レアハナダイ~カシワハナダイ
ピンクボディに細い赤色の短い帯が描かれたハナダイ、青白く染まった尾鰭上下葉が綺麗になびいて綺麗ですよね。
カシワハナダイです🐟
南方の海では普通種ですが、こっちの海でもレアハナダイとしてちょくちょく遭遇します。
アカオビハナダイ、キンギョハナダイ等のこっちの海の定番種ハナダイと混泳する形での遭遇がメインとなります。
取り分けこのカシワハナダイのここ数年の遭遇率の高さは目を見張るものがあり、何年か経ったらロコ魚化するんじゃないかって程です。
カシワハナダイ幼魚🐟
黄銅色のボディを囲むように背鰭尾鰭が赤、見慣れてしまえば百匹の群れに一匹で混ざっていても遠目で気付ける位浮き立ちます。
幼魚に関しては、
ちょくちょく見掛けるこのカラーの個体。
幼魚期の色彩に2系統あるなんて他のハナダイには余り見られないパターンなんですが、何なんでしょう。
フォルム的にどう見てもカシワなんですけど、全体に単色だし、うーん。
このタイプに遭遇する度、をかしさを感じてしまいます✨
これ位のステージが一番多く遭遇しますね。
ちょっと育ったこの辺のステージ⇩
個人的には一番美しい気がします。
背鰭の前端に紫の色が出れば立派な成魚🐟
こうなると、愛らしさは失せてカッコイイ系ですね。
♂の婚姻色はボディのピンクを背鰭から背部を跨いだ尾鰭までの赤で囲います。
どんなに遠目でも視界に入りさえすれば気付けるって位ド派手です。
なんですが・・・
近付いて囲んだりパシャパシャしていると当然褪めていくので、この二枚目の写真のように中央の赤い帯がみるみる消えていってしまいます。
婚姻色バキバキだと背部と顔の下が青白く輝くので滅茶苦茶綺麗です。
産卵行動真っ最中の♂は更に背部の青みが増し、ボディも茶み掛かるのでかなりイカツイです。
この状態の写真は、近付いて色が褪せてしまうのと激しい動きの中でのピント合わせっていう二大問題に阻まれてまだ撮れてないです💦
タイミングが合えば狙えない訳じゃないので、皆さん是非遭遇時には意識してみて下さいね。
レアハナダイ~ケラマハナダイ
定番種ハナダイでないハナダイの仲間達を一括りにしてレアハナダイなんて呼び方をしたりします。
これは種としてレアであるかどうかよりも、その地域での遭遇が稀であるかどうかが基準になる相対的な言葉なので、その海によってどの種がレアハナダイに当たるかは変わってきます。
なのでここで言うレアハナダイは伊豆・房総の海において遭遇の少ないハナダイの仲間達という事になります。
さて。こっちの海の定番種アカオビハナダイのコロニーに遭遇するとしばしばこんな魚が混ざっています⇩
パッと見でアカオビハナダイの幼魚に見えちゃう方もいるかもしれませんが、コレ、ケラマハナダイの幼魚です🐟
単色ボディに尾鰭上下葉先端の赤。
確かにそこだけ見るとアカオビとどう違うのってなりますよね。
では、この二種を並べて見てみましょう⇩
一枚目がケラマ、二枚目がアカオビです🐟
よく言われる尾鰭上下葉の赤が鰭膜の先で繋がっているかどうかを基準にする判別だと、ちょっと判断し兼ねちゃいますよね。
じゃぁ、見分けが付かないかと言われたら全然そんな事はなくて、明らかに体色が違って見間違いようがないですよね。
目を凝らさなきゃならないような細かい判別基準を持とうとしなくても体色がそもそも違い、ボディの単色、特に背中側が黄み掛かっていればケラマ、ピンク掛かっていればアカオビです。
アカオビはパッと見でもボディのピンクに鱗模様が入るので、繰り返し見てこの姿に馴染んでしまえば、混泳種がアカオビのコロニーにいても直ぐに気付けちゃいますよ。
♀の成魚とそのコロニー🐟
雌性先熟なのでいずれであれ♀なんで、基本的には幼魚相と大差はないのですが、ボディの黄み掛かったところの透明感がなくなってクリーム掛かってきます。
そして性転換後の♂相はコチラ⇩
中心が湾入しない扇型の尾鰭は赤く染まり、♀時には赤だった上下葉の先端がブルーになります。
背鰭に入る赤色斑もよく目立って綺麗ですね。
10年前には考えられない事でしたが、今では♂のコロニーまでこっちの海でも見られます。
となると期待したいのはハナダイを楽しむ上で欠かせない求愛シーンですが、これも狙えますよ。
発色を強くした婚姻色個体はボディが茶色み掛かり、背部と腹部が白くなります。
二枚目の写真の方が婚姻色の色具合は分かり易いですかね。
こっちの海でケラマハナダイがコロニーで見られ、且つその求愛シーンまで追えるなんて、以前では考えられない事でした。
なので皆さんも是非、コロニー遭遇の際は婚姻色バキバキの♂相と♀が絡み合う求愛シーンを狙ってシャッターを切ってみて下さいね。
定番種ハナダイ~スジハナダイ
「おぉ、滅茶苦茶美しいレアハナダイ発見!」
そう思ってマスク越しながら目をこすって二度見してしまう程に美しいこのハナダイに本日はスポットを当ててみます。
ところでこの魚は皆さん御存知ですよね。
何度も遭遇して馴染み深いでしょう、スジハナダイの♀🐟
若干オレンジ掛かった黄色ボディに赤い一本ラインがよく目立つ岩礁域に棲むハナダイです。
幼魚期は他のハナダイ同様岩陰を好み、成魚♀よりも赤ラインが太くズドンって感じに描かれています。
(探してみたら真面目に撮っている幼魚写真がなかったです。今度どっかで撮り直そっと💦)
このスジハナダイも他のハナダイの例に洩れず雌性先熟で生まれた時には全て♀。
では♂になるとどんな感じかというと、
なだらかなカーブを描いていたおでこが変化し、背中からおでこへのラインがカクンと落ちるような感じに頭の上が張り出します。
胸鰭以外の各鰭周りの青みが強くなり、背鰭第三棘も若干伸びます。
他のハナダイよりも♂化の説明がややこしいですね。
そうなんです、このスジハナダイは他のハナダイ程大きな体色変化がないんです。
そんなスジハナダイですが、ある域に達すると大きな体色変化を見せてくれます。
それがTOP写真の個体のような、
スジハナダイ♂の婚姻色です🐟
ここでイントロダクションの話に戻るなら、発見も何もあくまでもコイツは皆がいつも会っている魚スジハナダイと実は同種だったんですね、相変化はしているものの。
一番の特徴だった赤いラインは薄れその輪郭を留めるのみになる。
赤・青・黄3トーンで長く伸びる美しい尾鰭。
白・赤2トーンの腹鰭。
喉許とおでことその後ろに入るよく目立つホワイト部。
恐ろしく美しいですね✨
尚且つ、コロニーに君臨する♂の婚姻色個体は何しか他の成魚よりうんとデカイので、遭遇時に直ぐ判る位コロニーのキング感をたっぷり出しています。
絶好調に美しいコイツの婚姻色を観察、撮影するにはコツがあります。
それは・・・
誰かに指し示されるではなく、自身で遭遇に気付く事です。
婚姻色が褪めていっている状態の♂。
婚姻色とは求愛活動で性的に盛っている状態。
なので、ダイバーに張り付かれたり、ライトを当てられまくったりすれば当然その色は褪めていきます。
お分かりですね。
遭遇して直ぐこそが最も美しく、見ている間に撮っている間に徐々にその美しさは落ちてゆくっていうものなんですね。
指されてからじゃもう遅い。
自らで遭遇に気付いて直ぐにシャッターを切る、これこそが婚姻色個体を堪能する一番の秘訣なんです。
コロニーの大小は様々ですが、基本コロニー単位との遭遇が多いスジハナダイ。
今後の遭遇時には、こんな知識の土台を頭に置いて楽しんでみて下さいね。
定番種ハナダイ~ナガハナダイ
岬の先端ディープエリアのエントランスでそこを埋め尽くす程に美しく群れるハナダイ、それがナガハナダイです🐟
とは言え、そこを埋め尽くしているのはTOPの写真のような色目の魚ではなく、
パッと見の印象でキンギョハナダイと見間違う人も多い、オレンジ色のこのボディの魚ですよね。
これがナガハナダイの♀です🐟
全部オレンジのキンギョと異なり、腹鰭の色が違いますよね。
目を閉じて岬の先端深場の光景を思い浮かべて下さいと言われれば、潜った事のあるダイバーの大半がこの光景を頭に浮かべる事でしょう。
正にこの海の代名詞的存在です。
他のハナダイの例に洩れず、雌性先熟で♂化すると全く相を変えます。
これがナガハナダイ♂相🐟
背鰭第三棘が伸び、体色も派手でとっても美しいんですよね。
このナガハナダイの♂については何だか様々な発色のものを見掛けます。
この辺は一体どういうステージなんでしょうかねぇ。
存在感があり過ぎるせいか、これを見てナガハナダイの♂と呼ぶのを偶に耳にしますが、ピンクメインのこのド派手なカラーはあくまでもナガハナダイ♂の婚姻色相のものです🐟
ディープエリアでのレアハナダイ遭遇の王道となるのが、このナガハナダイ♀群との混泳シーン。
このナガハナダイを体色のみならず、動き方やそのシルエットまでしっかりと脳裡に刻む、混泳種の存在に違和感を感じる為にはそこが先ずはのキーとなるんですよね。
2022.05.23~東伊豆・伊豆海洋公園海中世界報告
日曜日、月曜日と連続で潜った東伊豆・伊豆海洋公園🌊
今日はその内の月曜日の海中世界報告をさせて頂きますね。
エントリーして直ぐの浅場。
セダカスズメダイがパクパクと藻を食む光景があちこちで見られました。
泳ぎ出すとそこに広がる水の色は青✨
黒潮パワー炸裂です。
ゴロタ際から始まったおびただしい数のマイワシの群れ🐟
大分沖まで泳ぎましたが、一向に途切れませんでした。
ダイバーが入るエリアよりもっと沖合で回遊する魚の為、案外スキューバでの遭遇は少ないあの食卓に並ぶ魚マイワシ。
その大群に塗れながら泳ぐのはとっても心地好かったですね✨
マイワシ群とキビナゴ群のコラボ🐟
更にカタクチイワシや小っちゃいサバも混ざっていましたね!
