この記事でわかること
- 給湯器のサイズ(号数)の違いがわかる!
- 給湯器の最適な号数の選び方がわかる!
- 給湯器の号数の選びの注意点がわかる!
16号、20号、24号など給湯器のサイズを表す号数について
給湯器の号数は「水温+25℃のお湯が1分間に出る量」を表しています。号数が大きくなるにつれて多くのお湯を一度に使用できるため、給湯器の「給湯能力の目安」ともいえます。例えば、20号の給湯器では、1分間に20リットルのお湯を一度に出せるという訳です。
ただし、水温が低くなる冬場は、給湯能力が下がります。水温が15℃の場合、24号の給湯器を使うと40℃のお湯が1分間で24リットル使えます。しかし、水温が5℃の場合では、1分間で使えるお湯の量は約17リットルです。冬場に十分なお湯が確保できるかどうかは、給湯器の号数を選ぶ際の重要なポイントになります。
一般的に使われる家庭用の給湯器の号数は、16号や20号もしくは24号です。他にも、瞬間湯沸かし器と呼ばれる5号の小型給湯器や、16号より小さい10号、24号よりも大きな号数の給湯器も見られます。
家庭で使えるお湯を十分に確保して快適な生活を送るために、給湯器の号数は給湯器選びの重要な判断材料になります。号数の意味を理解して、利用状況に合った給湯器を選べるようにしましょう。
給湯器の号数による寸法の違いは?
給湯器の号数による寸法の違いは、ほぼありません。前述のとおり、号数は「給湯能力を表す数字」で、寸法そのものを表す訳ではないからです。給湯器の寸法は通常、商品ごとに決められています。したがって、同じ商品であれば号数が違っても、寸法は一緒なことが多いです。
たくさんのお湯が出せるからといって、給湯器が大きくなってしまうという心配はいりません。給湯器の大きさが気になる場合は、商品による寸法の違いを確認しましょう。
給湯器の号数によるガス代の違いは?
ガス代は使用したお湯の量によって異なるため、号数を大きくしただけで、ガス代が高くなる訳ではありません。ただし、号数が大きいほど1分間に出せるお湯の量が多くなるので、一度に大量のお湯を使ってしまう場合があり、結果的にガス代も高くなりがちです。
ちなみに、1人暮らしの方が16号と20号で同じ量のお湯を使っても、ガス代は同じです。あくまで「ガス代は、使うお湯の量に応じて変わる」と理解して、給湯器の号数を検討しましょう。
給湯器の号数の見方
給湯器の号数についてはご理解いただけたと思いますが、現在使用中の給湯器の号数は何号なのでしょうか。
一部の給湯器を除き、基本的な確認の方法は簡単です。
給湯器の前面パネルには、上記の写真のようなラベルが貼られており、○印の数字部分が号数を表しています。
写真の場合は16号で、この部分が20になっていれば20号、24であれば24号です。
給湯器が外から見えている状態で設置されていれば、このラベルを目視して確認することができます。
しかし、マンションの階段付近に設置されるPS扉内設置といわれる給湯器の場合、ビス止めされた扉の中に本体が設置されているので確認が難しいです。
扉は金属製で重く非常に開けづらいので、ケガや共用部への傷を避けるためにも業者に確認してもらうのがよいでしょう。
給湯器の号数を選ぶポイント
給湯器の号数を選ぶポイントは、以下の2つです。
- 家族構成(同時使用の数)
- 冬場に必要とするお湯の量
適切な号数を選んで、快適な生活を送るための参考にしましょう。
家族構成(同時使用の数)
通常、その家に住む人が増えれば増えるほど、使用するお湯の量も多くなります。
一緒に生活するご家族の人数に合わせて、使用する給湯器の号数を選ぶことで、ストレスなく、快適に生活できます。
号数ごとの適切な使用人数を確認し、ご自身のご家庭に必要な最低号数を把握しておきましょう。
16号
16号は1〜2人世帯に適しています。
単身世帯では1度に使う湯量が限られるので不自由はないでしょう。
しかし、冬場にたっぷりのシャワーを浴びたい場合や、2人暮らしで複数同時にお湯を使用する場合は、キャパオーバーになる可能性があります。
20号
20号は2〜3人世帯に適しています。
ご夫婦お2人暮らしのご家庭では、一度に使用するお湯は多くないので、20号あれば快適に生活できます。
シャワー、台所、洗面所の3箇所で、3人同時に使用すると能力を超えてしまうので控えた方がよいでしょう。
24号
24号は3〜5人世帯に適しています。
基本的に家庭でお湯を使う箇所は、浴室、台所、洗面所の3箇所ですが、全ての設備でお湯を使っても不自由ありません。
少人数のご家族であっても、お湯を沢山使うご家庭なのであれば、想定より一つ上の号数を選ぶのもひとつです。
冬場に必要とするお湯の量
複数箇所でお湯を使った場合の計算です。
- 冬場の水温が5℃で、42℃のシャワーを1分間に12ℓ浴びていると…
12ℓ=(号数×25)÷(42℃−5℃)→17.8号の能力が必要 - 台所で35度のお湯を1分間に4ℓ使っていると…
4ℓ=(号数×25)÷(35℃−5℃)→4.8号の能力が必要
上記の状況では、シャワーで17.8号、台所で4.8号使用していることになります。
