活動記録

活動記録

施術家 吉田正幸のブログ

社会の課題 少子化対策の誤算

この動画はわかりやすくてストン!とまとまっているので紹介したくなった。

少子化対策の現状に対する強い怒りと疑問を投げかけていて、共感を呼ぶ内容。特に、「支援ではなくまず税負担を減らせ」「未来世代を搾取する政治を許すな」といった主張は、今の若者が置かれている厳しい現実を的確に突いている。
ぜひ若い人に見てもらいたい。

政府が7兆円もの予算を使いながら、肝心の子育て世代への支援が届かず、むしろ負担が増えているという矛盾には、確かに納得がいかない。オムツの消費税が10%のままなのに、新聞は8%という例は、まさに政策の優先順位がズレていることを象徴している。


 


また、「若者が静かすぎる」という指摘も納得。とにかく日本人は大人しい。他の国なら暴動が起きてもおかしくないレベルの状況なのに、日本では大きな反発が起こらない。これは、日本の社会が「現状を受け入れること」に慣れすぎてしまっているからだ。
最後の
「日本はマジで消える5秒前(MK5)」

危機感がストレートにグッと伝わる笑えない名言だね。
このままでは本当に未来がなくなってしまう。
だからこそ、ただ怒るだけでなく、
具体的な行動をどう起こせるのかを考えることが大切。
あとはとにかく情報の選択

年齢に関係なく夢を追う方法

「ずっとやりたかったことを、やりなさい」
現役を退き、ようやく自分の時間を謳歌したい、という方が当院には多数来られる。そのたびにふと頭をよぎる一冊の本がある。
それが、「ずっとやりたかったことを、やりなさい」という本だ。

ジュリア・キャメロンの「ずっとやりたかったことを、やりなさい」(原題:The Artist’s Way)は、
創造性を回復し、内なるアーティストを呼び覚ますための実践的なガイドブック。

創造性は若返りの処方箋
本書は、12週間のプログラムを通じて、読者が自己表現や夢の実現を妨げる心のブロックを解除し、創造的な人生を送るための具体的な手法を提供している。
中心となるツールは以下の2つ。
モーニングページ
毎朝、目覚めた直後にノートに3ページ分、頭に浮かんだことを自由に書き出す習慣。

思考や感情を整理し、無意識の障害を取り除く効果があるという。
原書ではA4ノートとなっているが、それは相当キツイ。
実際にやってみたら1時間30分もかかってしまった。 

これは英語表記と日本語表記の差もあると思うので、
B5ノートで1ページほどで十分だと思った。
とにかく、書くことが無ければ、「書くことが無い」とひたすら書いても良いわけで襟を正して書く必要なんかまったくない。
ただ、肝心なことはたった一人きりの空間で、このノートを絶対に誰にも見せないという約束のもとに実行されたし。
アーティストデート
週に1回、自分自身と向き合う時間を作り、
好きなことやインスピレーションを得られる活動(散歩、美術館訪問など)を楽しむ。

これにより、創造性を刺激し、内なる子供のような好奇心を育む。子供の頃に良く行って遊んだ場所や元々興味があったけれど中々いけなかった場所など。
 
プログラムは、各週ごとにテーマ(例:安全感、自己認識、可能性の探求など)を設け、読者に自己探求の質問やエクササイズを課すこと。

キャメロンは、誰もが創造性を持っていると強調し、それを抑圧する社会的圧力や自己批判から解放されるプロセスを丁寧に導くということが大切だと説いた。

この本は1992年に初版が出版されて以来、全米で400万部以上を売り上げ、世界中で愛されるロングセラーとなっている。
多視座的な感想
自己啓発を越える自己啓発として
この本は、単なるハウツー本を超えた深い自己発見の旅を提供してくれる。

特に「モーニングページ」は、自分自身続けているが、頭の中の雑念を吐き出すことで驚くほど心を客観的に捉えることができ、日々の潜在下のストレスから解放される感覚があった。

アーティストデートは、自分を甘やかす許可を与えてくれるようで、忙しい日常の中で見失っていた「楽しむこと」の大切さを思い出させてくれる

ただし、12週間毎日続けるのはハードルが高く、忙しい人には少し負担に感じるかもしれない。
それでも、創造性を「特別な才能」ではなく「誰もが持つ資質」と捉える視点は、自己肯定感を高める強力なメッセージだ。
 