たった一日でこうなるの⁉って感じの海中世界。
黒潮効果ってホント絶大ですね🎵
探し物があって当りを付けた場所を見に行ったら・・・
その場所ドンでアオウミガメに遭遇✨
日帰りで遊びに行って野生のアオウミガメと並走して泳げるなんて最高ですよね🎵
ディープエリアでは、
ミスジスズメダイの小群れに遭遇🐟
こっちの海でこの魚が固まっているところに出会すなんて、以前だったらかなりビックリな事ですよね。
海洋公園、ホント凄いなぁ。
そして、イトヒキコハクハナダイにも遭遇🐟
折角のイトヒキなんで、なびく尾鰭を意識して撮ってみました📷
目的のものは発見出来ませんでしたが、目的じゃなかったものに発見の沢山あったIOPでした😄
MEMBER’S PHOTO GALLERY~2022.05.022 東伊豆・伊豆海洋公園③~
日曜日に伊豆海洋公園で開催されたディープトレーニングツアー時のMEMBER’S PHOTOがまたまた届きましたよ📷
今回は動画メインだったにも拘らず、大HIT遭遇の決定的写真を送って頂けました!
それがこのTOP画像の魚、マダラハナダイです🐟
その美しさとレア度の高さからダイバー人気の非常に高いグループであるハアダイの仲間達、その中でも屈指の人気を誇る魚がこのマダラハナダイです。
リクエストも多く、遠からずメンバーの皆さんと一緒に囲みたいと思っていた魚なので、この遭遇報告は嬉しいですね🎵
顔と尾鰭だけ黄色のピンク系キュートハナダイのベニハナダイ♀の写真もありましたよ🐟
遭遇→認識→証拠写真→そしてやがての納得の行く撮影📷
基本的にはそれらのステップがあってこそ、成果は徐々に得られてゆきます。
ですが人の心は、いきなりの認識、始めっからのバッチシ写真等、毎回毎回の分かり易い成果をどうしたって欲してしまいますよね。
だからこそ、分かり易く表に出るような容易い成果が毎回毎回ある訳ではない現実を前にしたダイバーは、新しい方向に幅を拡げる事を遠ざけてしまいたくなるんですよね。
これは楽しみの幅を新たに拡げ出したベテランダイバーがしばしば陥る王道パターンであり、致し方のない事で、時間を掛ける中で得る成果を少しずつ実感しながら、徐々に解消していくしかないものです。
ですが、今回のPHOTOを送って下さったMEMBERは新しい事を投げ掛けるとそれが今の自分の中に有るもの無いものに関係なく、いつでも「へぇ、なるほど」って顔をして何でも吸収しちゃう好奇心爆裂型ダイバー、その成長たるや早い早い💦
全く参ります😅
今回の遭遇もその性分を以て培ってきたものがもたらした❝ならでは❞と言える成果💡
ホント敬服です✨
思うがままに綴っていたらちょっと褒め過ぎになっちゃったかもなのでお小言も一つ!
こんなBIG HIT、次からはちゃんと皆にも教えてあげましょう。
感動の独り占めは厳禁ですよ😁
さて、動画も送って頂いたので、ラストにそこから切り取った写真も幾つか紹介させて頂きますね🎦
岩礁域ダイビングならではの光景がイッパイ🎵
ちょっと久々になっちゃった伊豆海洋公園でしたが、やっぱし良いですねぇ。
あぁ、もっと潜りたい😖
MEMBER’S PHOTO GALLERY~2022.05.22 東伊豆・伊豆海洋公園②~
日曜日開催だったディープトレーニングツアーでの海中世界を撮ったMEMBER’S PHOTOがまた届きました📷
城ヶ崎海岸の広がる砂地を背景に背鰭第一棘をピンと立てたセミホウボウの写真からスタートです🐟
このエリアならではの柱状節理の岸壁。
IOP海中世界が織り成すダイナミックな光景の礎となるものです。
ディープエリアのコーラル群。
泳いだ先で辿り着く御褒美のような光景ですよね。
コーラルに目を向けた写真かと思いきや、そこに身を隠すシマキツネベラを景色ごと切り取ったものですね✨
ゲッコウスズメダイは背中からの証拠写真に留まったものの、トサヤッコは良い感じに写真に収められましたね📷
こうして写真に残し見返していると、ディープエリアならではのレアモノ達との様々な遭遇も鮮明に頭の中で蘇りますね✨
ベストアングル、ベストショットではなくともシャッターを切り写真に残して見返す事は、短期記憶で果てゆくであろうものを、長期記憶化する為の最も効果的な手段となるので、知識の土台作りの時期にはとっても重要です👍
見慣れたカワハギですが、背鰭第二軟条がピロンと伸びている事に違和感を懐きシャッターを切った写真ですね。
これは♂個体の特徴です。NICE着眼点ですね💡
ネコザメの卵。
仔魚はこの卵の中で約一年掛けて成長した姿になってから海中世界に飛び立つんですよ。
興趣深い無脊椎動物にも色々と遭遇出来たようです。
珊瑚に寄生する貝としてはかなり大型の貝、ウグイスガイ。
滅茶苦茶美しかったジュズベリヒトデ。
近似種のアミメジュズベリヒトデはそれなりに見られるヒトデですが、このジュズベリヒトデはとっても希少種。
LUCKYな遭遇でした🎵
今回のように、海のをかし屋さんのディープツアー参加者には定期的に、安全が高まるよう、そしてワクワクが深まるよう、繰り返しトレーニングに参加頂いております。
懐深い海中世界の感動に際限はナシ!ですもんね😉
MEMBER'S PHOTO GALLERY~2022.05.22 東伊豆・伊豆海洋公園①~
日曜日に東伊豆・IOP(伊豆海洋公園)で開催されたディープトレーニングツアーでのMEMBER'S PHOTOが届きましたので紹介させて頂きますね📷
水深200m~700mの深海に棲む魚ムツ🐟
成長すると1mを超える巨大魚ですが、幼魚の内はぐっちゃりの群れを作り、黄銅色のボディを浅場で佇ませています。
カミナリベラのIP♀相です🐟
あちこちで良い感じに♂♀が絡んでいましたね。
こうなると、いつかは求愛や放精の生態シーンも押さえたいところですね💡
マンボウのクリーニングで知られるチョウチョウウオ科の魚シラコダイが群れ、スジハナダイがコロニーを作るディープエリア。
興趣深い遭遇が色々とありましたね🎵
やけに赤っぽくてボディの点々も目立つのでホシセミホウボウだったりして、なんて期待を寄せたこの個体。
背鰭が3基ではなく4基あるのでやっぱりセミホウボウのようです🐟
「あ、もしかして」とか「あぁ、違うかぁ」とかあれこれ考えながら潜る事で遭遇って広がっていくんですよねぇ✨
岩礁面の至る所に咲き誇る珊瑚、リュウコツハネウチワの仲間達。
IOPらしい光景です。
そして、
今回のターゲットFISH、2019年に新種登録されたばかりのレア魚ゲッコウスズメダイ🐟
背鰭、尾鰭、臀鰭が黄色く彩られた英名ムーンストーンクロミス、滅茶苦茶愛らしかったですね。
そして届いたMEMBER'S PHOTOのフォルダを開いてみてビックリ!
