2019年 06月 28日
Repair / RUCKSACK |
いまから6年前に初めて作ったリュックサックが、クリーニング・修理で帰ってきました。
こちらは、2018年文化功労者に選ばれた詩人の高橋睦郎先生からのご依頼で製作させていただいたものです。
とにかくハードユースを念頭に置き、実用性と強度を重視して布部分には撥水加工を施した現行品のコットンキャンバスを使用し、
その分、革部分に深みを持たせたくて、アメリカの60年代のオイルドレザーを組み合わせて作ったリュックサック。
6年間毎日のようにお供をして、そのダメージはいかほどか・・と少しドキドキしましたが、
しっかりと使い込まれて布の色がフェードし、革が飴色に深まったその姿は貫禄を増していて、安堵と共に充足感を覚えました。
使い込まれたカバンを眺めていると、持ち主の体型や癖がアタリとなって現れ、その人がそこに在るような気配を感じます。
自分の手仕事で作ったカバンが、日々の道具として当たり前に役目を果たし、その人とともに生きていることに喜びを感じながら、
擦れて傷んだり弱っている部分に手を加え、さらにこの先もお仕えできるようにメンテナンスを終えて、あらためて送り出しました。
by uto-new
| 2019-06-28 21:47