プロのライターやアーティストにとって、この本は創作のスランプを打破する実践的な指南書だろう。

キャメロンが自身の経験(アルコール依存からの回復や脚本家としてのキャリア)を基に書いているため、説得力がある。
モーニングページはアイデアの種を掘り起こすのに役立ち、アーティストデートは新しい視点やインスピレーションを得る機会になった。

しかし、ワークが内省的すぎるため、具体的な技術向上を求めるゴリゴリのクリエイターには物足りなく感じる可能性もある。

創造性を「プロセス」として捉え直す哲学は、アーティストやクリエーターだけでなく、結果に囚われがちなビジネスマンや子育てをしているママさんにも新鮮な気づきを与えてくれると思う。
 
心理学的に見ると、本書は認知行動療法やマインドフルネスの要素を取り入れた自己療法的なアプローチと言えるかもしれない。

モーニングページは感情の浄化や自己対話を促し、アーティストデートは自己肯定感を高める行動活性化に繋がると感じた。
 
キャメロンが提唱する「内なる批判者」の克服は、自己否定のループを断ち切るための有効な手段だ。

ただし、科学的な裏付けが薄い部分もあり、根拠を重視する人にはややスピリチュアルに感じられるかもしれないな。それでも、自己探求を通じて精神的な成長を促すツールとしての価値は高いと思う。

この本はアメリカ的な個人主義や自己実現の文化を背景にしているため、日本のような集団主義的な社会では違和感を覚える読者もいるかもしれない。

「ずっとやりたかったこと」を追求することが、周囲との調和を乱すリスクを孕む場合、その一歩を踏み出す勇気がより重要で必要になる。

最初の一歩の勇気と踏み出す行動が変化を与えてくれると思う。

一方で、グローバル化が進む現代において、個の創造性を重視するこのメッセージは普遍性を持ち、多くの人に響くはず。

日本の読者にとっては、内省と行動のバランスを取るヒントとして応用できる良書だと思うので、当院へ来られる方でまさに、「今がその時!」という方にはついつい薦めてしまうわけだ。
まとめとして
「ずっとやりたかったことを、やりなさい」は、創造性を求めるすべての人に開かれた一冊だと思う。

実践的なワークを通じて、自分自身と向き合い、抑え込まれた夢や情熱を解き放つプロセスは、時に挑戦的だけれど大きな報酬をもたらすと思った。

読者によってはプチスピリチュアル的なトーンや長期的なコミットメントに抵抗を感じるかもしれないけれど、それさえ乗り越えれば、この先の未来を豊かにする気づきが得られる。

自己啓発、アート、心理学、文化の交差点に立つ本書は、多様な視点から楽しめる奥深い健康的な作品だ。ぜひ一読を。

「PERFECT DAYS」をみた。コーヒーに読書と音楽と。

木漏れ日は美しく響く
「PERFECT DAYS」の公開日は 2023年12月22日だった。カンヌ国際映画祭で高い評価を受け、役所広司が最優秀男優賞を受賞したという。当院に来られている方々の評価も良かったのでぜひ映画館でみたかったが、タイミングがずれて観れなかった。
 
それが、アマプラに落ちてきているではないか。遅ればせながら早速観てみた。

まず、「PERFECT DAYS」を観終わったとき、心の奥底に静かな波紋が広がっていた。最初は、そのシンプルさに戸惑った。東京の片隅でトイレ清掃員として働く平山(役所広司)の日常が、淡々と、しかし丁寧に描かれる。
 
朝起きて、歯を磨き、制服を着て、缶コーヒーを飲みながら仕事に向かう。繰り返されるそのルーティンに、現代社会の喧騒の中で生きる私たちは、どこか退屈さすら感じてしまうかもしれない。だが、この映画はそんな日常の中に、言葉にできない美しさと深い感情をそっと忍ばせていく。
 
平山の生活は一見単調だ。しかし、彼がトイレを磨く手つき、街路樹の木漏れ日を見つめる眼差し、古いカセットテープから流れる音楽に耳を傾ける姿に触れるたび、何かが胸の中で疼き始める。それは、生きることへの純粋な愛おしさだ。彼は決して多くを語らない。寡黙で、控えめで、ただひたすらに「今」を生きている。だが、その静けさの中に、人生の重みと喜びが凝縮されていることに気づかされる瞬間が訪れる。
 