滅茶苦茶嬉しい遭遇が出来たようですね✨
あぁ、よくいるコウイカの仲間か、で通り過ぎそうなところですが、よくぞここで立ち止まりました。
深場に棲むコウイカの仲間でまだ和名の無いイカ、コウイカSPです🦑
取り敢えず先ずシャッターを切ってみる📷
ネタモノ周遊ではなく、偶然の遭遇に一つ一つをかしさを感じていくスタイルのダイビングにとっての超重要事項、その成果が出ましたね✨
いや、しかし、これは教えて欲しかった、いいなぁ😣
2022.05.22~東伊豆・伊豆海洋公園海中世界報告
昨日は東伊豆・伊豆海洋公園で潜ってきました🌊
全体的な透視度も回復した上に、ディープエリアの冷たい潮は真っ青✨
興趣深い遭遇もイッパイありましたよ🎵
その辺の詳細はMEMBER'S PHOTOが届き次第アップしていきますね😉
そして今日も海洋公園、おかわり~😁
IOP楽し過ぎ😆♪
定番種ハナダイ~サクラダイ
真っ赤な体側表面で舞う桜吹雪の模様が美しいこの魚、Sacura margaritaceaという学名にもサクラの文字が入る人気種サクラダイです🐟
欧米から日本に潜りに来るダイバーにとっては日本ならではの魚として非常に高い人気を誇る奴です。
勿論、日本人ダイバーも初心者ライセンスを卒業して深度を取れるようにならないと見られない魚という事もあって人気はすこぶる高いです。
雌性先熟の♀はコチラ⇧
ハナダイとしては高めの体高と、オレンジボディに入る背鰭の黒斑が特徴です。
性転換して♂になると体色は紅白。
顔の辺りのカラーは桜色で、正に名は体を示すですね。
よく群れる魚で大きなコロニーを作るので、ディープダイビングエリアでのコイツの存在感はとても大きいです。
深場の♀の群れには更なるレアハナダイが混ざる事も多く、このコロニーとの遭遇時には非常にワクワクしちゃうんですよね。
求愛シーン。
♂の婚姻色個体は目の上オデコの辺りを白銀の色に染めながら盛んに求愛行動を繰り返すので、♂♀絡んでの遭遇時には期待大、必見です。
キャリアのまだ浅いダイバーにとっては見易いハナダイの代名詞的存在のサクラダイですが、何度遭遇しても飽きの来ないその美しさでベテランダイバーをも魅了し続ける魚、それがサクラダイです🐟
伊豆の海をホームにして潜る甲斐みたいな魚なので、遭遇時には皆さんも是非その美しさを御堪能下さい。
定番種ハナダイ~アカオビハナダイ
伊豆の海中世界で最も多く見掛けるハナダイと言えば勿論キンギョハナダイなんですが、砂泥質エリアになると急に多くなるのがこの魚、アカオビハナダイです🐟
♀個体の特徴はこの独特の淡いピンクボディです🐟
尾鰭上下葉先っちょの赤も特徴の一つではありますが、
上下葉の赤がケラマハナダイ♀のように鰭膜の縁全体で繋がる個体もちょくちょくいるので、体色判別の方が遠目でも判るし確実です。
ボディ中央に入る太い帯状の赤で存在感を放つ♂。
アカオビハナダイという名はこの♂個体の赤色帯に由来するものなんですよね。
♀から♂への性転換中の個体はこんな感じです。
婚姻色を発した♂は後半身が黄色に染まり、背部が白くなります。
初夏から中秋の頃が繁殖期なので、この時季に♂個体と遭遇したら求愛行動を目の当りにするチャンスです。
♀個体のコロニーを見掛けたら「あ、アカオビの♀群だ」で終わらずに、ちょっとアンテナを張り巡らせてみてください。
混泳するケラマハナダイやカシワハナダイに結構な確率で遭遇出来ますよ。
美しい♂個体のコロニー。
アカオビの場合、若干濁り気味位の日の方が高い位置で舞い踊る♂群を味わえて実はいいんですよね。
遭遇ハードルの低さにそぐわない美しさでワイド写真の好被写体となるアカオビハナダイ。
この辺の予備知識を頭のどっかに軽く入れた上で次回海中世界で遭遇すると・・・
また少し楽しみが広がるかもしれませんね。
定番種ハナダイ~キンギョハナダイ
海中世界という寒色の世界にパッと暖色の華が咲く。
ハナダイ遭遇の魅力の大きな部分はそこにあります。
ダイバーが遭遇するハナダイ、その中で圧倒的マジョリティとなる普通種キンギョハナダイを見ればそれがよく分かりますね。
特別珍しい訳ではなくとも、ぐっちゃりと群れる橙吹雪の中をただ塗れて泳いでいるだけで心地好くなりますもんね✨
と言う訳で、本日はハタ科に属するハナダイという呼ばれ方をするグループの魚の中から、最も遭遇機会の多いキンギョハナダイにスポットを当ててみたいと思います。
キンギョハナダイと言えばオレンジの群れ群れってイメージですが、このイメージは♀相の体色に起因します🐟
背鰭第三棘がピロンと伸びてフィラメント化したものは♂相です🐟
ハタ科の魚達は雌性先熟という性質を持ち、生まれた時は全て♀です。
そこから性転換して♂になるので、♂として繁殖活動しているフィラメントの伸びたあの♂達も、かつては♀として繁殖行動をしていた個体達という事になります。
この♂相の中に、求愛行動で体色を変えた白っぽく発色したものが混ざります。
これを♂の婚姻色個体と言い、ハナダイの仲間との遭遇を楽しむにおいてとても重要なファクターとなります。
あっちでこっちで♂達がフィラメントをなびかせながら美しく舞うコロニーでの遭遇は、やはり単体遭遇よりも嬉しかったりしますよね。
雌性先熟なので当然幼魚は全部♀。
ボディが小さい分バランスとして目が大きくなるので、必然的に目の周りのパープルリングがよく目立ち愛らしさが際立ちますね。
普通種侮るなかれ、定番種遭遇の中にもいとおかしきシーンはやはりあるんですよね。
この真ん中の♂個体、第三棘のみならずその横の棘もピロンと伸び、Wフィラメントなんですよね💡
フィラメントが二本ってだけでもワクワクするのに、一本の棘が先割れしての二本ではなく、二本別の棘が根っこからそれぞれ伸びてのWフィラメント。
この個体に気付いた時には、当然ながら水中で大興奮しちゃいました🎵
普通種なだけに遭遇アンテナを張らず「あぁ、群れ綺麗だなぁ」で通り過ぎていくのは勿論道理です。
ですが、別にアンテナを張っていたって群れの美しさは充分味わえますよね。
パーンと弾けるように上に跳ね上がってする求愛行動等、普通種だからこそ遭遇に期待できるいとおかしき光景、実は結構あるんですよね✨
2022.05.15~内房・勝山海中世界報告
日曜日に内房・勝山で開催されたマンツーマンフォトトレーニング📷
その際に覗いた海中世界の報告をさせて頂きますね。
陽はよく差していたものの浮遊物が多くワイド撮影には向かない海況でしたが、被写体は多く充実のトレーニングDAYとなりました。
勝山で潜る以上欠かせないのが東京湾のイメージを覆す様々なコーラル達。
擬態の達人キサンゴカクレエビ🦐
外套膜を被る貝の仲間、その中でもレアで人気の高いハグルマケボリ🐚
レアな無脊椎動物との遭遇率の高さも勝山ならではですね。
今回は動かない被写体を求め、ウミウシにも注目してみました。
クロフチウミコチョウ、アカオニミノウミウシ。
カキオトメウミウシ、ミツイラメリウミウシ。
他にもイッパイ、挙げると限がない位色んなウミウシ達と遭遇出来ました。
海のをかし屋さんの各種トレーニングダイブは常時少数制でみっちり中身濃く開催させて頂いております。
海中世界で遊んでいて更に掘り下げたいテーマが見付かったダイバーの方、お気軽にリクエストなさって下さいね😉
MEMBER'S PHOTO GALLERY~2022.05.15 内房・勝山~
日曜日に開催された内房・勝山ツアーからMEMBER'S PHOTOが届きましたよ📷
