グーグル・ニュースと戦う欧州新聞界 (2) 欧州出版委員会が仏の基金案は「不十分」と判断
「継続する、コンテンツの非認可の再利用と収益化の問題」の解決には満足ではない、という。
委員会のトップ、アンゲラ・ミルス・ウェイド氏は、声明文の中で、先の支援基金はオンラインの新聞に対して、「確固とした財政基盤を提供しない」、「ビジネスモデルを維持し、質の高いコンテンツに継続して投資するための、法的救済の仕組みを提供しない」と述べた。
委員会の参加国はオーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、イタリア、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国の14カ国で、フランスは入っていない。
ドイツでは現在、著作権法を改正し、国内の新聞社によるネット記事がグーグルニュースで使われる際に、何らかの金銭上の支払いが行われるよう、審議が進んでいる。
EPCは、この改正案がドイツで成立後、グーグルばかりではなく、ほかのニュース・アグリゲーションサイトにも適用されることを願っている。
テッククランチの報道によれば、欧州各国の出版社の間で、使用料金を支払わずにニュースを再利用するグーグルへの不満が高まっている。EPCの会長ピント・バルセマオ氏は、出身国ポルトガルの出版社インプレサの代表という立場から、すべての欧州の出版社にグーグルが利用料を払うべきだと発言しているという。
ドイツ新聞協会は既に、フランスのような基金設置案には同意しないと述べている。
グーグルによると、「デジタル出版イノベーション基金」は「フランスの読者のために、デジタル出版の開始を支援する」もので、「グーグルの広告テクノロジーを使って、フランスの出版社がオンライン収入を増やす」ように、協力関係を深めるという。
昨年12月には、グーグルによる記事利用をめぐり、ベルギー新聞界とグーグルが合意に達した。グーグルは記事を利用した際にベルギーの発行元や著者にお金の支払いはしないが、ベルギー側がそれまでの交渉に要した法律上の費用(500万ユーロ=約6億3000万円=といわれている)を負担し、発行元の媒体にグーグルが広告を出すことになった。