こんにちは。昨年6月末で定年退職を迎えた独身男性です。
今回は、青崎有吾さんの「地雷グリコ」を読んだ感想です。
この本は先日発表された今年上半期の直木賞候補作に選ばれた作品で、これまでミステリー関係の賞なども色々と受賞されています。口コミでも好評を博している一冊です。
どんな内容?
主人公は射守矢真兎(いもりや・まと)という高校1年生の女子。真兎はひょうひょうとした感じでちょっとつかみ所の無いタイプなのですが、実は勝負事にとんでもない才能を持っています。
そんな真兎は本人が望むと望まざるにかかわらず、様々な勝負の場に巻き込まれていくのですが、この勝負がちょっと変わったものばかり。誰もが遊んだことのあるようなゲーム・・・グリコ、じゃんけん、だるまさんが転んだ、etc・・・にアレンジを加えたものなのです。
そして、真兎の前に次々と立ちはだかるのは一癖も二癖もある勝負事の強者達ばかり。いったいどんなバトルが繰り広げられるのか、そして真兎が勝負の先に目指しているのはいったい何なのか・・・といった物語です。
感想など
ここが良かった
なんと言ってもゲームバトルの描写が面白い!
登場する5つのゲームのルールがどれも秀逸で、とても奥深い頭脳戦、心理戦が繰り広げられます。主人公の真兎が勝つとは思いつつも、「いったいここからどうやって勝つんだろう?」という興味が尽きない展開の連続でスリル満点。ワクワクが止まりませんでした。
相手の心理や思考回路、ゲーム場所の環境などさまざまなファクターを読み、洞察力、記憶力を駆使して、如何に相手の心理を操り、そして欺いていくか。時にはイカサマぎりぎりの戦略も・・・。そんな駆け引きに満ちたバトルは圧巻です。
戦いで命をかけるわけではなく死者も出ませんが、作品の世界観はカイジを彷彿とさせるような迫力がありました。
ここはちょっと・・・
この物語の世界観からすると、主人公が女子高生というのはちょっとミスマッチに思えました。これだけの駆け引きや心理戦の描写なので、素直にそのイメージに沿った主人公の方が感情移入できる気がします。
あと、終盤になるにつれゲームの駆け引き・戦略がかなり複雑になっていき、何度も前のページに戻って確認しないと理解が追いつきません。そしてルールの穴を突くような戦略が多いのですが、多少屁理屈と感じるところが無きにしも非ず・・・でしたかね。まあ微妙なところですが。
満足度
ということで、個人的な満足度は、☆5点満点で
☆4つ
としておきます。果たして直木賞に輝くことができるのか?選考会は7月17日です。
(参考)
・☆1 ・・・(無言)
・☆2 いまいち
・☆3 可も無く不可も無し
・☆4 これはオススメ
・☆5 最高!文句なし!
それではまた。
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