この日がカメラデビューという事もあって陸上セッティングから水中での取り回し方等、操作の基本を学びながらの撮影。
ノースエンドを象徴する珊瑚オドリカラマツ。
ウミシダだらけだったロング根。
カメラを持つと今までなら着目する事がなかったところにまで、目が行くようになりますね💡
珊瑚から顔を覗かせるクマノミ🐟
婚姻色を出していたオハグロベラ🐟
海綿に乗っかるイソカサゴ🐟
春告魚なんて呼ばれ方もする魚、シロメバル🐟
今回は濁りの中でワイド写真の練習がしにくかったのもあって、マクロモードでの撮影がメインになりましたね。
トゲトサカの幹部に張り付いていたアカオニミノウミウシ。
クリアホワイトのボディにパープルのドットが映えるクリヤイロウミウシ。
いずれも人気の高いウミウシです。
サガミリュウグウウミウシ、ミヤコウミウシ等大きめのウミウシも多く、カメラ練習に向いていますね、勝山の海は💡
新たな方向に楽しみを拡げ、ワクワクは二倍増、三倍増🎵
思いっ切り楽しみながら一緒に練習していきましょうね😉
2022.05.014~西伊豆・大瀬崎海中世界報告
土曜日に潜ってきた大瀬崎の海中世界を報告させて頂きます。
前日から降り続けた豪雨、そしてその雨がまだ降る中を走って辿り着いた先の西伊豆・大瀬崎🌊
到着して準備を始めると矢庭にその雨は止み、午後には富士山が顔を出す程にまで天気は回復、とても過ごし易い一日になりました。
道中車窓から見えた海の色はハイパーブラウンであらまぁって感じだったのですが、いざエントリーしてみるとその茶色は大瀬崎ダイビングエリアにまでは到っておらず、濁りはあるものの水色の地色は青だったんで、ホッと胸を撫で下ろしました。
大瀬崎海中世界デビュー戦となるNEWメンバーの方もいたので、1stはチェックダイブがてら『前浜』へ。
カエルアンコウ、ミジンベニハゼ🐟
ウミテング、ウサギトラギス🐟
ネタ魚だったウサギトラギスを見に行きがてら縦にライン取りをして泳いでみたのですが、特段探してもいないのに定番人気種達があちこちで次々に視界に入り込んできます。
この辺は流石、『前浜』らしい展開ですね。
陸の上でのナリッジトレーニングと水中でのスキル補強でしっかりと準備を整え、2nd、3rdは目的の海『岬の先端』へ🌊
こういう水の時程活性を増すアカオビハナダイ、案の定良い感じでしたね🐟
普段よりは低空飛行ながら相変わらず群れ群れのナガハナダイ&求愛行動しまくっていたスジハナダイ🐟
浅場の濁りがまるで嘘のよう、深度を落とす程綺麗になっていく深場の水、『岬の先端』が見せてくれる海中光景はやはり格別です✨。
矢鱈と顔を向けてくるせいで横面から撮るのにいつも手こずらされるトウカイスズメダイ🐟
TOP写真のイトヒキコハクハナダイ幼魚×2🐟
継続観察中のこの二種もしっかり健在でした。
ディープトレーニングの準備を兼ねて潜った今回の海中世界、超充実で楽しかったぁ🎵
MEMBER’S PHOTO GALLERY~2022.05.14 西伊豆・大瀬崎~
土曜日開催の大瀬崎ツアーのMEMBER'S PHOTOが届きました。
ワクワクしながらフォルダを開くとバッチシこの写真が入っていました。
イトヒキコハクハナダイ♀×2🐟
岩陰に直ぐ隠れられるよう水底近い低い位置で様子をうかがう幼魚の姿も愛らしいですが、伸びた尾鰭の先の上下の軟条を数条ずつなびかせながら中層を華麗に舞うイトヒキコハクハナダイ成魚が並んでいるこのシーン、最高ですね✨
前浜で、
久々に覗きに行った定番人気種ミジンベニハゼ🐟
瓶の口からこちらの様子をうかがうこの姿、やっぱり愛らしいですね。
ミガキボラお食事中🐚
メガネウオを捕食したというよりは、メガネウオの死体を摂食しているってシーンですね。
❝回類は海の掃除屋❞なんて言葉をよく耳にしますが、ひと度この光景を目の当りにしたら、それがどういう事かよく理解出来ますね。
勿論、岬の先端も潜りましたよ。
エントリーして直ぐの浅場で迎えてくれるソラスズメダイ&キンギョハナダイ🐟
深場のコーラルエリアにはナガハナダイ&アカオビハナダイの群れ🐟
いつもながらこの海のこの光景だけはホント素晴らしいですね。
レア、定番、生態、群れ、コーラル。
大雨後の濁りで撮影が中々難しかった環境下において、押さえるべきポイントをしっかりと抑えた写真が並びましたね、NICEです😄
ウナギ目~砂地から顔だけだしているニョロニョロ達
荒くれ者のウミヘビが人差し指をバクっ、結構衝撃的なシーンですよね。
でも御安心下さい。
実はコイツ、ホタテウミヘビというとっても穏やかな気性のウミヘビ🐟
なのでコレはウミヘビに甘嚙みして貰っているどっちかって言うと微笑ましいシーンなんです📷
ウナギ目というグループに属するこのホタテウミヘビ、普段はこんな風にして砂の中から顔だけ出しているニョロニョロ君です🐟
ウナギ目にはこういう砂の中から顔だけ出す習性を持つ者がとっても多いんですよね。
このダイナンウミヘビは全身出て来ると2mを超える大型種です🐟
砂地を飛んでいると顔だけのコイツは結構見掛けますよね。
でも、全身を露わにした姿を見た事のある方は少ないのでは。
ホタテやダイナンよりは遭遇頻度の少ないモンガラドオシ🐟
それより更にレアなダイダイマダラウミヘビ🐟
色んなニョロニョロが砂地から顔を出していて楽しいですね。
因みに・・・
ウミヘビと名前は付きますが、ウミヘビ科のコイツらはあくまでも魚類であって、爬虫類のウミヘビとは全くの別物です。
同じウナギ目ながらアナゴ科という別グループに属するハナアナゴ🐟
コイツは簡単に砂地から出せるので、望めばいつでも全身を拝めます。
一桁センチの内のコイツの幼魚はスケルトンボディでとっても綺麗なんですが、この時期のハナアナゴ幼魚は晩春から初夏の海の風物詩の一つにもなっています。
ホタテウミヘビ、ダイナンウミヘビ、ハナアナゴ、この三種が『砂地から顔だけだしているニョロニョロ達』との遭遇の9割何分までを占める❝顔ニョロALL STARS❞。
逆に言えば、この三種以外のものとはいずれであれあんまり会えないので、嬉しい遭遇となります。
同じアナゴ科に、ダイバーならずともその名を知る人の多い超の付く有名FISHがいますよね。
今じゃすっかり伊豆の海にも定着しているガーデンイール、チンアナゴです🐟
2018年に新種認定されたばかりの珍魚ニゲミズチンアナゴ🐟
お歯黒みたいな口許が印象的な白いガーデンイール、アキアナゴ🐟
近付くと砂中に身を沈めていくので中々写真の撮りづらい対象なのにも拘わらず、いずれであれガーデンイールは人気がありますよね。
擬態で環境に溶け込むだけが身を守る術じゃない、って事で今日は『砂地から顔だけだしているニョロニョロ達』を集めてみました。
ちょっとレア目の擬態エビ達
綺麗なブルーの縞々と恐ろしく細長なボディ。
とっても興趣深いエビですね。
コイツにはまだ和名はなく、学名トゼウマ・アルマートゥム。
英名のゴルゴニアン・シュリンプの方が通りの良い超の付く人気エビです🦐
岬の先端でよく見掛けるウミカラマツの仲間に張り付き擬態して身を隠すシーンなんですが、この写真を見て、「擬態とは言えこんなに特徴的で且つブルーの縞が綺麗なら直ぐ気付けちゃうでしょう」ってお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、実際に水中で先ず視界に入る時には、
こんな感じ⇧
いかがでしょう?
