YouTubeとかInstagramに流れてくる
ナースの転職エージェントのCM
若い女性看護師が
仕事に疲れた疲れた言って
友達から教えてもらったココに登録したら
夜勤なしで年収600万、て
ブランドバッグ持ってテーマパークで遊んでるのとか
はぁ
その若さで特に何の取り柄もなく
夜勤なしでいきなり初年度から600万てまぁ無い
在宅ケアで認定資格とかあれば
いけるかも
でなければ
「訪問看護の件数頑張って
目指せます」が
せいぜい
あなたそれ騙されますから
「嘘じゃないです、目指せますし
認定さんで実際そういう方います」
『…え?
じゃあ3年目で認定も持ってない私は?』
結局夜勤やるんかーい、てなったり
「あなたのご経験だと税込み450万がギリギリですねー
いま人口が減ってますので病院はどこも
厳しいんですよねー」
東京都心のブランド病院の採用情報を見ても
載ってないでしょう
じゃあなんでエージェントのCMでは見かけるのか
CMだからですイメージね、イメージ
あと600万て額面(税込)だから
実際は500万ないぐらいの手取り
税込で600万貰うようになったのって
何年目ぐらいだったかなぁ
乗ったらそこからまたジワーとしか増えないんだけど
とりあえず割と若いうちに到達した
でも夜勤やらない部署にいた時は
残業もない所だったから
100万ぐらい普通に下がった
それぐらい看護師の基本給は安い
夜勤と残業で成り立っている
そしてねぇ、額面で600万貰ったぐらいじゃ
コンビニでおにぎりが180円もする時代
全然ラクなんかできない
昔は110円でしたよツナマヨ...
ってことは110円時代から換算すると
960万ぐらいないとおかしいんだけど
(結局そのレンジって税金がすごいし)
…しーん
どーなんってんすか
最低賃金ばっか上げてないで
固定給を上げてくださいよ
特定層から税金取り過ぎなんですよ
えげつない国ですよ本当に
エージェントていうのは紹介した人材が
めでたく入職して何ヶ月か定着したら
紹介料として病院から
「その人の年収の20%ぐらいの
マージンを取る」というシステム
ブランド病院には
エージェントなど通さなくても直接応募で
人を集めるチカラがあるし
直接応募してくる人ってことは
それだけ腕に覚えがあって
そこに行きたい動機が明確
エージェントが双方に都合の良いことを言って
やりとりするプロセスを踏まないでも
乗り込んでいけるだけの猛者
「ここで働かせてください!」
「ここで働きたいんです!」
千と千尋状態になってしまったけど
やりたいことや学びたいことが明確
反対に、エージェントを通す、ということは
どこで働きたいという明確な志望はなく
「今の病院が嫌だから転職したい」
「とりあえず辞めてラクなとこ行きたい」
「給与がいいところで働きたい」
「合わなければすぐ辞めよう」
「もっとのんびり働きたい」という
「忙しすぎることによって継続が難しく
転職をすることが目的」になっている人が多い
あと働きながらの転職活動だと便利ではある
色々調べてくれるから
(だけど「人間関係が良いかどうか」を
紹介会社に聞いても意味がない
そんなの部署に1人悪玉がいたらひっくり返るわけで
要は「看護部が悪玉に対して修正の介入をしているか」
部長が部署のことをどれだけ
正しく把握しているか
その結果が人間関係につながってくるので
最初に「あの病院は人間関係良いです」
っていうのは無意味)
居住型のホームで訪問看護というテイで
ナースコールで呼ばれたら「訪問した」
ということでコストを取る不正請求とか
問題になりましたけど、そういうとこだったり
いまだに普通に求人で案内ありますからね
紹介会社からは「初年度はそこまでは無理だけど
600目指せます」とか言われてね
いや不正請求でニュースになってましたよね、て
あと「のんびり働きたい」っていうのは無理です
面接で「患者さんとじっくり向き合って」て言い換えても無駄
のんびり働けて稼げる医療業界は無い気の毒だけど、
無い日本の人口バランスはもうおかしいでしょ
学生時代全ての基礎科目でさんざん見ましたよねあの図表
出生率が減り続けて高齢者が増え続けて
医療費がものすごく膨れ上がってて、
この医療費どこから回収するんだよっていう
若者が減り続けている国
移民を受け入れて働いてもらいましょう
外国人が働けなくなったら生活保護を(以下自粛
国はこの医療費を何とかして減らしたいんですよ
もう診療報酬どんどん厳しくしている
病院組織は看護必要度で7:1を配置するのが大変すぎる
そして時代は超高齢社会
例ですけど90才の認知症の患者に全身麻酔かけて
人工肛門造るんですよ
いや本人が剥がしちゃうだろ、っていうのに
手術で急性期(しばらくね、しばらく)
落ち着いてきたら急性期には居られないので
後方ベッドの病院へ移りましょう
「あっ、私そういう慢性期の病院が良い!
