電子書籍で読了。
カストリ雑誌に掲載されたという、軍人の男色手記の本。雑誌から転載した部分と、この本の著者の解説部分があるのだが、その解説が砕けた口調で尻軽で軽薄で、つまり、興醒めする。要らないと思う。最終的に三島由紀夫にたどり着いたところが面白かった。恋慕の想いに駆られながらも文体だけは軍人口調で、なんとも可笑しく少し悲しい。
今、kindleUnlimitedに入っているので、無駄にどんどん読めます。無駄云うなよ。そのうち抜ける。
軍人の家に生れ、軍人の間に育ち、軍人教育を受けそして軍人となり、地方(※軍隊用語。軍以外の一般社会のこと)を識ることのなかった僕は終戦を迎えた時は、その過去のすべてを否定されて、あたえられた自由に当惑した。
趣深いものです。
はたして敗戦国となり軍が解体された昭和20年、軍隊という軛から解放された職業軍人の少なくない者が、もうひとつの、男色という呪われし、あるいは祝福の「聖痕」に苦しむ。
今回紹介する実録手記のすべては、片腕をもがれた鳥の告白と言いかえてもよいかもしれない。
これを読みながらtwitterのTLをチラ見していると、何かせいせいしたいのか「スカトロ雑誌を読みたい気分」と云っているひとが居たのだが、大丈夫だろうか。粋がってカストリ雑誌と間違っていないだろうか。マジでスカトロの雑誌が読みたいのだろうか。心配です。
しかし、私も下世話な読書人である為、もっとカストリ雑誌を読みたいものだと思いました。