それで、「リアリズム」について、いろいろ考えさせられました。
今、進行中のウクライナ戦争とかも含めて。
で、
今回は、今の日本の「リアリズム」についてです。
ウクライナ戦争のあと、大国中国に対峙する日本はどうすべきか、具体的には中国の台湾侵攻時にどうすべきか、というリアリズムについてです。
中国軍の兵力は204万人で世界最大規模(ちなみにロシア軍は開戦前は90万人程度)。一方の台湾の総兵力は17万人で、日本の自衛隊は約24万人なのだそうです。台湾と日本を合わせても、中国軍の規模におよびません。
しかしながら、日本とアメリカには、日米安全保障条約があり、アメリカには日本防衛の義務が課されています。最近では、安倍首相の提唱により、日米豪印戦略対話(略称:Quad(クアッド)、戦略的同盟を形成する日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国間における会談)が始められました。
これらの連携により、日本の安全保障が保たれています。そして、この均衡が崩れると、中国は、台湾を含めた太平洋への侵略を加速するものと思われます。
また、2015年に、日本において「平和安全法制」が整備されました。
※平和安全法制:「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」(平和安全法制整備法案)は、自衛隊法、周辺事態法、船舶検査活動法、国連PKO協力法等の改正による自衛隊の役割拡大(在外邦人等の保護措置、米軍等の部隊の武器保護のための武器使用、米軍に対する物品役務の提供、「重要影響事態」への対処等)と、「存立危機事態」への対処に関する法制の整備を内容とする。
ウクライナで繰り広げられている戦争を誰も望んでいません。
戦争はしてはいけない、ということはそのとおりです。
でも、その平和を実現するために、また、万が一に侵略を受けた場合に対処する方法を考えて、あらかじめ準備しておくことは非常に大事だと思います。
それが、今の日本の「リアリズム」であると思うし、もっともっと、このリアリズムを突き詰めてゆくべきかと思っています。
政治の領域で言えば、そのリアリズムがあるのは、かろうじて自民党であって、ほかの野党、特に立憲民主党や社民党などには、そのかけらも感じません。
その結果、国会での議論は、ちぐはぐとなり、健全な民主主義が損なわれてきているように思えるのです。
「坂の上の雲」の著者の司馬遼太郎は、戦争を経験していて、次のように述べています。
・・・いったい日本とは何だろうということを、最初に考えさせられたのは、ノモンハン事件でした。昭和14年(1939年)、私が中学の時でした。こんなばかな戦争をする国は、世界中にもないと思うのです。ノモンハンには実際に行ったことはありません。その後に入った戦車連隊が、ノモンハン事件に参加していました。いったい、こういうばかなことをやる国は何なのだろうかということが、日本とは何か、日本人とは何か、ということの最初の疑問となりました。・・・— 「昭和」という国家より。
日本と言う国が平和的に存続するためには、どうすべきなのか、感情的ではなく、
やはり、冷徹な「リアリズム」による思考が大事なのだと思います。
リアリズム(2)(終わり)