な方以外は、学歴が必要ないと言えますが、具体的な人物像を挙げてみます。
- 起業するつもりで活動している方
- 手に職つけるべく専門学校に進みたい方
- 俳優や歌手などの夢を追い続けている方
- しばらくフリーターでいいやと思っている方
他にも多岐に渡ると思いますが、共通しているのは、多くの人が抱いている「会社に入って働かなきゃ」という考え方とは離れた生き方であることです。
四大卒が優遇されていると感じた3つの具体例
僕は高卒の方の立場は経験したことがありません。しかし、就職活動前後において、四大卒だからこそ優遇されてるなぁと感じたことはたまにありました。以下の3点を挙げます。
- 超大手商社の書類選考に通った
- 入社の段階で給料が高い
- 会社からの期待が大きい
それぞれ僕のエピソードを紹介します。
超大手商社の書類選考に通った
僕は大学時代、全く勉強もしませんでしたし、資格も取りませんでした(ウィニングイレブンばっかりやってました)。唯一あるとしたら、塾講師のバイトの夏期講習で20万円稼いだことくらいでしょうか。
そんな何の取り柄もない自分ですが、記念受験で5大商社全てにエントリーしました。こういう難関企業には、エントリーシートの他に必ず学力検査があり、まず優秀な人しか通らないのですが、なんと2社通過することができました。
周りのライバルたちは、英語が堪能だったり、海外でバックパッカーやってましたみたいな猛者揃いだったと思いますし、中で働いてる人も旧帝大とか早慶上智の人しかいません。
そんな中、面接まで行けたのは、明らかに僕の実力ではなく大学のブランド力です。僕が大学に言ってなかったら、経験することがなかったことでしょう。それだけ(有名)大卒は優遇されています。
入社の段階で給料が高い
大卒と高卒では、給与水準が最初から違います。大卒が明らかに高いです。
僕が新卒で入社した自動車ディーラーでは、全ての従業員に1〜9等級までのランク付けがされていました。基本給もそれぞれいくらと決まっていて、1等級昇進すると2万円くらいずつ上がっていくシステムになっていました。
同期の中でも、高卒入社組は1等級からですが、大卒組は2等級スタートでした。新人が1等級昇進するまでには、大体5年と言われていましたので、結構長い間差がつくことになります。
大卒に多くの給与を支払う理由として、多くの努力や経験をしてきた分、高卒よりも戦力になる期待値が高いからだそう。個人的には「本当にそうか?」と思いますが。
会社からの期待が大きい
大卒、特に有名大卒となると、会社から大きな期待をかけられます。これは、僕が新卒で勤めた会社が地元企業で、高卒や専門(自動車学校)卒の方が多かったためというのもあります。
実際に、少し営業成績が上がってきたタイミングで官公庁の大口入札を任されて、27歳で5000万円の案件を担当させてもらうことができました。つまり、実績を作らせてもらえたということです。
さらに、新車販売台数や保険獲得などの各項目で上位に1つでも入ると、年に1回表彰式に呼ばれ、重役と会食できる機会があったのですが、僕は毎回社長の隣にセッティングしてもらえていました。
これに関しては僕の頑張りもあったかもしれませんが、拠点長や役員が、少しでも出世しやすいようにと計らってくれていたようです。
「将来上役になった時に、学歴があると箔がつく」と役員に教わったことがあります。学歴があった方が、社内で出世しやすいのは間違いありません。組織でトップに立ちたい人は大学まで卒業しておくべきですね。
四大卒が優遇されるのはせいぜい第二新卒の頃まで
いろいろ優遇されてきた経験について語りましたが、【大卒の名前=ブランド力】になっている状態というのは、若いうちまでです。せいぜい第二新卒くらいの25〜30歳くらいまで、ちょっと超えても32歳が限界です。
と言うのも、30代になると、周りからの見られ方がガラッと変わります。大学で真面目に勉強してきた若者が頑張ってるな、という目線から、そろそろ大人なので最前線で活躍してもらわないとね、という風な感じです。それまでどう仕事に取り組んで、どれほどの成果を上げてきたのか、ということに焦点が当たるようになるのです。
実際に、転職市場でも人気があるのは30歳前後まで。それ以降は、よほどのスペシャリストであることが望まれます。そうでなければ、企業はもっと若手を取って育てたい、となりますよね。
ですので、若いうちに多くの経験をしておくのが吉です。結果が出ず、失敗ばかりでも問題ありません。何度も失敗して気づいたからこそ実践していること、のようなポジティブな考え方ができるだけで、周囲からは認めらる存在になります。
何となく会社の同僚たちに埋もれて何となく時間を過ごすことほど、もったいないことはありません。
