ウミウサギガイ科の綺麗な貝達③
ツリフネキヌヅツミの番(ツガイ)写真です🐚
赤個体とオレンジ個体、色違いの番が綺麗に並ぶところに遭遇出来たのはラッキーでした✨
あ、貝の仲間には雌雄同体のものもちょくちょくいますが、ウミウサギガイ科の貝達は雌雄異体です。
ヤギを覗いて遭遇出来るウミウサギガイ科の貝には、前回特集した菱形の貝殻を持つ◯◯ケボリと名が付くグループの他に、両端が細長く伸びた貝殻を持つキヌヅツミというグループがあります。
ウミウサギ特集のラストはこの◯◯キヌヅツミを集めてみたいと思います。
このグループの奴らはある程度サイズもあって見易いので、意識さえすれば遭遇機会は結構多いですよ。
ムラクモキヌヅツミの外套膜に描かれた叢雲(ムラクモ)柄は個体により様々、何回か遭遇するとより綺麗な叢雲柄の個体と遭遇したくなっちゃうんですよね🐚
シュスヅツミはシロアザミヤギに付く個体は褐色メインのものが多いですが、アカヤギに付いているのを見付けるとピンクボディに赤ドットでとっても綺麗なんですよ🐚
このグループで一番遭遇が多いのはこのベニキヌヅツミでしょう🐚
古い図鑑では中央部に白い帯が入ったものはシロオビキヌヅツミとして分けられていましたが、今はそれも種内バリエーションという事でこのベニキヌヅツミと統合されました。
ソリキヌヅツミはあんまり遭遇しないので珍しいんじゃないのかなぁ、殻の両端の細長部分がムニュっと反った感じになっています🐚
よくガラスハゼが付いているオレンジ色のムチヤギがありますよね。
あれを見掛けたらこの二種との遭遇チャンス⇩
ヨシオキヌヅツミとホリキヌヅツミです🐚
上手くいくとガラスハゼとコラボで写真に収めたりも出来ますよ📷
このグループの中では圧倒的に大きく、存在感があるのが、
このヒガイです🐚
深場の砂地で見掛ける珊瑚コエダモドキに付いているところをちょくちょく見掛けますね。
魚のようにひょいひょい動き回らないのでピントの合った写真も撮り易い人気被写体のウミウサギ🐚
ちょっと好奇心の範囲を拡げるだけで、また新しい遭遇がきっと沢山増えますよ✨
ウミウサギガイ科の綺麗な貝達②
ウミウサギガイ科の貝、アヤメケボリの産卵シーンです🐚
このグループの貝達は決まったホストに寄生してずっと過ごすというその性質上、一度遭遇してしまえば暫くの間は同じところにいるので、再度の遭遇・観察が可能になります。
それもあって必然的に、交接や産卵等の生態シーンに出会せる機会も多くなります。
前回はソフトコーラルの中でもウミトサカに付く種を色々と紹介したので、今回はヤギ(固い枝状のソフトコーラル)に付く種を紹介してみたいと思います。
一番遭遇が多いのは、
このトラフケボリ🐚
多い上に黄色に黒のストライプが目立つので結構簡単に見付ける事が出来、ウミウサギ入門編としては最適の奴と言えるかもしれませんね。
二枚目の個体のようにストライプが破線になっている奴は中々出会えないので、覗いた時にはちょっと意識してみて下さいね。
コボレバケボリとスミレコボレバケボリ🐚
ポリプに似せた突起が沢山付いていますが、あくまでこれも外套膜の一部。
貝自体にはこんな凹凸はありません。
実に見事な擬態ですよね。
シックな色合いのアカネケボリは外套膜の内側にある貝殻も綺麗な色をしているので、人気が高いです🐚
トガリアヤメケボリ(ハナアヤメケボリかも)はピンクに赤いドット柄で、写真等でそれ単体をアップで見てしまうとメルヘンチックな色目でとても目立ちそうに思えますが、実際に水中で出会う時はこんな感じ🐚
こうやってヤギに身を隠す様子が分かるように見ると、ホントこの擬態力には脱帽ですね。
シュスヅツミ(左の大きめの二匹)の集会にひっそりと紛れていたハブケボリ🐚
トサケボリはトサツグチとも呼ばれ、ケボリとキヌヅツミの中間的特徴を持つちょっと変わった種🐚
深場の珊瑚であるシロアザミヤギにはこういった貴重な貝がしばしば付いています。
ツグチガイとハグルマケボリ🐚
ハグルマケボリの方はつい最近房総の海で遭遇したばかりの個体です。
ヤギをホストとするウミウサギガイ科の貝はとても多いので、今回はその中でもケボリと呼ばれる殻が菱形に近い種を集めてみました。
次回は同様にヤギをホストとするキヌヅツミと呼ばれる細長い貝のグループを紹介したいと思います。
ウミウサギガイ科の綺麗な貝達①
星を散りばめたような白点が特徴的な漆黒の外套膜を持つ純白の貝、ウミウサギ。
ユビノウトサカに寄生するウミウサギカイ科ウミウサギ属の基本種となる貝です🐚
タカラガイの仲間同様貝殻の外に膜(実は内臓の外壁)を被っているのですが、このグループの貝達はこの外套膜がとても美しく、それでいて種類も豊富なので好被写体としてとても人気があります。
今日はこのグループの中からウミトサカ(ふやふやした柔らかいソフトコーラル)を覗き込んで見付かる種を紹介してみたいと思います。
テンロクケボリ🐚
赤いトゲトサカの樹上で見付かるとても綺麗なウミウサギの仲間です。
似たような環境で見付かるのが
シロオビコダマウサギ、セロガタケボリ🐚
いずれもホスト(寄生先の珊瑚)に溶け込むように紅白の模様が入っていてとても美しいですね。
浅場に多いキバナトサカを覗いてよく遭遇するのは、
ホソテンロクケボリやツマニケボリ🐚
刺激すると外套膜が剥けちゃってただのつんつるてんの貝になっちゃいます。
元に戻るまでじっと待ってはいられないので、観察・撮影時にはこの外套膜が全部剥けてしまわないよう注意して下さいね。
個性的な形をしたウミトサカのオオミナベトサカには、
しばしばクロマルケボリが付いています。
このようにウミウサギの仲間はある程度ホストが決まっているので、その辺を頭に入れておく事で自ずと、自身で発見して嬉しくなれるチャンスも増えていきます。
とても写真映えする上に、透視度の影響も受けない被写体なのでこれからはちょっと意識してみて下さいね。