「朝のリレー」
カムチャッカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球で
いつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交換で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ
谷川俊太郎さんがお亡くなりになりました。
何と淋しいことでしょう。
「朝のリレー」はことのほか好きな詩でした。
2024.11.13 没
そして今日、俳優の火野正平さんの訃報が届きました。
同世代。かっては、芸能界きっての女たらしと呼ばれたことも。
NHK BS 「日本縦断 こころ旅 ・・・ とうちゃこ」では、
自転車に乗って全国各地を走りました。
視聴者からのお手紙に沿って、
ほのぼのと良い番組でした。
今は代役の方が務めていますが、
火野正平さんの復帰はかないませんでした。
淋しくなったなぁ。
ほんとに淋しいわ。
2024.11.14 没
「ふたりゆけど ゆき過ぎがたき秋山を いかにか君がひとり越ゆらむ」
大津皇子が都へ戻るときに、斎宮だった姉の大伯皇女が詠んだ歌
当時、秋山という言葉は「死」を意味していた。
hibari
2024.11.20