この全体写真にもちゃんとゴルゴが写っていますが、中々手強いですよね。
海中世界における食物連鎖ピラミッド、それにおいてエビはかなり下の方に属する生物です。
必然的に捕食者から身を守る為の擬態能力に長じたものの種類も多くなるんですよね。
❝このエビはこのホストに付く❞
いずれの擬態エビもそういう相関関係がしっかりとあるので遭遇を、完全な偶然のものにではなく、知識の下地が深くあればある程遭遇率が上がるものに出来るっていうのも、エビ遭遇の興趣深いところでもあるんですよね。
ユビノウトサカでしか生きてゆけないウズラカクレモエビ🦐
体に始めっからユビノウトサカのブツブツ模様が入っているんですよね。
イボヤギに付くキサンゴカクレエビ🦐
イボヤギの仲間の大半はオレンジなのでこのエビもほぼほぼオレンジ個体との遭遇になりますが、オオエダキサンゴのようなピンク色のイボヤギに付く個体はちゃんとピンク色です。
それで言うと、コイツもそう⇩
珊瑚に寄生するイソギンチャクに付く人気擬態エビのアヤトリカクレエビ🦐
遭遇経験のある方の殆どが左のナシジイソギンチャク模様のバージョンじゃないでしょうか?
遭遇率のグンと下がるナシジイソギンチャクの近似種であるウスアカイソギンチャクに付くバージョンは、淡いピンク色な上に表面の繊細な模様まで見事に擬態していてとってもキュート。
ミルに付くヒラツノモエビ🦐
擬態はしていてもぷっくりしている分♀であれば視界に入りさえすればまだ認識出来るんですが、コイツの♂は中々手強い。
右写真の真ん中に写っている激細エビ、分かります?
❝瞳孔に映す❞と❝認識する❞の隔てが大きいタイプの遭遇です。
傷んだコケムシに乗っかるコブタヒラツノモエビ🦐
砂地のイソギンチャク周りで砂と同化しているサガミツノメエビ🦐
この辺は擬態の対象が対象なんで海中で綺麗だの可愛いだのの感想を懐く事は困難。
見た人の感想は大概「へぇ」で終わりです。
同様に擬態は凄くても、
海藻に付く地味なバージョンの色ではなく、アカヤギに付くバージョンの全身もふもふエビ、フィコカリス・シムランス(和名まだ無し)🦐
転石の下に棲むフシウデサンゴモエビの体表の模様🦐
この辺は擬態で地味になり切らず、案外愛らしくて人気も高いんですよね。
『擬態エビ』
これをメインに潜るようなものでもないですが、ポロっとの遭遇に自身で気付いたりすると中々嬉しかったりするものなので、カメラを持って入る時等にはちょっと意識してみては。
レアエビの宝庫!魅惑のウミシダ『ハナウミシダ』
ウミシダを覗いてエビを見掛けたら・・・
その殆どがウミシダヤドリエビなんですが、根気よく覗いていると極稀に、それ以外の珍しいエビと遭遇出来る事もあるんですよね。
その例えばの一つがTOP写真のこのウミシダカクレエビです🦐
長い手が特徴的なこのエビ、ウミシダヤドリエビと名前は似ていますが遭遇難度は桁違い。
かなりのレア種です。
ウミシダヤドリエビを腐る程見たら・・・
そろそろ別のエビにも出くわしてみたいな、って思うようになってきます。
そうなった時の為に、ウミシダカクレエビ程ではないもうちょっと遭遇期待感の高いものも紹介しておきましょう。
それはコイツら⇩
コマチテッポウエビとハクセンコマチテッポウエビです🦐
ボディが至極丸っこいので、「あ、エビだ」と認識した後にウミシダヤドリエビと見間違う事はまずありません。
ウミシダで見掛けるエビの中では、ウミシダヤドリエビに次いで遭遇機会のあるエビなので、まだコイツに気付いた事のない方は是非トライしてみて下さいね。
さてさてなんですが・・・
上記三種の背景に映るウミシダ、何か共通点がありませんか。
どれもが白をメインに黄、茶、黒。
そう一緒なんです。
全部『ハナウミシダ』というウミシダなんですよね。
こっちの海でウミシダに付くレアエビ遭遇に期待するならこのウミシダ👆
『ハナウミシダ』が断然オススメです。
バサラカクレエビ、ラオメネス・コルヌトゥス(まだ和名無し)🦐
そっくりさん同士ですが、大きなハサミのある脚の節のところの褐色の帯の有無で見分けられるこのレアエビ二種。
この背景に写っているのもやっぱり『ハナウミシダ』ですね💡
ウミシダ関連で楽しむであれば・・・
先ずは普通種ウミシダヤドリエビの超絶体色変化をたっぷり堪能し、その次には『ハナウミシダ』に注目してみる。
そういう拡げ方もアリかもしれませんね。
ウミシダでよく見掛ける擬態エビ
泳いでいるとあちこちで見掛ける興趣深いフォルムの棘皮動物、ウミシダ。
多彩な色とデザインパターンで海中光景を華やかにしてくれる存在ですが、コイツにはもう一つ楽しみ方があります。
TOP写真を見れば一目瞭然ですね。
コイツをホストとして共生する様々な生物を期待してちょっと注意深く覗き込む、コレです。
ではこの写真のウミシダには何が付いていますか?
根元の巻枝ら辺にカニが二匹写っているのがよく目立ちます(コマチガニ)。
・・・が、それだけじゃないですよね。
腕の羽枝の部分にいる黄色いエビの方にも直ぐ気付けましたか?
目立つもの一つに気付いたところで認識のセンサーを緩めてしまうと、案外他が目に入らなくなっちゃうものなんですよね、人間の目って。
まぁ、これはそのエビが中央になるように撮った写真なので気付けた方も多いかもしれません。
このエビの名は、
ウミシダヤドリエビといいます🦐
こうやってアップ写真で見ると、黄色というこの基本色もさることながら、細い羽枝に溶け込む為のさり気に入った縦ストライプも見事ですよね。
コイツ、特別珍しい訳でもなく、認識慣れさえすればウミシダを覗くと結構な確率で遭遇出来るエビです。
ですが・・・
この普通種エビの興趣深いところはその擬態能力の方。
コイツは別に黄色い色のエビって訳じゃありません。
オレンジのウミシダにはオレンジ、赤褐色の羽枝に付いていればちゃんと赤褐色なんです。
更に凄い擬態のものになると、
茶色の羽枝に白のラインが入り先っちょだけ黄色のウミシダに付いてる奴は、茶色に白のストライプで尾の先だけ黄色。
黒褐色で先っちょだけ黄色い羽枝のウミシダで遭遇すると、ちゃんとその色のウミシダヤドリエビが付いているんですよね。
自分の体色に近いウミシダを見付けてそこに付く、それだとここまで見事に身を隠す事は出来ません。
このウミシダヤドリエビ、ウミシダに付いたら体内に宿したバクテリアを使ってそれと同じ色模様をまとうんだそう。
因みに、この体色変化は付いてから二週間で完成します。
もし完璧な擬態でなく、ウミシダのカラーと浮いた色のウミシダヤドリエビを見掛けたら・・・
逆算するとソイツはまだ、付いてから二週間以内って事なんですよね。
んー、普通種侮るべからず!
