- はじめに -
本を読んで筆者に媚を売る記事シリーズです。
「人工知能プログラミングのための数学がわかる本」という書籍を筆者の石川 聡彦(Aidemy)@akihiko_1022さんから譲り受けました。
- 作者: 石川聡彦
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/02/24
- メディア: 単行本
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明日2/24発売ですが、筆者である石川さんがCEOを務めるAidemyさんと人工知能、機械学習のイベントにてご縁があり頂く形になりました。
そもそもAidemyは、Python及び機械学習のための知識と実装に関する学習を行えるWebサービスです。
似たサービスではUdemy(https://www.udemy.com/jp/)というアメリカのサービスがかなりのシェアを誇っています。
Aidemyは後発ですが、丁寧な日本語解説と内容の質の高さから、機械学習界隈でも「Aidemyは良い」という声を聞く程優良なサービスです。
こういった初学者向けのサービスの僅かなミスを論う意地の悪い界隈でも評判が良いのがすごい。
私自身も最初のコースだけやりましたが、よく出来たWebエディタと正しい導き方を見て素晴らしいなと思いました。
筆者がそのAidemy CEOの石川さんという事で、丁寧な導きと潔い切り口で書かれた本でした。
- どんな人が読むと良さそうか -
個人的には以下のような人にオススメです
- 機械学習の研究室に入りたい、研究をはじめたい
- 機械学習の論文が読みたい
- 機械学習における数式を噛み砕いて理解したい
- 高校、大学数学の知識を呼び戻したい
- これからMLPシリーズや高レベルな書籍を読む
とにかく「機械学習の研究室に一冊あるとめっちゃ捗る」。
これだけは間違いなく声を大にして言えます。
研究入門として素晴らしい構成です。
以下書籍の雰囲気です。
本当に高校数学から大学における確率、線形代数までこの優しさで解説されているのでGoodです。
対して「機械学習を業務でやる」「データサイエンスの知識が欲しい」人には直結して学習効果の高い本ではなさそうです。
直結して効果が薄い、というのは実際の業務や実装では「これくらい知ってて当然」という場合が多々あると思われるからです。私の知っている機械学習エンジニア各位なら、10分で読了して、内容に準じた小テストまでこなせるでしょう。
ただそういった人達でも、自分の復習と理解の落とし込みのためであればかなり良い書籍であるという事は間違いないと思いました。
加えて「数学、線形代数をより理解したい」という人は満足できないでしょう。高校、大学数学の基礎から、機械学習への導入の持っていき方が素晴らしい書籍であって、定義を明確に数式を展開していくものではないです。
- 書籍の良かったところ -
前述の通り、高校、大学数学の基礎から、機械学習への導入の持っていき方は非常に滑らかに感じました。
数学といっても本当に2次方程式、平方根、指数関数といったレベルから説明が入ります。
三角関数、集合、行列、ベクトル、確率、…と進み総復習のような形です。
それらの説明に対し全ての節に「人工知能ではこう使われる!」という説明が入っています。
これがなかなか一般的な書籍にない所で、「この為に勉強してるんだ」という実感が持てる所が、入門書としての格を上げています。
また、数式内にも色や線を利用して丁寧に解説が挟まれていたり、イメージの図もより優しい表現が使われています。
機械学習の仕組みを読み解く上での基礎となるワードが配置されているかつ、実際の機械学習に使われる箇所まで説明される書籍というのはなかなか無く、研究をはじめる前に読んでおくことで他の少しレベルを上げた書籍が一気に読みやすくなるでしょう。
そういった点からタイトルを「機械学習研究入門として良さそう」としています。
加えて、最後の章では実際に「Boston Housing Dataset」「青空文庫」「MNIST」といった入門向けデータセットを利用してデータ分析、自然言語処理、画像認識の実体験を進める事ができます。
これらもコードがGithubで見られるようになっており、実際に学んだ知識を使いながらスムーズに体験できる所が最も素晴らしい所だと思います。
あと以下の記事の時にも書きましたが、こういった書籍のコラムは本当に良いです。
「機械学習界隈で使われるワード」というのは意外と外に出回るものではありません。
機械学習界隈の人間同士の会話の中で自然に出てくるワードの知見が得られるのも書籍の良いところだと改めて感じました。
- 書籍で足りないところ -
導入までが素晴らしい書籍ですが、「じゃあこの本で得た定義で機械学習の研究室や勉強会でドヤ顔できるか」と言われたらできないでしょう。
最終章でDeep Learning、ニューラルネットワークと誤差逆伝播法、勾配法をピックアップしてより詳しく説明していますが、それでもさらに話を進めて研究レベルに持っていくには一歩足りないイメージです。
ただ「連続とは何か」みたいなレベルから書いていたら辞書みたいなサイズになってしまうので、どこかで情報を切らないといけない訳ですが、そういう意味では潔い書籍であるとも言えます。
さらに深く学ぶにはより専門的な書籍を探しましょう。
(これはつまり「この後Aidemyをやれ」という事なのかも…)
個人的にはこれ以上批判すべき所がなく「面白くねえな…」「これ普通に高専で研究始める前とかに読みたかったわ…」となりました。
- おわりに -
「松尾豊氏推薦!」という強めのワードと、なかなか可愛い表紙が特徴的な一冊です。
あと姑息な宣伝ですが、そんなAidemyの石川さんと私が登壇するMANABIYAというイベントがあるらしいです。
石川のハンズオンは既に満員みたいですが是非私の与太話を聞きに来て下さい。
manabiya.tech
今回Aidemyのステッカーも貰ったので、さらに媚を売るためにPCに貼った写真で終わりにしたいと思います。
普通に研究室や会社に一冊あると、ふとした時に復習できる良書籍だと私は思いました。
- 作者: 石川聡彦
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/02/24
- メディア: 単行本
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- 作者: 石川聡彦
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 中経出版
- 発売日: 2018/02/24
- メディア: Kindle版
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