特に印象的なのは、彼が公園で木々を眺めながら撮る写真のシーンだ。使い捨てカメラで捉えた光と影。それはまるで、彼が日々の中で見つけた小さな奇跡を、誰かに伝えることなく自分だけの宝物として胸にしまっているかのようだ。このシーンで、なんだろう、心がユラユラと揺さぶられた。何気ない日常に潜む美しさを、彼は知っている。そしてその美しさを、彼は誰かに押し付けることなく、ただ静かに愛しているのだ。

物語が進むにつれ、平山の過去の断片が垣間見える。姪との再会、妹との会話。彼がなぜこの暮らしを選んだのか、明確な答えは与えられない。それでも、その空白こそが観る者の想像を掻き立て、感情をさらに深く掘り下げる。もしかしたら彼は、かつての傷を抱えながら、それでもなお生きる意味を見出そうとしているのかもしれない。そんな思いが募ると同時に、彼の穏やかな笑顔に涙が滲む。複雑な思い。

そして、クライマックスのあのシーン。
 
平山が車内でパティ・スミスの「Perfect Day」を聴きながら、表情を変化させる瞬間。視聴者もここで涙を抑えきれなくなるんだろう。喜びと悲しみ、諦めと希望が交錯するその顔は、言葉を超えて人生そのものを語っていた。無言の凄まじい描写はさすが日本のトップ俳優。
彼の目尻に光る涙は、確かに心に落ちる。熱く、切なく、胸を締め付ける。この映画は、完璧な日々など存在しないことを教えてくれる。でも、その不完全さの中で輝く瞬間を、私たちは確かに生きているのだと。

「PERFECT DAYS」は静かな映画だ。派手なドラマも、大きな事件もない。それでも、観終わった後、少し立ち上がれなかった。シンプルというものは時には大きな衝撃となる。平山の生き方が、心の中に深く根を張り、何か大切なものを思い出させたからだ。それは、生きることの儚さと美しさ。そして、そんな日々を愛おしむ気持ち。この映画は、今も思い出すたびに心を静かに、しかし力強く揺さぶり続けている。
 
角度を変えてみた感想
 
本作は、日常の描写の延長線上から未来と過去を俯瞰する映画だと感じた。現代社会における「幸福」と「生きる意味」を哲学的に問いかける作品ではあるまいか。
 
平山の暮らしは、物質的な豊かさではなく、日々の小さな楽しみや自然とのふれあいによって成り立っている。これは、エピクロス哲学の「必要最小限の快楽による幸福」に通じる。彼は外的な成功や過剰な欲望に執着せず、音楽や読書、木漏れ日といった些細な喜びを享受する。これは、現代の消費社会に対するカウンターパンチだ。

平山は世間の価値観に流されることなく、「いま・ここ」に集中しながら生きている。その態度は、「死を意識することで本来的な生を生きる」というハイデガーの思想とも共鳴するだろう。平山は過去や未来に囚われるのではなく、「今日」という日を淡々と、しかし豊かに生きる。その姿勢に心が動くのは幸福も豊かさも実はすでに目の前にたたずんでいるという深い海底からの響きのように感じるからだ。
 
平山のように、
一つ一つの瞬間を丁寧に生きることで、
人生そのものが美しくなるのかもしれない。
 
もし鑑賞したら、気になる三冊の本が出てくるはず。
それが下記の三冊です
 
『野性の棕櫚(The Wild Palms)』 - ウィリアム・フォークナー 著
フォークナーのこの作品は、日本でも翻訳されており、原題 The Wild Palms に基づいて『野性の棕櫚』として知られています。訳者は時期や版によって異なる場合がありますが、例えば岩波文庫版では大橋健三郎による翻訳があります。映画では英語版が登場しますが、日本語版も広く読まれています。
『イレヴン(Eleven)』 - パトリシア・ハイスミス 著
日本語訳タイトル: 『11の物語』
この短編集は、日本では『11の物語』として翻訳されています。早川書房から刊行された版があり、ハイスミスのサスペンスフルな短編が楽しめます。特に劇中で言及される「The Terrapin」は「テラピン」として日本語でも読むことができます。翻訳は佐々田恵によるものが一般的です。
『木』 - 幸田文 著
新潮社から刊行されています。幸田文のエッセイ集として、そのままのタイトルで親しまれています。映画でもこの日本語版が登場し、平山が読む姿が映し出されます。
映画の中で平山が手に持つ本の表紙を思い浮かべながら、これらの作品に触れてみるのも一つの楽しみ方だと思う。
 

何かがおかしい おみそん イケる

あなたは、「おみそん」を知っていますか?