実に興趣深いですね✨
あぁ『擬態』ね、では終われません
遠目で見て下さい。
目を細めて見て下さい。
さて・・・
このTOP写真、何だか分かります?
はい、お分かりですね。
大瀬崎・外海で遭遇した人気魚ボロカサゴです。
・・・ん⁉
でも、何か違うような・・・
先日の大瀬崎お泊りツアー時のMEMBER'S PHOTOにあったコイツ⇧
これが本当のボロカサゴですよね🐟
では、今度はちゃんと目を見開いて・・・
写真のアングルがまるで狙ったかのように面白い位バッチシなので、二枚を並べて見てみましょう。
背鰭、胸鰭、腹鰭まで。
いやぁ、それにしてもそっくりですね💦
コイツの正体はアヤニシキという紅藻類、大瀬崎・外海にイッパイ繁茂している植物です。
外海にはアヤニシキがとても多いので、それに擬態して身を隠す為、外海でボロカサゴが出る時にはこのカラーのものが殆どなんです。
では、
こんな海藻がイッパイ生えている大瀬崎・前浜でボロカサゴが出現する時には、果たしてどんな個体が見られるのでしょう?
その答がコチラ⇩
全身に長いフサフサが沢山生えていて、「成程、こう擬態しますか💡」って感じですね。
こんな風に、環境に合わせて装いを変える事が出来るタイプの擬態魚の場合、何処で出現するかで全く別の魚と遭遇するかのような❝をかしさ❞を味わえるのが愉しいんですよね。
今回はそこを逆手に取ってそっくりの海藻を見付けて遊んでみました。
あ!
勿論、似たタイプの擬態魚は他にも色々といますよ。
例えば、
海藻の多いビーチエリアで出現したハダカハオコゼ🐟
ボートポイントでゴツゴツした岩に張り付いていた同じくハダカハオコゼ🐟
海中世界の住人に巧みな『擬態』能力を持つ者が色々といる事は、恐らく周知の事だと思います。
となると、ただそれを知っているだけに留まるのは勿体ない。
そこに敢えて視点を置く事でまた別の楽しみ方が見付かったりもする、うーん、海中世界、ホント興趣深いですね✨
MEMBER’S PHOTO GALLERY~2022.04.30-05.01 西伊豆・大瀬崎③~
MEMBER’S PHOTOが新たに届きました📷
有り難うございます、素敵な写真がイッパイです✨
では、早速見ていきましょう。
ディープエリアの人気魚二種、バッチシ捉えて頂きました。
イトヒキコハクハナダイ、トウカイスズメダイ、ホント愛らしいですねぇ🐟
いつまでいてくれるのか、こんなに安定してくれる事もそうそうない今が狙い目のこの二種、嬉しい存在です。
この時季になると砂地を泳いでいると探してもいないのにポコポコと勝手に視界に入って来る季節の風物詩的人気普通種、
カエルアンコウ🐟
黄色の方はトウヨウコシオリエビとのコラボ、良いですねぇ🎵
そっくりさん特集はいずれも顔アップで📷
どちらもダルマガレイ科のダルマガレイとセイテンビラメ🐟
「あぁ、さっきと同じ奴か」って感じでスルーしがちのところですが、しっかり両方でシャッターを切ったのがナイスですね👍
左ヒラメの右カレイって言い方をよくしますが、ダルマガレイの仲間は名前の最後にカレイと付くものの、実はどいつも左向きなんですよね💡
変わった形の虹彩被膜がある事で眼球の黒が面白い形に見える魚二種、
サカタザメ、セレベスゴチ🐟
サカタザメの方には臙脂色の寄生虫が付いていて更に興趣深さが増していますね。
こうやってシリーズで写真に収めていくのは実にいとおかしい視点で面白いですね👍
ナイトダイビングならではの無脊椎動物オンパレードギャラリー🌙
逆立ちしながらクルクル回る姿が面白いロウソクエビ、あちこちで這っては跳ねてを繰り返す姿が見られたヒメセミエビのチビ達🦐
何種もの海藻やヒドラを額に張っ付けて、擬態が矢鱈と豪華だったツノガニの仲間🦀
まだ超チビでとってもキュートだったスナダコ🐙
棘皮動物からは、
猛毒テトロドトキシンを体内に持つトゲモミジガイにもまだ数センチしかない幼体と遭遇。
夜になると結構なスピードで砂地を這い回るヒラタブンブクはハリネズミっぽくてキュートでしたね。
多種多様な無脊椎動物との遭遇、ホント盛り沢山でした。
こうして振り返って写真を見ていると、頭の中で映像が鮮明になって、短期記憶を長期記憶に変えられるので何だか楽しくなっちゃいますね🎵
あぁ、早く海行きたい😆
大瀬崎『前浜』~上級者編
大瀬崎・前浜を泳ぎ回っていて遭遇した激レア人気種エボシカサゴ♂です。
烏帽子(エボシ)を被っているかのように見えるカッコイイ頭頂骨の隆起が♂のトレードマークなんですが、この烏帽子の無い♀ですらレアな魚なので、♂に遭遇するのはかなりのプレミア物なんです。
しかも、♂ならどいつもここまで著しく高く隆起しているという訳ではなく、極々稀なエボシカサゴ♂との遭遇をもし果たせたとしても、ここまで立派な烏帽子を被っている♂には先ず出会えないって位コイツの烏帽子はデカイです。
普段からあっちへこっちへ泳ぎ倒しまくってきた甲斐とも言える、とってもLUCKYな出会いでした。
こちらは更にレアな遭遇、ヒメアンコウ属の一種です🐟
背鰭のあちこちにバラン状のヒラヒラが付いた緑色のこのアンコウの仲間、目撃例自体ほぼ無い鬼レアの不明種です。
前浜と言うと講習やスキルアップに使われる事が多いせいで、初心者の海というイメージがどうしても強いですが、がっつり泳げて且つ、広い視野を取れるようになった上級者が潜れば、ポロっとのプレミア遭遇を生み得る中々どうして興趣深いポイントだったりするんですよね。
岬の先端を少しでもイッパイ潜りたい、でも偶にの外海も捨てがたいから混ぜたい。
そんな大瀬崎に日帰りで潜りに行っての3DIVEの中で前浜に割けるのは良くて1本。お泊りで9本10本潜ってすら1、2本が限界でしょう。
ですが、
ミホノハゴロモハゼ、ニゲミズチンアナゴ🐟
閑散とした砂地にカエルアンコウやミジンベニハゼやネジリンボウ等の人気普通種がいるだけの海、そう決め付けていては決して出会えないような、他ポイントではまず見られない興趣深い遭遇がイッパイあったりするんですよね、実はこのポイント。
一本しか潜る事が許されない前浜で如何にして沢山の遭遇を叶え得るか、答は一つ。
右も左も手前も奥も、全部を一本の中で潜れるよう泳げるだけの泳力を培うしかないんですよね。
ましてや奥も使うとなると、高度な窒素管理スキルも必要になります。
そう考えると・・・
前浜というポイントは初心者でもエントリーして遊ぶまでは出来ますが、ここをフルに満喫するとなると一転して、❝この一本で今いるいとをかしき奴らに全部出会う❞位の気概で潜らなければならない上級者の海に早変わりするんですよね。
例えば、広い砂地のあちこちにスナイソギンチャクが点在しているので、低めの中層を飛びながら片っ端から視界に入れていくと、
そこに付くテッポウイシモチ、ハクセンエビ等と遭遇出来たりします。
他の海だと、スナイソギンチャクに透明のエビ(アンキロメネス属)の気配を感じて降りて覗いたとしても、ハクセンアカホシカクレエビばっかりですがここでは、
トサカクレエビ、ビイドロカクレエビ等、同属の激レア種がちょこちょこ混ざってくれます。
まだ和名の無いカエルアンコウの仲間ヌディアンテナリウス・サブテレス🐟
和名が無くずっとジャパニーズ・ピグミーシーホースと呼ばれてきたハチジョウタツ🐟
こんな嬉しい遭遇もこのポイントではちょくちょくあってくれるんですよね。
カニハサミイソギンチャクをチアボンボンのように振りまくる姿が愛らしくて人気のキンチャクガニ🦀
