こんにちは。昨年6月末で定年退職を迎えた独身男性です。
先週、将棋女流棋士の西山朋佳女流三冠がプロ棋士編入試験の受験を表明しました。これは大注目です。
プロ棋士と女流棋士
将棋界には、昭和の始め頃から元々「プロ棋士」という制度があり、男女問わず同じ条件でプロ棋士になることができます。藤井聡太竜王・名人や羽生善治九段などは皆このプロ棋士ですね。
これとは別に、50年前に女性用のプロの制度として「女流棋士」が新たに設けられました。
これまで、女性でプロを名乗る棋士は全てこの「女流棋士」で、「プロ棋士」はこれまでの将棋史上1人もいません。
なぜ女性のプロ棋士がいないのか
将棋の思考回路は、理数系の思考回路と類似していると言われていて、私も将棋を指していてよく実感します。
そして、今の時代にそぐわない言い方になりますが、理数系が得意なのは圧倒的に男性で、例えば学校の理数系のクラスでも大部分が男性です(理由はわかりませんが)。
学校の勉強ならば、女性がこの得手不得手の男女差を超えることは難しくないかもしれませんが、プロ棋士というハイレベルな世界だと至難の業です。なんせ、プロ棋士は一流大学に入学することなどとは比べものにならないほど困難な、とんでもない天才集団の世界ですから。
努力だけでなれるものではなく、ハッキリ言って天性の素質が不可欠だと思います。
なので、女性がプロ棋士になるということは、プロ野球の中に女性選手が誕生するくらいのインパクトがあることなのです。
ガンバレ!西山女流三冠
そして今回、西山女流三冠がプロ棋士の編入試験の資格を得ることができました。これはプロ棋士の公式戦*1において13勝7敗の成績を収めたことで取得できた*2もので、これだけでも既にプロ棋士と遜色ない棋力を有していると言えるでしょう。
けれど、今回一番凄いと思ったのは、この資格を取得した直後に即決で受験の意思を表明したことです。普通は、
- 女流棋士の棋戦と両立できるのか
- 自分には試験を受ける力があるのか
- 周囲からの注目を受けるプレッシャー 等々
色々なことを考えたうえで受験するかしないかじっくりと検討する*3のが当たり前です。
なのに西山女流三冠は午前中の対局に勝って資格取得したと思ったら、直後の昼休みに速攻で連盟に受験の意思を伝えたとのこと(午後にも対局が控えているにもかかわらず!)で、その決断力のよさに感動しました。
彼女は、過去奨励会を退会している*4こともあり、もしかしたら挑戦しないのではないかと思っていたのですが、全くの杞憂でした。
とても柔らかい雰囲気でおっとりした物腰とは裏腹に、なんと男前で、図太くて、将棋と同じ豪腕なのでしょう!ますますファンになりました。
もし、試験にパスして女性初のプロ棋士になったらこれはとんでもないことです。藤井聡太竜王・名人の出現に匹敵するほどの将棋界の大事件です。
編入試験は新人のプロ棋士5人と対局して3勝すれば合格となります。新人の棋士というのは若手バリバリで、決して楽な相手ではありませんが、是非とも西山女流三冠には将棋界の歴史を変えて欲しいものです。
それではまた。
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