おみそん(別名:下念司?)は、「おみそちゃんねる」を運営する日本のYouTuber。「世界どん深闇ニュース」というメインチャンネルを軸に活動している。

ジャンルは、都市伝説、政治、オカルト、スピリチュアル、時事問題、社会の闇などを考察。なんといってもそのいで立ちが怪しい。もしかしたら、人によっては拒否反応もあり得る。てか、僕はへライザー総統から巡り巡っておみそチャンネルを見つけたので、すんなりと受け入れられた。異端は元々好きなので(笑)
 
そのいで立ちとは、まず、左右違う色彩のロングヘアに派手なニット帽。そして長い顎髭がトレードマーク。独特の語り口とユーモアを交えたトークで、シリアスなテーマを軽妙に解説するスタイルが人気なのである。
 
ただ、「ちくわ」とか「ブタゴリラ」といった隠語が溢れているので初めての方は戸惑うだろう。でも、大丈夫。大体話の流れで察しはつくし、どうしても?であれば、「おみそん 〇〇〇」とググれば丁寧な方もいて隠語解説も見つかるのだ。ご安心を。それにしてもこの隠語解説は今回の書籍に書いてほしかった。しかしなぜか皆無だった。
ザっとコンテンツの特徴をまとめてみる
  1. テーマ
    • 世界の陰謀論や都市伝説(例: エプスタイン島、ワクチン、地震など)。
    • 政治・経済・社会問題に対する独自の視点での考察。
    • オカルトやスピリチュアルな話題も扱い、不思議な事象を深掘り。
    • 時事ネタをタイムリーに取り上げ、視聴者に「やっぱり何かがおかしい」と感じさせる切り口を提供。
  2. スタイル
    • 話し方はコミカルで親しみやすく、毒舌やユーモアを織り交ぜつつも、情報には裏付けを重視。
    • 視聴者に考えるきっかけを与える問いかけや視点が特徴的。
    • 動画のエンディングでは、「コンギョ」を基にした替え歌を流すなど、ユニークな演出。
  3. 視聴者層
    • 主に男性だろう。考察系コンテンツに興味を持つ層に支持されている。
    • 海外の陰謀論や社会問題に関心がある人にも訴求。
チャンネルの魅力と評価
  • 魅力 サムネイルやタイトルが目を引き、内容が充実しているため「つい見てしまう」また、難しい話題を分かりやすく、かつ面白く伝えるスキルが高い。
  • 評価 一部では「陰謀論を扱うため信憑性に疑問がある」と批判されることもあるだろうが、コメントからは「視点が新鮮」「考えさせられる」と好評。Xでの投稿からも、続けることの大切さや覚悟を説く姿勢が支持されている様子が伺える。
  • 活動の幅 YouTube以外にも執筆活動を行い、2025年2月に徳間書店から「やっぱり何かがおかしい」を出版するなど、マルチに活躍。ちなみに中目黒のライヴに行こうと思ったが瞬殺で席は埋まった様子。

「やっぱり何かがおかしい」との関連
おみそんはYouTuberとしての活動を通じて培った?考察力を活かし、書籍「やっぱり何かがおかしい」を著した。この本は、彼のチャンネルテーマである「メディアの裏側」から始まり、「偏向報道」「ニューメディアとオールドメディア」そして「都市伝説と陰謀論」に関しても自説を説いた。YouTubeでのトークをさらに深めた形なのでぜひご存じの方は一読されたい。ちなみに見たくはなかったが、彼のグラビアとか思わぬ付録も付いている。クスっとしながら全部見た。
 
情報過多の現代で考えるきっかけを与える存在として注目されているな、と感じた。Naokimanが正統派であれば、おみそんは異端派だが、いつの時代も異端が世界を切り開いてきた。
 
異端者、つまり主流から外れた考えを持つ人々や行動を取る人々が、革新的な変化をもたらしてきた例は多い。NETFLIXで話題になっているが、「チ。」もそうだ。

当時支配的だった地動説を否定し、地球が太陽の周りを回るという天動説を支持したガリレオは、教会や学界から異端とみなされた。しかし彼の主張は後に科学革命の礎となり、近代天文学の基盤を築いた。