つまり、この瞬間に必要とされる給湯器の能力は22.6号となるので20号以下の給湯器では対応できない計算となります。
また、給湯器の号数=「給湯器の能力」でも簡単に触れましたが、給湯器が作るお湯は水温プラス25℃なので、水温が下がる冬場は給湯能力が低下します。
号数選びの際は、冬場に必要なお湯の量を基準にしましょう。
給湯器の号数アップ・号数ダウンについて
給湯器の号数を上げ下げする際に注意したいポイントは、以下の4つです。
- 16号からの号数アップは追加工事が必要になる
- 号数を下げる場合は生活習慣を再確認
- 集合住宅では管理規約で禁止されている場合がある
- 経年劣化による買い替えは同じ号数がスムーズ
給湯器の変更に失敗しないように、要点を把握しておきましょう。
16号からの号数アップは追加工事が必要になる
16号の給湯器を使用している場合、給湯器の号数を上げるには、通常の工事に加えて配管工事が必要です注)。16号の給湯器は細い配管を使用しているため、20号や24号の給湯器を使うには、太い配管への変更が必要になる場合があります。
注)逆に20号や24号から16号に号数を下げる場合も、配管工事が求められます。また、20号から24号への変更でも、給湯器の設置状況などによっては、通常の工事が難しい場合もあります。
追加工事が必要になると、給湯器交換にかかる費用が高くなりがちです。工事が難しい場合もあるので、号数変更を検討する前に「工事が可能かどうか」確認しておきましょう。
号数を下げる場合は生活習慣を再確認
号数が小さいほど1分間に使える湯量は少なくなるため、号数を下げる場合は、生活に必要なお湯が確保できるかどうかを確認することが大切です。
例えば、一人暮らしでも風呂のお湯はりと食器洗いを同時に行うなど、給湯器の同時使用が想定される場合があります。16号では水の勢いや温度でストレスを感じるかもしれません。他にも号数を下げるケースでは、子どもが一人立ちして同居人数が減る場合などが想定されます。
また、前述のように号数を下げたからといって、使うお湯の量が変わらなければ、ガス代が安くなる訳ではありません。号数の変更を検討する際は、生活が不便にならないよう、ライフスタイルに照らし合わせて吟味することが肝心です。
集合住宅では管理規約で禁止されている場合がある
マンションなどの集合住宅では、管理規約で給湯器の号数変更が禁止されている場合があります。集合住宅で号数を変更する際は、事前に管理会社に確認するようにしましょう。
マンションで号数の変更が禁止されている理由としては、給湯器の号数を上げてしまうと、マンション全体のガス供給が不足してしまう点が挙げられます。他の居住者に迷惑をかけないためにも、管理会社への確認は必須です。
また、マンションの玄関横や廊下にある扉内に給湯器を設置したPS(パイプシャフト)タイプの給湯器は、号数アップの際に扉の加工が必要な場合があります。トラブルを避けるためにも、管理規約に記載がない場合でも、管理会社に確認するのがおすすめです。
経年劣化による買い替えは同じ号数がスムーズ
経年劣化によりどうしても給湯器の変更が必要な場合は、同じ号数にすれば安心です。主な理由は、以下のとおりです。
- 給湯器の号数変更には追加工事が必要な場合がある
- マンションなどの集合住宅では、号数変更が禁止されている場合がある
- 無駄な出費がかさむ可能性がある
追加工事を行うと、出費がかさむ可能性が生じます。また、号数変更にともなう工事や管理会社への確認作業などで、必要以上に時間がかかる場合もあります。
ライフスタイルや家族構成が特に変わる状況でなければ、従来と同じ号数の給湯器にした方が、スムーズな交換が可能です。
東京ガスおすすめの給湯器
「東京ガスの機器交換」が推奨する給湯器は、下表の4つです。どのメーカーを選ぶにしても、省エネタイプの給湯器をおすすめしています。
給湯器名 | イメージ図 | おすすめのポイント |
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省エネタイプの給湯器である「エコジョーズ」は、従来型の給湯器と比較して、ガス使用量を抑えることができます。ガス代が安くなるため、長期的な使用を考慮すると、経済的なメリットが得られます。初期費用はエコジョーズの方が高くなりますが、約10年の耐用年数を踏まえると、初期費用分の差額は回収可能な場合が多いです。
メーカーによって機能に差はほとんどありません。希望のメーカーを選ぶ場合は、細かな機能の違いや給湯器のデザインを参考にしましょう。
おうちの機器なら、東京ガスの機器交換!
給湯器の耐用年数注)は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。
給湯器の交換費用は20万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、一回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。
注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。