ちょっとゆっくりできそう!」
何言ってるだアンタ、
慢性期で10:1とか15:1とか
約束ができない認知症の患者さんたちを看るんですよ
それなのに「じっくり」「のんびり」って
「またストマバッグ剥がして便まみれになってる!」
絶望
「慢性期ならのんびりできると思ったのに」ってなるでしょ
急性期の忙しさとは全然違う忙しさが待っている
日本ではもう「のんびりした働き方」はもう無理なんです
600万ー!こんなはずではー!!ってなる末路
ここで唐突にツケモノの履歴を抜粋
①新卒で付属の大学病院本院外科系に就職
1200床ぐらいある巨大病院で
馬車馬のようにめちゃくちゃ働く
忙しすぎていつも眠くて眠くて食事より寝てばかり
どんどん痩せてパーマをかけると髪が傷んで
色が黄色く抜けていきとろろ昆布のように伸びる髪になる
身体が軽くてよく動ける、ぐらいに
健康の認識が歪んでいた時代
②5年目の時に小さい病院に転職
親の海外転勤に伴い実家に戻る
大学の講師の先生が顧問で関わっていた
150床ぐらいの東京都下の病院で働く
愛人疑惑をかけられて給与明細を開けられるという
衝撃的な事件もあった(嫌ーねー、看護師って)
働きながら「学習する環境にない」ことに
薄々気づき、漠然とした不安を感じる
1年後、先生が海外留学すると聞いて
「では私もお世話になりました」と
風呂敷をまとめる
③6年目で実家のある市内の急性期病院に転職
パワハラ師長とか支離滅裂師長とかを経験し
(戦う知恵がなく乗り越えてしまった後悔)
何年目かでめちゃくちゃ尊敬する師長と看護部長に出会う
ここで成人の学習ってこういうことだったんだな
(当時はまだあまり理解していなかった)という体験を積む
その後いろいろまたあるのだけど
なんだかんだで現在に至る
よくキャリアプランがーとか
キャリアを積んでーとか言うけど
看護師のキャリアってなんだと考えた時に
「看護の視点や体験が影響しながら、
学びを得て生きていくこと」と私は解釈している
だからね、病院選びは大事
(転職しておいてなんですけど)
学習できる環境に自分の身を置いて
「こういうことか」って納得しながら
必然的に学習する人になっていく、って大事
変化する時代に柔軟に対応できるように
やるべきことを見誤らないように
適切な情報収集と分析と信頼できる仲間と
価値の共有を安心してできる環境
院内の学習会だけじゃなくて
ちゃんとプロバイダーを取得して
他所の組織でも「あれ取ってるんですね」
っていう資格を取っておくとか
学習のために有休が習得できるとか
出張で行かせてくれるとかも大事
学んだことを実践させてもらえる組織、大事
専門学校卒でも短大卒でも在職中に学位取っておけば
だいたいの病院では大卒と同じ給与になるから
3年制の卒業生はそこも勉強しておけ
絶対役に立つから
脱毛クリニックに行く人については
もはや言及しない
脱毛はちょっと昔は30万かかったのに
最近では全身やっても18万ぐらい
もっと直近だと6・7万ぐらいで出来てしまう
(自由診療の中でもレーザーは価格競争が激しい)
ってことは、スタッフが受け取る額も
...推して知るべし
600万ー!! どこいった
「夜勤しないで600万」 ドコいったー!
あ、でも一つ絶対言えるのは
パワハラを無理に我慢する必要はないですだから「2年を限度に生活のために脱毛で働いて休もう」
とか、そういう働き方もあって良いと思う
そう思うと、交換留学じゃないけど
他所の病院組織と半年ぐらい交換してみて
「自分がどういう環境にいるか」を自覚できるような
システムがあってもいいような気がする
ラクだけどこのままここにいたらヤバいな、とか
ここで必要のない苦労をすることはないな、とか
もっとこういうスキルを身に付けておいたほうが良いなとか
採用されてる物品とか使用方法とか
「ウチってすごい恵まれてたわ」と思うことや
「なんとなくやっていたんじゃダメなんだ」と自覚したり
やっぱり現在の自分を知って方向性を見極めるって
大事なんじゃないのかしらね、と思うこの頃。
posted by ryang at 22:12|
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