VMware Cloud Foundation(VCF)5.2.1 で、SDDC Manager から BGP を利用する NSX Edge クラスタを展開してみました。今回は、Tier-1 ゲートウェイに接続する NSX セグメントを作成して、実際にルーティングされることを確認してみます。
前回はこちら。
今回の環境
今回は、作業用 Windows から、NSX Tier-1 ゲートウェイに接続したオーバーレイ セグメントへの通信が可能になることを確認しておきます。
作業用 Windows には、じつは検証環境外との踏み台としても利用しているため、オーバーレイ セグメントへのスタティック ルートを追加します。
1. NSX オーバーレイ セグメントの追加
NSX Manager で、オーバーレイ セグメントを作成します。
まずは、オーバーレイ トランスポート ゾーンを確認しておきます。この環境では、「vcf-m01-tz-overlay01」が作成されています。「トランスポート ノード」にある数字のリンク(6)を開きます。
クラスタにある、すべての ESXi ホストが接続されています。
Edge ノードも、すべて接続されています。
「ネットワーク」タブ →「接続」→「セグメント」を開き、「セグメントの追加」をクリックします。
セグメントのパラメータを入力して、「保存」をクリックします。
- 名前:seg-overlay-01
- 接続されたゲートウェイ:vcf-m01-t1 | Tier-1
- トランスポート ゾーン:vcf-m01-tz-overlay01
- サブネット:10.0.1.1/24
「構成を続行しますか?」は、「いいえ」で閉じます。
これで、Tier-1 ゲートウェイに接続されたオーバーレイ セグメントが作成されました。
2. ルート情報追加の確認(Ext Gateway)
Tier-1 ゲートウェイで「ルート アドバタイズ」を開くと、接続されているすべてのセグメントが対象になっています。
Tier-0 ゲートウェイでも、設定内容を確認しておきます。「ルート再配分」にある「1」のリンクを開きます。
「ルート再配分」にあるリンク(11)を開きます。
下記のように、ルート再配分の設定内容が確認できます。
Linux ルーターでは、下記のようにオーバーレイ セグメント(10.0.1.0/24)宛の経路を受け取れています。
[root@vcf-gw-01 ~]# vtysh -c "show ip bgp detail" BGP table version is 3, local router ID is 192.168.76.1, vrf id 0 Default local pref 100, local AS 65001 Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, = multipath, i internal, r RIB-failure, S Stale, R Removed Nexthop codes: @NNN nexthop's vrf id, < announce-nh-self Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete Network Next Hop Metric LocPrf Weight Path *= 10.0.1.0/24 192.168.76.16 0 100 0 65002 ? *= 192.168.77.16 0 100 0 65002 ? *= 192.168.77.17 0 100 0 65002 ? *> 192.168.76.17 0 100 0 65002 ? * 192.168.76.0/24 192.168.76.16 0 100 0 65002 ? * 192.168.77.16 0 100 0 65002 ? * 192.168.76.17 0 100 0 65002 ? * 192.168.77.17 0 100 0 65002 ? *> 0.0.0.0 0 32768 i * 192.168.77.0/24 192.168.76.16 0 100 0 65002 ? * 192.168.77.16 0 100 0 65002 ? * 192.168.76.17 0 100 0 65002 ? * 192.168.77.17 0 100 0 65002 ? *> 0.0.0.0 0 32768 i Displayed 3 routes and 14 total paths
3. 仮想マシンの用意
今回も、Photon OS 5.0 の OVA を「vm01」という名前でデプロイしてあります。
root@vm01 [ ~ ]# cat /etc/photon-release VMware Photon OS 5.0 PHOTON_BUILD_NUMBER=dde71ec57
この仮想マシンは、さきほど作成したオーバーレイ セグメントに接続されています
下記のように、一時的に IP アドレスを設定してあります。
root@vm01 [ ~ ]# ip addr add dev eth0 10.0.1.11/24 root@vm01 [ ~ ]# ip addr show dev eth0 2: eth0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel state UP group default qlen 1000 link/ether 00:50:56:b2:b4:b5 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff altname eno1 altname enp11s0 altname ens192 inet 10.0.1.11/24 scope global eth0 valid_lft forever preferred_lft forever inet6 fe80::250:56ff:feb2:b4b5/64 scope link valid_lft forever preferred_lft forever
デフォルト ゲートウェイも設定しておきます。
root@vm01 [ ~ ]# ip route add default via 10.0.1.1 root@vm01 [ ~ ]# ip route show default via 10.0.1.1 dev eth0 10.0.1.0/24 dev eth0 proto kernel scope link src 10.0.1.11
ファイアウォール(iptables)は停止しておきます。
root@vm01 [ ~ ]# systemctl stop iptables
4. 動作確認
作業用 Windows から、vm01 に ping で疎通確認してみます。
PS> ping 10.0.1.11 10.0.1.11 に ping を送信しています 32 バイトのデータ: 10.0.1.11 からの応答: バイト数 =32 時間 =7ms TTL=61 10.0.1.11 からの応答: バイト数 =32 時間 =5ms TTL=61 10.0.1.11 からの応答: バイト数 =32 時間 =40ms TTL=61 10.0.1.11 からの応答: バイト数 =32 時間 =6ms TTL=61 10.0.1.11 の ping 統計: パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、 ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒): 最小 = 5ms、最大 = 40ms、平均 = 14ms
vm01 から、作業用 Windows(192.168.70.2)に ping で疎通確認してみます。
root@vm01 [ ~ ]# ping -c 4 192.168.70.2 PING 192.168.70.2 (192.168.70.2) 56(84) bytes of data. 64 bytes from 192.168.70.2: icmp_seq=1 ttl=125 time=6.96 ms 64 bytes from 192.168.70.2: icmp_seq=2 ttl=125 time=6.42 ms 64 bytes from 192.168.70.2: icmp_seq=3 ttl=125 time=13.3 ms 64 bytes from 192.168.70.2: icmp_seq=4 ttl=125 time=7.00 ms --- 192.168.70.2 ping statistics --- 4 packets transmitted, 4 received, 0% packet loss, time 3006ms rtt min/avg/max/mdev = 6.419/8.406/13.252/2.806 ms
vm01 から、作業用 Windows への tracepath の様子です。
root@vm01 [ ~ ]# tracepath -n 192.168.70.2 1?: [LOCALHOST] pmtu 1500 1: 10.0.1.1 1.268ms asymm 64 1: 10.0.1.1 0.379ms asymm 64 2: 100.64.0.0 10.230ms 3: 192.168.76.1 18.350ms 4: 192.168.70.2 18.432ms reached Resume: pmtu 1500 hops 4 back 4
vm01 から、インターネットへも出られています。
root@vm01 [ ~ ]# ping -c 4 8.8.8.8 PING 8.8.8.8 (8.8.8.8) 56(84) bytes of data. 64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=1 ttl=110 time=15.6 ms 64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=2 ttl=110 time=19.1 ms 64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=3 ttl=110 time=11.7 ms 64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=4 ttl=110 time=19.9 ms --- 8.8.8.8 ping statistics --- 4 packets transmitted, 4 received, 0% packet loss, time 3005ms rtt min/avg/max/mdev = 11.700/16.572/19.860/3.241 ms
以上、VCF の Workload Domain に BGP が有効な NSX Edge Cluster を追加してみる話でした。