マルティン・ルターもそうだろう。カトリック教会の腐敗に異議を唱え、95か条の論題を発表したルターは、宗教改革の火付け役となった。当時は異端とされ追放されたが、これがプロテスタント運動の始まりとなり、ヨーロッパの宗教や社会構造に大きな変革をもたらした。
 アラン・チューリングも当時の社会規範から外れた存在だった。彼の同性愛は異端視され、法的に迫害されたが、彼の理論は現代のコンピュータやAI技術の基礎となり、世界を変えたのだ。

歴史を見ると、異端とされた人々はしばしば既存の枠組みに挑戦し、それが結果的に新しい視点や技術、社会的進歩を生み出してきたことが分かる。
 
ただし、これは「すべての異端が正しい」という意味ではない。異端の中から真に価値あるものが後世に認められるケースがある、ということ。

おみそんはたぶん、後世に認められるだろう。
興味があれば、ぜひ一度動画を覗いてみてほしい。

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人間関係リセット後に襲い掛かる「不安」に関して

コネクトとリセット
孤独と後悔の狭間で心は揺れたりするのだろうか?
「もう誰とも関わりたくない」「すべてをリセットして新しい自分になりたい」そう思って、人間関係を思い切って断ち切ったものの、ふとした瞬間に押し寄せる不安や孤独感に苦しむことは十分にありえる。
前回は「人間関係リセット症候群!?って何?」というテーマで書いてみたが今回はその続編となります。

「人間関係リセット症候群」は、ストレスや対人疲れを軽減するための一時的な手段として選ばれることが多いものの、リセット後に心が軽くなるとは限らない。むしろ、「この決断は正しかったのだろうか?」と自問自答し、不安や焦燥感が増してしまうこともあるだろう。特に、周囲とのつながりを一切絶ってしまった場合、心の支えを失い、孤独感がより深まることも。
なぜ、人間関係をリセットした後に不安が募るのか? その心理的要因と、不安を和らげるための対策について今回はズームを当ててみたい。

人間関係リセット後に襲ってくる「不安」

人間関係リセット症候群の特徴として、突然すべてのつながりを断ち切ることが挙げられる。しかし、リセットした後に「本当にこれで良かったのか?」と不安を感じるケースも少なくないと思う。やはり今までの関係性においても悪いことばかりではなかったという後悔の念もあるだろう。
リセット直後は解放感を覚えるかもしれないが、その後時間が経つにつれて、「ひとりになってしまった」「今後どうやって生きていけばいいのか」といった焦燥感や孤独感が募ることは十分にありえる。

不安感が増す主な要因

① 社会とのつながりを断ったことによる孤独

人間関係をリセットすると、当然ながら周囲とのコミュニケーションが途絶える。その結果、孤独を感じる時間が増え、次第に「自分はひとりぼっちなのでは?」という不安が募ってくる。パートナーがいたり、他にも友人がいればいいのだが、完全な孤独には太刀打ちできない。それに比べてネットでの関係性は希薄だが、ココロはリアルに記憶を保持する。

② 未来への漠然とした不安

「これから新しい人間関係を築くことができるのか?」という疑問や、「次にまたリセットしたくなったらどうしよう」といった将来への不安が生じることがありそうだ。人付き合いに苦手意識を持っている人ほど、新たな関係を築くことに対する恐れが強くなる。

③ 仕事や生活に支障が出る可能性

例えば、職場の人間関係を突然リセットしてしまった場合、仕事上のやりとりが難しくなり、結果的にストレスが増す。ましてや家族や友人との関係を断つことで、いざという時に頼れる相手がいないことに気づき、強い不安を感じることもあるだろう。時間は止まったままでなく、栄枯盛衰。誰もが老化するからだ。
 

リセット後の不安感を和らげる方法として

① 小さなつながりを持つ

すべてをリセットするのではなく、「本当に信頼できる人」とのつながりを少しでも残しておくことが大切だ。完全に孤独にならず、必要なときに支えとなる関係を確保することで、不安感は軽減する。その小さなつながりを保持する意味でも定期的に会ったほうが気分転換も含めて前向きになる。ココを面倒くさい、と感じてしまった時には実際に会わなくとも電話やメールでもつながりは保持できる。

