PORTFOLIO#11 充実期 -展示会・オーダーメイド-(2021)
今回は、2021年の展示会やオーダーメイドの記録です。
まずは、前年にお世話になったクリームソーダ職人tsunekawaさんのクラウドファンディングのための返礼品グラスを制作させていただきました。
これまで「旅する喫茶」と称して全国各地でクリームソーダを作って来られたtsunekawaさんが、ついに実店舗を構えられるということでした。
気泡のデザインは同じで、よりクリームソーダが映えるような脚付のグラスを約120個制作しました。
クラウドファンディングは無事に目標を達成され、2024年現在は高円寺店、福岡県うきは市には泊まれる喫茶店としての2号店があります。まだお写真でしか拝見しておりませんが、いつかきっと伺ってみたいです。
春には前年からお取り扱いいただいたEckepunktさんでのグループ展に参加しました。
2015年にもグループ展でお世話になった岡山県のaxcis nalf(アクシスナーフ)さんにお声掛けいただき、写真のカラフルなプレートやFrillのシリーズを販売していただきました。
2020年秋の福士 遥さんとの2人展で、パープルなどの色を全体につけたプレートを制作しました。これまでは制作工程やコストの面から敬遠しがちだったデザインでした。これが思いのほか好評で、SNSで反応が良かったり展示会後にまとめてオーダーをいただいたりしました。
シンプルな色付きのプレートやグラス。模様もないしデザインも何もないように思えて、作品としてこれでいいのかな?というのが正直な気持ちでした。でも、同じ形のプレートやグラスを長く作ってきたことで、この雰囲気・この形・このサイズ感が私の作品だと自信を持って思えるようになっているなと気づきました。
カラフルなシリーズはぱっと空間が明るくなり、見ているだけでも楽しいとSNSでもたくさんの反響をいただきました。
夏には初めてのギャラリー、銀座のEcru+HM(エクリュプラスエイチエム)さんで個展を開催させていただきました。
この時の個展ではカラフルシリーズを中心に作品を展開しました。夏のデザートにもぴったりな、本体に色をつけたデザートカップも。
色を使った制作にも慣れて来たと思ったのですが、ここでトラブルが発生。制作時には問題がないように見えた作品に、時間差でヒビが入ってしまうということが多発しました。
カラフルなプレートはとても人気で初日にほとんど売れてしまったのですが、展示期間中にヒビを発見したり、ご購入後にヒビが入ったとご連絡をいただいたりしてかなり焦りました。
個展終了後に先輩のガラス作家さんに教えていただいた原因は、使用する色ガラスの量が多すぎるということでした。専門的な話なのですが、透明のガラスと色のガラス、それぞれに成分が異なるガラスをくっつけて吹いているため微妙な歪みが生じているのです。
この時の個展、さらに遡って約半年の間に制作したカラフルプレートをご購入いただいたお客様には、破損がないかをご確認いただき交換対応をさせていただきました。たくさんの方にご迷惑をお掛けしてしまったのですが、交換してでも欲しいとおっしゃってくださることが励みとなりました。
原因が分かってからは、色ガラスの量を調整して少し色を薄く仕上げるようにすることでヒビが入ることはなくなりました。Colorsシリーズは色の組み合わせによって様々な雰囲気に展開出来ます。お客様から配色リクエストをいただいてのオーダーも増え、Frillシリーズに次いでどんどん注文が入るようになりました。
話がそれましたが、エクリュさんでの個展の様子をもう少しご覧ください。
写真がなく記録のみとなりますが、同じ頃には台湾の箱庭さんにてグループ展にも参加させていただきました。また、前年に続きCINEMA H.P.FRANCEさんにもFrillシリーズやColorsシリーズを納品させていただきました。
また、少し前からお取り扱いについてお話をいただいていたのが手紙社さんでした。
実は2019年頃、作品の売り込みをしている時期に私から手紙社さんにご連絡をしたことがありました。その時は残念ながらお返事をいただけず、そう甘くはないか…と思いつつもいつかお取り扱いしていただけたらいいなとひそかに願っていました。
まさに念願の手紙社さんからご連絡をいただいた時は、「きたーーーっ」と思いました!
コロナ禍の影響で当初参加予定だった東京蚤の市は開催が見送られ、月間手紙社という毎月のオンライン販売が始まりました。そちらにFrillのグラス、カラフルデザートカップなどを定期的にお届けしました。
こちらのキャニスターも月間手紙社さんで販売していただきました。木の蓋は、大学時代の友人である木工作家の新見 和也さんに制作をお願いしました。
1つ1つどれも可愛いデザイン!木とガラスはやはり相性抜群です。密閉性はありませんが、飾っているだけで満足な仕上がりになりました。
新見さんはエッケプンクトさんでもお取り扱いのある作家さんで、エッケプンクトさんの店頭・オンラインでもコラボキャニスターをご覧いただけます。
新見さんInstagram↓
https://www.instagram.com/niimikazuya/
エッケプンクトさんオンラインショップ↓
展示会の他には、オーダーメイドのお仕事がいくつかありましたのでご紹介します。
個展、2人展でお世話になったmaruseさんにはColorsシリーズで大きめのペンダントライトを納品しました。
何年か前に作ったお店用のものと同じくらいのサイズで、色ガラスもたくさん使うのでかなり緊張して作りましたが、経験値の差か。昔よりは落ち着いて上手く作れたように思います。
ギャラリーの入り口付近に展示してくださりましたが、ご購入も可能でしたので何点かは売れてくれたようです。もしかしたらパープルがまだあるかもしれません…!
愛媛県の喫茶モッペルさんには、お店でお使いいただくパフェグラスとプレートを納品しました。開店前にご相談をいただき準備を進め、無事にお届けすることが出来ました。お店もメニューもとても可愛くて素敵です!いつかきっと伺いたいです。
お写真はモッペルさんのSNSよりお借りしました。
喫茶モッペルさんInstagram↓
https://www.instagram.com/kissa_moppel/
大阪の喫茶水鯨さんには、昔のお店で使用されていたクリームソーダグラスを再現して制作したものを数点納品しました。オーナーさんが金沢にあった珈琲館禁煙室の内装を受け継ぎ、大阪に移転してオープンされる際にグラス制作のご相談をいただきました。
シンプルな透明のグラス。破損したサンプル品をもとにサイズと容量を合わせて制作しました。当時の私の都合により数点のみの納品となってしまったため、現在店頭で使用されているグラスはおそらく私のものではありません。短い期間でも微力ながらお力になれたのでしたら嬉しいです。
こちらもとても素敵なお店で、ドラマの撮影に使われることもあるそうです!いつかきっと伺いたいです。(何回目)
お写真は水鯨さんのSNSよりお借りしました。
喫茶水鯨さんInstagram↓
https://www.instagram.com/kissa_suigei/
Frillシリーズ、Colorsシリーズを制作するようになり、お店でお使いいただくためのご注文が入るようになったことはとても嬉しいことでした。実際に盛り付けて使っていただけると、ガラスの良さが何倍にも増して感じられると思います。
やりたいなと思っていた仕事が出来るようになってきて充実感を感じた時期でした。
次回は2022年の仕事をご紹介していきます。