南方系なんでこっちの海では見られない、そう思っている方も多いんじゃないでしょうか。
こういうのにも根気よく期待し続ければ遭遇し得るんですよね、この海でならば大概。
まぁ、スキルが伴うまでは❝人工物だらけの閑散とした海❞という印象になるのも致し方ない事ですし、取り敢えずそこに至るまでは皆さん、頑張ってスキルアップしましょうね。
大瀬崎『前浜』海中世界が醸し出す季節感
年が明けた位からの低水温期、前浜を泳ぐダイバーが視界の何処かに入らないか期待せずにはいられない。
そんな人気魚がいます。アンコウ科アンコウ属のアンコウです。
勿論アンコウのみならず、
同じアンコウ科ながら属の違うもっと大型になる魚、キアンコウ属キアンコウも含めての期待です。
冬のアンコウは勿論の事、大瀬崎・前浜というポイントを楽しむにあたって先ず意識すべきなのは、海中世界に散在する季節の報せを感じ、そしてそれを味わう事でしょう。
そこからまだ水温の上がり切らない春の海においては、
横に広がるフクロノリ、縦に伸びるマメダワラを始めとした様々な海藻達が繁茂し、この季節独特の風景を作り上げます。
初夏の頃になると、
千切れた海藻が水面のここあそこに漂うので、流れ藻ダイブを楽しむダイバーをあちこちで見掛けるようになります。
夏の時季になるとマウスブルーダー(口内育卵魚)として有名なテンジクダイ科の魚達が産卵期に入ります。
晩春スタートのオオスジイシモチに始まり、ネンブツダイ、スジオテンジクダイ、クロホシイシモチとちょっとずつずれて産卵期に入るんですが、基本的には夏の海こそがこれらと遭遇するチャンスとなります。
産卵の決定的シーンとしては、ネンブツダイは日没後なので、日帰りで赴いた海だとクロホシイシモチやスジオテンジクダイを夕方に狙うのが最も率が高いです。
秋になると透明度がグンと良くなり、
様々な死滅回遊魚と遭遇出来る賑やかな海中世界がダイバーを楽しませてくれるようになります。
❝秋伊豆❞なんて言葉で語られる位ですから、この時季こそが正に海中世界のベストシーズンと言って過言ではないでしょう。
ですが・・・
それ以上にこの前浜の海が熱くなる時があります。
それが12月です!
死滅回遊魚の賑やかさを海中世界はまだ残しているにもかかわらず、他ポイントではそうそう味わえない感動をくれる表層エリアにダイバー達は集中します。
沖合のクラゲがまるで濁りかのように大挙して押し寄せ、それと共にリュウグウノツカイ等の深海魚がこの海に訪れるのです。
この時季に湾に差し込む潮により、深海魚との遭遇率が飛躍的にUPする12月、こここそが大瀬崎の駿河湾らしさを最も感じられる最強月間と言えるかもしれませんね。
次は何処に行こっかな、そういう感じで色々と遊びに行く水中観光的なダイビングもそれはそれで勿論楽しいです。
ですが、ホームと言える海を持って潜るようになったダイバー達は、時の流れの中で変化していく海を継続的に潜る事により、こんな風にして季節の変遷を感じながら目に映るものを掘り下げ、スキューバダイビングをライフスタイルの一部として昇華し、飽きる事のない生涯の趣味として遊んでいます。
キャリア何十年、経験本数ウン千本、そういう諸先輩が矢鱈と多いこの大瀬崎という海は世界でも有数の最もそれに適した海の一つ、そう言えるかもしれませんね。
大瀬崎『前浜』概要
綺麗な色のスナイソギンチャクとそれに付く深海エビのエリマキエビ。
駿河湾の砂地ダイブならではの光景です。
『岬の先端』『外海』の二大ポイントの他にもう一つ大瀬崎にあるポイント、それが『前浜』です。
『湾内』という呼び方の方が通りは良いですが、岬の先端からエントリーしての右側エリアも或る意味大瀬崎湾内なので、そこを線引く為に、大瀬崎湾内の右の浮桟橋から左の突堤の間のエリアを敢えて『前浜』と呼んだりするんですよね。
富士山を見ながらエントリーイグジット出来る最高のロケーション、施設の直ぐ前にあり陸作業が楽チンな上に、海中には目印となる人工物が多い為浅場から中深度までの縦移動も分かり易く楽という事で、初心者講習等に使われ易いポイントです。
大瀬崎イコール初心者の海と勘違いされているダイバーが多いのは、単にそのイメージを引きずっているに過ぎないものなんです。
腕を磨かなければ楽しめない本当の大瀬崎海中海中世界、それを味わわなければ大瀬崎の海は語れないというのが実のところなんですよね。
ゴロタ際にはいつでもイシモチの仲間が群れているので、海鵜がそこに飛び込んで来て捕食するシーンなんかにも遭遇出来ます。
ゴロタの先には砂地が広がっていて、砂地ならではの生物相で構成された景色が色々と楽しめますし、
カエルアンコウの仲間やミジンベニハゼ等の普通種であれば、年中ほぼほぼ遭遇出来ます。
ですが、この前浜は・・・
風情の無いヘンテコな魚礁や初心者用ガイドロープ等の人工物が多い為、ダイバーになってちょっと潜れるようになった中級ダイバーは何だか詰まんない海として敬遠しがちのポイントでもあります。
ですがのですが・・・
更にがっつり経験を積んだベテラン上級者になると、実はこの前浜を潜り込むダイバーがまた増えてくるんですよね。
という訳でここからの数回、上級者向け『前浜』を特集してみたいと思います。
大瀬崎『外海』の魅力
湧き上がる魚群📷
日本最深の湾である駿河湾、そこに面する西伊豆・大瀬崎と言えば無双ポイント『岬の先端』を擁する超絶スキューバダイビングスポットですが、この海を潜る以上もう一つ欠かせないポイントがあります。
北から柵下、大川下、一本松、門下、玉崎(旧称ゴミ捨て場)と複数並んだエントリーイグジット口を持つ『外海』と呼ばれるポイントです。
柵下から入って門下で上がったり、門下から入ってゴミ捨て場で遊んで一本松で上がるとか、潮と相談しながら色んなアレンジで潜る事が出来るビーチダイビングエリアとしては他に類を見ない興趣深いポイントです。
エントリーしてのゴロタから際まではスズメダイがいつでも群れています🐟
中深度域にある沖の際は珊瑚エリアとなりキンギョハナダイが綺麗🐟
ディープエリアには全体通してサクラダイ、柵下側の深場になるとそこにスジハナダイのコロニーも絡んできます🐟
水を背景にして珊瑚を挿んで魚影の濃さを堪能出来る、これこそが『外海』ダイビングの醍醐味です。
とは言えここはそれのみに留まるものでもなく、沖の際まで出ると興趣深い遭遇も様々に溢れていてホントわくわくが尽きません。
トサカやヤギの色を添えながら楽しむ、いとをかしき造形のノコギリウニと秋の定番種ニシキフウライウオ、越冬を繰り返しすっかり定着種となったボロカサゴ等の興趣深い生物達🐟
中深度域に多いハナウミシダにはラオメネスコルヌトゥス(和名のまだ無いエビ)🦐
ハードコーラルをカラフルにデコレーションするイバラカンザシ群生等々、無脊椎動物を楽しむであれば『外海』は絶好のポイントと言えるでしょう。
大瀬崎という海には『岬の先端』が存在しちゃうせいで、インターバルタイムには次は何処を潜ろうかと毎度頭を抱えさせられますが、ポイント選択で悩む際には『外海』も入れておいてきっと損はないですよ。
ただ『外海』ではなく、外海のどのエリアをどう楽しむかも兼ね合わせながらで自然と選択肢の中に含めてしまうように脳内の回路が働くようになると、また一つワクワクが膨らんだダイバーとしてのネクストステージで遊べるようになりますからね。
エビの抱卵
普段素通りされがちな普通種が一躍脚光を浴びる、それが生態行動です。