② 新たな趣味やコミュニティに参加する

リセット後の不安を軽減するためには、新たな環境に身を置くのも一つの方法。趣味のサークルやオンラインのコミュニティなど、気軽に関われる場所を探してみるのも良い。ただメジャーなSNSではなく、セグメントされた世界でやりとりできるようなものがいいと感じる。例えば「30代 映画 コミュニティ」とか、「50代 登山 コミュニティ」とかでググると意外と健全なネットサークルはみつかるもの。

③ 専門家に相談する

少しハードルが高くはなるが、不安感が長期間続く場合は、カウンセラーやメンタルヘルスの専門家に相談するのも効果的だ。自分一人で抱え込まず、適切なアドバイスを受けることで気持ちが整理されることはある。相手は「不安のプロ」だと思って一回だけと決めて行ってみるのもいいだろう。

うつ病の可能性

人間関係リセットと「うつ病」の関連

人間関係リセット症候群は、しばしば深刻な心理的な影響を引き起こす。特に、リセット後に感じる「孤独」や「社会的な疎外感」は、うつ病を引き起こす要因となることがある。人は社会的なつながりがあることで安心感や安定を感じ、心理的なバランスを保っているが、このつながりを突然断つことで、感情的な不安定さが増し、うつ病のリスクが高まるのだ。

うつ病に至る過程

リセット直後は一時的に解放感を感じるかもしれないが、時間が経つにつれて精神的な不調が少しづつ現れてくる多い。特に、リセット後に社会的孤立を感じるようになると、次第に以下のような症状が現れやすくなるという。

① 持続的な悲しみや空虚感

人間関係の断絶によって、以前のように「誰かと話したい」「誰かに頼りたい」という感情がわいてくるのだが、その一方でその欲求が満たされないことから、やがて持続的な悲しみや虚しさを感じるようになる。これが長期間続くと、うつ病の兆候となる可能性が出てくる。

② 自尊心の低下

過去の人間関係のリセットが「自分がうまくいかなかった証拠」だと感じてしまうと、自己評価が低くなり、自己肯定感が失われる。自分に対して否定的な感情が強くなることで、うつ病が進行することがある。

③ 生活意欲の減少

うつ病の特徴的な症状として、興味や楽しみがなくなり、日常生活に対する意欲が失われる。リセット後の孤独感や不安から、外出することや人と会うことに対して嫌悪感を抱くようになると、生活全般に支障をきたしてしまう。仕事上このような方と接する機会は沢山あるのだが、ある程度共通して言われることは、「なんかおかしい」と自分で自分の異常がわかるようなのだ。ため息の頻度や身体的疲労感含めてカラダとココロが重だるくなったら、遠慮せず一回だけメンタルヘルスへ飛び込む方がいい。ただ、薬の服用に関しては慎重に。

うつ病を予防するために

① 生活リズムを整える

とにかく、好きなものを沢山食べて、グッスリ寝る事。その後に基本的な「早寝・早起き」の習慣に変えていくという流れ。そのうえで、リセット後に完全に一人でいることは心の健康に良くないため、少しずつでも信頼できる人との関係を再構築していくことからはじめてみる。無理に大勢とつながろうとせず、あくまでも少人数での交流を大切にするんだ、という意識をもって。少しつっかえたら、また好きなものを食べて寝る事。

② カラダを動かす

ココロを変えよう、とは思わなくていい。まずは日常生活でのちょっとした動きを積極的にやってみる。食欲、睡眠欲は満たされているので、あとは運動。いちいちウェアに着替えなくてもいいので、普段着でサクッと外にでる。近所の公園や遊歩道を20分から30分ただ歩く。ポイントは何も持たない事。特にスマホ。「もし何かあったら困る」などと考えずに手ぶらで周りの風景も一緒に楽しむ気持ちで外に出る。そして、うつ病の予防には、自己肯定感を高めることが必要なので、自分を責めたり、過去の失敗を引きずったりしないように心がけ、前向きな思考で歩く。

③ 書く

なんでもいいので、書くこと。リセットについても客観的に自分を見つめて語りかけるように書いてみる。でっかい無地のノートに絵でも、詩でも感想でも、日記でも、なんでもいいので書くこと。重要なのは「手書きで書く」ということ。そしてセルフクエッションとして、自分自身に質問しながら書いていくと案外思っても見なかった自分が見えたりして面白い。

