ホテル鳩子ちゃん Japan story
確かこの題名の歌が米米クラブです。
会社に入社した時に同じ部署でラブラブのカップルがいました。たかしとみどりちゃんでした。彼らは高卒だったので先輩なんだけど、2つ年下のカップルでした。すごく仲のいい二人で、同じ部署なんで,なんだかほのぼの~って感じで見てました。
彼らはバイクが好きで二人とも400ccのバイクに乗ってよくツーリングにも行ってたようです。何度か一緒に行ったこともありました。
ある日、たかしが遅刻をしていました。10時くらいだったと思います。会社にたかしが事故をしたという連絡が入りました。
たかしは大型トラックに巻き込まれて即死の状態でした。
みどりちゃんは完全に乱れてしまい皆で病院へ直行しましたが、安らかな表情で眠っているたかしを直視はできませんでした。
それからというもの、みどりちゃんの落ち込みようは半端ではなく、みんなでワイワイと盛り上げて元気を出していこうって感じで10か月経つと普通にたかしの話題もできるようになりました。
そのころ俺は大学時代の彼女 Cちゃんと続いていましたが、妹のような存在のみどりちゃんと遊ぶ機会も増えていました。でも女性と見るような感情は全くありませんでした。
もう少しでたかしの命日を迎える前日の10月27日に俺とみどりちゃんは広島へドライブへ行きました。なんてこともないドライブでした。原爆ドームへ行って、宮島観光して車のBGMが冒頭の米米クラブのアルバムでした。
広島へ行ったこともありホテル鳩子ちゃんの歌で盛り上がっていました。
その帰りに
みどりちゃん「今日はありがとう。たかしが亡くなってからほんとにみんなに助けられたよ」
俺「うんうん」
みどりちゃん「UNにもいっぱい遊んでもらって落ち込む暇もなかったしね」
俺「うんうん。命日過ぎたらまた新しい恋でも探してみたら。まだ22歳なんだし」
みどりちゃん「そうだね。なんだかね、気になる人もできちゃったんだ。」
俺「そうなの! 良かったね。ほんと良かったよ。知ってる人?」
みどりちゃん「あーそうね、米米クラブが好きな人だったっけ」
俺「????」
ここでみどりちゃんの家に到着です。
みどりちゃん「UNだよ。じゃね、バイバイ」
俺「????」
俺はよく言われるんだけど、女心が全くわからん男らしいです。よくお前あいつのこと好きだろうって意識してないのにいわれてました。
そうなんです、いつの間にか好きになっていたんです。一人になってしみじみと鈍感な男と後悔しつつも、好きになってくれたことがうれしくてうれしくて。
そしてたかしの命日の夜に電話がかかってきました。
「みどりちゃんが事故った!!」
法事が終わって帰ったら電話するって約束をしていました。あとからご両親に聞くとかなりスピードを出していてカーブが曲がり切れなかったらしいです。
彼女はICUで24日間がんばりましたがついに目を覚ますことはありませんでした。
初めてご両親に会った時に言われました。
「あなたがUNさんなのね。みどりがいつもあなたの事を話をしてたのよ」
それからというものの俺の落ち込みようは半端ではなく、俺がみどりちゃんを好きになった瞬間に、たかしはあの世からみどりちゃんを呼んだんだろうなって思っています。。。。
そして、みどりちゃんの後任として会社に入ってきたのが今の俺の妻でした。