いつ何処を潜っても必ずいると言っても過言でない位、誰もがスルーのKING of 普通種サラサエビにですらそれは当てはまります。
5~7月の初夏の頃のナイトダイビングでは、産卵期を迎えたサラサエビの前に赤いライトを灯したダイバーが張り付いてその瞬間を狙っている姿をあちこちで見掛けます。
抱卵個体のお腹から弾けるようにチビエビ達が飛び出るハッチアウトの瞬間、神秘的ですよね。
TOP写真のようなお腹パンパンの個体を見掛けたらチャンス到来。
赤ライトを当てられても逃げずにその足を拡げて踏ん張り出したら時間の問題、大概の場合ものの数分でハッチアウトしてくれるんです。
今回のツアーでもナイトダイビングのラストで狙ってみようかなと思っていたんですが、砂地を回っている間の遭遇が余りにも引っ切り無し過ぎて、それに割く時間が足りなくなっちゃいました。
いつか皆で見たいですね。
アカスジカクレエビ、ハクセンアカホシカクレエビ🦐
色や模様が体色に入る種だと抱卵個体であっても見えにくいお腹の卵もスケルトンボディのエビだとその粒々がはっきりと見えてとっても興趣深いです。
ガヤに付くカゲロウカクレエビ🦐
ホスト(寄生先)が決まっている種は継続観察もし易いですね。
ガンガゼに付くガンガゼカクレエビは昼間に見ると不透明な真っ黒ボディなので卵は見にくいですが、夜行色の赤ボディだとスケルトンになるので棘にしがみ付く抱卵個体がとっても遭遇し易くなります🦐
セトヤドリエビ、ミネミズエビ等の決まった珊瑚に複数で付くエビも、遭遇時には抱卵個体か否かで好被写体度合も変わって来るので、その中に抱卵個体が混ざっていないか必ずチェックするっていう習慣を付けておくのもいいですね。
オーストンフクロウニに付くカゴウニカクレエビ、ザラカイメンの筒の中で暮らすザラカイメンカクレエビ等は卵がパステルカラーなので同じ遭遇でも抱卵個体の方が遥かに綺麗で嬉しいですね。
食べた事のある方なら御存知であろうイセエビの抱卵個体。
オレンジの粒々卵が物凄い事になっているので見応え充分です。
連続でお送りした卵特集も今回で一区切り。
これからも皆さんが潜った時の遭遇率UPに役立ちそうな様々な特集を組んでいけたらなって思っていますので、お手隙に「暇潰しがてらでコラムでも読もうかな」って感じで軽くお目通し下さいね。
MEMBER’S PHOTO GALLERY~2022.04.30-05.01 西伊豆・大瀬崎②~
アカオビハナダイ♂の群れ、綺麗な写真ですねぇ。
新たなMEMBER’S PHOTOが到着です📷
アカオビと同じくハナダイから、
カシワハナダイ🐟
アカオビハナダイ♀とケラマハナダイ♀の混泳群の中からそこに混じっていたカシワハナダイをしっかりと認識出来たようですね、NICE!
ディープエリアでの定番フィッシュについて皆でチャットした後のエントリー。
そこで名前の出た魚フタホシキツネベラとの遭遇もしっかりと認識。
前回目の前にいながらしっかり認識出来なかった激レア人気FISHトウカイスズメダイ🐟
見事リベンジ成功ですね👍
伊豆でこの魚が狙って遭遇出来るのなんてこの海位なのでは⇩
アヤニシキカラーのボロカサゴ、綺麗でしたねぇ🐟
知識の土台を作っていくのに重要な過程となるのが、先ずはの普通種認識です。
クツワハゼ、ホンベラ♀相🐟
この辺に目が行くようになると、クツワハゼの岩陰での育卵シーンやホンベラの集団放精等の神秘的な生態シーンをそのシーズン突入時に堪能出来るようになりますね♪
以前は定番季節来遊魚という扱いだったテンクロスジギンポ🐟
越冬も繫殖も普通にこちらの海で見られるようになったし、最早すっかりロコ魚ですね。
まるで一輪挿しかのように、儚げで美しい色を閑散とした砂地で放っていた移動性珊瑚のヤナギウミエラ。
海中世界を彩る無脊椎動物の造形や色使い、まさしく❝いとをかし❞ですよね。
ナイトダイビングで遭遇した夜行色をまといながら眠りたたずむマダイ🐟
ハサミでちょん切ったガヤを後ろ足で持って歩くという興趣深い習性を持つ事で有名な甲殻類ミズヒキガニ🦀
この個体は後ろ足でガヤではなく海藻を持って歩いていましたね。
MEMBER’S PHOTO GALLERYは、一緒にその海を堪能した皆さんの写真展示の場であると同時に、海中世界で遭遇したいとをかしき光景にまつわる解説や遭遇生物の名前だったりの質問箱的なものでもあります。
水中で「何だろコレ」と思う事があっても、いざ上がって訊こうにも、何だっけ、どんなだっけって忘れてしまう事、案外多いですもんね。
『海のをかし屋さん』のツアーにはガイドのみならず様々なナレッジトレーニングもその一部として含まれていますので、一緒に海中世界で遊んだ際には皆さん遠慮なく御活用下さいね。
MEMBER’S PHOTO GALLERY~2022.04.30-05.01 西伊豆・大瀬崎①~
大瀬崎お泊りツアーのMEMBER’S PHOTOが早速届きました。
今日はそのフォトギャラリーです📷
タカベ幼魚群🐟
キンギョハナダイ群🐟
青く、そして魚達の活性も高い海中世界。
このタイミングで良い潮が掛かってくれたのは本当にLUCKYでしたね。
こっちの海では深場でしか見られないコクテンカタギ🐟
いつまでいてくれるかなぁ、トウカイスズメダイ🐟
いずれも岬の先端らしい遭遇ですね。
一本松から柵下に移動中、大川下の手前辺りで遭遇したケンサキイカの卵🥚
真ん中の房の中にはチビイカ化しつつあるのが混ざっているのが見えますね。
TOP写真のスジハナダイのコロニーは柵下ですね。
前浜でも素敵な写真が撮れたようです。
直ぐ穴に入っちゃう奴だったのにナイスシャッター!美しい模様がバッチシ出ているユカタハタ🐟
イソコンペイトウガニの擬態も見事でしたね🦀
ナイトダイビングからは、
ライトを当てると逆立ちしてクルクル回る習性のロウソクエビ、ちゃんと逆立ち姿で撮れていてナイス🦐
おぉ!狙って遭遇出来るものでもない好遭遇ホシマンジュウガニ、いいですねぇ。
続々と送られてくる予定のMEMBER’S PHOTO、次回のギャラリーもお楽しみに。
2022.04.30-05.01~西伊豆・大瀬崎海中世界報告
やっと写真の整理が終わったので、今日はお泊りで潜ってきた西伊豆・大瀬崎の海中世界報告です。
良い潮が入って来てくれたお蔭で水が青い✨
それに相まって、
タカベ、トウゴロウイワシ、そしてサバまで🐟
色んな種の幼魚群が中層を賑やかにしてくれたので、とっても綺麗でした。
二日に亘って重ねた遭遇は実に様々、
岬の先端では深場の激レア人気種トウカイスズメダイ🐟
柵下では伊豆での遭遇は珍しいアコウ鍋で有名な激美味FISHキジハタ🐟
前浜では珍しく擬態汚れの全く付いていない硝子細工のようなサガミツノエビ🦐
等々、興趣深い遭遇を思いっ切り満喫してきました。
今回、取り分け興趣深かったのは、
ガンガゼとアオスジガンガゼ、そしてアカオニガゼ。
アカウニ、オーストンフクロウニ。
ハリサンショウウニ、ヒラタブンブク。
等々、様々目に付いたウニの仲間達。
スルーしがちのグループの生物ながら、ちょっと意識して遭遇を集めてみると、「あ!また別のいた‼」みたいな感じになって、宝探し感が中々面白いですね。
お泊りの醍醐味のナイトダイビングでは、
メーター級のドデカいサカタザメから季節物の甲殻類テナガエバリアまでノンストップの遭遇を楽しめました🌙
他にもいとをかしき光景とイッパイ遭遇出来たので、一緒に楽しんだMEMBER’S PHOTOが届き次第、随時紹介していきますね。