ストレスやパニック症の関連

人間関係リセット症候群が引き起こすストレスの増加

人間関係を突然リセットすることで、一時的には解放感を得られるかもしれないが、リセット後に孤独を感じたり、新しい環境に適応するストレスが増すこともある。このような別角度からのストレスが蓄積すると、精神的な不安定さが増し、最悪の場合、パニック症やその他のストレス関連障害を引き起こす可能性も出てくる。
人間関係のリセットは、「問題からの逃避」として行われることが多いため、根本的な解決にならず、時間が経つにつれて新たなストレスが発生することがあるのだ。

ストレスが増大する原因

① 孤独による心理的負担

人は社会的な生き物であり、適度な人間関係があることで安心感を得られる。しかし、人間関係をすべてリセットすると、「誰にも頼れない」「誰も自分のことを理解してくれない」と感じやすくなり、強い孤独感がまたまたストレスとなる。

② 新しい環境への適応負担

リセット後に、新たな人間関係を築こうとした場合、「またうまくやれるのか?」という不安やプレッシャーがかかり、これが更にストレスになり、次第に人付き合いそのものが苦痛になってしまうこともあるから要注意だ。

③ 自己否定の感情

「自分は人間関係を続けることができない」「また同じことを繰り返してしまった」という自己否定の気持ちが強まると、ストレスが増大し、さらに心が不安定になり、負のサイクルへ入ってしまう。この状態が続くと、対人関係への恐怖心が強まり、孤立は益々深まってしまうことになる。

パニック症との関連性

人間関係リセット症候群によるストレスが慢性化すると、パニック症(パニック障害)を引き起こす可能性も出てくる。パニック症とは、突然の強い不安や恐怖を感じ、動悸・息苦しさ・めまいなどの身体的症状を伴う疾患だ。

パニック症の主な症状としては、

  • 突然の強い不安感
  • 動悸・息切れ
  • めまいやふらつき
  • 発汗や震え
  • 胸の痛みや息苦しさ
  • 死の恐怖やコントロールを失う感覚
人間関係リセット症候群の影響で孤独や不安が強まり、慢性的なストレスが続くと、自律神経が乱れ、これらの症状が引き起こされることがある。

ストレスやパニック症を防ぐ方法

① ストレス発散の方法を見つける

人間関係をリセットした後のストレスを和らげるために、自分に合ったリラックス法を見つけることが重要だとよくいわれる。例えば、前述した運動、趣味、瞑想など、心を落ち着かせる活動を習慣化すると、ストレスの蓄積を防ぐことができると。ただ、その反面、ストレスはある程度必要なのでそのストレスを上手く踏み台にすればいい、という意識も大切。ストレスを意識するとろくなことにならない。生きている限りストレスは一緒についてくる。なのでストレスは親友だと思うことも手

② 一人の時間を楽しむ

先ほど書いた、「書くこと」は一人で誰も居ない空間で行う。リセット後の孤独感を和らげるために、「一人の時間を充実させる」工夫として、完全に一人きりの空間で「書く」こと。そして読書感想や映画感想、カフェ巡り記録など、自分だけの楽しみを持つことで、孤独を前向きに捉えられるようになればしめたもの。

③ 無理のない人間関係を築く

「つまらない」「やだね」「疲れた」などを自然に言える人間関係ほど楽なものはない。人間関係をすべてリセットするのではなく、「自分が安心できる関係」だけを残すということはそんな関係性だと思う。そもそも負担のある交流がおかしいのだ。心がけることは「自然体」ストレスと共存して適度な自然なつながりをゆっくり、まったり作っていけば良いと思う。

まとめ

人間関係リセット症候群として書いてきたのだけれど少し話がズレたかな。このように一時的にストレスを軽減する手段はいろいろとある。それにしても見方を変えれば、リセット後の孤独感や新しい環境への適応負担なんかも振り返ってみれば貴重な学びだったりする。こんなこと書いていいかどうかよくわからないけど、(書いてしまうけどね)心の不調を引き起しても、ストレスが慢性化しても、いいや、と思ってしまうと強くなる。パニック症でもなんでも来やがれ、みたいな。覚悟を決めて自分と向き合うと自然と自分に合ったストレス管理法がみつかるかもしれない。自分の心のケアは自分でしかできないけれど、サプリのように他の人の言葉も栄養になったりするから。