400万円の学費をかけた大卒の価値について大人になった僕が思うこと
僕は私立文系の大学を4年で卒業しました。入学金と4年分の学費を全て合わせると、400万円に上ります(一浪してるので、大学入学関連費としては本当はもっとかかっています)。
現在大学を卒業してから14年の時が経ちましたが、果たしてこんなに巨額投資する必要があったのか、正直結構疑問です。その理由としては以下の通り。
- 社会人になった瞬間に奨学金という多額の借金を背負う
- 僕のキャリアで大卒である必要がなかった
- 有名大学卒のブランド力が低下し続けている
それぞれ全力で語ります。
社会人になった瞬間に奨学金という多額の借金を背負う
大学を卒業して、会社員になったその月から、早速奨学金の返済が始まります。
入学金と1年目の学費だけは親に出してもらいましたが、2年目以降は奨学金を借りました。総額で250万円程度です。無利子だったこともあり15年返済を選択。月々およそ15000円、これをいまだに払っています。
独身の時はまだいいんですよ。実家暮らしでしたし、そのくらいの金額は痛くなかったので。ところが、結婚して子どもが産まれて一馬力の家計になって以降、その重みはボディブローのように徐々に効いてくるんですよ。通帳の『ニホンガクセイシエンキコウ』の文字はもう見たくありません…
自分で借りたものとは言え、学生時代にはこんな重たいものを背負うことになるんだなんて、予想だにしませんでした。
これから奨学金を借りようとしている人は、40歳手前まで払い続けることを、ちょっと真剣に考えた方がいいです。返していくのは思ったよりも大変なことです。
僕のキャリアで大卒である必要がなかった
これは結果論ですが、人材紹介会社時代を除き、職歴のほとんどを学歴が必要ない仕事で占めています。一応、新卒で入った自動車会社は大卒が条件と書いてありましたが、後輩には高卒の子も入ってきていました。2回のフリーランス生活では、飛び込み訪問の営業会社(労働マルチ)と軽貨物ドライバーをやりましたが、これらは完全に全く学歴なしでできる仕事です。
こうしたことは僕だけに限りません。多くの大人が、「昔あんなに大卒にこだわったのに、別に必要なかったじゃん」ってなってるはずです。SDGsが叫ばれる世の中ですが、学歴が最も無駄になっているものの一つであることは間違いありません。
とりあえず大学に行けば潰しが効く、という面はたしかにあります。大卒資格は将来にかける保険のようなものです。ただ、それにしては時間と学費という保険料は割高な気がします。これから社会人になる方には、学歴をキャリアに活かして欲しいなと切に願います。
有名大学卒のブランド力が低下し続けている
だいぶ前から言われていることですが、有名大学に入れば安泰みたいなことはあり得ません。
かつては、偏差値順に大企業に入り、“総合職”というある程度いろいろできる社員が大量生産される社会でした。その理由は、とにかく仕事が多かったので、短時間で効率的に仕事を捌ける人が必要だったからです。
ところが、パソコンが普及し始めたことで、人間がやってきた仕事の大半はコンピューターがやってくれるようになりました。今ではAIが急成長し、人間にとって変わるものとして存在感を強めています。
そんな時代なので、企業としても「有名大学を卒業しました」よりも「△△が得意なので、□□の領域で御社の売上に貢献できます」って言って欲しいわけですよね。
【有名大+スペシャリスト】なら現在でも価値になりますが、在学中に何もしなければ、ただ時間を失い将来奨学金を負うだけになってしまうだけです(僕です)。
人生をイージーモードで過ごすために
最後に、人生の難易度を下げるために大事な考え方についてお話しします。
結論から言うと、あなたが勝てる状態を常に作ることが重要です。具体的には以下の通り。
- ライバルが少ない会社や組織に入る
- 向いていることだけやる
- 継続してスキルを上達させる
僕は、中学受験をして進学校に入って以降、ずっと競争を強いられてきました。ですが、35歳で適応障害になって会社を辞めてから、そうした生き方をやめました。
37歳になった今、この3つを重視した生活を送っていることで、メンタルをすり減らすことなく人生を謳歌しています。
あなたの得意なことは何ですか?今いる環境で競争をし続けて、自分を労ることをおろそかにしていませんか?
学歴に拘った人生を送ってきたので、余計にそう思います。どうか、自分らしく生きて欲しいと思います。
今回はここまでです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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